俺が妹といちゃいちゃするわけがない   作:桐乃スレ民

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俺の妹は岩をも通す

 

 

ガチャ

 

 

トントントンと階段を下りて、一階の様子を見に来たが兄貴はいない。つまり

「お風呂か…」

どうやらさっきのあたしの演技は完璧だったみたい。

ちょっと言ってやっただけなのに、本当に入ってるし。

それってさ、あたしに嫌われたくないから?

それとも妹の言うことならなんでも信じちゃうみたいな?バカみたい。ふひひ。

普段口ではあーだこーだ言ってても、体は正直ってワケね。

「ふいぁ~~~~~」

脱衣所に侵入すると、ちょうど兄貴のまぬけな声が筒抜けになっていた。

高校生のくせにアッツいお湯につかるのが好きな年寄体質なのだ。

あんたね、あんな薬飲んだ後で血行が良くなったら、もう理性が吹っ飛ぶどころの騒ぎじゃないから。

意味わかんないまま朝チュンとか迎えちゃうんだから。

あたしは京介のシャツとパンツを素早く回収して自分の部屋に戻った。

 

 

 

 

 

ここ最近、風呂から上がるとなぜか着替えの寝巻きが置いてあるんだ。

俺はいつも普段着のまま寝てしまう派なのだが、こうしてきっちり用意されてると着るしかない。

最初はお袋がやってんのか思ったけど、昔からそういう気は回さない人だ。親父は論外。

あと残ってんのは桐乃だが、こいつはもっとありえないだろ。

確かにこの現象は俺が初めて人生相談を聞いた直後あたりから起きてるし、

今外に見えているシルエットも桐乃っぽいというかほぼ桐乃なんだが、俺の目がどうかしちまったんだな…。

だってよ、あいつが俺の着替えを持ってきて、いったい何の得があるっていうんだ?

普段は俺にモノに触るのも嫌がるくせによ。

 

だからこれはもしもの話なんだが、

もしこれを桐乃がやっているとして、

もしそれが素直じゃない桐乃の感謝の気持ちだとして、

もしかしたらさっきの麦茶にも深い意味はなかったとして、

もしそうなら…俺が思ってるよりも、桐乃と俺の仲は、そんなに悪くはないんじゃねえかってな。

「ハッ…バカバカしい」

俺の妹がこんなに可愛いらしいことをするわけがないだろ。本物の桐乃を返してよ。

てーか、なんで俺が風呂に入ってる間まであいつのことばっか考えなきゃいけねえんだ。

やめだやめ。これじゃあまるで、俺が妹と仲良くなりたいやつみたいじゃねえか。

やくたいも無い妄想に区切りをつけて風呂場を出ると、いつもの場所にきちっとたたまれた服が置いてある。

「ありがとな」

…ケッ。今度はちゃんと面と向かって言ってやるからな。

誰だか知らんが、覚悟しとけよ。

 

 

 

 

 

 

チュンチュン。

 

「んあぁん…兄貴ぃん…」

ベッドの上。あたしはいつの間にか兄貴の匂いにつつまれて、幸せな声を上げていた。

 

 

 

…はっ!!

バッと振り返ると、時計の針は夜0時を過ぎていた。

しまった…いつもの癖で、ついうっかり兄貴のシャツを枕カバーにして顔をうずめて寝てたんだ…。(ちなみにこの兄シャツ枕を発明した時、あたしは自分を天才と呼ぶことにいささかの躊躇も覚えなかった)

んー…気持ち良すぎてあやうく朝まで寝てしまう所だった。やっぱり取れたてはやばいなあ。

ていうか、何がチュンチュンよ。なに真夜中に窓辺で鳴いてんのよこの変な鳥!どっかいけ!

バサバサー

はあ。兄貴は薬で自分の本当の気持ちに気付いて、そんでいつあたしの部屋に押しかけてくるのかと待ってたんだけど、どうやら寝落ちしてしまったらしい。まあ寝てるトコに来ても別にどうってことは無いけど。

で、えーっと、兄貴、まだ来てないの?

