仮面ライダードライブ&ウィザード Hope is Your Engine   作:瑛松

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エグゼイド見たんですけど、華丸さんがいい味出してますねwこれは映画に大吉先生が来るパターンか?











第4話 どうして俺は走り出せたのか

【ドリル!プリーズ】

 

ウィザードは新たに付け替えた指輪をベルトにかざした。すると彼の足元に黄色い魔法陣が現れた。

 

 

「バイバ〜イ」

 

 

無邪気に手を振るウィザードは、その場で高速回転を始めた。そしてそのまま地面に潜る。

 

 

「何っ!?」

 

ハルピュイアは辺りを警戒した。地面に潜ったとなれば、地面から飛び出て不意打ちを食らわせようとしている事は明白である。

 

 

「ハァ!」

 

案の定、ウィザードはハルピュイアの目の前に飛び出た。『ドリル』の魔法の回転を利用し、ハルピュイアを横一文字に二、三度切り裂いた。

 

そして今度は縦に斬りつけるが、ハルピュイアは双剣を交差させて防ぐ。

 

 

「凛子ちゃん、瞬平!今の内に霧子さんを!」

 

「分かった!」

 

「ハッ、ハイ!」

 

 

霧子は今ウィザードの後ろにいる。ハルピュイアと十分な距離もあるため、今の内に保護しておいた方が良いと考えたのだ。

 

 

「大丈夫か、霧子!?」

 

「はい……平気です」

 

進之介も真っ先に霧子のもとに駆けつける。

 

 

「すいません……私、迷惑ばっかり………」

 

「いいんだよ。俺もまさか鳥に連れて行かれるとは思わなかったしな。守ってやれなくてすまない」

 

「いえ、泊さんのせいじゃ………」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…………仲がよろしい様で」

 

「羨ましいの?」

 

ハルピュイアはウィザードと剣を交差させたまま、そう呟いた。

 

 

「いえいえ、絶望させるのが容易いと思いまして」

 

「させるかっての」

 

 

ウィザードがそう返すと、ハルピュイアは一度距離を取った。

 

 

「ですが、まずはあなたを始末しなければなりません」

 

 

そう言って振り上げた彼女の剣は妖しく光っていた。

 

 

「オイオイ、マジかよ」

 

 

自分の後ろにはまだ霧子達がいるにもかかわらず、攻撃しようとしているハルピュイアに驚きつつ、ウィザードは指輪を『ディフェンド』の指輪に交換し、ベルトにかざした。

 

 

【ディフェンド!プリーズ】

 

彼の前の地面に魔法陣が現れ、そこから土の壁が出てくる。ハルピュイアが剣を振るい、羽を発射するが、土の壁がそれを全て防ぐ。

 

攻撃が終わると、壁は魔法陣の中へと沈んでいった。

 

 

「ゲートがケガしちゃうだろ?」

 

 

ウィザードは説教するかの様に言った。

 

 

「ええ。ですが、あなたが守るのでしょう?……皆様!お願い致します」

 

 

ハルピュイアは突然誰かを呼んだ。何を呼んだかはすぐに分かった。

 

 

「うぉ!また鳥かよ!」

 

 

突如、大量の鳥が飛来。ウィザードを取り囲み、視界を封じたり、くちばしで突いたりしてくる。

 

 

「私は鳥を操れるのです。先程霧子さんを連れ去ったのも私の命令によるものです」

 

 

丁寧に説明してくれるのはありがたいのだが、まさか何の罪も無い、操られているだけの鳥を、剣で斬ったり銃で撃ったりする事はウィザードには出来ない。

 

 

「クッ!この………どけ!」

 

 

ウィザードは手を動かしてもがくが、鳥は全く離れない。それどころか、他にも鳥が続々と集まり、ますます自体は悪化していく。

 

 

「さぁ、しっかり守ってあげて下さいね」

 

そう言ってハルピュイアは、もう一度剣から羽を飛ばした

 

 

ズガガガガガッ!

