俺が妹といちゃいちゃするわけがない   作:桐乃スレ民

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俺と妹のつじつま合わせ

 

 

 

今日は夢のような日だな。

 

 

あの桐乃が、一緒に寝ようって言って、同じ布団で抱き合って、このまま一夜を過ごすのか。

何で言えばいいか、これはもう―――

 

 

 

 

キモい。

 

何がキモいって、そんな妹をちょっとでも可愛いと思ってしまった自分がキモい!

マジでどうした俺。なんで目を合わせれば嫌悪の感情しか抱かない妹と仲良く抱き合っちゃってんの?

分かってる、これはあくまでゲームの演技だ。

でも相手はあの桐乃だぞ?それがいきなりあの態度。

俺も俺だ。まるで当然みたいにあいつとおやすみのキスまで…するか普通!?今まで一回もこんなこと無かっただろ?もっと段階をふんでさ、時間をかけてゆっくりと兄妹の溝を埋めていくとか、イヤ、別に俺は溝を埋めたいとかじゃなくてだな。

と、とにかく今日の桐乃は明らかに異常事態だ。自然と応対した俺も絶対変だ。

 

おかしい。俺たちの何かが狂っている。でもそれが何か…分からない。

 

んおおおお…!頭を抱えて懊悩する俺。そもそも桐乃のベッドで寝るって時点でなんかマズイような気がする!

落ち着け俺。俺の妹がこんなに可愛いわけがない、俺の妹がこんなに可愛いわけがない…。

よし、落ち着いた。

俺がすべきことは、まず桐乃の心情を明らかにし、そしてそれに対する最適解を導き出すことだ。

 

カチャ

 

携帯電話を開いてインターネットの機能を使い、SNSサイトを開く。

俺はメールと電話しか使わないんだが、実は携帯電話ってネットもできるんだよな。

まあそれも最近知ったことで、知った後も特に使わねーから別にいいって言ったんだが、

沙織がとりあえずアカウントだけ作っておけと言うからよ。それがこんな所で役に立つとは。

ちなみに沙織とは、俺と妹が所属している『オタクっ娘あつまれー』の管理人である。

 

「えーっと、確かここにパスワードを…」

 

もとは女子の集まりであるため、俺は隔離された部屋にしかアクセスできないが問題ない。

つまりここには桐乃を除けば黒猫か沙織しか来ない。

二人とも桐乃のオタク友達で、俺以上に妹のことを思ってくれている。

こいつらなら、桐乃に対して何らかのアドバイスをくれるはずだ。

たのむぞ頼む、誰か居てくれ―――

 

 

 

 

『あら、これは珍しいお客さんね』

 

 

キター!黒猫!

彼女は桐乃がオフ会で知り合った、ウチの妹より一つ上の親友である。

妹同様口が悪く、アニメ等に感化された服装や独特な言い回しをする癖はあるが、

桐乃のことをよく理解してるし、何より友達想いのいいやつなんだ。

 

『こんな時間に貴方がわざわざ此処に来る理由なんて、聞くまでも無いけれど。

私の「目」をもってすればね…何か相談、それもあの女絡みでしょう?』

 

うおおー!さすがに察しが良いぜ!

入室してからまだ一言も打ってないのに、黒猫の洞察力はマジでそれ系の能力を思わせる。

実際時間も無いし、俺は文字を打つのが遅いから助かる。

 

『ふっ、いいわ。私にはほんの一部さえ関係の無い空疎な詞、夜の肴に聞いてあげる』

 

相変わらず素直じゃないけど、こいつは桐乃のことが心配で仕方ないのだ。

サンキュー黒猫。今説明する。

くそ、携帯のボタンが押しにくい。早くしねえと桐乃が戻ってきちまう。

今の状況を簡潔に、手短に説明するんだ……!よし!

 

『俺の妹が急に可愛くなってしまったんだが、どうすればいい?』

 

 

 

 

 

 

 

 

……。

 

 

 

 

 

 

 

……ん?

 

気のせいだろうか、今まで快活にメッセージを発していた黒猫の時間がまるで止まったかのようだ。

いや、確かにこれじゃ説明不足かもしれないけど、あの桐乃だぞ?あの桐乃が可愛いわけがないだろう!?

