仮面ライダードライブ&ウィザード Hope is Your Engine 作:瑛松
『面影堂』
晴人が居候している骨董品店であり、共にファントムと戦った晴人の仲間達が集う場所、言い方を変えれば『拠点』である。
晴人と凛子は店の前にバイクと車を停める。
「お二人さ〜ん、着いたよ〜」
窓をノックしながら晴人は到着を知らせるが、降りる気配がない。しょうがないので、車のドアを開けた。
「どうかし「しつこいですよ、泊さん!言ってないったら言ってないんです!」……………」
どうやら2人はまだ、言い合いに夢中なようだ。
「お前も強情だなぁ。俺は確かに聞いたんだよ!」
「証拠があるんですか!?証拠が!」
名前で呼んだか否かでここまで白熱するのだろうか。
「晴人く〜ん」
「どうしたの?凛子ちゃん」
すると運転席から、ウンザリしているような顔をした凛子が降りてきた。
「ここに着くまでずっとああなのよ、あの2人。もう、正直うるさくて………」
「はははっ………ファントムに襲われてこんなに元気なんて、すげぇな」
晴人が半分感心、半分呆れて言うと進之介がこちらに気付き、
「なぁ、操真さん!アンタも聞いたよな!?コイツが『進之介さん』って言うの」
「聞いてませんよね!?操真さん!」
霧子も凄い見幕で迫ってくる。
「いや、あの………取り敢えず中、入んない?」
「へ?」
「え?」
さすが夫婦と言うべきか、2人は同時に気の抜けた返事をした。そして車が停まっており、目的地に着いた事に気付いた。
「あぁ、すいません!」
「ご、ごめんなさい!こんな事で待たせちゃって………」
「いいんですよ。夫婦なんですから、喧嘩の一つや二つありますよ」
「そうそう、喧嘩するほど仲が良いって言うしね」
そう言って晴人は面影堂のドアを開け、ドアのベルがカランカランと鳴るのを聞きながら、店内に入る。
「おぉ、お帰り晴人。凛子ちゃんも、いらっしゃい」
「ただいま、おっちゃん」
「ご無沙汰してます」
座っていた椅子から立ち上がり、晴人を出迎えた初老の男性は『輪島繁』 ここ面影堂の店主であり、晴人にとっては父親の様な存在である。彼の言葉で、晴人は何度も背中を押されてきた。
「おかえりなさい!晴人さん!」
「よぉ、瞬平。どうだ?指輪作りの方は」
奥から出てきたのは『奈良瞬平』 以前晴人がファントムから助けた青年であり、以来自称『魔法使いの助手』として晴人と行動を共にしていた仲間である。
「いやぁ〜、これがなかなか…………あれ以来全然作れないんですよ」
指輪とは、晴人が魔法を使う際に使う魔法の指輪『ウィザードリング』のことだ。瞬平はある人の弟子となり、指輪を作ることで、晴人の力になろうとしていた。
では誰の弟子になったかと言うと、
「何だ〜?それじゃまるで俺の教え方が悪いみたいじゃないか」
「ちょっ!イヤイヤイヤ!そんなことないですよぉ〜。輪島さんのおかげで、『あの指輪』も出来たんですから〜」
今、瞬平に椅子に座らされて肩を揉まれてる輪島である。晴人が持っている指輪のほぼ全ては、輪島によって作られたのだ。
ちなみに『あの指輪』というのは、以前瞬平が初めて作った『チチンプイプイウィザードリング』である。ふざけた名前と思うかもしれないが、これによって晴人は強大な敵を倒すことが出来た。だがそれ以来、瞬平の指輪作りは行き詰まっているようだ。
「ハイハイ!話はそのくらいにして、お二人とも入って下さい」
凛子が手をパンパンと叩き進之介と霧子を店内に入れた。
「そちらの2人は?お客さん……じゃなさそうだな」
「あっ!まさか…………」
瞬平は大袈裟なリアクションで夫婦を指さす。
「あぁ、ファントムに襲われてた」
「それじゃ、『ゲート』ってことか?」