 

「ぐぁぁぁ!!」

 

羽はウィザードに命中し、彼の装甲が火花を散らす。そのまま地面にうつ伏せで倒れる。

 

 

そして、鳥にも羽が刺さっていた。

 

 

「ひどい…………」

 

「何てことを………」

 

 

これには瞬平と凛子も驚愕した。これまで卑劣な作戦でゲートを狙うファントムは何人も見てきたが、ここまで沢山の命を奪ったのは初めてだ。

 

 

「まずは………あなたを始末しましょう。我々の邪魔が二度と出来ないように」

 

 

倒れたウィザードに歩み寄り、死を宣告するハルピュイアの言葉が、進之介は気になった。

 

 

(『我々』?あいつの仲間がまだいるって事か?そいつらも霧子を狙って来たら………アイツを守れるのは………)

 

 

結論を出すのに、そう時間はかからなかった。

 

 

 

 

 

(クソッ!体が………動かねぇ)

 

 

ファントムが自分にトドメを刺そうと近づいて来る。しかし体が言う事を聞かない。このままでは進之介を、霧子を守れるものがこの場にいなくなってしまう。

 

 

(それだけは………絶対ダメだ!)

 

 

ウィザードは、操真晴人は『あの日』誓ったのだ。自分の目の前で、もう二度と誰も絶望させないと。自分が『希望』になるのだと。ダメージが回復するのを待ち、反撃の一手を考えるが、ハルピュイアはもう目の前まで来ていた。

 

 

「これでショーは終わりです。お疲れ様でした」

 

 

 

 

 

 

 

そう言って剣を振り上げる彼女を、泊進之介が思いっきり体をぶつけることで、吹っ飛ばした。

 

 

「なっ!?」

 

「泊さん!?」

 

 

ウィザードも霧子も驚いた。いつの間にか進之介はウィザードの元まで走り、彼を飛び越え、ハルピュイアに拳を叩き込んだのだから。そして何より、

 

 

「何やってんだ!危ないから下がってろ!」

 

 

彼はウィザードにとって守るべき者なのだ。戦闘の最前線に来るべきではない。

 

 

「………多分、アイツ以外にもファントムはまだいる。戦えるのはアンタだけだ」

 

 

その言葉で、ウィザードは進之介の真意を理解した。霧子を守れるのはウィザードだけ。ならば自分が盾になると。

 

 

「バカなこと言うな………グッ!」

 

 

立ち上がり、彼を止めようとするが、体中の痛みがそれを許さない。

 

 

「素晴らしい心がけですね。ではお望み通り、殺して差し上げます!」

 

 

ハルピュイアはやや怒ったような口調で、双剣から再び羽を飛ばした。

 

 

 

 

 

「霧子の………『希望』になってやってくれ」

 

 

ドォォォォン!

 

 

 

遺言じみた言葉を呟き、進之介の姿は爆発で隠れた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「泊さん!!………そんな」

 

「何て威力なの?これじゃ晴人君も………」

 

「そっ、そんな!」

 

 

凄まじい煙で、進之介の姿もウィザードの姿も見えない。3人には不安と、これから見えるであろう光景を見たくない気持ちがあった。

 

 

「どうやら終わりのようですね。さぁ!泊霧子さん。絶望し、新たなファントムとなりましょう!」

 

 

この場に相応しくない、嬉しそうな声で叫ぶハルピュイアの声だけが辺りに響く。

 

 

 

煙が晴れ、4人の目に入ったのは、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

進之介とウィザードの姿だった。

 

 

「晴人君!進之介さんも!」

 

「助かったんだ〜!!」

 

「…………良かった」

 

 

「そんな…………どうやって!」

 

 

ウィザードに魔法で防ぐ時間は無かったはず。どうやって助かったのか、ハルピュイアにも、凛子にも、瞬平にも、霧子にも分からなかった。

 

 

そしてそれは、助かった本人達も同じだった。

 

 

「一体何が………っ!」

 

ウィザードが不意に前を見ると、そこには赤い壁があった。やがて煙が晴れ、それの全容が見えてきた。

 

 

「…………車?」

 

その正体は、自分たちに運転席側を向けて停まっている、赤い車だった。走行で使う4輪の他に、リアハッチに背負う形で2輪のタイヤを備えているという、珍しいデザインの車が、進之介とウィザードをハルピュイアの攻撃から守ったのだ。

 

 

そして進之介は、その車を知っていた。自分の『2人目のバディ』が、自身の肉体として開発し、自分が一年間世話になってきた愛車。

 

 

「…………トライドロン?」

 

 

自分の装備と『小さな仲間達』と共に封印されたはずのスーパーマシン・『トライドロン』がそこにあった。

 

すると助手席のドアがひとりでに開き、そこから20個程の小さなミニカーが、ハルピュイアに向かって飛び出した。

 

 

『シフトカー』

 

進之介達をサポートし、いつも共に戦ってきた『小さな仲間達』だった。

 

 

「うっ!何です!?これは……」

 

 

それぞれ音や音楽を鳴らしながら、ハルピュイアに攻撃していた。

 

 