それだけで黒猫には、今非常事態が起きてるのが伝わるはずだ。

 

『フ…フフ…御免なさい。私としたことが、とんだ勘違いをしたようね。ゲームの話?それともついにあの女が本性を現したという事かしら。もう少し具体的に、何があったか説明して頂戴』

 

すまねえ黒猫。確かにこれじゃ何もアドバイスの仕様がないよな。

手が止まってたのは俺も同じだった。

えーと具体的に具体的に…っと。

 

 

『桐乃が一緒に寝たいと言うから抱きしめてキスした』

 

 

 

 

……。

 

 

 

 

……あれ?黒猫さーん?

 

『なあ教えてくれ。桐乃はどうしちまったんだ?俺はどうすればいいんだ?』

『落ち着きなさい!』

 

な、なんだいきなり。俺怒られてるの?こわい。

 

『…油断していたわ。予知は可能だったけれど、既にここまで浸食が進んでいたなんて…!』

 

あらかじめこうなることが分かってたみたいな言い草だが、これはこいつのノリみたいなものだ。

俺と桐乃が仲良くなんて、予想できるわけがない。

 

『どうやらこれは、私一人の力で御しきれる限界を超えている様ね。

今管理人にメールしたわ。さっき活動報告をしてたからまだ起きているでしょう。

それからよく聞いて。例え結果がどうなろうとも、私は貴方達の味方よ』

 

お、おう。いや知ってるけどよ。

なんかものすごい深刻な話をしてる雰囲気になってんな。

まあ黒猫は普段から物事を大げさに表現する所があるから、これもなんかの真似なのか。

 

『ぴろりーん!お話は聞かせていただきましたぞ!とりあえず、今一度きりりん氏をぎゅっと優しく抱きしめて差しあげるというのはいかがでしょう?』

『アナタ酔ってるの?それとも深夜テンションで頭が沸いてるのかしら』

『何をおっしゃいますか!確かに字面だけ見ればいかにもアレな展開に思えますが、兄が妹を可愛がるくらい別に二次元に限らず当然の事。この程度のスキンシップは挨拶のようなものでござる』

『まだ貴女には理解できてない様ね。この兄妹こそが永遠の業に囚われし眠れる反逆者だということに…まあ、私に言わせれば初めから解っていた、ただの予定調和だけれど』

『拙者はむしろ、京介氏ときりりん氏だからこそ安心して見ていられると思いますな』

 

高速タイプする二人の会話に完全に置いてけぼりを食らう俺。

暗号のような言葉は理解半分だが、黒猫の言う通り兄妹がって話じゃなくて、俺と桐乃がって話だろう。

俺たちは沙織が思ってるほど仲のいい兄妹じゃねえんだから…。

そんな考えを挟むうちにどんどんログが流れていく。

 

『確かに、手ひどく突き放すのは私も反対よ。あのビッチが反動で蒸発したらそこの雄が泣きわめくでしょう』

『その通り。結局は京介氏自身のお気持ちを大事にするのがきりりん氏のためになると思います』

『…そうね。貴方がもしそれを望むのなら、あの女の望むようにすればいいでしょうね…

最終的に、それしか道は残されていないのだから』

『ついでに頭をなでなでしてあげたらもっと喜んでくれるかと』

『ちょっと本当に大丈夫?スレ民(笑)に垢でも乗っ取られたの?』

 

なるほど、なでなでか、なでなでね。いやそんなことしたらアイツぜってー怒るけど!

またしても黒猫の言うことはよく分からんが、今日の俺の選択肢は間違ってないってことだよな…。

あとは、桐乃が何を考えてるのかだけど…カチカチ

 

『それを私達の口から言わせるというのは、新手のセクハラかしら』

『それは流石に野暮というものですぞ京介氏』

 

教えてくれないの!?なんでだ!

てか女同士には伝わってるのか!?

 

ま、まあいいか。俺のやるべきことは分かった。

二人もこう言ってくれてるし、いいんだな?

さっきみたいに、俺が桐乃と抱き合ったりしても、別におかしいことはないんだよな?