「いや、それはまだ分かんないから、話を聞こうと思うんだけど……旦那さんの方がちょっと怪我してんだ」
「おぉ、そりゃ大変だ!ささっ、どうぞ座って座って」
「あっ、すいません」
進之介を椅子に座らせ、輪島は救急箱を取ってきた。
「手当てなら私が」
傷の手当ては霧子が行った。
「イテテッ!」
「我慢して下さい、これぐらい」
「お前なぁ……一応お前を守ってこうなったんだぞ」
「そ、それは………すいません………」
「あ〜、もういいって」
(やっぱ仲いいじゃん)
晴人は2人のやり取りを見てそう思った。
手当が終わり、ひとまず落ち着くと、
「そろそろ、説明してもいいかな?」
晴人が口を開いた。
「あっ、お願いします。あの怪物…ファントムでしたっけ?アレは何なんです?なんで俺たちを……それに、操真さんが変身したのは…………」
「まぁまぁ、落ち着いて。まず、世の中には、『ゲート』っていう生まれつき魔力の高い人間がいるんだ。その魔力から生まれたのが、『ファントム』。ファントムは仲間を増やすためにゲートを絶望させようとする」
「「絶望?」」
「例えば、大切にしてる物を壊したりとか、大切な人を傷つけたりして………そうしてゲートが絶望すると、姿も記憶も希望も……命も全て奪ってファントムが生まれる」
「全てを………」
霧子がファントムの恐ろしさを思い知らされる中、
「繋がった………つまり、霧子がそのゲートってことか………」
「「「「えっ!?」」」」
進之介はそんなことを言ったので、晴人も凛子も瞬平も輪島も驚きの声を上げる。
「いや、あのハルピュイアってファントム、霧子に『絶望しろ』とか、『新しいファントムを生み出せ』とか言ってましたし………操真さん、ゲートが死んだ場合、ファントムは生まれるんですか?」
「いや、ゲートが死んだら、もうファントムは生まれないけど」
「ハルピュイアの手下の鬼みたいな奴らは、俺を遠慮なく攻撃して、殺そうとしたのに、霧子は捕まえて拘束しただけ………ってことはゲートは霧子の方ってことじゃないんですか?」
至極もっともだった。それ故に、晴人は不思議だった。
「えっ?いや、多分合ってると思うけど………信じるの?ゲートとか、絶望したらファントムになるとか…………自分で言っといて何だけどさ」
晴人は、進之介が妙にこうした事態に慣れている様に感じ、聞いた。
「まぁ、目の前でファントムを見て、実際に襲われた訳ですし、信じるしか………」
進之介は当然のように答えた。
と、そこで
「あぁー!!」
凛子が突然叫ぶので、皆が一瞬怯んでしまった。
「ちょっ、どうしたの凛子ちゃん?」
「こ、この人………あの『仮面ライダー』よ!」
「へ?」
「だから!久留間市で1年間戦ってきた、『仮面ライダードライブ』なのよ!ほらっ!」
そう言って凛子はスマートフォンでネットニュースを見せた。確かにそこには、『都市伝説の仮面ライダーの正体は、警察官!?』という見出しと、泊進之介の顔写真があった。
晴人、瞬平、輪島はスマートフォンの画面と今この場にいる進之介を交互に見比べ、
「「「えぇーーーーー!!」」」
ガラスが割れるのではないかと思うほどの声を発した。
◇
とあるカフェテラス。そこでハルピュイアは紅茶を飲んでいた。人間の姿をしているため、道行く人は、まさかこの女性が人を絶望させる化け物だとは思わない。
その後ろ、ハルピュイアの背後の席に、白いコートを着た男が座った。体格は良く、身長も190cmはあるだろう。
コートだけではなく、ズボンも、目元を隠すほど深く被っている帽子も、全身白で統一されている男は、近寄りがたい、威圧的な空気を発していた。
「ゲートを絶望させろって言ったはずなんだがな。こんな所で茶を楽しめなんて言った覚えはねぇぜ」
