まず霊夢が選んだのはルーレットだった。0と00があるアメリカンタイプである。最低ベッドは1枚、最高は30枚だ。
「おいおい、ルーレットってのは高配当を狙うと外れやすいし、当たりやすいのを狙うと1枚に対して1枚しか返ってこなかったりするぜ。良いのか?」
「何よ、わたしの運を信じられないの?紅霧異変でも春雪異変でも、ふらふら飛んでただけで首謀者のところに行けたのよ?博麗の巫女にかかれば、ルーレットなんて簡単よ」
霊夢は運が有る。有りすぎる。いや、運と言うよりも直感と言った方が正しいだろう。賭け事に関して、レミリアを除けば、霊夢に勝てる者はそう居ないだろう。
「Place your bets」
ディーラーの妖精メイドが告げる。賭けの始まりだ。
「赤の32にストレートで30枚」
周りがざわめく。まだウィールに球は投入されていないし、ストレートは一番当たりにくい。
「Last Call……No more bets!」
賭けがストップする。結局、賭けたのは霊夢だけだ。周りは様子を伺っている。数秒後、ボールがストップした。
「えーと……32、Red、
大当たり!賭け金は35to1。つまり、1500枚のチップが霊夢の手元に入ってくる。
「さて、次は、そうねぇ、黒の15に30枚」
再びのストレート。観客達は、次も当たるのか、それともただの偶然だったのかと、霊夢を見守っている。
「No more bets。当選は、15、Brack、
1500枚追加。この後も霊夢は勝ち続け、ルーレット担当の妖精メイドは涙目になっていた。
「さぁて、次はどこに賭けようかしら?」
「も、もう勘弁してくださぁい……!」
その頃、魔理沙はスロットで大負けしてたのだが、これは別の話。
ーー人里。幻想郷の中で、ほぼ唯一、普通の人間が住んでいる場所である。そこには、幻想郷の歴史を編纂してきた一族が居る。
「阿求、どうしたの?」
「んー、この『カジノ・スカーレットデビル』ってのに行ってみたいんだけどね。幻想郷縁起に書かなくちゃだし」
片方が、幻想郷の歴史を編纂してきた一族の娘、九代目阿礼乙女、稗田阿求。もう一人は彼女の友人である本居小鈴。
「だったら行けば良いじゃない。うちのお客さんもよく行ってるそうよ?」
「妖怪に襲われそうで怖いのよ」
「あぁ、盟約みたいなのが交わされたらしいの。カジノの客は襲ってはいけない、カジノに行きたいんだったら舗装してある道を行くか、それ以外の道では自衛して行けだってさ」
「失礼いたします」
「あら、貴女は……」
いきなり二人の前に現れたのは、吸血鬼のメイド、十六夜咲夜。能力を使って現れたようだ。
「お嬢様から言伝を預かっております。稗田阿求様、本居小鈴様のお二方をカジノへ招待せよ、と。移動は人力車を雇っています。準備が整い次第、玄関に来てください」
それだけ言うと、彼女は影も形もなく消えた。
「……よし、招待されたのなら目一杯楽しむわよ!」
「阿求や?目的変わってないかい?」
次回は阿求と小鈴。