まさか今更怖気づいてるってわけ?全くどうしてそう馬力が無いのかな。

チッ、使えねえ。せっかくここまでしてあげたんだから、妹を見習って馬乗りくらいすればいいのにさ。

あたしは兄貴のパンツを脱いでパジャマに着替えてから、仕方なく隣の部屋へ様子を見に行くことにした。

 

 

 

ガチャ。

 

つーんとくる部屋の匂い。

兄貴は起きていた。

ベッドの上で何をするでもなく、まるであたしを待っていたみたいに。

兄貴と目があった。やばい。ヤバい。どきどき。

あ、兄貴発情してる?い、妹に襲い掛かっちゃうの!?

 

「おう。どうした」

「う、うん。ちょっといい?」

 

な、なんか反応薄い?ほんとに効いてんのかな…。

落ち着いて桐乃。兄貴はあたしが好き、兄貴はあたしが好き…。

よし。落ち着いた。

じっくりと行こう。

 

「あんたさ、今日なんか変わったことない?」

「ん?どういうこった?」

「だからさ…その、あたしを見て、なんか思わないわけ?」

「いや、別になんも…」

「ちょっとあたしの部屋に来て」

「へいへい、なんだってんだよ」

 

とりあえず兄貴の部屋はまずい。いざって時に鍵もかけられない。

嫌々ながらもあたしにされるがままな兄貴は、裾を引っ張られて腰を上げた。

部屋から部屋に移動するだけの時間がものすごく長く感じられる。

いつ後ろから抱きしめられるんじゃないかと、気が気ではなかった――

 

 

 

 

 

風呂から上がってさっぱりした俺は、自室で勉強していたんだ。

やっぱり風呂は良い。血行が良くなるっつーか、おかげで今日は勉強がはかどるな。

普段の俺らしからぬ集中力を発揮し、気付けば時間は日をまたいでいた。

ふああ、そろそろ寝っかな。そう思った時、妹が部屋を訪ねてきた。

なんだ桐乃か。驚かせやがって。

そんで俺はいつもの様に、妹の部屋に連行されていくってわけだ。

袖を引く桐乃は、いつもより緊張している…ように見えた。

 

「また人生相談か…」

「はあ?バカじゃん。今日はあんたの相談を聞いてあげるの」

「え、俺が?お前に?」

「そう」

 

ふむ。わからんな。

今日一日挙動不審だった桐乃が俺に相談するのは自然だが、俺は今相談したいことなんてねえし。

大方、人生相談に乗ってやるって口実で、ホントは俺に何かのお願いを聞いてもらう予定なんだろうな。

別にこんな回りくどいことしなくても、やってやるってのに。

俺はお前じゃないんだからよ。

 

「そこ座って」

 

桐乃はベッドに座るように指示すると、後ろ手に鍵を閉める。

うーむ。やっぱり趣味関係の話かね。

もしかしたら、この前見せなかったコレクションを見せる気になったとか。

…いや別に見たくねえけどなあ。

 

「なに普通に座ってんの!?キモ!」

「いやお前が座れって言ったんだろうが」

「それでも!妹のベッドに座る前に!もっとこう…あるでしょ!?」

 

もう俺の妹が何言ってるのか分からない。

仕方なくベッドから腰を下ろして床に座る。

さっさと本題に入ろうぜ。全然話が見えてこねーしよ。

 

「…んで、要件ってのは?」

「アンタね。今日一日ずっと様子が変なのよ」

「そうなのか」

お前がな…と思ったが、ここは話を合わせてやった。早く寝たいしな。

「そうなのかって…あんた自分で気付いてないワケ?」

「いや…というか、どの辺が変なんだ?」

「あっきれた…ホッントにバカで鈍感なんだから」

「もう好きに言え…で、俺はどうすりゃいいんだ?」

「うん、優しいあたしはね、あんたの悩みを解消する方法を考えてやったわけ」

「おう」

「ほんっとにね?あたし的には超キモいってかマジありえないんだけどね?」

「ああ」

「仕方ないから、その、あ、あたしと一緒に、ね、寝かせてあげる」

「分かった」

「ばっ!何意識してんの!?だから仕方なく……って、い、今なんて言った…?」

「だから、一緒に寝るんだろ?分かったって言った」

「な、な、な…!」

 

なーんだ。要するに、お前が俺と一緒に寝たいってだけじゃねえか。

こいつのゲームにも兄妹で仲良く寝るシーンがあったしな。それを真似してみたくなったんだろ。

確かに俺にしか頼めない事で、桐乃にしたら子供っぽいし恥ずかしいお願いなのかも知れない。

しっかし、嫌いな兄貴にここまでやらせるとは…ゲームの影響力って意外とやべえのかもな…。

 