突然男は誰かに話しかけた。
「申し訳ありません。邪魔が入りまして」
すると、背中を向けたまま、ハルピュイアが答えた。口調から察するに、男はハルピュイアよりも上の立場なのだろう。
「邪魔?」
「『指輪の魔法使い』…………『ウィザード』です」
ハルピュイアの言葉を聞いた瞬間、男はハルピュイアの方を少し向いたが、
「いらっしゃいませ、ご注文はお決まりでしょうか?」
「…………………コーヒーを頼む」
店員が話しかけてきたので、ひとまず注文をした。
しばらくすると、店員がコーヒーを持ってきた。
「そうか、やはり出てきたか…………」
男はコーヒーを一口飲み、話を続けた。
「だが、テメェのやる事は変わらないんじゃあないのか?」
「もちろんです。ですが、一応報告した方が良いかと思いまして」
「ふんっ、………………にしても」
そう言って上を見上げた男の頭上には、電線に止まり、こちらを見下ろす鳥がいた。
それも数羽ではない。100羽を軽く超えるのではと思える程の、種類も様々な鳥達は、ただ黙ってこちらを見ていた。
「チンケな能力だな」
そんな異常な光景には動じずにそう言うと、男は再びコーヒーを飲む。
「いえ、彼らも案外、使えるのですよ?」
そう言うとハルピュイアは立ち上がり、手をパンパン、と叩いた。
すると、頭上の鳥達が一斉に飛び出した。それを見届け、その場を後にしようとするが、
「言っとくが」
男の言葉に足を止める。
「『成功』以外の報告はいらねぇからな」
「………分かっています。必ずや」
振り返らずに答えると、ハルピュイアはそのまま歩き出した。
「…やれやれだ。魔法使いがいるとなると、期待できそうにないな」
男は1人そう呟いた。
◇
『姉ちゃん!ホントに大丈夫なの!?』
「大丈夫よ、操真さんもいるし、進……泊さんもいるし」
今、霧子が電話している相手は『詩島剛』 霧子の弟である。現在はとある理由で旅をしているのだが、丁度今日、日本に帰って来ている。
彼に電話したのは警告するためだ。ハルピュイアが進之介を狙ったとなれば、弟である剛を狙う可能性も高い。そのため注意するようにと、こうして電話しているのだが
『ならいいんだけどさ………………てか姉ちゃん、まだ進兄さんのこと苗字で呼んでんの?』
「なっ!何よあなたまで。今それは関係ないでしょう!?」
『いやいや、けっこう重要だって。結婚したんだからさぁ、名前で呼んであげたら?進兄さんも喜ぶでしょ』
「………そんなことで泊さんが喜ぶとは思えないんだけど」
話が脱線してしまっている。周りの人間には何を話しているか分からないが、それだけは分かった。
『そんなことないでしょ〜。じゃあ何で進兄さんは、姉ちゃんが名前で呼んだかどうかでムキになるんだと思う?』
「そ、それは確かに…………って、何で剛がそれを知ってるのよ!』
霧子には、剛の前でそういう類の言い合いを見せた記憶がない。
『いやさ、たまに進兄さんから相談されるんだよ。いつになったら名前で呼ばれるのかなって』
「じょ、冗談は止めなさい!とにかく!くれぐれも気を付けなさいよ。じゃ」
『あ、ちょっと待っ』
霧子は無理やり話を終わらせ、電話を切った。伝えたいことは伝えたので、問題はないが。
「どうしたんですか?何か怒ってません?」
どう見ても怒っている霧子を見て瞬平は心配そうに尋ねるが、
「何でもありません」
「えっ?あっ、そうですか……………」
何事も無かったかのような、済ました顔で否定されたので、彼は引き下がるしか無かった。
「あっ!そう言えばまだ途中だった」
晴人は突然そう言うと、右手の指輪を変え、バックルにかざした。