「シフトカーまで!?どうして………」

 

 

混乱する進之介を迎え入れるかの様に、今度は運転席のドアが開いた。

 

 

「………ベルトさん?」

 

 

運転席に置かれているのは『ドライブドライバー』

 

シフトカーやトライドロンを開発した科学者『クリム・スタインベルト』通称『ベルトさん』の意識がインストールされているベルトだった。

 

 

「Long time no see!元気だったかね、進之介?」

 

 

 

「………えっ?なにソレ?」

 

進之介が持ち上げたベルトのディスプレイに顔のようなものが映し出され、そこから流暢な英語と日本語の挨拶が聞こえたので、晴人は仮面の下で目を丸くした。

 

 

「えっと……俺が変身する時に使ってたベルトさん

……ってか!何でアンタがここにいるんだよ!?」

 

 

質問しながら、進之介は考えていた。おそらく自分達の危機を察知して駆けつけたのだろう。しかしどうやってこちらの状況を知る事が出来たのか、脳をフル回転させて考えていたが、

 

 

「進之介、考えているヒマが………あるのかね?」

 

 

その言葉を聞いて、脳の回転は止まった。

 

 

 

 

その代わりに、別の物が、再び動き出した。

 

「…………ふっ、だな」

 

進之介は、同じくトライドロンの運転席に置いてあった『シフトブレス』を左手首に装着する。

 

「………人を襲う怪物がいて、ベルトさんがいる。なら俺のやる事は一つだ。もう一度、変身して戦えるのなら………もう一度走り出せるのなら…………もう、考えるのはやめだ!いくぜ、ベルトさん!」

 

自らを鼓舞し、トライドロンの前に出ると、クリムを、ドライブドライバーを勢いよく腰に巻きつけた。

 

 

「OK!Start Your Engine!」

 

 

懐かしいフレーズを聞き、自然と笑みをこぼしながら、進之介はベルトに付いた起動キー『アドバンスイグニッション』を捻る。

 

ベルトから待機音声が流れると、進之介は自分の元に飛来した一台のシフトカー『シフトスピード』をキャッチする。それの後ろの部分を180°回転させ、シフトスピードを『レバーモード』に変形させ、それをシフトブレスに装填した。

 

左手を前に突き出し、レバーに手をかけて、叫んだ。文字通り『身』体を『変』えるための言葉を。

 

 

 

「変身!!」

 

 

【DRIVE!type SPEED!】

 

レバーを倒し、音声が鳴り響くと、赤いエネルギー体が出現した。それは実体化し、装甲となって、進之介の体を覆う。そしてトライドロンの左前輪からタイヤが生成・射出され、進之介の胸に斜めに装着される。

 

そこに立つのは、108体の機械生命体から恐れられた戦士。黒いスーツの上を真っ赤な装甲に覆われ、胸には真ん中に赤い線の入ったタイヤ。タイヤの側面に書かれているのは『TYPE SPEED』の文字。顔を覆う仮面の頭頂部には、車のリアウィングを模したパーツがあり、その目は車のヘッドライトに似ている。

 

 

 

 

 

「……行きなさい!」

 

 

ハルピュイアはグールを呼び出す。その戦士の噂は聞いている。戦力は少しでも多い方がいいと判断したのだ。

 

 

 

「進之介、腕は鈍ってないだろうね?」

 

「あぁ、半年振りだが、乗りこなしてやるさ………ファントムども!」

 

 

そう言うと、進之介は中腰の体勢になり、右膝に寄りかかるように腕を置くと、自分の決め台詞とも言える『あの言葉を』言い放った。

 

 

「さぁ……ひとっ走り付き合えよ」

 

 

最速の戦士『仮面ライダードライブ』のエンジンは、再び動き出した。

 

 

 

 

グールの大群に突っ込むと、ドライブはパンチやキックを叩き込んでいく。『タイプスピード』が繰り出す、流れるような素早い動きに、グール達は完全に翻弄されていた。

 

そんな中、一台のシフトカーがグールの大群をすり抜けて来る。

 

 

「久しぶりだな、『フレア』!」

 

 

ドライブは、燃える炎のようなオレンジ色をした『マックスフレア』をキャッチすると、レバーモードに変形させた。ベルトのキーを回し、シフトブレスからシフトスピードを引き抜くと、マックスフレアを装填して倒した。

 

 

【タイヤコウカーン!】

 

「タイヤ交換?」

 

聞こえた音声にウィザードが首を傾げていると、トライドロンから再びタイヤが射出された。炎を纏った『マックスフレア・タイヤ』がドライブの胸の『タイプスピード・タイヤ』を押し出し、代わりに装着される。

