問題児たちが異世界から来るようですよ? ~大地の寵愛者~ 作:無名宴
「へぇ。ここが世界の果てか」
「『ん?』」
突然皐月と白雪以外の声が聞こえてくる。
「なんだ、先客がいるじゃねぇか」
ヘッドホンを付けた男が大滝を眺め、皐月たちに視線を向ける。
(…… あれ? 確か彼は先に落ちて行った人だよね? 無事だったんだ)
その男に見覚えがあったため皐月がそう考えていると男は少しばかり驚いたように皐月をみた。
「へぇ。あんたここにいたのか」
「およ? もしかして気づいてた?」
尋ねると軽く肩を竦められる。
「ああ。俺達が落ちてる中一人だけデカイ布をパラシュート代わりに使っていた奴がいたからな」
「でも、あれは対策を用意して無かったのが悪い」
きっぱりと言い切る。それに対して男はヤハハと軽薄な笑いを浮かべる。
「中々おもしれぇじゃねぇか、オマエ」
どうやらお眼鏡にかなったらしい。皐月のほうも男のことを気に入り始めたため薄い笑みを浮かべている。
「逆廻 十六夜。粗野で凶暴で快楽主義の三拍子そろった駄目人間だ」
「如月 皐月。どこにでもいる農業狂いでごく平凡なアースマイト」
ガシッと握手をする二人。どこかしら共感する部分があったらしい。
『それで、貴様はここに何しに来た』
話が進まなくなったため、白雪が十六夜に尋ねる。
「興味本位で世界の果てを見に来た」
「納得」
「それにしても蛇がしゃべるとはな」
白雪をみながら十六夜が呟く。
『なんだ小僧』
蛇扱いされたことに少しばかり機嫌が悪くなる白雪。
「彼女は蛇神だって」
「蛇神……? へぇ。本当にいるんだな」
軽薄そうな笑みのままだが瞳に少しばかり好戦的な光が宿る。
「なぁ蛇神様よぉ」
『…… なんだ』
「あんた、つえぇのか?」
『囀るなよ小僧。人の身で神に挑むか』
十六夜と白雪が睨みあい、周囲の空気が重くなる。すでにこの付近から動物の気配は全て消えている。
そんな中何かが二つ睨みあっている二人に飛んでくる。
十六夜は軽く跳躍して避け、白雪は圧縮した水の塊で弾き飛ばす。
地面に突き刺さり、水弾に弾き飛ばされた槍を軽く一目し皐月を睨みつける二人。
「おいおい。何のつもりだ」
『全くだ。何のつもりだ小僧』
「無駄に喧嘩をしようとしているアホ二人を止めるためかな?」
向けられる殺気を受け流し軽く手をたたく。
「やるんだったらこの世界のルール『ギフトゲーム』という形をとるのが礼儀なんじゃない?」
片手は袋に入れたまま言う皐月。否といえばまた確実に槍が飛んでくるのが眼に見えていたため十六夜は軽く肩を竦めると楽しそうな笑みから再び軽薄な笑みに戻る。
「わかった。で、どうすればそのギフトゲームができるんだ?」
「さぁ? その辺は詳しく知らない。で、どうやるの」
十六夜に視線を向けられていた皐月が白雪に丸投げする。
『少し待っていろ』
そういうと一枚の羊皮紙が具現し、皐月の手元に現れる。
『それがギアスロールだ。そこにギフトゲームにおける内容が書かれている』
『 ギフトゲーム名“人と神の競演”
・プレイヤー一覧 逆廻 十六夜
・勝利条件 相手を打ち負かし力を示せ。
・敗北条件 降参か、プレイヤーが上記の条件を満たせなくなった場合。
宣誓 上記を尊重し誇りと御旗の下、“ ”はギフトゲームに参加します。
“サウザンドアイズ”印』
「完全に決闘だね。で、二人ともこれでいい」
「ああ。問題ねぇよ」
皐月が読み上げ尋ねると十六夜が答える。白雪も何も言わないので肯定しているのだろう。
「なら審判というか見届け人はやらせてもらうよ」