怪獣と骸骨の異世界蹂躙物語   作:きょろりん

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先輩冒険者からの誘い

※誤字報告がありましたので訂正しました!


20話 漆黒の剣

翌朝、俺たちは冒険者組合に来た。組合の中は冒険者たちであふれている・・・と思っていたが、思っていたよりも冒険者の人数が少なく、意外にもスムーズに掲示板まで行けた。

 

「・・・モモンさん」

 

「・・なんでしょう」

 

「文字が・・読めません」

 

「奇遇ですね。私もです・・」

 

・・どうするか。そう悩んでいたら・・

 

「あのー、少しいいでしょうか?」

 

「?はい」

 

「私達は『漆黒の剣』というチームなんですが、依頼が無くてお困りのようでしたので、良ければ私達の仕事を手伝って貰えたらと思い声をかけたのですが・・・」

 

ゾルディオとアインズはすぐにプレートを調べた。・・・どうやら(シルバー)みたいだ。と言うことは、俺たちができる依頼よりも、上のランクの依頼をすることができるのか。

 

 

(アインズさん、この話、乗ってもいいんじゃないですか?)

 

(そうですね、プレートも自分たちよりも上の(シルバー)。依頼の難易度も自然と上がり、さらに資金も増え一石二鳥ですね)

 

(じゃあ、引き受けるってことで、リーダー、頼みます)

 

(了解しました)

 

 

「ええ。それは助かります。丁度、私たちに見合う依頼を探していたので」

 

「では、一部屋借りて、そこで話しましょう」

 

アインズたちは『漆黒の剣』と一緒に、受付が用意してくれた部屋に移動した。

 

 

「では、まずは自己紹介からしましょう。私は『漆黒の剣』のリーダー、ペテル・モークです。次に、あちらが野伏(レンジャー)のルクルット・ボルブ」

 

金髪の男が、軽く頭を下げる。

 

「そして魔法詠唱者(マジック・キャスター)であり、『術師(スペルキャスター)』のニニャ」

 

「よろしく」

 

「最後に彼は森祭司(ドルイド)のダイン・ウッドワンダー。治療魔法や自然を操る魔法を使い、薬草知識に長けています」

 

「よろしくお願いする」

 

「・・しかし、ぺテル。その二つ名言うのやめません?」

 

「え?良いじゃないですか」

 

「二つ名?」

 

俺が不思議そうに聞いてみたところ、どうやら彼は『生まれながらの異能(タレント)』を持っていて、天才と言われるくらい有名な魔法詠唱者(マジック・キャスター)らしい。

その話を聞き、アインズとゾルディオは少し興奮していた。それは陽光聖典の者の尋問でしか聞いたことのない『生まれながらの異能(タレント)』がいるのだから。

それに引き換え、ナーベラルは聞こえないように鼻で笑い、ルプスレギナは自慢するかのようにドヤ顔していた。お前ら、昨日の話聞いてたのか?だがここで、突っかかると面倒だったのでスルーすることにした。

 

 

「どのような生まれながらの異能(タレント)なんですか?」

 

 

ゾルディオはつい好奇心で聞いてしまった

 

「魔法適性とかいう生まれながらの異能(タレント)で習熟に八年かかるところ四年だったっけ?」

 

それを聞いてアインズは同じの魔法職としての好奇心と、欲しいなという欲望にかられる。ユグドラシルになかったこの世界特有の能力を手にすることができたら、敵を作るとしても奪う価値はあると思った。

 

「・・・この能力を持って生まれたのは幸運でした。夢をかなえる第一歩を踏み出せたのですから。これがなければ僕は・・・」

 

ニニャが呟いた声は暗く重い。そんな暗い雰囲気を変えるようにぺテルが明るく

 

「何はともあれ、この都市では有名な生まれながらの異能(タレント)持ちだということです」

 

「まぁ、わたしよりももっと有名な人がいますけどね」

 

「バレアレ氏であるな」

 

「すみませんが、その方はどんな生まれながらの異能(タレント)を持っているのですか?実は私達昨日ここに来たばかりなので」

 

「あー、なるほど。道理で噂に聞かないわけです。名前はンフィーレア・バレアレ。名の知れた薬師の孫にあたる人物で、彼が持つ生まれながらの異能(タレント)はありとあらゆるマジックアイテムが使用可能という力です。本来であれば使えないはずの系の違う巻物(スクロール)でも使えますし、使用制限で人間以外とされているアイテムでも使えるんですよ」

 

「・・なるほど」

 

それを聞いて俺とアインズは危険だな、しかし同時に利用価値も高いと思った。同じようにどうやらナーベラルも感じ取れたみたいで、顔から警戒心が出ていた。ルプスレギナはわかっていないようだ。・・後で説明するか。

 

 

(アインズさん、その人間危険ですね)

 

(ですね。この都市に来て正解でした)

 

 

そうメッセージでちょっとしたやり取りをしていたら

 

「モモンさん、どうされました?」

 