 

 

【MAX FLARE!】

 

するとドライブの拳が炎に包まれ、そのままグールのボディに炎のパンチを繰り出す。

 

 

「ハァ!タァ!オラッ!」

 

 

吹き飛んだグールを横目に、ドライブは、グールに手裏剣型のエネルギー弾を放ちながら来た『ミッドナイトシャドー』をキャッチした。

 

 

「行くぜ、シャドー!」

 

 

ドライブはベルトのキーを回すと、マックスフレアをブレスから引き抜いて、ミッドナイトシャドーをレバーモードに変形。ブレスに装填して、倒す。

 

 

【タイヤコウカーン!MIDNIGHT SHADOW!】

 

装着されたのは、四つの刃を備え、まさに手裏剣のような形をした、紫色の『ミッドナイトシャドー・タイヤ』だ。

 

するとドライブは、もう一度イグニッションキーを回し、レバーを3回、素早く倒した。

 

 

【SHA・SHA・SHADOW!】

 

シフトカーの個別の能力を発揮させる『シフトアップ』を行うと、ドライブの両手にタイヤ型のエネルギー手裏剣が出現。グールに向けてそれを投げつける。一度当たっただけでは止まらず、旋回しながら何度もグールの体を切りつける。

 

 

「よし、『スパイク』!」

 

 

ドライブが叫びながら振り向くと、ボディから棘を生やし、グールに体当たりをしている『ファンキースパイク』がそこにいた。

 

駆けつけるファンキースパイクをキャッチし、レバーに変形させると、キーを回し、ミッドナイトシャドーと入れ替えてブレスに装填し、倒した。

 

 

【タイヤコウカーン!FUNKY SPIKE!】

 

全体から棘の生えた、緑色の『ファンキースパイク・タイヤ』が装着された。

 

 

【SPI・SPI・SPIKE!】

 

シフトアップを行い、一体のグールを飛び越えると、グールを背後から羽交い締めにする。するとタイヤが高速回転した。

 

ガガガガガガガガッ!

 

 

「グォォォォォ!」

 

グールの背中が棘によって削られ、火花を飛ばす。

 

 

 

 

 

 

「ん?救急車?」

 

 

何とか立ち上がったウィザードの肩に救急車の姿をしたシフトカー『マッドドクター』が停まっていた。するとウィザードの周りに注射器が現れたかと思うと、敵にやられた傷の痛みが引いていった。

 

 

「おぉ〜すげぇな」

 

 

おそらくドライブの仲間であろう救急車の力に関心し、ウィザードはドライブの戦う姿を見つめた。

 

 

 

 

「…………霧子さん、進之介さんはいつから戦ってんの?」

 

「えっ?1年ほど前からですけど…………」

 

 

何故そんな質問をするのか、霧子には分からなかった。

 

 

 

「そっか……じゃあ『後輩』には良いとこ見せないとだな」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「『ハンター』!来い!」

 

 

ドライブは、パトカー型の『ジャスティスハンター』を呼んだ。ベルトのキーを回すと、すかさずレバーに変形させ、ファンキースパイクを引き抜き、代わりにブレスに装填して、倒す。

 

 

【タイヤコウカーン!JUSTICE HUNTER!】

 

『ジャスティスハンター・タイヤ』を装着したドライブの手には、鉄格子型の盾・『ジャスティスケージ』があった。

 

 

「おらっ!」

 

 

ドライブはそれを両手で持つと、グールに叩きつけた。別のグールが槍で突いてくるが、ジャスティスケージで防がれる。

 

 

ジャスティスケージを今度は片手で持って振り回し、グールを吹き飛ばした。吹き飛んだ者とその周りにいたグールに向かってジャスティスケージを投げると、ドライブは素早くキーを回し、レバーを3回倒した。

 

 

【HUN・HUN・HUNTER!】

 

するとジャスティスケージは巨大化し、グールの頭上で回転しながら鉄柵を発射した。そのまま鉄柵の上に設置され、立派な檻が完成した。

 

檻を破壊しようと、グールが槍を叩きつけるが、

 

 

バリバリバリィ!