現れた魔法陣に右手を突っ込み、魔法陣から手を抜くと、その手には紙袋が握られていた。先ほど、晴人が信号機の上に置いて来た紙袋だ。
「…………ホントに魔法使いなんですね」
進之介は、晴人が平然とやった魔法を見て、呟いた。
「でもでも!進之介さんも、仮面ライダーなんですよね!」
「いや、でも今は、変身出来ませんし…………」
「えぇ!?何でですか?」
「…………俺が、俺達が戦った、ロイミュードって言う敵は、俺達の装備じゃないと倒せなかったんです。全て倒した今、その装備は人間の手には余るということで、封印されたんですよ」
「へぇ〜何かスゲェ話だなっ………て…………」
紙袋に手を入れた晴人は違和感を感じ、袋を見た。すると、
「あぁーーーーーーーーーーーーーー!」
「ちょっ、どうしたのよ晴人くん」
「オレの………オレのプレーンシュガーが……」
晴人が凛子に見せた、『はんぐり〜』と言う店の名前が書かれた紙袋は、下の部分にも穴が開いており、紙の筒と化していた。そして中身は、
「無い…………何で…………」
完全に無くなっていた。破片一つ残っていない。
「そりゃぁ、街中に置いてたらなぁ、誰かが食べても不思議じゃないだろう」
「いや、でもこの袋の破れ方は、動物とかじゃないですか?」
進之介の言う通り、人が破った様には見えない、滅茶苦茶な穴だった。
「じゃあ鳥かなぁ。信号の上に置いてたし」
「っ!晴人くん、また信号の上に座ってたの!?止めてって言ったじゃない。私が木崎さんに怒られるんだから〜!」
「あっ、ゴメンゴメン」
そんな奇妙な会話が繰り広げられる面影堂に、プラモンスター達が帰ってきた。ガルーダがドアを開け、4体とも中に入る。
「おっ、帰って来た。見つかっ………」
その後に続いて、大量の鳥が入って来た。
「えぇ!」
「ちょっ!何よコレ!?」
「ガルーダが……うわっ、友達でも連れてきたんじゃ……イテテ、ないんですか?」
「いや、いくら何でもこの数はおかしいだろ!」
晴人の言う通り、鳥の数は視界が効かない程だった。
しばらくすると、鳥は全て店から出て行った。床には羽根が大量に落ちていた。
「何だったんだ?…………一体」
輪島の問いに答えられる者はいない。突然の出来事に、皆混乱していた。
「霧子、大丈夫か?………………霧子?」
進之介は霧子の無事を確認するが、隣に座っていたはずの霧子がいない。
「霧子!?どこ行ったんだ?」
「奥に逃げたんじゃ…………」
凛子の言葉を聞き、瞬平が店の奥に確認しに行く。
「どこにもいません!」
「………………まさか!」
突然晴人は面影堂を駆け出て、素早くバイクにまたがる。
「晴人さん!どこ行くんですか?」
「さっきの鳥を追う!」
それだけ言うと、晴人はマシンウィンガーを発進させる。
「私たちも行きましょう!」
「ハッ、ハイ!」
「俺も行きます!」
凛子、瞬平、進之介も後を追う。
◇
「…………………来ましたね」
街中の広場で、人間の姿をしたハルピュイアは空を見上げる。そこには鳥の塊があった。互いの翼が当たることもかまわず、そのままハルピュイアの元に降下する。
「ご苦労様です」
地面スレスレまで降下した後、鳥は散り散りになった。
「きゃっ!」
そしてそこには、霧子が倒れた。何と鳥たちは、霧子を抱えて飛んで来たのだ。
「手荒な事をして申し訳ありません。ですが、こうでもしないと連れ出せませんので」
お辞儀をして詫びるハルピュイアを、霧子は警戒していた。丁寧な印象でも、怪物なのだ。
「そんな怖い顔をなさらないで下さい。せっかくの美人なのですから」
「ファントムに褒められても嬉しくありません」
霧子は様子を伺っていた。自分に攻撃しないことは分かっている。隙を見て逃げなければ、と考えていた。
ブォォォォン!
