問題児たちが異世界から来るようですよ? ~大地の寵愛者~ 作:無名宴
「やっと降りれたよ……」
強風に煽られ続けながらもようやく降りれた皐月は布を袋に戻すと軽く肩を回す。
「さすがにずっとは痛いね」
そうボヤキながらあたりを見渡す。
「世界の果てって奴かね? ここは」
断崖絶壁とそこから流れ落ちる巨大な滝。上空から見たさいに見えた場所だろうとあたりをつける。
「さてと…… とりあえず落ちている最中に見えたあの大都市っぽいところにでも行ってみるかな」
吹き飛ばされたせいで思い切り離れたが、仕方ないと割り切り歩き出そうとしたがふと立ち止まり考えだす。
考えをまとめたのか川になっている場所へと足を進めると丁度よくあった岩に座り袋から取り出した御神木の釣り竿で釣りを始める。
「どんだけの距離かは知らないけど、間違いなくかなり離れてるだろうし食料はあったほうがいいしね」
そんな感じで数匹ほど釣ったときにふと後ろから声がかけられる。
『貴様か? この滝に妙な力を流している奴は』
「?」
その声に反応してあたりを見渡すが、何もなかったため気にすることなく釣りを続ける。
『ほぅ。私を無視するか』
再び声が聞こえたが、どうせまた誰もいないんだろうと考え気にすることなく釣りを続ける。
「あと数匹くらいつれば十分かな?」
『…… 何故ここでそこまで魚が釣れる』
「ああ、ルーンを込めてるから」
『ルーン?』
「行動するための活力みたいなものだね。で、どちらさま?」
そう滝の中から首を出している大蛇に尋ねる。
人など軽く丸呑み出来そうな大きさであるにもかかわらず、やはりというか皐月は一切動じず、あくまで視線だけを向ける。
『肝の据わった男だ』
感心したように呟く大蛇。気にすることなくもう一匹魚を釣り上げると、御神木の釣り竿を袋に戻してようやく顔を向ける。
『私は白雪。このあたりを住処としている蛇神だ』
「如月 皐月。どこにでもいるごく平凡なアースマイト」
挨拶を終えると釣った魚を全部袋に詰め込む。
『そのまま入れるのか?』
「此処じゃあ処理できないしね。まぁ、腐ることはないし問題ないよ」
『それで貴様はここにギフトゲームを挑みに来たのか?』
「ギフトゲーム? なんぞ?」
白雪の言葉に首をかしげる。大蛇が首をかしげる光景はかなりシュールだが、当然の如く皐月は気にしない。
『貴様。外から来たばかりなのか?』
「外や内の概念がよくわからないけどたぶん」
肯定すると白雪は納得したように顔を近づける。
『なるほど。ならわからんのは仕方ないな』
「と、言う訳でできれば説明してほしいんだけど…… 問題なし?」
『…… いいだろう』
「へぇ…… 要するに修羅神仏の娯楽場という訳か」
『わかりやすく言ってしまえばな』
顎に手を当てて考え始める皐月。白雪は思うところもあるだろうとそんな姿を眺めている。
「まぁ娯楽は大事だからね。特に長く生きる存在には無くてはならないものだし」
『全くだ』
変なところで同意する皐月と白雪。
「んで、その娯楽場で開催される遊戯が『ギフトゲーム』ってことだね」
『ああ』
「まぁなんとなくわかった。後は実際にやってみるのが一番だけど」
『ほぅ…… 私に挑む気か?』
口の端を上げ獰猛に笑う。それだけでも強烈な威圧感が周囲を包み込む。
「それも面白いかもね」
威圧を受け流しながら皐月が袋に手を入れる。