ジェイド視点
弟がモモンガに殺されて以来、五大神に世話になり、気晴らしにこの国の伝承について調べてみた、もともとはある神さまがいたそうだが、名前について民はスルシャーナ様と言っていた。
滅亡寸前の人類を救った異形の神がいて、五大神が合流して、外敵が多いため砂漠を越えたところに神都を作った。それから90年、人は増え1000人を超えているそうだ。
その中には神人と呼ばれるもの達がいた、四人の天使達は欲に溺れ現地の女達に手を出していたという話をガブリエルからドイスに話し俺はそれをドイスから聞いた。
リアル世界にも支配者が居た太刀川氏という男であり、ジェイドの上司でもある、太刀川氏は警察官の息子とは不仲であった、まさしく正義の男だった息子と欲望の権化の父とは折り合わないようだ。
かなりの美女と関係のあった太刀川氏は息子の嫁にすら手を出そうとした息子には縁を切ると言われたそうだ、当然だろう、よく今まで切れなかったなと思っていたが、今回のことが応えたのか、もう太刀川氏は女に溺れなかった。
真面目に生き、環境問題をなんとかしようと財閥の私財を全て今を生きる人に提供した改心したのか?
ある日、何か素晴らしい娯楽はないか?と訊かれたので弟のやっているゲーム、ユグドラシルに招待した。
はじめの種族は幽鬼だった空を自在に飛べるからだ、名前はドイスだ、由来は駆け出しのころの渾名だそうだ。
若い頃美女にちやほやと優しくしてもらったそうだ、これでこんな性格に…俺は引いていた。
早速PKされそうになっていたが、そろそろアイツらが来るようだ。
「兄貴!新人がPKされそうになっているぜ。」
相手のプレイヤーを殴り倒す!
「背中がガラ飽きよ!ザイン、うしろは任せて。」
サラがザインの背後に立つ
「僕らは突っ込むから援護よろしく。」
ガルマはタックルっで突っ込み、切り刻んでいく。
「任せてガルマ!」
コクテンはファイアボールを打ち込む。
「援護はするよ。」
マジックアローとシャロは唱えた
「下位プレイヤーを狙うのも下位プレイヤーなのよ。」
ローリは竜になりブレスを吐いた。
「うおえええー。」
「ドイスは俺達の仲間ですよ。」
ジェイドは竜神となり相手を切り裂く。
「撤退!撤退ぃぃ!こいつら少数ギルド、セブンじゃねえか?」
PKプレイヤー1が叫んだ
「上に向かおうとしないギルドだろ。」
PKプレイヤー2は侮辱した
「俺らの仲間に手を出すやつは許さねぇ」
七人は叫んだ。
ジェイドの上司という身分を隠してドイスは八人目の異形種ギルドに入った。
ずいぶん昔に過ぎた青春が蘇ってくるような気分だった、女性アバターはとても美しかった。
AOGは避けた息子はしばらくログインしていないようだし。
ジェイドはポーカーフェイスで太刀川の優秀な部下だ、ただ最近心配なことがある、上司が課金しまくり、ユグドラシルの株を買いまくっていること、過食で太っていること、仕事中なのにユグドラシルにダイブしていること所属メンバーも誘おうとすること。
メンバーは学生だ、俺はともかく太刀川さんの、のめり込みは異常だ、仲の良い弟に聞いてみた。
「ドイスさんに何か心当たりあるか?」
「うーん、ペロロンさんっていう同人誌を紹介して電子書籍を買っていたよ、タイトルは理想の嫁が見つかりません、見つけるんじゃねえ!造るんだよ!っていうRカンストの本だよ、俺はチラッと見たけど意味わかんなくて。」
「ドイスさんは悪魔のツールに手を出したのか?」
俺は上司を止めに上司の家に行ったが窓から見ると、上司はユグドラシルの気に入ったアバターをデザイナーに依頼してラブドールを購入していた、爆乳爆尻天使、某声優の声が使われていてプレイしていた、俺は吐いた。
こんなことが過去にあったが異世界に転移してドイスさんが一番、喜んでいた理想の天使を嫁に出来たのだから、事情を知らない7欲のうち五人は祝福して、ルシフェル、ウリエル、ラファエルは泣いていた。その表情は娘を送りだす父の表情に似ていた。
上司のリアルは眼光が鋭い若い頃は格闘技でならしたそうだが、今は肉の塊だ。ゲームアバターは若い頃の姿にしている黙っていればイケメンだろう。
新婦のガブリエルには黙っておこう、中身は60くらいのおじさんだからな。
なんでも話がよく合うらしい、仲間の天使よりも相性がいいらしいが、俺にはよく分からない。最近は弟が好きだったはずのサラと俺はいい感じになってしまった。