し、仕方ねえなぁ。俺は面倒なだけだけどよ?お前がどうしてもやりたいって言うならやらないこともねえよ。

お前はそうは思ってくれないだろうが、俺はお前の兄貴だから。

これはホントに、どうしようもないことだからな。

 

 

 

 

 

ようやく血が止まったあたしは、被害状況を確認するために脱衣所で電気をつけた。

結構派手にやらかしてしまったみたいで、服にも血がついている。

うわ、これ兄貴の服も汚しちゃったかも…?バ、バレたかな?と、とにかく着替えないとっ。

 

「ついでにちょっとシャワー浴びようかな…今日まだ入ってないし」

 

興奮しすぎたせいか汗でべとべとになった下着を脱ぎ捨て、音を立てないようにバスルームに入る。

やっぱあたしってさ、めっちゃスタイル良いしカワイイよねー。

肌もスベスベだし、これじゃ兄貴が夢中になるのも無理はないっていうか。

こんなに可愛い妹に抱きつかれて、兄貴あたしの事しか考えられないんじゃない?ふひひw

 

「クンクン…うえっ、やっぱり兄貴の匂いがカラダに染みついちゃってる…」

 

これじゃ結局兄貴に抱かれてるのと一緒じゃん。裸で抱かれてるとかマジキモ!

さっさと洗い落とさないと。

 

ガチャ

 

 

シャー

 

 

「きょうすけ~と~ちゅう~あにきちゅう~♪」

 

ってちょっと、お父さん起きたらどうすんの!?

う~これも全部兄貴のせいだ…!

どっか行ってよもう!

 

 

シャー

 

 

「ガチャ」

 

 

「は?誰?や、やだまさか強盗!?怖いこわい兄貴助けて…!…ってなんだアンタか、もうびっくりさせないでよ。てか、なに妹がお風呂入ってるとこに堂々とのぞき見に来てるワケ?殺されたいってこと?え?せ、背中を流してくれるの…?ふ、ふーん。なによ、今更兄貴面すんなっつーの。てゆーかそれ、シスコンにはむしろご褒美じゃん。え?兄貴ご褒美ほしいの?…しょ、しょうがないなあ、じゃあ今夜だけ特別ね。あたしの背中を流させてあげるんだから、感謝してよシスコン。ホラ、兄貴がぎゅってしてキスなんかしたせいで、体中兄貴の匂いでべとべとなんだから、ちゃんと責任とってキレイにしてよ。…ん?これあたしのスポンジ。せっかく兄貴が洗うんだったら、兄貴のやつ使わないと意味なくない?どーせ兄貴もあたしの使ってるからこれでおあいこでしょ。んあっ…兄貴が、兄貴の手があたしの背中をこすってる!ふー、ふー!これいいよぉ!兄貴の手、兄貴の手ぇ…んっはあ!ねえちょっと、もっと背中の上の方までしてよ。後ろからシてるのに手が届かないとか意味分かんないし。ちょ、バ、バカ!そこは背中じゃなぁ!んあ!…こ、この変態~!け、結局これが目的だったんでしょ!妹の体をくまなく洗うとか、兄貴エロゲーに毒されて脳みそ腐ってんの?リアルとゲームを一緒にしないでよね。だけど兄貴の匂いは体中に染みついてるから、全身をごしごし撫でないといけない。でも兄貴が洗うと、洗ったとこから匂いがついてしまう。なにこのループ!兄貴とプール!今度行こうね!でもお風呂で泳ぐとか行儀悪すぎい!妹とお風呂に入るときは背面座位でしょJK。そんで妹の火照った身体をまさぐるとか、シス根とカワイモの水煮一品入りまーす!これ売れる!売れるけど兄貴犯罪者!このシスコンどんだけ罪を重ねれば気が済むの!?身内の身にもなれっての。普段は真面目そうなよく見るとカッコいい横顔(きゃ♪)してるくせに、とんだ偽善者だった。え?偽善、ギゼン、ゼンギ。ぜ、前戯!?前戯ってわけ!?このあと妹をベッドに押し倒すから、その準備をしてるんでしょ!ばっかじゃないの!?そんなことしなくても、あたしはいつでも準備オッケーだっつーの!シスコン検定2級からやり直せ!アンタ妹のこと何にも分かってない!なにも分かってないの!ひあ!そんなことされても、全然気持ちよくらんかぁ!らめぇ!…あ、兄貴に洗われちゃった……ふう。」

 

 

ガチャ

 

ちょ、ちょっと長居しすぎちゃったカナ?クシュン。

さっさと服着ないと風邪ひいちゃう。早く戻って兄貴に温めてもらおっと!

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