一護と石田が昔の話を、正確に言えば原作6巻での話をしてる間、沙優は一人で虚を殴り殺していた。
(………話長いなぁ。早く働いてくれないかなぁ)
そんな事を思いながら、折れた一時停止の標識を武器に、暴れ回る。
(…………喜助ちゃん早く来ないかなぁ。……退屈だし、一人しりとりでもするか……。しりとり、りんご、ゴーレム、村人、トニー・トニー・チョッパー、アントニオ猪木、木下秀吉、シスター・アンジェレネ、ネス湖、コロコロコミック、濃口醤油、遊佐恵美、ミスター・ドン・観音寺、ジラーチ、チルタリス、スバメ、メタング……あれ、これポ○モンしりとりだったっけか?)
『ヴオオオオオ‼︎』
「グラエナ‼︎」
ズガンッと虚を両断した。
『ヴァアァアアア‼︎』
「ナックラー‼︎」
バギャッ‼︎
『グオオオオオオオ‼︎』
「アメタマ‼︎」
メキャッ‼︎
「「うるせぇな‼︎今、真面目な話してんだよ‼︎」」
一護と石田から当然のツッコミが飛んだ。
だが、呑気な沙優は怒られたことにも気付かない。
「あ、ちょうどいいや。黒埼ちゃん、次マだよ」
「やるか!人が大事な話してる中、一人でしりとりしやがって!」
「寂しい奴なのか君は⁉︎」
「それ、石田ちゃんには言われたくないなあ」
「な、なんだと⁉︎」
そんな話をしてると、虚達が全員、空を見てることに気付いた。
「⁉︎ なんだ?」
「あ、来るね」
「何がだよ、ウラ」
「ポケモンでいう……そうだな、ボスコドラくらいのレアモノ」
「進化させれば誰でも出来るんじゃねぇか⁉︎てか何⁉︎お前、ルビサファ好きなの⁉︎今度通信しよう!」
「黒崎ィ⁉︎君まで何言ってんの⁉︎」
「まぁ、とにかく他のココドラやコドラとは比にならないよ。気を付けてね」
直後、空のヒビが割れ、そこから特大の虚が顔を見せた。
「大虚ちゃんだよー。さて、じゃあ二人とも頑張ってね」
「「………はっ?」」
「周りの雑魚はあたし達が請け負うから」
「あたし達……?」
すると、ガガガガッという射撃音と共に周りの虚達に穴が開いた。
そっちを見ると、雨がお札を貼られた銃のようなものを担いで頭を下げた。
「……こんにちは………」
「ウルルちゃーん!」
「黒崎サーン、助けに来てあげましたよーン♪」
「テメェは……ルキアの知り合いの下駄帽子⁉︎」
一護がリアクションしてる間に、ジン太、雨、鉄裁、沙優の四人は暴れ回り、虚をかたっぱしからボコボコにしていった。
「つ、強い……!どんどん虚の数が削られていく……!」
「下駄帽子……どうしてここに?どうしてテメェは俺の行く先々に現れるんだよ……⁉︎」
「下駄帽子って……、酷い言いようだなぁ黒崎ちゃん。浦原喜助、あたしのお兄ちゃんだよ」
「…………は?お兄ちゃん?」
「さっき朽木ちゃんが言ってたじゃん。忘れちゃったの?鳥頭なの?」
「このっ……!」
「いいンスか?黒崎サン」
喜助が空を指差した。
「無駄口をきいてる暇なんてないっスよ」
その穴から、大虚が姿を現そうとしていた。
「じゃ、黒崎ちゃん。頑張ってね」
沙優は再び仕事に戻った。
1
石田との協力もあり、一護は大虚を追い返すことに成功した。
その後、みんな解散になりそうだった時、沙優の所に織姫がやって来た。
「………沙優ちゃん」
「あ、織姫ちゃん。どったの?」
「死神、だったんだね……」
「………ああ、その事?うん、そーだよ」
「……………」
「それだけ?」
「へ?あ、いや、ちょっと驚いちゃって……全然、気付かなかったから」
「そりゃそうだよ〜。だって、ずっと素だったもん、あたし」
「そっか……良かった」
「? 何が?」
「漫画みたいに、監視のために友達ごっこを演じてた、とかじゃなくて」
「あり得ないよー。あたし、織姫ちゃん大好きだし」
「あ、あはは……女の子同士でも正面から言われるのは恥ずかしいな………」
「あ、照れてる。かわいい」
「や、やめてよー」
「それで、織姫ちゃんはどうするの?」
「? 何が?」
「これから。断言するけど、黒崎ちゃんはこれから戦いに巻き込まれていく」
「……………」
「まぁ、織姫ちゃんの好きにしなよ。でも、もし戦うなら、あたしが全力で守ってあげるからね」
「…………うん。でも、さ」
泣き出しそうな顔になって、織姫は沙優に言った。
「あんまり、危ないことしないでね。沙優ちゃんも、黒崎くんも」
「………分かってるよ」
そう答えると、織姫と沙優は別れた。