8月1日。喜助と夜一の指導を終えた一護、チャド、織姫は、喜助達が尸魂界への門を開く準備を整えてる間、普通に夏休みを過ごすことになった。
啓吾に集められたいつものメンバーは、昼間の3時10分から集まり、花火大会に参加することになった。
「じゃ、行こうか」
「おう!」
「………なんだ、啓吾。ヤケに大人しいな」
一護が言うと、啓吾は真面目な顔になって一護に言った。
「………一護」
「な、なんだよ」
「後で、話がある」
「お、おう?」
そんなわけで、花火大会までみんなで時間潰し。
全員で遊んでる中、啓吾は真面目な顔で一護に話しかけた。
「一護……お前、最近沙優ちゃんと仲良いよな?」
「え、そ、そうか?」
「ああ。そんなお前を見込んで頼みがある」
「な、なんだよ」
「…………沙優ちゃんの好きな食べ物や趣味を、教えてくれッ‼︎」
「え、何、急に」
「あの子はなぁ‼︎お前らが冷たく俺と遊ぶの断ってる間ァ‼︎ずっと俺と二人で遊んでくれてたんだぞォ‼︎」
涙ながらに豪語する啓吾に、一護も水色も軽く引いていた。
「………つまり、そんな浦原さんのことが好きになっちゃったんだ?」
「……………まぁな。……って、水色!お前聞いてたのかよ!」
「うん。まぁ、浦原さん可愛いし、僕も彼女があんな子だったらなって思った事はあるよ」
「やめとけ」
一護が口を挟んだ。
「何おう⁉︎」
「悪い事は言わねぇ、啓吾。あの子だけはやめとけ」
「何でだよ⁉︎」
「や、俺の口からは何とも……でもやめとけ」
「ふざけんな!………あっ、まさかテメェも狙ってんのか⁉︎」
「………アア?」
「いだだだだ!ごめんごめんごめん‼︎」
その話を聞いてた竜貴が、沙優の肩に手を置いた。
「………?何、竜貴ちゃん?」
「気をつけろよ、沙優」
「…………?」
忠告された。
1
全員で花火を見て、解散した。
「たっだいまー‼︎」
「おお、沙優。おかえり。ちょうどよかった」
「もう準備出来たの?」
「そりゃもう。いつでもいけるっスよ」
「じゃ、あたし斬魄刀持ってくるね」
「沙優」
「んー?」
「気を付けて。多分、尸魂界にとって沙優はボク以上に嫌われてますから」
「分かってるよ。藍染ちゃんとそいぽんちゃんに何言われてるか分かったもんじゃ無いってことでしょ?」
「分かってるならいいっス。じゃ、黒崎サン達、呼びますね」
「あーい」
返事をすると、自分の部屋に戻った。
そして、あらかじめ荷物の整理を開始した。
「何をしとるんじゃ?」
猫の夜一が部屋に入ってきた。
「んー?そいぽんちゃんに買ったお土産整理してるの」
「………お主は奴を煽りたいのか?」
「そんなわけないじゃん。何言ってんの?」
「こっちの台詞じゃ‼︎」
「そいぽんちゃんも八つ橋好きだと思うんだよね〜」
「おい、それ京都の食べ物じゃろ?いつ買いに行った?」
「ちょっと前に。学校サボって」
「うん、もう何も言わん」
「他にも色々買ったんだよ。生八つ橋、ナルト全巻、ゲームキューブとスマブラ、シュピーゲルのMG、川内改二のフィギュア」
「それは喜びそうじゃなー(棒読み)」
「でしょ⁉︎」
(皮肉が通じない奴というのは割と腹立つのう)
夜一は一つ、学習した。
2
しばらくして一護、チャド、織姫、石田が集まった。
「おーーっ、全員揃ってるっスね。結構結構」
その四人に喜助が声を掛けた。
「さてと、そんじゃ中で説明しましょかね。尸魂界へ行く方法。ちゃんと聞いといてくださいよォ。でないと、向こうに着く前に死ぬことになる」
との事で、四人は地下の勉強部屋に集まった。
「す、すごーーーい‼︎あの店の地下にこんなでっかい空間があるなんて‼︎かっこいい!秘密基地みたい‼︎」
「そうか?」
織姫の感想に一護が反応すると、鉄裁が織姫の手を強く握った。
「す、素晴らしいリアクション……!この鉄裁、いたく感激いたしました……!」
「えへへー♪どうもどうも!」
「ハイハイ、皆サーン。こっちにちゅうもーく。いきますよー」
喜助が手をパンパンと叩いて、指をパチンと鳴らした。
直後、後ろから四つの岩が現れ、巨大なアーチを作った。
「では、説明します」
3
「と、いうわけっス。この『拘流』に足の一本でも絡めとられれば、時間内に『断界』を抜けられる可能性は、限りなくゼロに近くなる」
「ど、どうすれば……」
喜助の説明に織姫が呟いた時だ。
「前に進むのじゃよ」
猫の夜一が口を挟んだ。
「言ったじゃろう。心と魂は繋がっておる。大切なのは心の有り様。前に進もうとする意志じゃ。案内役は儂とそこのアホがつとめる」
そこのアホ、というのは言うまでもなく沙優だ。
「やっほー。あたしも行くよ」
言いながら現れた沙優の背中には巨大なリュックが背負われていた。
「おい!なんだそのポーズは!山籠もりでもすんのか⁉︎」
「これ、そいぽんちゃんへのお土産」
「そいぽん?」
「おい、沙優。余計なことを話すな。行くぞ」
そんなわけで、全員出発した。