「でも一つ聞きたいんだけどよ」

「にゃ、なに¥…?」

「俺の悩みと、一緒に寝ることと、どんな関係があるんだ?」

「それは!……それは……(バンッ!)やってみれば分かるの!」

「そ、そうか」

 

ちょっと意地悪な質問をしちまったな。

でも机を叩くことはなくね?俺の妹キレやすすぎだろ。

まあ、今回は面倒な人生相談じゃなくて助かった。

俺がどうすればいいか考えろってんじゃなく、桐乃がこうして欲しいってのがはっきりしてるからな。

なんだかんだいって、桐乃は俺の相談を聞いてくれたこともある。

この程度のお願いは軽く受けねえと、バチが当たるってもんだぜ。

 

「んじゃ、先に入るぞ」

「え?ちょっ、あんた!」

「一緒に寝るんだろ?お前も早く来いよ」

「そ、そうだけどっ!」

「ん?まだ何かやることあんのか?」

「ううん、ちょっと、ちょっと待って。心の準備が…」

「そう緊張すんなって。別に痛い事するわけじゃねえんだから」

「そ、そうなの?痛くしないの?約束だかんね?」

「たとえで言ったんだけどな…結構傷ついたぞ。今の」

 

信用のない兄貴である。

というか、桐乃は俺に何される想像してたんだよ…。

誤解の無いように言っておくが、いつも痛い目見てるの俺の方だからな?

 

「冗談よ…知ってるんだから。アンタだってどうせ、経験ないんでしょ。

だからね、あたしが全部教えてあげるから、あたしの言うことを聞くコト。いい?」

「へいへい。おっしゃるとおりに」

「なにそれウザッ!大体このあたしが一緒に寝てあげるんだから、泣いて感謝しろっての!ふん!」

 

そんだけ大口が叩けりゃ上等だ。

大分緊張もほぐれた桐乃は、ベッドに近づいてくる。

「あんたこそ、覚悟しなさいよね…」

…逆に俺は、桐乃に何をされるんだろうという不安に駆られてきた――

 

 

 

 

 

「兄妹で寝るときはね、こうするの…」

布団に入ったあたしは、兄貴の横に並んで添い寝…なんてするはずない。

だっこ。普通だっこじゃん?初めて兄妹一緒に寝るならそれ以外の選択肢は存在しない。

兄貴の上に、あたしが乗るの。そんでシスコンはあたしを抱きしめるの。

完全にウィンウィンの関係。いや、あたしは仕方なくだからウィンロスだ。

自分のことしか考えない、変態兄貴さいてーね。

 

「ふ、ふわあああああたしあにきの上に乗っかってる!頭が胸が足が全部兄貴に密着してるぅぅぅ!はぁはぁ、これが兄貴の胸板…すりすり。!!こすると兄貴の匂いが蒸散する!気孔から兄蒸気が発散されてるよぉ…!こんな興奮物質を嗅がされてたら、あたし絶対眠れないじゃん。ね、寝かせないつもり?この匂いで今夜は寝かせないぞってのを言外に示してるんでしょ!このシスコン!大体ね、あんたの匂いはお風呂に入ったくらいじゃとれないっての。むしろお風呂のほうが汚染されるんだから。もう入浴剤みたいな?なに?兄貴入浴剤になるの?…っは!兄貴はあの後あたしがお風呂入ると思って、そうやって自分の成分を妹にこすり付けるつもりだったんでしょ!キッモ!全身兄コーティングされたあたしを学校に行かせて「この妹は使用済みです」って知らしめるとか、そんな変態が同じ家に住んでいるなんてホンット信じらんない!だからってあたしが先にお風呂入ったら、兄貴もったいないからって今度は妹のお湯を全部飲み干そうとするんでしょ!あたしはいつもちょっとしか飲まないから大丈夫だけど、少しは自重しなさいよね」

 

「桐乃…ぼそぼそ何言ってんだ?なんか怒ってる?」

「うっさいわね!あんたはさっさと腕を背中に回せばいいの!」

 

