ある日、浦原商店にて。
「「「ボハハハハーーーッ‼︎」」」
「………何やってンスかあんたら」
テレビを見ながら両腕を胸前でクロスし、変な笑い声を上げているジン太、雨、沙優に喜助が冷たくツッコんだ。
「えー、喜助ちゃん知らないの『ぶら霊』⁉︎」
「知ってるっスよ。ジン太やウルルがハマるのはまだしも、元二番隊副隊長がどハマりするのってどうなンスか」
「いーんだよ!こーいうのはノリだって!はい、喜助ちゃんも一緒に」
「やらねーっスよ」
はぁ……と呆れたようにため息をつく喜助。
現在、テレビで放送されているのは「ぶらり霊場突撃の旅」という、毎週水曜日夜8時からやってる心霊番組だ。
メインはその観音寺ミサオ丸こと、ドン観音寺。この番組でデビューした霊能力者が除霊させていくという番組だ。
喜助の言う通り、死神の沙優がハマってるのは全く意味が分からない番組だ。
「ったく、まぁハマるのは自由っスけど近所迷惑になるんであんまはしゃがないで下さいよ」
「分かってるって〜」
わかってない時の返事だそれは……という台詞を飲み込んで、喜助は再びため息をついた。
その時だ。
「おおおお‼︎マッジかよおおおお‼︎」
「どしたのジン太ちゃん⁉︎」
「来週、空座町にミスター・ドン・観音寺が来る‼︎」
「マジでかあああああ‼︎」
「ほら分かってない……」
喜助はまたまた、ため息をついた。
1
翌日、学校。
「「ボハハハハーーーッ‼︎」」
織姫、沙優のアホコンビが一護の前に揃ってお馴染みのアホアホしい笑いを上げた。
「……………」
「あれ?リアクション薄いなあ、黒崎くん」
「ひょっとして、これ分からない?」
「知ってるよ。『ぶら霊』だろ」
「「あったり!」」
二人揃って目の前で胸前で手を叩く。
「それじゃ、黒崎ちゃんもご一緒に!」
「はい、ボハハ……」
「バンザーイ!」
その二人を竜貴が腕を掴んで無理矢理止めた。
「た、竜貴ちゃん?なに⁉︎なに⁉︎」
「あ、やるなら3人で、とか?」
「違うから。いや、もうそれでいいから、あっち行くよ」
「なんで⁉︎」
二人はそのまま引き摺られた。
その背中を一護がぼんやり眺めてると、目の前に今度は啓吾と水色が現れた。
「「ボハハハハーッ‼︎」」
「……………」
鬱陶しい、とでも言わんばかりに一護はその場を去ろうとした時、さらにチャドが目の前で無言で手をクロスしていた。
「………行かねぇからな、俺は」
ため息をついた。
2
翌週、水曜日。集まったメンバーは、チャド、水色、啓吾、織姫、竜貴、沙優、ルキア、そして黒崎一家。
「「来てんじゃん‼︎」」
「うるせえ!黙れ!殺すぞ‼︎」
水色と啓吾に指を差されるも、平気でそう返した。
その返し二人がドン引きしてると、「黒崎くん」と織姫から声が掛かった。
「あの……こないだはごめんね」
「何が?」
「黒崎ちゃん、この手の番組嫌いだったんでしょー?その事を織姫ちゃんは謝ってるんだよ」
「井上が謝ってるならお前も謝れよ、ウラ」
ウラ、というのは一護が浦原を呼ぶ時のあだ名だ。
「まぁ、気にしちゃいねぇよ。啓吾とか水色なんか、俺が嫌いなの知っててアレだしな」
そう言う一護の視線の先には、お馴染みの笑いをしてる水色と啓吾がいた。
そんな話をしながら、一同は撮影現場に向かった。
2
現地に到着した。まず最初は、チャドだった。
「浅野……」
「?どした?」
「何か……聞こえないか……?妙な、声……みたいな」
「え?や、やめろよチャド。気持ち悪ぃな。なんも聞こえねーよ………」
「……そうだな。すまん、気の所為だ」
3
「…あー………やっぱり来なきゃ良かった……」
「ん?どした、夏梨?」
「別にィ……」
父親に聞かれ、そう答えつつも夏梨は辛そうな顔をしていた。
(キッツイなあ、この声……。こんなタチ悪い霊がいるなんて思わなかったよ……こんなの本当にあのインチキ霊媒師がどうにかできんのかよ……)
4
「………なに、この声……?」
竜貴がそう声を漏らすと、隣の織姫に袖を引かれた。
「……織姫、あんたも………?」
「………やっぱり、竜貴ちゃんも?」
「………うん」
「……あれ、沙優ちゃんは?」
「……………へ?」
5
全員から少し離れた場所。
「よーっす。喜助ちゃん」
「沙優。どうでしたか?」
「黒崎ちゃん親子と朽木ちゃんは当然として……あと、3人くらい気付いてる」
「ふぅん……思ったより多かったっスね」
「それより、ウルルちゃんとジン太ちゃんは?」
「いるに決まってんだろ!」
元気よくジン太が親指を立てた。その後ろには雨の姿もある。
「ていうか、今報告する意味なんてあんの?」
「いやあ、もしかしたら何かに使えるかもって思っただけっスよ」
「……ふぅん、じゃああたしはみんなの所に戻るね」
「了解っス。あー、もしもの事があれば……」
「分かってるよ。気付かれないようにフォローする」
そう言うと、沙優はクラスメート達の輪に戻って行った。