 

「グォォォォ!」

 

 

檻から電流が走り、ダメージを負ってしまった。

 

 

「よし、トドメだ。来い『ハンドル剣』!」

 

 

ドライブは叫びながら右手を伸ばした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…………あれ?」

 

 

 

 

しかし、『ハンドル剣』なる物は来なかった。

 

 

「…………………ハンドル剣!」

 

 

もう一度叫んでみるが、一向に来る気配が無い。

 

 

「じゃあ……………来い『ドア銃』!」

 

 

今度は背後のトライドロンに向けて手を伸ばし、叫んだが、『ドア銃』なる物も、来なかった。一応、手招きをしてみたりしたが、トライドロンはウンともスンとも言わない。

 

 

「………ベルトさん、ハンドル剣とドア銃は?」

 

「いや、実は……『ピット』に置いたままなんだ」

 

 

『ピット』というのは仮面ライダーとその仲間の拠点である『ドライブピット』の事である。ドライブがお望みの物はそこにあるようだ。

 

 

「はぁ!?何でだよ!」

 

「君達を助けようと急いで来たからね………ドライバーとシフトカー、あとは『シグナルバイク』しか持って来てないんだよ」

 

 

「………だからさぁ、そういう事は早く言えって、このベルト!」

 

 

ドライブはクリムを拳で小突いた。

 

 

「イテッ!呼び捨ては失礼だな、『さん』を付けたまえ!」

 

 

とそこへ、グールがジャスティスケージの檻の隙間から光弾を発射した。

 

 

「くっ、ヤバい!」

 

 

ドライブには今、防御する手段が無い。ある程度のダメージを覚悟し、腕で防御の体勢を取った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ズガガガガッ!

 

 

 

しかし、土の壁がそれを防いだ。

 

 

「これは………………」

 

 

ドライブは壁の下に、黄色い魔法陣を見た。後ろを振り返ると、そこには前に手をかざすウィザードが立っていた。

 

 

「大丈夫か?」

 

「あ、あぁ。アンタ、もう大丈夫なのか?」

 

「優秀なお医者様に治療してもらったからな」

 

 

そう言ったウィザードの手には、マッドドクターが乗っていた。

 

 

「ドクター!そうか、良かった」

 

 

「それに…………後輩が頑張ってんだ。オレが寝てる訳にもいかないだろ」

 

 

ウィザードはドライブの横に並び立つと、そう言った。

 

 

「………『後輩』?」

 

「オレがこうして戦ってるのは3年ぐらい前からだからな。オレの方が先輩ってわけ」

 

 

『先輩・後輩』という考え方は、あの宇宙飛行士の様な、白い仮面ライダーの影響かもしれない。ウィザードは心の中でそう思っていた。

 

 

「なるほどな………じゃあ行くぜ、『先輩』!」

 

そう言って、ドライブは檻を解除して戻って来た、ジャスティスケージを構えた。

 

 

「いや、別に『先輩』って呼ばなくてもいいから。敬語じゃなくていいし」

 

 

先輩扱いされるのは慣れていないのか、ウィザードはそう言った。

 

 

「ん?そうか………なら、俺も『進之介』でいいぞ。『晴人』」

 

 

すぐさま呼び方を変えられ、ウィザードは仮面の下で一瞬笑みを浮かべると、

 

 

「フッ、じゃあ行くぜ、『進之介』………ショータイムだ」

 

 

指輪を顔の横に並べ、2人のショーの始まりを告げた。

 

 

 

 

 

 

 

 

檻から解放されたグールは2人の仮面ライダーに一斉に襲いかかるが、ウィザードもドライブも、グールの攻撃を避けつつ、一撃一撃を確実に決めていく。

 

 

 

ドライブはジャスティスハンターをブレスから抜きながら、次のシフトカーを呼んだ。

 

 

「来い!『キャブ』!」

 

 

ドライブが呼んだのは、アメリカのタクシーのような『ディメンションキャブ』。ドライブはそれをレバーに変形。ブレスに装填して、倒した。

 

 

【タイヤコウカーン!DIMENSION CAB!】

 

『ディメンションキャブ・タイヤ』が装着されたかと思うと、ドライブの体は、タイヤの真ん中から真っ二つに割れた。地面に落ちた方のタイヤにくっ付いていたドライブの上半身は、タイヤに吸い込まれる様に消えた。

 

 

そのまま地面を這って行くという、タイヤらしからぬ移動方法でグールに近づくが、グールはタイヤめがけて槍を突き出して来た。しかしドライブは、タイヤから体を出しながらジャンプで槍をかわすと、グールの腕に乗り、右手で顔面にパンチを繰り出した。

 

もう一度ジャンプして、別のグールの腹に引っ付くと、グールの顎めがけ、思いっきりアッパーを食らわせた。

 

