イカれ軍人どもの戦国ネーションズ! 作:サンドワーム愛好家
——俺のせいで謀反が起きた。
最初は意味が分からなかったが、話を聞く限り結構ヤバいことをやってしまったという。
どうやら俺は、信勝と信勝の取り巻き全てをボコボコにしちゃったらしい。やっちゃったぜ。
それでだな、その後駆けつけた信奈達に俺は回収されたらしい。その時には既に俺は気絶していたそうだ。
で、勝家はどこ行ったかというと……その謀反した信勝と共に籠城中らしい。
なんで⁉︎ と思ったがどうやら勝家は信勝の所の息災? みたいな役職らしい。息災で合ってるっけ?
という訳で勝家は信勝達を回収に来た奴らと共に行ってしまったとさ、でめきん、でめきん。
最初は謀反をやるぜ、みたいな宣告だけだったらしい。
で、謀反をやめてほしかったら俺の首を差し出せとのことだったらしいんだけど……
「は? あんたの首を差し出す? 無理に決まってるじゃない、同盟相手の大将の首を差し出すなんて」
と、いう訳で謀反が起こったらしい。面倒だな。
というかだな、俺ボコった記憶ないんだが。ショタ野郎に会ったトコまでしか記憶が無いんだが。意味分からん。
「まあ俺がトリガーになっちゃったのは悪いと思うんだけどさ、これからどうするつもりなんだ?」
「信勝を……斬る」
「そんなことは許されないんDA!」
「……なんで?」
したくも無い、弟を殺すなんて事を決意したであろう信奈のセリフを全力で台無しにする俺。信奈は二重の意味で大変ご立腹だった。
……だが俺だって、ただふざけたくて言った訳では無い。
「身内を殺してしまった者は、必ず道を踏み外すからだ」
「何よそれ……ふざけないでよ!」
「いや、事実だ。実際に身内を殺した者は心が壊れてしまっている、歴史上のどの人物も、な」
例えば
彼は弟を殺してからというもの暴走してしまっている。結果明智光秀に裏切られてしまった。
例えばアーサー王。
彼も弟を殺した事によって心が壊れてしまっている。その結果が国の崩壊だ。
例えば殺人鬼。
身内を殺したという訳では無いが、人を殺した事によってタガが外れてしまっている。結果連続殺人鬼などが発生してしまっている。
結局、人を殺すという行為は人を狂わせるのかもな。優しい世界になってほしいものだ。
「お前も心が壊れてしまえば過去の偉人達と同じように何もかもが失敗するだろうな」
「——じゃあ……じゃあどうすれば良いのよ! 尾張を纏めないと、他の国に攻められるのよ⁉︎」
信奈は目に涙を浮かべながら叫ぶ。
信奈は分かっているのだ、押しても引いても、後にあるのは絶望しかないと。
それを知っていてなお信奈は攻めると言うのだ。大を生かすには小を殺す、信奈は弟より国を選んだ。
確かに信奈は国主としては正解だろう。そうでなければ務まらないしな。
……だが、間違っている。
「……仮にこのままお前が兵を出し信勝達を鎮圧したとする。
だがその際にでた損害はどうする? 結局どちらも織田なのだから損害は織田にしか出ないぞ?
そうなれば弱った尾張を手に入れようと他国が迫ってくるぞ?」
「……!」
その可能性に気付いたのか信奈は頬を打たれたかのように愕然とし、膝から地に着き倒れこんでしまう。
その顔からは、涙が流れているようだった。
「…じゃあ、どうすれば良いのよ……」
掠れた声で信奈が言う。
どうやらかなりショックがデカかったらしい。
まあ確かに、どう足掻いても絶望、なんて状況ではこうなるわな。俺もよく分かる。
……でもですね、一つ忘れてないですか? この事件で一番悪い犯人の事。
そう、この事件で一番悪いやつ、それは……
「(……俺じゃん)」
そう、実はこの事件で一番悪いのは俺なのDA!
