[完結]師匠はヤムチャ!突然来たドラゴンボールの世界 作:ゆーこー
スポポビッチ達を追跡していた俺達は、とある岩の多い山に降りたスポポビッチ達を物陰から隠れてみていた。小さくて黄色い生き物に先程孫悟飯の気を奪い取った入れ物を渡した。
この黄色い奴こそ魔導師バビディ、横にいるのは魔界の王ダーブラとプイプイ。その後ろには不自然に建っている小さい建物があった。用の済んだスポポビッチとヤムーはその場で殺されてしまった。現地調達の兵士だったとはいえ、無惨なものだ。
気を消していた筈の俺達にダーブラは気づいていた。俺はその瞬間後ろから迫るひとつのの小さい気とひとつの大きめの気を感じていた。この気はコウとホーディッシュか!何故ここに来た!
ダーブラは二人の気配に気付き、始末しようと飛び立ったところ隠れていたこちらに気付いてしまった。
攻撃目標をこちらに変えたダーブラの吐き出した唾を受けたピッコロは石化した。
ダーブラを子供達の方には行かせまいと、咄嗟に飛び出した俺はダーブラにオーバーヘッドキックの形で蹴りをかまし、ダーブラは建物の横にまで吹き飛ばされた。
ダーブラはそのまま建物の中に逃げ込んだ。
「父さん、今のは?」
コウとホーディッシュが俺達と合流した。
俺は状況を説明する前に説教をした。
「何故母さんのところにいなかった!これから俺達がすることは危険なことなんだ!今すぐ皆のところに戻れ!」
「あたしゃ知ってんだよ!悟飯さんは五歳の時から戦ってたって!だからいいでしょ?」
ホーディッシュが横から口を挟む、なるほどそれでコウも便乗して来たのか。
ううむ、次世代を考えるのも大事だし…
「わかった、お前らも来て良い。だがな、あくまで保護者有りで許すってことだからな。俺とギニューから離れるなよ」
「へへっ、さすがライアおじさん。話がわかんじゃねぇか」
「父さん、ごめんなさい」
結局二人を加え、ピッコロを抜いた七人でバビディの拠点に向かった。
最初の部屋には先程ダーブラと共にいたプイプイが待ち構えていた。
プイプイの戦闘力なら正直ホーディッシュでも相手取れるが。
ホーディッシュの方に視線を向けると目をキラキラさせてこちらを見つめていた。
「はぁ、わかったよ。ホーディッシュ、やってこい」
「よっしゃーー!そうこなくっちゃ!」
コウは地力が不安要素だからな、大丈夫だとは思うが万が一のことを考えると一人で戦わせられない。
ホーディッシュはプイプイをあっさり倒した。
始めに右腕を折った後にその使えなくなった無抵抗な右腕を掴んで地面に投げつけ、背骨を粉砕させたのだ。
全く、純粋サイヤ人の闘争心は恐ろしいぜ。
次の部屋に移動した。今度は緑色の怪物ヤコンだ。
俺はここで戦うことにした。
戦闘開始直後に回りが暗くなった。これがヤコンの生まれ故郷である。俺はライト代わりに繰気弾を出した。
気は感知出来ているからいつでも倒せるのだが、俺なりに遊んでみようと思った。
突如、繰気弾が何かに引っ張られ始めた。試しに繰気弾を手元に戻そうとするも繰気弾は戻ってこなかった。
繰気弾が消える瞬間、ヤコンの口が見えた。さて、ヤコンは確か超サイヤ人の光を最高と言っていたな、繰気弾のお味はどうだ?
「今の光、変な味と食感だったぜ。癖になる味わいだ」
「ほーう、ならたんと食わせてやるよ」
俺は立て続けに繰気弾を食わせた。
三つ四つ…九つ、そして最後に特大サイズのだ。
十個めの繰気弾は、ヤコンの口に入ってから吸収されるまでの僅かな瞬間に爆発した。
「どうだ?繰気爆弾のお味は、インパクトがあるだろ?」
ヤコンは既に死んでいた。
う~ん、戦いのお遊びってのはあまり面白くないものだ。
俺の性に合わないな。
「さて、次の階に行きましょうか」
皆の方を向くと、コウの顔だけが妙に暗かった。