走り出した直後、後ろから壁が追いかけてきた。5人と1匹が走ってる所が崩れ始めた。
「うきゃっほい!キタキタキタァ〜‼︎」
一人嬉しそうに走るのは沙優だ。
「って、うおいウラ‼︎リュック!リュック後ろ付きそう‼︎」
「え?付き添う?いやもう付き添ってんじゃん」
「そうじゃねぇよバカ‼︎壁にリュック取られるって言ってんの‼︎」
「え、マジ?じゃあ加速」
しんがりを務めていた沙優が加速し、スルスルと前の一護、チャド、石田、織姫を抜いて行く。ただし、沙優の体型から大きくはみ出ているリュックが四人をラリアット、全員殴り倒した。
「ん?なんか当たったかな」
「てめええええ‼︎何しやがんだああああ⁉︎」
ツッコミながら起き上がる一護達。
「ん、何寝てんの四人とも?早く走らないと追いつかれるよ」
「誰の所為だと思ってんだああああ‼︎」
「黒崎!あんまツッコむな!無駄に体力を消費するぞ‼︎」
石田がそう言った直後、チャドが石田を担ぎ上げた。
「えっ?」
「きゃっ」
「おっ?」
そのまま一護、織姫と担ぐと大きくジャンプした。跳んだ先には、沙優のリュックがあり、そこにしがみ付いた。
「ギャああああ⁉︎重ッ!え、何⁉︎重ッ⁉︎」
「いやーこれ楽チンだわー」
「ありがとう、茶渡くん。これは中々良い乗り物だね」
「気にするな」
「何してんだお前らああああ‼︎降りろおおおお⁉︎」
「うるせー。元々はお前が蒔いた種だろうが」
「男共‼︎あんたらそれでいいの⁉︎女の子に背負われててそれでいいの⁉︎」
「知らないね。そもそも、僕のような知的なタイプに全力疾走なんて似合わない」
「自分で知的とか言うな!知的ってのはあたしみたいなタイプを言うんだ!バーカバーカ!」
『それはないかな』
「夜一ちゃんまで⁉︎」
そんな事をしてる時だ。ビリッと、嫌な音がした。
「「「「えっ」」」」
後ろにしがみついてる四人の声がハモった。直後、リュックが引き裂けた。
「嘘おおおお‼︎」
「うおお!後ろ後ろ!」
悲鳴と共に落ちる一護達とリュックの中の荷物。直後、沙優の姿が消えた。うしろへ半歩下がると、空中に舞った獲物を獲りに向かった。
「ワントゥッ!スリー、フォウッ‼︎」
言いながら手の中に回収していく。ただし、お土産と織姫を。どうやって持ってるかは不明。
「てめええええ‼︎俺たちは助けねえのかよ‼︎」
「だって人じゃん。自分でなんとかしなよ」
「井上も人ですけど⁉︎」
「おい!あそこが出口じゃ!」
夜一の前には、まさに出口といった感じで光が差していた。
「やっ……!無理!追い付かれ……!」
「ああもう、仕方ないなぁ」
直後、沙優は荷物の中から木刀を取り出した。
で、荷物と織姫を出口に向かってブン投げると、一護達の後ろに走った。
「沙優!何する気じゃ⁉︎」
「斬る」
「斬るって、何を⁉︎」
「アレ」
無視して木刀を振り下ろした。ブアッと後ろの壁が真っ二つに裂け、後ろまで道が出来た。
「………よし、じゃあ、のんびり行こうか」
「最初からそれやれよ‼︎」
1
緩やかに着地し、一同は流魂街に流れ着いた。
随分と昭和的な家が並んでいる。
「へぇ……ここが、尸魂界か……」
「あれっ」
随分と街並みの違う方を見つけ、一護が声を漏らした。
「何だ?あっちの方は随分街並みが違うじゃねぇか」
「ああ、あれが……」
「わかった!あれが死神たちの住んでるナントカって街だな?」
言いながら一護は走り出した。
「‼︎ ば、馬鹿者‼︎迂闊にそちらへ近くな‼︎死ぬぞ‼︎」
「え?」
直後、頭上から壁が落ちてきた。ドドドドドッとその街を囲むように壁が降りてきて、最後に巨大な男が降りてきた。
「久す振りだあ……通廷証もなすにごの精霊門をくぐろうどすだ奴は……久々のオラの客だ。もでなすど小僧!」
「な、なんだあ?」
「あーあ……これだから黒崎ちゃんは黒崎ちゃんなんだよ……」
「おいウラ!どういう意味だテメェ‼︎」
「ほら、黒崎ちゃん、前」
言われて、前を見ると一護に斧が振り下ろされた。
「うおっ⁉︎」
「ぐふふふふ……さあ!どっがらでもかがっで来い!」
その様子を後ろで見ながら、石田が呟いた。
「で、でかい……!何だ、あいつ……⁉︎あんなの人間の大きさじゃない……!何者なんだ?」
「奴の名は兕丹坊……。尸魂界全土から選び抜かれた豪傑の一人で、この白道門の番人じゃ」
「番人……てことは、中に入るにはあいつを倒すしかないってことですね……」
「ああ。沙優、お主がいけ」
「えーやだよー。あたし荷物まとめるので忙しいもん」
「一護が死んでも良いのか?」
「大丈夫だよ、黒崎ちゃんなら勝てるって」
沙優が言うと、向こうで戦闘音が聞こえた。