いや、実際俺があいつらボコらなければこの謀反は起こらなかった訳で……。
いやでもすっかけてきたのはあっちだし……。
そして、俺の中で絶賛反省会が行われている時、一つの名案が生まれる。それが!
「ならばこの事件は俺が解決しよう」
「……え?」
この謀反を損害を出さずに収めるという方法だ!
どうやってかだって? そんなの睡眠兵器使えば良いじゃん! ……まあゲームには無かったんだけど。
いや、実は俺言ったのよ、ゾーイ達に。睡眠兵器とか造れないか〜、って。
ゲームの時にも市民の暴動を何とかしろってミッションがあったんだけど、実はそれ、殺傷兵器使用禁止だったんだよ。市民は殺すなって事らしい。
だから非殺傷武器を持ったやつでやってたんだけどさ、その兵士達が使いにくいのだよ。
対一兵器しか持ってないし、火力も低い。しかも暴動とかでしかその兵士達は活躍できないもんだからランクも低い。ついでに言うとHPも足りない。
そんな訳で毎回損害を出しながらやってたんだ。
だが現実でもそれが起こったらたまったもんじゃ無い。千単位を対一兵器持ちの兵士でどう対処すれば良いんだよ。数が足りねぇよ。
という訳で先日ゾーイに作らせました。迫撃砲用の睡眠弾と電撃弾。
睡眠弾は野草を何種類を組み合わせたものに
試作品をイノシシ牧場に撃ち込んだ所、全てのイノシシが3秒チョイで眠ってた。牧場、半径10mはあったはずなんだけどなぁ……。
因みにイノシシが眠っていた時間は10時間だった。化学物質を含めない弾頭だと6時間の効果だった。
化学物質を含めるだけで効果時間が1.5倍に! 化学(物質)のちからってすげー!
電撃弾の方はテイザーガンの流用らしい。ゾーイによると弾頭が目標地点の地面に接すると弾頭内部からテイザーガンの電極が射出、対象を無力化するらしい。
というかバトネにテイザーガンなんてあったんだな。俺知らなかったよ。
こちらの効果時間は最高でも2時間らしい。範囲は半径数メートルとの事。
用途としてはガスマスクなどを付けてる相手など、睡眠弾が効かない時に使え、とゾーイから。
因みにどちらも追加効果重視の為、ダメージはほぼ無いと言う。
よし、じゃあ早速準備をしよう。
俺は自室に設置した無線を取った。
「ねえナヨ……何それ?」
信奈が涙目で俺に尋ねる。
……信奈見て思い出したんだけど、絶対犬千代怒ってるよな。 私のソーダは⁉︎ って。後で渡せば大丈夫か?
まあそれはともかく、無線の事ぐらいは教えても良いだろう。どうせこれからバンバン使っていく予定だし。
「ああ、これは無線機だ。濃尾平野にある仮説基地とルーター(ノード)を介して通信できる代物だ。……意味分かる?」
「……全く」
信奈は頭に?を浮かべている。
やっぱり分からなかったようだ。
「——そうだな、南蛮カラクリ……見たいなモンだと思ってくれれば良い。
で、基本的な概要としては遠く離れた相手と会話ができるって事だな」
「遠く離れた相手と会話……? ってもしかしてそれって濃尾平野にいる人とも喋れるって事⁉︎」
「流石だな信奈、理解が早くて助かる。
まあルーターを介しているから無線機のみであそこまで届くという訳ではないが、概ねその通りだ」
「すごいじゃない! それ!」
信奈は目をキラキラさせながら言った。
やっぱりコイツはアレだな、へんなのが大好きな変態野郎だ。
ドラグーン見た時もこんな感じだったし。信長の方もこんぺいとうが好きだったって言うしな。俺の予想は当たってたって訳だ。
「ナヨ、それ譲ってくれないかしら⁉︎ それが有れば尾張も……!」
「残念だが却下だ、信奈。パワーバランスを一気に崩すつもりは無い。
