Japanese in THE ゾルザル   作:連邦士官

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プレリュード改革

馬車で揺られながら舗装が綺麗にされていない道に痛む尻を擦りながら城に向かっていた。

 

キールに目的の人物についてまとめて貰ったメモを片手に城に向かう途中街を眺めていた。

排泄物が投げられていた道も馬糞が捨てられてた道も硝石丘の為に回収され綺麗になり、街の衛生状態は良くなっていた。

 

見える街の道は大通り以外は狭く、城を中心に不規則に作られた道に浮浪者や浮浪児が住み着き、狭い道には地元の人間しか知らないゴロツキが街に溢れていた。

 

亜人は街の中心部には入れず、人間とは違い浮浪児や浮浪者やゴロツキすら城壁のそばに作られていた貧民窟に暮らしていた。

 

まだ、城壁の中に住める者は良かった街に入る税金すら払えずに、城壁の回りにも町が出来ていた。

 

彼らは戦の度に徴兵され、底辺の暮らしから抜け出すために戦うだけで戦が無ければ、畑を耕し餓えをしのぎ、たまに来た役人に蓄えさえも奪われる貧民窟を越えた暗黒街の住人だった。

 

帝都は一見、明るいが明るさの分だけ闇がある帝都の底辺は三段階に別れていたのだ。

彼ら底辺の階級は仲が悪いかと言えばそうではなかった。

 

帝都の中に密入させたり逆に密出させたり、密輸や密造酒を作る組織が出来ていた。

 

それはさておき、城の中に入り馬車から降りて軽く痛む尻を擦っていると後ろから声をかけられた。

 

「兄上、お久し振りです。」

始めてここに来たときにあった赤い髪の女性だった。

 

「急にどうした?ピニャ・コ・ラーダ?」

日記で予習したゾルザルにとっては名前は直ぐに分かったが

 

「兄上、ピニャ・コ・ラーダと私を呼ぶとは他人行儀ではありませんか?」

ちょっと不信感を出しながらも何かを期待する目付きでゾルザルを見ていた。

 

「ところで話は変わりますがキールはどうしましたか?」

兄上と一緒に居ないのは珍しいと付け加えながらゾルザルの後ろにある手で何かを察したようだった。

 

「あぁ、仕事があるからな。」

ゾルザルが無愛想に答えるとピニャは

 

「兄上、随分と激しかったみたいですね。」

何故かうっとりとした目付きでこちらに話してきた。

 

「そうだな。かなり揺れたからな。」

馬車の話を一通りするとピニャは

 

「兄上は亜人に文字を教えてるとか。」

ピニャの発言にゾルザルは

 

「あぁ、亜人は筆の扱いを覚えるのが早い。」

といった風に話題を変えて話していた。

 

暫し会話の後にゾルザルは去っていた。

 

「ボーゼス。これは皆と兄上の監視を強化しないとね。」

顔を緩ませながらピニャはそう言うと後ろにいた護衛とともに何処かに消えていった。

 

城に来たのはゾルザルが元老院のお歴々に会うためであった。

はっきり言ってゾルザルはこの世界よりも高度な文明社会で生きてきた男である。

 

根回しと〝実弾〟の力を信じている。

 

ゾルザルは上手く元老院に入ると暇そうな元老を捕まえた。

 

「何をしているんだ?」

ゾルザルの問いかけに元老は

 

「殿下、見ての通りです。全体をみるために一旦退出してました。」

元老の対応は最低限の敬意は払いながらもゾルザルを軽く扱っているようだった。

 

「元老、私と一緒に私の所の研究を見ませんか?」

馬車に案内しようとすると元老は

 

「私は暇では無いので、お引き取りいただきたい。」

とゾルザルに一言告げると背を向けて帰ろうとしていた。

 

「しかし、貴方は居場所が欲しいのでは?」

ゾルザルの問いに元老は動きを止めた。

 

「例え、そうだったとしても何かありますか?」

振り返った元老は石像のような表情を見せていた。

 

「私なら貴方の居場所を用意できるかもしれない。貴方は見るだけで良い。それから判断してくれ。」

ゾルザルの発言と共に元老の腕をとり何かを握らせた。

 

掌の中の物を見ると元老の表情は変わった。

「ここはお供いたしましょう。」

その言葉にゾルザルは笑みを見せると馬車に案内をした。

 

元老と共に研究物を見て、元老の協力を取り付けることを目指すのであった。

 

その頃ピニャはと言うと

「兄上がお尻を押さえて激しかったらしいわ。」

 

「殿下は、亜人に〝筆〟の扱いを教えているらしい。」

 

ピニャとボーゼスによってゾルザルの評判は薔薇騎士団内に広まり、幹部の女性騎士などがゾルザルの〝関係図〟について詳しく語り合う事が増えたために、男性騎士団員は平和を噛み締めていた。




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