問題児たちが異世界から来るようですよ? ~大地の寵愛者~   作:無名宴

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二十二話目

 

 

 

 

 カンカンと熱した鉄をプラチナムで叩きながら形を整えていく。

 

「こんなものかな」

 

 コクコクと頷き、出来上がった武具を全て袋に入れていく。

 

「馬鹿な……」

 

「あんな小さな袋に何故あんなに入る……」

 

「何かのギフトか?」

 

 工房まで案内したサラマンドラのメンバーが戦慄の表情で皐月を見ているがいつものことなので気にしない。

 

 最後の武具を袋にしまい終えると頭を下げる。

 

「どうもありがとうございます。助かりました」

 

「あ、ああ」

 

 唖然としているメンバーに苦笑を浮かべるとサラマンドラの本拠地を後にした。

 

 

 

 

 

 

 

「えっと…… どのあたりだっけ……」

 

 宿代わりに使っていいと言われた旧支店に向かって歩いていると向かい側からエルフのマントを纏った飛鳥がレティシアとともに歩いていくる。

 

「あら? どうしたの?」

 

「皐月くん? 奇偶ね」

 

 飛鳥も驚いた様子で皐月に駆け寄る。離れていた時には気づかなかったが、頬やらに薄い切り傷や血のにおいが目立つ。

 

「血のにおいがするけど、どこか怪我した?」

 

 回復のポットを取り出しながら皐月が尋ねると追いかけてきたレティシアが答える。

 

「先ほど少しばかり小動物とやり合った」

 

 何故にと思ったが、皐月もモコモコやチロリといった小動物を退治したことがあるため納得する。

 

「なるほど。じゃあこの匂いは返り血だね」

 

 そういい、先ほどの回復のポットと一緒にサッパリポイズンを渡す。

 

「こっちはわかるけど…… これは?」

 

「毒を消す薬だよ。ま、念の為だからとりあえず飲んどいて」

 

 かけるだけでも問題ないのだが、飲んでも効果があるため促す。

 

「…… 味はどうなのかしら」

 

 紫色のポットを見ながら少しばかり嫌そうな表情を浮かべる飛鳥に苦笑する。

 

「まぁ、毒消し草を呑みやすくしたようなものだしね。それにこれはタンポイズンっていう花を材料に作った奴だから効果も高いし飲みやすいよ」

 

 その言葉に納得した飛鳥がその二つを飲んでいる最中にレティシアを見る。

 

「で、何とやり合ったの?」

 

「…… 鼠だな。だが、操られているようだった」

 

「鼠を操る…… ねぇ」

 

 宿に戻ったらいざやんに聞いてみるかねと呟いていると、二つを飲み終えた飛鳥が顔を歪ませながらビンを返す。

 

「どうだった?」

 

「まずかったわ」

 

 きっぱりと言い切る。

 

「ま、薬だからね。でも効果はあるから」

 

 苦笑しビンを袋に戻す。それを見ながらふと飛鳥が思い出したかのように皐月に尋ねた。

 

「そういえば皐月くんってアースマイトなのよね」

 

「うん。でも、それがどうしたの?」

 

「あの場所に他のと不釣り合いな植物の枝が一つあったの」

 

 ? と首をかしげていたが次の言葉で皐月は眼を見開く。

 

「それの出展者のコミュニティが『アースマイト』だったのよ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ネズミ騒ぎの影響で警備が厳重になった展覧所を皐月は人目を忍びながら観察する。

 

「さて、なんでここにアースマイト関連があるんだか……」

 

 そう呟きながら少しばかり嫌な予感が頭をよぎる。

 

「まさか古代関連じゃないよね。古代のアースマイトっていろんな意味で大概だからな~」

 

 古代アースマイト関連によって面倒な目にあったことのある皐月は祖先たちに多大な警戒をしながらゴーストブーツを履き侵入する。

 

「警備は厳重だけど隙が無いわけじゃないし、どちらにせよ実態が分からないと動きようがないか」

 

 飛鳥に聞いた展示会場の中心に当たる空洞へとたどり着く。

 

「確か『ディーン』っていう赤い鋼の巨人の近くって言っていたよね。そんなに目立つ者があるならすぐにわかるかな」

 

 暗闇の中を歩いていると異様な空白が眼にとまる。

 

「?」

 

 そこは何か巨大な展示品が置かれていたのであろうが残っているのはコミュニティと展示名が書かれているプレートのみ。

 

「『制作・*********  作名・ク*ス*****ス』って、なんでこれだけこんなに削られているんだろ」

 

 疑問に思ったが、すぐに思考を切り替えてディーンを探していると、少し離れた場所にあるそれに眼がとまる。

 

「これは…… 壊れているけどかなりの年季が入った精霊の杖だよね。なんでこんなものを…… 出展するならもっと別なモノがあると思うけど」

 

 そんなことを言っているとふと皐月の目の前に白い羊皮紙が具現する。

 

「ギアスロール? なんでまた」

 

 

 皐月が羊皮紙に触れたときそれが光を放ち、周囲を塗りつぶして皐月と精霊の杖と近くに畑ダンジョンの入口のみその場所に存在していた。

 

 

 

 

 

 

 

『 ギフトゲーム名“大地と精霊の盟約を取り持つ者”

 

 

    ・プレイヤー一覧 如月 皐月

 

 

    ・勝利条件 証を示し、盟約の花を咲かせよ。

 

 

    ・敗北条件 降参か、プレイヤーが上記の条件を満たせなくなった場合。

 

 

  宣誓 上記を尊重し“  ”と“  ”と“  ”の下、“******”は

     ギフトゲームに参加します。

 

                             “*****”印』

 

 

 

 

 

 

 

「えっと要するにこの精霊の杖を直せばいいのかな?」

 

 ギアスロールを眺めながら皐月は首をかしげる。

 

「読めないところが多いけど、まあ、肝心なところがわかったし行ってみるか」

 

 そういい作りたてのブロードエッジを持つと畑ダンジョンへとはいって行った。

 

 

 

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