そんな事よりも対策はどうしているんだ? 応援を呼ぶつもりなのだが、それまで抑えてくれれば助かるのだが」
「……そうね。まずはここを乗り越えなきゃ。
でもコレが終わったらさっきの話、ちゃんと考えてもらうわよ!」
「分かった、分かった。で、どうなんだ?」
「今は万千代達が城を囲んでいるわ。
でも、いつまでもこの状況が続くとは考えてられないわね……」
ふむ、という事は短時間で移動して来てくれないとダメだな。だが歩きだと3時間は掛かってしまうよな。
……しゃーない、俺がしでかした事だしな。
俺は無線を仮説基地へ繋げる。いつも通りモーガンが速攻で応答してくれた。
≪どうも、大尉。3日ぶりですね。今日はどうなされたのですか?≫
≪ああ、久しぶりだな。いきなりで悪いが、至急部隊を送ってくれないか? 内約は迫撃砲チームを5組、睡眠弾装備で頼む≫
≪まあ良いですが、どうかなされたのですか?≫
≪ちょっくらやらかしてしまってな。大丈夫か?≫
≪勿論大丈夫ですよ。しかし今からだと4時間はかかるかと……≫
《ならば部隊に前に製造したアレに乗らせてやれ。軽く実践テストも出来るしな≫
≪確かに良い案ですね。それでは部隊を出しますのでしばらくお待ちください。……おいパーキンス、すぐに部隊を集めろ! 大尉直々の命れ……≫
俺は後半の全部を聞き終える前にガチャッ、と無線を切る。別にパーキンスの可哀想な姿を想像したわけじゃ無いぜ。
それにしてもやっぱりパーキンスは可哀想な奴だな。前回のアレの試験テストの奴にも実験台にされてたし。哀れすぎるぜ。
「それじゃあ信奈、数分待っていてくれ。そうすれば援軍がくる」
「援軍って何人くる予定なの?」
「
「……はぁ⁉︎ 少なすぎるわよ!!」
そんな訳でそれから数分間、信奈と共にソーダを飲みながら自宅で待機していた。
ソーダを渡すまで信奈の視線が冷たかった事なんて俺は知らない。例えジト目で見られていたとしても俺は見てない。
知らないって事にしておきます。
それから数分後、無事増援部隊が到着した。……
「な、何よこれ……」
「お、着いたか。お疲れさん」
「いえいえ、これも仕事ですので」
信奈はバイクを見て驚いているが、今は無視だ。とりあえず概要を説明しよう。
「いきなり来てもらって悪いんだが、早速概要を説明させてもらうぞ。
今回の目標は謀反を起こした織田信勝、それの兵士の無力化だ。尚殺す事は許されない。
そこで君達に持って来てもらった睡眠弾を迫撃砲で打ち上げ、城内を制圧する。中はどうなってるかは分からないので全弾撃ち込んでやれ。質問はあるか?」
「大尉、撃ち漏らしはどうすれば良いでしょうか?」
「ああ、それならば今から諸君らに支給する
弾丸はゴム弾だから相手の事は気にするな、思いっきりかましてやれ」
「了解です」
「な、何の話をしているのよ……?」
信奈は俺たちの話について来れてないようだ。まあ確かに分からない事もないが。
だが、説明してる時間もない。もしも先に戦闘が始まってしまえば元も子もないからだ。
「信奈、早速立て篭っている城へ案内してくれ。コイツですぐに向かう」
「コイツって、コレの事……?」
そう言って信奈は玄関(?)先に布を被せて隠しておいたバイクを指す。
「そうだ」
「私はどうするのよ?」
「俺の後ろに乗ってくれば良い。荷台の部分を換装すればイスが増設されるからな」
そう言いながらパパッと荷台とイスを換装する。因みにシートベルト(命綱ともいう)も付属している。
「じゃあ早速行くぞ。時間が惜しい」
「も、もう! 分かったわよ、乗れば良いんでしょ⁉︎」
「その通りだ」
俺たちは早速バイクに乗って信勝達が篭城しているという清州城へ向かった。