グールを攻撃しては、別のグールに飛び移るというヒットアンドアウェイを披露したドライブは、再びジャンプして残った左手と両足でグールを相手する胴体のタイヤに重なり、元に戻った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一方ウィザードは、相変わらずの剣戟で、グールを圧倒していた。

 

 

「コイツでどうだ!」

 

 

そう言いながら、ウィザードは左手のランド・ウィザードリングを、サファイアの様な青い宝石の指輪に換えた。すぐにベルトのレバーを操作し、指輪をかざす。

 

 

【ウォーター!プリーズ】

 

【スイ〜スイ〜スイスイ〜!】

 

左手を前方に突き出すと、波打つ水のような青い魔法陣が現れ、通過したウィザードの姿を、胸と仮面の宝石が青く、雫のようなひし形をした『ウォータースタイル』へと変えた。

 

続けて右手の指輪を交換し、レバーを操作して、ベルトにかざす。

 

 

【リキッド!プリーズ】

 

そこへ、一体のグールが、ウィザードに槍を突き出してきた。そのままウィザードの体を貫通………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

したように見えるが、ウィザードの肉体は液体のようになっており、貫通と言うよりも、すり抜けたと言うのが正しいだろう。

 

 

「ゴォ!?」

 

 

グールは困惑した様子だった。槍が貫通しているにも関わらず、ウィザードは全く動じていないのだから仕方ないだろう。

 

 

何度か槍を突き刺すが、結果は全て同じだった。

 

するとウィザードは、液体化した状態でグールに纏わりつき、時々液体化を解いて剣で切り裂いていった。

 

 

何度か攻撃を繰り返し、グールの元から離脱したウィザードを、

 

 

「ハァ!」

 

「うおっと!」

 

 

ハルピュイアが奇襲した。彼女の双剣を、ウィザードも剣で受け止めた。

 

 

「私の事をお忘れでは?」

 

「もちろん忘てねぇ【タイヤコウカーン!】よ?」

 

 

ウィザードの言葉は、もうすっかり聞き慣れた音に遮られた。

 

 

突如ウィザードとハルピュイアの間に割って入るかの様に、緑色をした円形状の物が飛んできた。2人は背後に飛び退き、難なくかわした。

 

 

すると、緑色のパーツが二つに割れ、中から紫色のタイヤが、姿を現した。そのタイヤが行く先はもちろん、ドライブである。

 

 

【MASSIVE MONSTER!】

 

ドライブの胸に、怪物のような者の顔が描かれた、『マッシブモンスター・タイヤ』が装着された。両手には、同じく怪物の上あごと下あごを模した『モンスター』を持っている。

 

 

「晴人!残りの奴らを頼む!」

 

そう言うと、ドライブはハルピュイアに向かって行く。

 

 

「了解!ちなみに、あいつらは『グール』ね!」

 

ウィザードも、残りのグールへと走る。まさに水の如く、流れるような動きでグールを切り払って行く。

 

グールが警戒して足を止めている隙に、ウィザードは左手の指輪を、今度は緑色をした宝石の指輪に換え、ベルトのレバーを操作し、かざした。

 

 

【ハリケーン!プリーズ】

 

【フー!フー!フーフーフフー!】

 

左手を上げると、頭上に緑色の魔法陣が出現した。そのまま降下して行き、ウィザードの体を通過する。

 

 

胸と仮面の宝石がエメラルドの様な緑色で、仮面の形は逆三角形になった『ハリケーンスタイル』へと姿を変えたウィザードは、体の周りに風を纏い、宙に浮いた。

 

 

ウィザーソードガンを逆手に持ち替え、猛スピードでグールに近づき、すれ違いざまに切り裂いていく。風を利用した回転斬りも繰り出しつつ、グール全員を一箇所に集めると、ウィザードは着地し、ウイザーソードガンのハンドオーサーを起動させた。

 

 

【キャモナスラッシュ!シェイクハンズ!】

 

「フィナーレだ」

 

 

ハリケーンウィザードリングを、ハンドオーサーにかざす。

 

 

【ハリケーン!スラッシュストライク!】

 

【フーフーフー!フーフーフー!】

 

ウィザードは風を纏う剣を再び逆手に持ち替ると、それを横に振るう。

 

ブォォォォ!

 

剣から放たれた風の斬撃は、カマイタチの如く、グールを全て切り裂いた。

 

ドォォォォォン!

