問題児たちが異世界から来るようですよ? ~大地の寵愛者~   作:無名宴

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十一話目

 

 

 

 

「さて、いよいよギフトゲームが始まるけど調子は?」

 

 皐月が参加予定の三人に尋ねる。

 

「悪くないわ」

 

「うん」

 

 飛鳥と耀が答え、ジンは決意の表情を浮かべている。

 

(なんて言ったかは知らないけど、うまくいったみたいだね~)

 

 笑みを浮かべ十六夜を見るが、彼はわざと気づかないふりをした。

 

「ところで黒ウサギ」

 

「なんですか?」

 

「俺達はどこに行けばいいんだ」

 

 彼女たちは『ギフトゲームをする』ということしかはっきりしていないため十六夜が聞く。

 

「そうですね…… とりあえず居住区画に向かいましょうか。おそらくそこからギフトゲームの舞台区画に向かうと思うのですよ」

 

「黒ウサギ。舞台区画とは何かしら?」

 

 初めて聞く言葉に飛鳥が小首をかしげる。

 

「ギフトゲームを行うための専用区画でございます、下層で白夜叉様のように別次元のゲーム盤を用意できるものは極めて少ないですから」

 

「ま、それぐらいあるのが当然か」

 

 十六夜が呟き飛鳥たちが納得する。

 

「とりあえずどういうギフトゲームなのかがわからない限りこっちも対策なんて練れないんだから、向かおうか」

 

 皐月の一言でノーネームの面々はフォレス・ガロの居住区画に向かうこととなった。

 

 

 

 

 

 

 箱庭2105380外門。ペリベット通り・噴水広場前。

 

「わからないことだらけですね」

 

 昨日騒ぎを起こしたカフェテラスのウェイトレスからのギフトゲームの情報に黒ウサギは首を傾げた。

 

「傘下に置いているコミュニティや同士を全部ほっぽり出してるか…… 己のみで勝負に挑む豪傑なのかね~」

 

「「それはない」」

 

 実際にあった飛鳥と耀がきっぱりと言い切る。

 

「…… まぁ黒ウサギたちの表情や言葉から考えてもそれはないだろうし。ただ何かの作戦…… っ!!」

 

 突然激しい頭痛が皐月を襲う。

 

「悪いけど黒ウサギたち先に行っててくれる?」

 

 ズキズキと痛む頭を押さえながら苦笑を浮かべる。

 

「大丈夫ですか!? 顔が真っ青ですよ!」

 

 心配そうに駆け寄る黒ウサギ。

 

「ああ、大丈夫大丈夫。少し頭が痛いだけだから」

 

 そう言い袋から飛鳥にエルフのマントとレッドリボンを、耀に四季のヘッドドレスを、ジンに傭兵のマントと勇気のバッヂを渡す。

 

「本来ならギフトゲームの内容を知ってから選びたかったけど、とりあえずそれがあればある程度のことならどうにかできると思う」

 

 三人がそれを纏うのを見て、皐月の表情は少し曇る。

 

「悪いけど参加するわけじゃないし少し遅れても問題ないはずだから少し休んでから行くよ」

 

「ほんとに大丈夫?」

 

 飛鳥が皐月の額に触れながら心配そうに呟く。

 

「大丈夫だって。それより三人はギフトゲームをするんだからそっちに集中して」

 

 何とか四人に先に行かせるとさらに激しく痛む頭を押さえながら皐月は道端にドタッと倒れた。

 

「あぁ…… ちとやばいな……」

 

 頭どころか体中に痛みが走りわずかにも動かせない。

 

「なんなんだろ…… 痛みだしたのは突然だし……」

 

 原因不明の痛みを味わいながら皐月は意識が遠くなるのを感じていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あれ? これは」

 

 狐耳の少女 リリは皐月の部屋を掃除中にふと気になるものを見つけた。

 

 それは皐月が持って行ったはずの『袋』だった。

 

「皐月さん、確か持って行ってたはずですけど……」

 

 皐月に渡すためにほかの年長者への言伝をし、彼女はそれを皐月に渡すためギフトゲームの会場へと向かった。

 

「! 皐月さん!?」

 

 その道中目当ての人物である皐月が腕で顔を隠しながら倒れているのを見つけた。

 

「大丈夫ですか!?」

 

 あわてて駆け寄るが返事はなく、顔は真っ青で呼吸も荒い。

 

「ど、どうしよう……」

 

 すぐに館へ連れて行こうとするが、二人の身長差によりそれも難しい。

 

 ふとその時ポロリと皐月の袋から一粒の種が地面に落ち、転がりながら皐月の体の下に入り込むと、それが瞬く間に巨大な蓮の葉へと姿を変えた。

 

「浮いてる…… ううん、そんなことより!」

 

 突然のことに驚くが、すぐに気持ちを切り替え皐月と蓮をつかむとすぐに館へと戻った。

 

 

 

 

 

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