そこにやかましい音を響かせて、マシンウィンガーに乗った晴人が到着した。
「やっぱりアンタの仕業か…………ハルピュイアのお姉さん?」
「やはり来ましたね。指輪の魔法使い」
すると、凛子の車も到着した。
「あっ!晴人さん、霧子さんもいますよ!」
「霧子!大丈夫か!?」
霧子の元に進之介は走るが、
「わざわざ連れて来て下さるとは、先程はどうも。泊進之介さん」
ハルピュイアが進之介の前に立ちはだかる。
「ハルピュイア………」
「おっと、アンタの相手はオレだぜ?」
だが2人の間に晴人が割り込み、ウィザードライバーを出現させる。
「貴方に用は無いんですが……………」
「そっちに無くてもこっちにはあるんだよね」
晴人はフレイムウィザードリングを左手にはめ、ベルトのレバーを操作する。
「変身!」
「さぁ、ショータイムだ」
火の粉を散らしながら変身したウィザードを見据え、ハルピュイアも姿を鳥の怪物へと変える。
「邪魔をしないで下さい」
「悪いけど、趣味なんだよね」
ウィザードは右手の指輪を交換し、ベルトにかざす。
右側に現れた魔法陣に手を入れ、すでにソードモードとなっているウィザーソードガンを取り出し、構える。
「………仕方ありませんね」
つぎの瞬間、ハルピュイアの両腕の翼が一瞬光ったかと思うと、そこから翼は消え、青い細身の腕となった。
では翼はどうなったかと言うと、
「…………………何か、似合わないね」
翼は2本の剣になっていた。所々の羽根が突き出ており、ノコギリの様に見える。これで相手を切り倒すのを想像すると、確かに女性のハルピュイアには似合わないかもしれない。
「今後の為にも、貴方はここで始末しましょう」
そう言ってハルピュイアは接近してきた。そして2本の得物を振り下ろすが、ウィザードは剣で受け止める。
ガキィィィン!
(重っ!)
思ったよりも重い攻撃に、ウィザードの腕は少し痺れた。
だが痺れに耐え、ハルピュイアの双剣を押し返し、ガラ空きになった胴体に蹴りを入れる。
「タァ!」
「くっ!」
後ろによろけるハルピュイアに、ウィザードは剣で追撃する。
突き、袈裟斬り、逆袈裟斬りと、あの手この手で攻撃するが、ハルピュイアはそれを全て防ぐと、ウィザードを挟み込む様に横から剣を振り、反撃する。
「ふっ!」
ウィザードはこれをジャンプする事で回避する。空中で体を捻り、ハルピュイアの方を向き、その背後に着地すると、背中に斬撃を繰り出す。
「やっぱ似合わないって、ソレ」
左手の指輪を交換しながら、ウィザードは軽い調子で言う。
「よく言われます。ですが、私の趣味なので」
ハルピュイアは向き直るとそう返す。
「あっ、そう………」
人間の姿の時の印象とのギャップに引きつつ、ウィザードはレバーを操作し、指輪をかざす。トパーズような黄色で、四角い形をした指輪だ。
足元に出現した魔法陣が上昇すると、ウィザードは『フレイムスタイル』から『ランドスタイル』へと姿を変えた。ウィザードの胸と仮面が黄色に変わり、仮面の形も、指輪と同じく四角くなっていた。
「姿を変えても無駄ですよ」
「意外とそーでもないかもよ?」
◇
男は歩いていた。首には今時珍しい、二眼レフのトイカメラをかけ、手には写真の束を持っている。
「………駄目だな」
その写真は全て奇妙な物だった。ピンボケだったり、被写体が大きく歪んでいたり、中にはどうやったらこんな写真が出来上がるのだろう、といった写真もあった。
「この世界も、俺を拒絶する…………」
ブォォォォォン!
不思議な言葉を言う彼の横を、一台の車が通り過ぎた。見たことが無い、珍しい形をした、赤い車。
「あれは………」
その車を見て、男は少し驚いたようだった。
「そうか…………大体分かった」
そう呟くと男はカメラを構え、もう小さくなった車の後ろ姿を撮った。
パチッという音がした。
そーいえばゴーストのVシネが決まりましたね。
主役はやっぱりスペクター!スペクターの音声はカッコイイですよね
(ハートみたいな感じで、ジャベルとかあるかな〜って思ってたんですけどねw)
次回はいよいよ、Start Your Engine!