 

 

グールは全て爆発し、後には何も残らなかった。

 

 

 

「さてと………」

 

まだ脱力はしない。脅威はまだ、去っていないのだから。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ドライブはハルピュイアに猛攻を繰り出していた。モンスターに生えている歯と、ハルピュイアの剣が重なり、火花を散らす。

 

 

「くっ、ならば!」

 

 

ハルピュイアは双剣を両腕に装着し、翼に戻した。そのまま何度か羽ばたいて宙に浮くと、ドライブに向けて急降下して来た。

 

ドライブは地面を転って避けるが、ハルピュイアは旋回し、再び迫ってくる。

 

 

「だったら!」

 

 

ドライブはキーを回し、レバーとなっている『マッシブモンスター』を1回倒した。

 

 

【MONSTER!】

 

飛来するハルピュイアをもう一度回避し、ハルピュイアの方へ体を向けると、タイヤの口の部分からモンスターの舌が伸びた。舌はハルピュイアの左腕に巻きついて拘束するが、

 

「無駄です!」

 

ハルピュイアは残った右腕から羽を飛ばした。

 

 

ガガガガガガッ!

 

 

「ぐぁぁ!」

 

 

羽が命中したウィザードは地面に膝をつく。

 

 

「くっ!やっぱあの翼を何とかしねぇと………」

 

 

呟くドライブの息の根を止めようと飛来するハルピュイアを、

 

 

「ハァ!」

 

 

同じく宙を舞うウィザードが止めた。

 

 

「オレの事をお忘れでは?」

 

「もちろん忘れてはいません。一番厄介なのは貴方なのですから!」

 

 

口調を真似するウィザードを、両足で思いっきり蹴落とすと、ハルピュイアは地へ降りた。ウィザードも、風による浮力で蹴られた勢いを殺しつつ、ゆっくりと着地する。

 

 

「よっと」

 

「晴人、ハルピュイアの翼を封じたいんだ。あいつの動きを止められないか?」

 

 

「ん〜、あんまり長くは保たないと思うぞ?」

 

「構わない。頼む」

 

 

「…………分かった。任せたぜ」

 

 

出会ったばかりでここまで互いを信頼できるのは、同じ『仮面ライダー』だからだろうか。

 

 

 

ウィザードは両手の指輪を交換し、ドライブはブレスからマッシブモンスターを抜く。

 

 

「行くぜ?」

 

「あぁ!」

 

 

【フレイム!プリーズ】

 

【ヒー!ヒー!ヒーヒーヒー!】

 

前方に現れた魔法陣を走り抜け、フレイムスタイルとなったウィザードは、ハルピュイアに攻撃を繰り出すが、双剣となった翼でことごく防がれてしまう。

 

 

「いい加減しつこいのですが……」

 

「あれ、知らない?魔法使いは諦めが悪いんだよ!」

 

 

ウィザードがベルトのレバーを操作し、右手の指輪をかざすと、

 

 

【ライト!プリーズ】

 

ウィザードの指輪から、目も眩む閃光が放たれた。

 

 

「なっ!?これは………!」

 

突如襲ってきた閃光に、ハルピュイアは視界を塞がれた。

 

 

【バインド!プリーズ】

 

光が収まったかと思った瞬間、ハルピュイアを囲むように、地面に6つの魔法陣が現れた。そこから鎖が飛び出て、ハルピュイアに絡みつき、拘束した。

 

 

「しまった………!」

 

「進之介!」

 

 

動きを封じられたハルピュイアを横目に、ウィザードは少し横にずれた。

 

その背後には、新たなシフトカーをブレスに装填している、ドライブがいた。

 

 

「あぁ、任せろ!」

 

ドライブはベルトのキー回し、レバーを倒した。

 

 

【タイヤコウカーン!SPIN MIXER!】

 

ドライブの胸に、石の様な見た目をした『スピンミキサー・タイヤ』が装着された。

 

タイヤはそのまま回転を続け、生コンクリ弾を発射した。それはハルピュイアの、右手の剣へと飛んで行き、着弾した。

 

剣は灰色のコンクリートで固められた。

 

 

「くっ!やってくれますね…………」

 

 

ハルピュイアは鎖を無理やり引きちぎると、羽を模した刃はコンクリートで覆われ、羽を発射する事も、斬りつける事も出来ない剣を放り投げ、捨てた。

 

 

 

「くそっ!一本だけか……」

 

「いいや、充分だ!」

 

 

ウィザードはそう言うと、ガンモードに変形させたウィザーソードガンを発砲。

 

ウィザードが放った弾丸は縦一列に並び、ハルピュイアの手元に立て続けに当たり、左手から剣を吹き飛ばした。

 

 

「くっ!どこまでも邪魔を………」

 

 

「言っただろ?趣味なんだよ」

 

