幻想郷。忘れられたモノが行き着く最後の楽園。そこには、一つの紅いお屋敷があった。かつて、紅霧異変と言う事件を起こした屋敷の主人は、今日もまた、何か考えついたようだ。
「パチェ、面白いことを考えたのだけれど」
レミリア・スカーレット。屋敷の主人であり、五百年の時を生きる吸血鬼。
「どうせ、つまらないことでしょ、レミィ」
パチュリー・ノーレッジ。レミリアの友人で、地下の大図書館に引きこもる、生まれついての魔女。
「あら、今回はとっても面白いことよ?幻想郷には娯楽が少ないわ。宴会やら異変とかしかないもの。人里の人間なんかはつまらないんじゃない?」
「それがどうかしたのかしら?別に、それでも良いと思うのだけれど」
「それはパチェが引きこもってるからよ。それでね、私は、紅魔館を改造して、カジノを作ろうと思うの」
「……なんでカジノなのよ」
「カジノなら、妖怪も人間も、天人も神様も、みんな平等に遊べるでしょう?それに、紅魔館の財政も潤って一石二鳥だわ」
はぁ、とため息をついたパチュリーであるが、紅魔館カジノ化計画には参加するようだ。
数ヶ月後
「あ〜暇だわー。何か面白いことでもないかしら」
つぶやくのは、今代の博麗の巫女、博麗霊夢。最近は異変が少なく、つまらないようだ。
「おーい!霊夢ー!面白そうなモン持ってきたぜー!」
空から箒に乗って高速で近づいて来たのは霧雨魔理沙。魔法使い。彼女の手には、何やらチラシがある。
「んー?何よ魔理沙。異変でもあったの?」
「異変と言えば異変だな。私も今日知ったんだが、ほれ」
魔理沙は霊夢にチラシを見せる。そこにあったのはーー
「はぁ!?紅魔館がカジノに!?どう言うことよ!」
「いやー数ヶ月前から準備してたらしいぜ。つい数日前からやってるらしい。どうだ?一緒に行ってみないか?」
「無駄よ、ムダムダ。どうせあの吸血鬼の能力で金を持ってかれるんだから」
「いやいや、そうでもないらしい。蕎麦屋のおっちゃんの話だと、レミリアがディーラーをやってるわけじゃなく、ちゃんと勝ちも負けもあり得るようだ」
「お金ないし」
「貸してやるって。さ、行こうぜ!」
魔理沙にひっぱられる霊夢。渋々ついていくと、これまでよりも大きく、奥行きのある紅魔館が見えてきた。
「へぇ、だいぶ変わったわね」
「だろ?噂じゃスキマ妖怪も来たらしい」
「あいつがねぇ。まぁ、ぼろ負けしたんなら嘲笑ってやるわよ」
二人は中に入っていく。
カジノは大盛況のようだ。あちこちで人々が歓声を上げ、また、悲鳴を上げている。幾つかのエリアに分かれているようだが、いる者には、人間も、妖怪も関係ない。誰もが等しく、一喜一憂している。
「ようこそ、カジノ・スカーレットデビルへ。チップの換金所へ案内させてもらいます」
「おっ、咲夜か。ここでもメイド服なんだな」
「あくまでも私はメイドですから。ディーラーやパフォーマーとして立つ時は状況にあった服を着るけどね」
十六夜咲夜。完璧で瀟洒なメイド長。彼女に案内されて、魔理沙の金をチップに変える。さあ、霊夢達は勝てるのか?
ONE PIECE Film GOLDに影響されました。ただ、咲夜さんをディーラーにしてみたかっただけなんだ……!
レミリア・スカーレット:オーナー。GOLDで言うテゾーロの立ち位置。
十六夜咲夜:ディーラー兼コンシェルジュ兼パフォーマー。GOLDで言うとカリーナとバカラの立ち位置。