「ていうか今日はお風呂に入り損ねたから、仕方ないから直接補給してやるわよ。感謝してよね。スンスン、スンスン…ああ、兄貴にパジャマ用意してあげて正解だった。ほっとくとこいつTシャツのまま寝ちゃうんだもん。いや分かるけど?兄シャツに兄汗染み込ませるのも兄貴の重要な務めだってのは分かるけど?もう少しあたしを目で楽しませるって工夫をしなさいよ!風呂上がりのパジャマめっちゃいいじゃん!めっちゃ燃えるじゃん!いや、別にあたしが見たいとかじゃないけど。他の女とか、ほら、地味子とかなら喜ぶんじゃない?まあ一緒に住んでないと見れませんけどねwwざまぁww っはぁはぁ!兄貴の手が回ってきたよ!いいの?兄貴、妹を抱きしめちゃうの!?抱き枕みたいにイっちゃうの!?だって、だってね?兄貴の服とか下着とか詰め込んだメルルの抱き枕、いっつも抱いてあげてんのに、あんた全然抱きついてこないじゃん!何が抱き枕よ!どっちかってゆうと抱かれ枕じゃないの!?いやいいけど!兄貴が直接シてくれるっていうならもう何もいらないけどおおき、きたぁ!360度兄ホールド、あたしの全身に回ってるよぉ…!も、もう逃げられない、妹取り草に捕まった。何日も兄貴に消化液かけられて、溶かされちゃうのぉ…ビクン。ああ、あたしあにきに捕食されてるんだ…!」

 

「次はどうすんだ?」

「ハアハア…うん…それからね…お、おやすみのキスをするの…」

 

「うんいやゴメン兄貴。自分で言っといてなんだけど、今日はなぜかすっごい疲れてんの。もう兄貴の胸にいるだけであたしの胸がいっぱいっていうか、もういっぱいいっぱいというか。流石にこれ以上摂取すると体が持たないし、今日のところはこのへんで許してあげる。「わかった」え?今なんて言ったのこいつ。え、兄貴キスするの?妹とキスしたいの?あたしとしたいって……~~~!!へッ変態!妹とキスしたいとかマジありえないしキモい。でも鬼畜兄貴は弱った妹のファーストキスを奪う気だ。やばい。そんなこと言われたら我慢できなじゃなくて、こんな零距離で匂いを嗅がされながら迫られて、拒否れるわけないじゃん!兄貴マジ策士!いくら妹としたいからってそこまでする普通!?ま、まあどうしても兄貴がしたいって言うならしてあげないこともないケド。ほら、あたしのだえきってもう兄貴専用になってるし?他に使い道もないから兄貴と唾液交換するしかない。でもあんたの唾液じゃ割に合わなくない!?シスコン兄貴はおはようからおやすみまでずっと妹に唾液注入する義務があああ顔近い!近いって!い、息が当たってダメ!これむりむりむり チュ や、やった、あたしは成し遂げたぞ!うおおお!!ああれ?嘘、ちょこれ」

 

「ん、これでいいか?」

「あっ…!いや…!」

 

体の中から湧き上がるものを感じる。

やば、これあれだ。

 

「えーと、なんかダメなのか?って顔赤いぞ。大丈夫か?」

「ううん…ちょっと暑いだけ。飲み物とってくるから、離して」

 

 

ガチャ

 

 

「はぁ、はぁ……っ……うへえ、やっぱり…」

 

ぼたぼた。

つーっと垂れてくる鼻血が顔に筋をつくった。

兄貴のぱんつを嗅いでてハッスルしすぎるとよくこうなるんだよね…せっかくいいトコだったのに。ふう。

鼻をつまんで下を向きながら、ゆっくりと廊下を歩く。

 

…あ、あたし、兄貴とキスしちゃったんだ…。

ど、どうしてくれのコレ?もうあたし、お嫁にいけないよ?むしろお嫁にしかいけないよ?

っと、今興奮するのはマズイ。足がふらふらする。

 

それにしても、あたしの薬のせいで兄貴はあんなエロ魔人になっちゃったんだよね…。

ま、いっか。見たところ理性まで飛んでるわけじゃなさそうだし?

元々あたしのこと好きだから仕方ないっていうか、いつかはこうなる運命だったし。

よ、よーし、今まで想ってきたこと、もっと試してやるんだからね!

 

 

 

 

 

 

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