話がある、とのことで織姫は一度、沙優に連れられて浦原商店に来た。
中には喜助の他にチャドの姿があった。
「おお、早いね喜助ちゃん」
「沙優が遅いンスよ。何してたンスか」
「斬魄刀忘れちゃって」
「何してンスか……」
「じゃ、あたしは街の虚片付けてくるね」
「ういっス。ボクたちも後から行きますんで」
「はいはーい」
軽く返事をすると、店を出て行った。
「………沙優の奴、また斬魄刀忘れて行ったっスね」
1
一護は滅却師である石田と出会した。
「石田ァ…!」
「黒崎……!」
「へへ、ようやく見つけたぜ。本当なら今すぐテメーを泣かしてやりてえとこだが、てめぇよりもまず先に俺はこいつをブチのめさなきゃならねぇ!」
一護はそう言うと、コンの胸ぐらを掴んだ。
「コン‼︎テメェ、何モタモタしてやがったコラァッ‼︎」
「なんで真っ先に俺にキレんだよ‼︎俺にはあいつにキレた後でいいじゃんよ‼︎」
「うるせぇ‼︎テメェがさっさとルキアのケータイ持ってこなかった所為で俺は町中走り回るハメになったんだぞ‼︎」
「知るかよそんなこと!良かったじゃねーか。たくさん走れてストレス解消になったろ‼︎」
「あァ⁉︎元々俺はストレスなんかたまってねェよ‼︎ー
「嘘つけ!ストレスねェ奴がそんな眉間にしわ寄せっぱなしにするかよ‼︎」
「大体テメールキアに魂捧げたんだろ!一心同体だろ‼︎だったら1発で見つけられんじゃねーのか‼︎」
「おう!見つけられるとも!俺くらいになるともう姐さんなんて匂いで1発よ!」
「しっ……失敬な‼︎私の体はそんなきつい匂いなどせぬわ‼︎」
などと3人揃って言い争いをしてると、今までほっとかれてた石田が声を上げた。
「君たち!いい加減にしないか!君たちの敵は僕だ!仲間割れなどしている時ではないだろう!」
「もちろんそんなキツイ臭いなんてしないっスよ‼︎天国のような甘い香りっス!ほらこの通り……」
「ばっ……馬鹿者!よせ!貴様っ‼︎さもないと……」
ゴッ‼︎
「ギャーーー‼︎鼻が折れた!」
「わあっ!ルキアてめえそれ俺の体だぞ!その辺考えて殴れよ‼︎」
「あの……」
「一護てめえ姐さんを責めるな!今のは俺が悪いんだ!殴るなら俺を殴れ‼︎」
ガギン!
「オギャー!」
「ああっ!しまった、つい……」
「くそっ、大体お前がなぁ!」
そこが限界だった。イラっとした石田は弓矢を構えた。
「ふざけるなよ黒崎一護‼︎君の相手は僕だと……」
その時、指が滑って矢を放ってしまった。だが、そこに沙優が降りてきて、矢を殴り折った。
「⁉︎」
「やっほー、黒崎ちゃん。朽木ちゃん」
「⁉︎ お、お前は……!」
「沙優ちん⁉︎」
「えっ、さ、沙優ちん?」
「ルキア、てめえどっかに頭でも打ったか?」
「ち、違う!沙優のあだ名だ!」
「そう呼ぶの、朽木ちゃんだけだけどね」
すると、一護が声を出した。
「お前……俺が見えてるのか?」
「え?うん。ガッツリ」
「なっ……いつから⁉︎」
すると、「んっ?」と、ルキアが声を漏らした。
「ああああ‼︎お、お前っ!『浦原』って……!」
「え、今更?」
「浦原……?ああっ!あの下駄帽子‼︎」
「下駄帽子って……酷い言いようだね」
一護も今更思い出したように声を上げた。
すると、コンが空を指差した。
「お、おい見ろよ一護っ!」
「あ?……な、なんだよありゃ……!」
空のひびが一箇所に集まって来ていた。
「待て、どうやらそれだけじゃないぞ……」
石田が辺りを見回した。
辺りの虚がその一点を目指して集まって来ていた。
「ち……ッ」
石田が空の穴に向かって矢を向ける。
「よせ石田!あれだけの数だ!戦い方を考えてから……」
「なんだ、怖いのか黒崎」
ズボッ、と一匹の虚の頭をぶち抜いた。
「怖いならここで見物してるといい!この勝負は僕の勝ちだ‼︎」
言うと、石田は階段を駆け上がって虚を睨み付けた。
「こっちだ虚ども!最後の滅却師、石田雨竜が相手をする!」
その言葉に、一護は首を傾げた。
「最後の滅却師……?あいつ何言って……」
「滅亡したのだ。二百年前に滅却師は。死神の手によって……」
ルキアが口を挟んだ。
「………うーん、じゃああたしは石田ちゃん助けに行ってるね」
「うむ、死なせるなよ」
沙優は石田の後を追った。
2
沙優は石田の後ろに付いてきた。
「おーい、石田ちゃん。手伝うよ」
「さっきから思ってたけど、君は同じクラスの浦原さん、だよね?」
「今更?」
「何者なんだ?」
「ピカチュウ」
「………おちょくってるのか?」
「ほら、前」
「へ?って、うお!」
虚からの攻撃をなんとか回避する石田。前転しながら、矢を放った。
「おお、やるね。……っと、あたしもそろそろ参加しないと……あれ?」
腰の斬魄刀を抜こうとすると、斬魄刀がない。
「また忘れてきたああああああ‼︎」
「な、何してる浦原沙優!」
「斬魄刀忘れた」
「何しに来たんだお前!」
「まぁ、この程度の虚なら素手でも倒せるから」
言うと、沙優は一匹目の虚に向かって行った。攻撃を躱すと、顔面に拳をたたき込み、怯ませて虚の鎌になってる腕を蹴り折った。
折った鎌でその虚の首をはねると、それを武器にして別の虚を次々に仕留めて行った。
(クッ……!浦原さんが手伝ってくれているのに数が減らない……!このままでは……!)
石田の頬に汗が流れた。その、石田に沙優は言った。
「大丈夫だよ、石田ちゃん」
「ちゃん?」
「援軍ももう直ぐ来るから」
「援軍………?」
すると、遠くから「石田ァーーッ‼︎」と叫びながら、虚をバッタバッタ斬り倒していく一護の姿が見えた。