「悪いがこれが仕事なんでな!」

 

 

【DRIVE! type SPEED!】

 

ウィザードと、タイプスピード・タイヤを装着したドライブは、ハルピュイアに駆け寄り、攻撃を繰り出す。

 

ウィザードは近距離で弾丸を放つが、ハルピュイアはそれを難なくよけると、ウィザードの腕に手刀を叩き込み、彼の銃を手放させた。

 

武器を失ったウィザードをハイキックで蹴り倒すと、続いてドライブに回し蹴りを放った。鳥と同じように爪の生えた足は、ドライブの装甲を傷つけた。

 

 

「ぐはっ!」

 

 

ウィザードは倒れ、ドライブは膝をついてしまった。

 

 

「剣が無くとも、負ける気などありませんよ」

 

 

ウィザードとドライブは知らないが、ハルピュイアに失敗は許されていないのだ。何としてもゲートを絶望させなければならないという責務があった。

 

 

 

 

 

 

 

だが、それは『人を守る』という使命を持つ彼らも同じだった。

 

 

「奇遇だな、俺もだ!」

 

 

そう言ってドライブは立ち上がり、ベルトのキーを回すと、レバーを3回倒した。

 

 

【SPE・SPE・SPEED!】

 

シフトアップしたドライブのタイヤが高速回転を始めたかと思うと、ドライブはスライディングの様な体勢で、ハルピュイアの足元まで移動した。そして右脚で足払いをして、ハルピュイアを宙に浮かせた。

 

 

ドライブはそのまま一回転しながら立ち上がると、高速でパンチを繰り出した。

 

 

「ハァァァァァ……てやぁっ!」

 

 

 

目にも止まらぬ速さの拳は、連続でハルピュイアに打ち込まれ、最後の一発で、ハルピュイアは吹き飛んでしまった。

 

 

「ぐうっ……!」

 

「晴人、決めるぞ!」

 

 

ドライブは、いつの間にかハルピュイアの背後に移動していたウィザードにそう言った。

 

 

「了解!」

 

 

ウィザードは、ベルトのレバーを操作した。

 

 

【ルパッチマジックタッチゴー!】

 

【ルパッチマジックタッチゴー!】

 

待機音声を聞きながら、ウィザードは右手の指輪を交換した。

 

 

 

 

一方ドライブは、ベルトのキーを回し、ブレスに付いている赤いボタン『イグナイター』を押した。

 

【ヒッサーツ!】

 

「フィナーレだ」

 

その言葉を合図に、ウィザードは指輪をベルトにかざし、ドライブはレバーを1回倒した。

 

 

【チョーイイネ!キックストライク!サイコー!】

 

 

【フルスロットル!SPEED!】

 

ウィザードはローブを翻しながら、その場で一回転。足元に魔法陣が現れ、ウィザードの右足が、炎に包まれた。

 

 

 

 

ドライブはハルピュイアに背中を向け、中腰の体勢で構える。すると、トライドロンがひとりでに走りだし、ドライブの周りを回り始めた。それと同時に、ハルピュイアの周りに4つのタイヤが現れ、回転しながらハルピュイアに近づいて来る。

 

 

遂にタイヤが接触すると、ハルピュイアはドライブの方へ吹き飛ばされた。

 

同時にドライブは前方に跳び、キックを放った。そのままトライドロンにぶつかると、そのボディを蹴り、真後ろに再び跳んだ。

 

 

「ハァッ!タァッ!ヤッ!てやぁッ!」

 

 

ハルピュイアにキックが当たると、先程と同じように跳び、トライドロンとハルピュイアの間を往復しながら、あらゆる方向からキックを放っていく。

 

 

そしてウィザードは、その場から助走をつけてロンダートを行い、ジャンプした。空中で体を捻り、体勢が安定すると、魔法陣が出現。ウィザードがそれを通過すると、さらに勢いを増したキックが放たれた。

 

炎のキックを放つウィザードと同時に、ドライブはハルピュイアへ向けて、最後のキックを繰り出した。

 

 

「ハァァァァ!!

 

「ダァァァァ!!」

 

 

 

ドライブの『スピードロップ』と、ウィザードの『ストライクウィザード』

 

2人の必殺技が、ハルピュイアの体を貫いた。

 

 




ドライブやる事が多い………
シフトカーキャッチして、レバーにして、キー回して、ブレスから抜いて、入れて、倒すって長い!
志葉家18台目頭首なら斬ってまっせ

でも頑張ります。必ず完結させるので、お付き合い下さい!
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