弟には悪いと思っているがメッセージが通じない弟は死んだか来ていないという解釈にしたサラに正直に好意を伝え満更でもないのか、唇を重ねあわせた。次第に気持ちが抑えられず事に至り、結婚した。ローリは裏切りものとサラに言っていたがサラはこう言った。
「異世界転移したことで見えないものが見えるようになった、ローリ、貴女もいい人を探しなさいね。」
「っ…私の初めては、ザインのモノなんだから。」ローリは、ザインを探しに旅立っていた、俺は弟を諦めたけど諦めてはいけない、配下のビーストマンに草の根をわけてでも弟を探せと命令した。ガルマ夫妻も旅立ち、この国には五大神とドイス、俺達夫妻もいる、新たに国を興すかと考えた。
なんでも元は山からここまで移動してきたそうだ、アークエンジェルフレイムや天使を創造して働かせている食欲なし疲労なしで24時間働かせて人間の国を造ろうとしているようだ。
俺達も協力させて貰うことになり、先ずは国を作ることにした。移住したい人間を選抜し、天使を乗り物に移住をするが建物はないので仮の住居を用意したマジックアイテムの拠点だ。あとは天使たちに家を作ってもらうはずが城を作っていた。防衛は天使に任せ、食物もドルイドの天使が作るそうだ、一度俺達は神都に戻る。
神都
ルシフェルは頭を抱えていた、俺達に気付いたのか、悩む理由を話し始めた、人類を守るために彼は100年前、人間を見下し食料にする種族と戦ったビーストマンやオーガ、ナーガ、トードマン、トロール、ゴブリン達は楽に倒せたが、リザードマンは敵対さえしなければ何もしてこない連中だった、サキュバスや吸血鬼、ダークエルフ、エルフ、ドワーフなどは割りと人を襲う気はないが、友好的というわけでなかった、我関せずというものらしい。
100レベルをカンストした五大神でも竜王という存在は桁違いだった。なかでも超位階を超える始原魔法(ワイルドマジック)に気をつけること。旅に出た四人にも忠告しておいた。竜王に近付いてはならない、関わるな、攻撃するな、挑発するなというものだった。
俺は敢えて聞いてみた
「何故、そんなに詳しいのか?」
ルシフェルは少し考えたあと喋り始めた
「あれは80年前神都を作り始めていて、一頭の竜を異世界に来て初めて見たのだ。」
以下回想
「お前達は何者だ?なぜ滅びつつある人間どもを助ける?」
と傲慢に竜は人語を喋り話しかけてきた。
「彼らとは縁がある、神の御使いとして彼らを保護する使命がある」
「神か、クックック!神は我ら竜王だ!貴様らを滅ぼしてくれるわー」
「なっ待て!」
「せいぜい抗ってみせろ!虫けらどもが」
ケンカっ早いユグドラシルの野生のドラゴンのほうがやや強いかな?と感じているうちに始原魔法が飛んできたので、かわすと、とんでもない大爆発が起きた
「このままでは滅びてしまう、急ぎやつを倒すぞ!」私は焦り慌てて討伐を指示した。
「わかった!」ウリエルは持ち前の力で槍を振り下ろし竜の頭に叩きつける。
「速攻だな!」ラファエルは魔法三重強化重力反転(リバースグラヴィティ)を仕掛け竜を頭から叩き落とす。
「わかったわ、仕留めてやるわ」ガブリエルは魔法三重強化連鎖する龍雷(チェイン・ドラゴン・ライトニング)を放ち竜を黒焦げにした。
「まだ息があるのか」私は自身の武器で竜の頭部を叩き潰した
その後、絶望するほどに大勢の竜が飛んできた、そのうち最も大きく最も生命力が強く竜の長であろうものが地上に降りた。
「若い竜が迷惑をかけた、若さゆえに傲慢になり他種族を滅ぼす、あるいは喰ってしまうのだ、我らは傲慢ゆえに謝罪はしないし同種族がはぐれて死んでもなんら憎しみなど沸きはせん、だが、一方的に殺された場合には然るべき報復をする。わかったな小僧ども…」
「わ、分かりました」
我ら五人とも竜が去るまで震えていた
回想終わり
「ということがあったのだ、七欲王もそれを守ってほしい、竜王に手を出すと滅ぼされてしまうのだ。」
「つまり始原魔法を封じてしまえば怖くなくなるのでわ?」とジェイドは提案する
「な、何を?竜に報復されるぞ」
ルシフェルは焦りながらジェイドに反論する。
「竜王程度に遅れをとっていては、人類に未来はないのです!戦力が整い次第、私たちは竜王たちを討伐します!ウロボロスの腕輪に願うのです、始原魔法を超位階に組み込み奴らのレベルダウンを誘うのです。」
五大神の長ルシフェルはジェイドと手を切りたがっているようです、でも、国作りは手伝って欲しいようです。
ルシフェルに提案するのは転移一年半で、ローリとザインが出会うころは転移五年後です。