「ああ、いえ。お気になさらず。では次は私たちの番ですね。私がチーム『ユグドラシル』のリーダー、モモンです。見ての通り前衛です」

 

「サブリーダーのザムシャーです。私もモモンさんと同じ前衛です」

 

「・・・魔法詠唱者(マジック・キャスター)のナーベです」

 

「クレリックのルプーっす!」

 

「ナーベとルプーはこう見えて第3位階の魔法を習得しています」

 

そう言うと、漆黒の剣のメンバーは皆同様に驚いた顔で「おおー」と声を漏らした。この世界では相当熟練した魔法詠唱者(マジック・キャスター)でなければ習得は容易ではないらしい。その第3位階の魔法を習得している者、しかも若い女性が二人もいることには驚きを隠せないようだ。

 

「ちなみに私とモモンさんは二人に引けを取らない強さを自負しています」

 

お互いの自己紹介が済み、早速仕事の内容確認を行った。それは、エ・ランテル付近のモンスター討伐だった。標的とするモンスターを討伐するのではなく、事前にモンスターを討伐して、エ・ランテルの安全を図るものだった。報酬は倒したモンスターの部位を組合に提出し、そのモンスターに見合った報酬を支払うというものだった。だが、今回は合同での討伐と言うことで、報酬はチーム毎に分割するということだ。

 

この仕事にアインズ達、チーム『ユグドラシル』は協力することにした。

 

「では、協力するにあたって顔をお見せしましょう」

 

そう言うと、アインズはヘルムを、ゾルディオは兜を外し、素顔を見せた。アインズは幻術で素顔をごまかして、二人はすぐにヘルムと兜をつけた。

 

「私達は遠く離れた所の出身でして。そのせいでこちらの事情を知らないのですよ」

 

「なるほど。確か南方の方にモモンさんと似たような顔立ちが一般的な国があると聞きましたが・・そちらの方でしたか」

 

「ええ、そうなんですよ。それで、私達から言うことはありませんが、なにかそちらから聞きたいことはありますか?」

 

「はい!ナーベさんとルプーさんはお付き合いしている方はいますか!」

 

元気にナンパをしてきたのはルクルットとかいう男だ。見た目からしてそうかなとは思ったが・・・

 

「いないっすよー」

 

「・・・・・」

 

ルプスレギナは答えたがナーベラルは答えない。・・まあ、それも選択の一つだが一応答えようぜ。

その後、ルクルットからナーベラルとルプスレギナに質問をしていった。そして、確か・・ぺテルだったかな?がルクルットのナンパをげんこつで阻止した。するとぺテルから

 

「私から質問なんですが、ザムシャーさんのその鎧といい、刀といい、もしかしてかなりの使い手の方なんですか?」

 

「ん?ああ、この装備のことですか。かなりの使い手か・・・この格好、珍しいんですか?」

 

「それはもう!刀を使ってる人なんてここら辺じゃなかなかいませんよ!それも南方の鎧も着けて歩いてる人はザムシャーさんぐらいですよ!」

 

「・・そうだったんですか。どうりで視線が刺さるわけです。それで、私以外に刀を使ってる方にご存じありませんか?」

 

そう聞くとぺテルは少し悩み

 

「そうですね・・・私が知っている中では、王国最強の戦士ガゼフ・ストロノーフと同等の強さを持った剣士、ブレイン・アングラウスという方が確か刀を使っていたような・・・」

 

「・・あの戦士長と同等ですか。それはさぞかしお強いでしょうね・・」

 

ゾルディオはその男に少し興味を持った。あの戦士長に並ぶ強さなら、配下にしてもいいんじゃないかと。

 

「では、他に聞きたいことはありますか?」

 

「・・・ないようなので、モモンさんたちの準備が整い次第、向かいます。こちらはすでに済んでますので」

 

そうぺテルが言い、俺たちは食料の調達以外に問題がないことを伝え、組合受付まで戻ると人だかりができていた。その中からさっきの受付嬢が出てきて、俺たちに向かい

 

「チーム『ユグドラシル』の方たちにご指名の依頼が来ています」

 

 




昨日の夜
ナーベラル「あの、ゾルディオ様」
ゾルディオ「ナーベさん、名前」
ナーベラル「あ・・ザムシャーさん」
ゾルディオ「はい、なんでしょう?」
ナーベラル「その刀はもしや・・・」
ゾルディオ「あ、気づきましたか。これは弐式炎雷さんがくれた刀なんです」
ナーベラル「あの・・・よろしければ・・その・・」
ゾルディオ「・・この刀、触ってみたいですか?」
ナーベラル「あ・・いえ・・その・・・はい・・」
ゾルディオ「いいですよ。どうぞ」
ナーベラル「え!?いいんですか!?」
ゾルディオ「いいですよ。さ、どうぞ」
ナーベラル「・・では、失礼します」

その後、しばらく刀を触らせてあげた。ナーベラルの顔は満足した笑顔にあふれていた。
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