銀輪蓮廻魂≼⓪≽境東夢方界   作:カイバーマン。

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#24 ヅ銀ラじゃない時だ桂

深夜、人里の外れにある集会場にて、多くの人間達が集まり何やら不穏な空気を放っていた。

灯りは小さくし、薄暗い中で彼等は声を上げて叫んでいる。

 

「妖怪共をここから追い払おう!」

「俺達人間の力を奴等に見せてやれ!」

「幻想郷を統治するのは我々のリーダーを置いて他にいねぇ!」

 

熱気が上がり人々は思った事を次々と勝手な事を言いながら結束力をより高めようとする。

そしてその集団の前で注目を一際集めている男が一人。

 

「お願いします桂さん!」

「今こそ革命を! 虐げられる人間達を希望へと導いて下さい桂さん!」

 

名を呼ばれて皆の前に座る男は真っ直ぐな目で彼等の方へ顔を上げた。

 

「わかっている、それこそが攘夷志士であるこの桂小太郎の役目だ」

 

 

桂小太郎。

妖怪という存在に日々怯え恐怖を感じつつある人間達をまとめ、いずれはクーデターを起こし幻想郷の転覆を図ろうと計画している危険人物。

攘夷志士と呼ばれる妖怪に対して嫌悪感を示す者達を集め、こうして日夜来るべき革命の為に密談を交わしているのだ。

 

「この腐った幻想郷に今こそ天誅を下し、我等人間共による新たな理想郷を築き上げようではないか」

「おおさすが桂さんだ! 桂さんが言うと不思議と絶対に出来ると確信できるんでさぁ俺達!」

「確かにそうだな、まるで”普通の人間”である俺達とは違う匂いがするぜ! 歴史に名を残すであろう偉人ってのはきっと俺達凡人とは違う格ってもんがあるんだろうな!」

「俺達人間の事なんざ食用としか見てねぇ妖怪共に一泡吹かせてやりやしょうぜ!」

「フッフッフ、さすがは俺と共に悪しき妖怪共を成敗するという宿命の名の下にはせ参じた同志達だ、そなたらのその熱き魂を見せれば妖怪共も怯え逃げ惑うであろう」

 

桂の言葉を聞いただけで人々は活気づき勇気が湧いてきた。恐れぬ物など何もないと言った感じだ。

この士気の高さから察するにこの桂という男からには、並々ならぬカリスマ性を感じのであろう。

 

「しかし威勢は良いが事を焦ってはならぬぞお前達、確かに我々はいずれはこの幻想郷に新たな歴史を築き上げる者達となるのは確かだ、しかし功を欲しいがために焦って特攻を繰り返してはいずれは妖怪共に返り討ちにされるのもまた確実」

 

早急に厄介事を片付けたいのはわかるが、その厄介事というモノがどれ程強大なモノなのかは桂自身よくわかっていた。

なにせ人間と妖怪では天と地ほども差が出る程、その二つには圧倒的な力の差があるのだから。

 

故に桂は焦らず着々と小さな問題を片付けつつ、新たなる幻想郷とする為にコツコツと準備を始めているのだ。

 

「故に今我々がまず成すべき事はただ一つ、妖怪相手に単騎で対抗できる程の強い人材を確保する事だ」

「ええそんな奴がいるんですか桂さん!?」

「単騎って事はタイマンで妖怪と戦えるって事ですよね!?」

「そんなの俺達の中じゃ桂さんだけですよ!」

「フ、案ずるなお前達、俺を誰だと思っている?」

 

妖怪と戦える人間など早々滅多にいる訳がない。

噂ではとある森の奥深くに住んでいる白黒の格好をした金髪の魔法使いはそれなりに腕が立つとは聞いているが……。

しかし不安に思う彼等に対して桂は不敵に笑うと

 

「実はつい先ほどその条件に適任である者見つけて来た」

「ええ!?」

「妖怪とまともにやり合える人間なんて一体……」

「それではご紹介しよう、今日から俺達の同志に加わる新メンバーだ」

 

さすがは桂もう既に人材の確保に成功していたらしい。

彼はおもむろに立ち上がると、皆に見える様に”彼”を自分の傍に引っ張り出した。

 

「友である俺の為にはるばる駆け付けに来てくれた正に侍の中の侍、坂田銀時だ!」

「ちーす」

「「「「「えぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!?」」」」」」

 

いきなり現れたのは幻想郷では知る人ぞ知る坂田銀時、否、八雲銀時だった。

彼が死んだ目でけだるく挨拶する中で、周りの者達は彼が新メンバーだと聞かされて一斉に驚き取り乱す。

 

「か、桂さん!? 銀時といえばってあの銀時ですかぃ!? 妖怪からも一目置かれているあの!」

「ほうよく知っているな、何を隠そう銀時は妖怪退治のプロ中のプロなのだ、あの鬼ですら倒した事もあるのだぞ?」

「まあまあ任せなさいよ、妖怪退治なんざ銀さんにとっては3時のおやつ前だから」

「いやでもその男! 今幻想郷を統括している大妖怪の!」

 

桂に紹介されるも銀時は以前やる気無そうに曖昧に答えるだけ、

部下達が大きな声でツッコミを入れるも、桂は聞いておらず

 

「何よりこの男は俺と共に数多の死線を潜り抜けてきた猛者の一人だ。かつては共に鬼を始め様々な妖怪を成敗して来た古くからの同志であって色々とやんちゃしてきたものだ、皆仲良くしてやってくれ」

「オス、オラ銀時よろしくな、みんなで八雲紫を倒そうぜ」

「聞いてる桂さん!? その人! その人一番仲間にしちゃいけない人だから!」

「俺達が倒すべきラスボスの旦那ですからその人! もはやラスボスの一人と数えても過言ではない存在ですから!」

「ていうかそもそも人間じゃねぇよ!」

 

銀時の事に関してより詳しく説明する桂ではあるが、部下達は待ってましたと言わんばかりに必死な形相で叫び出す。

それもその筈、銀時は彼等にとってのラスボス的存在、八雲紫の夫であり不老不死だ。つまり人間ですらない。

そんな人物を仲間に引き込もうとするなんて何考えてんだと皆の気持ちが一つになっているにも関わらず、桂は全く耳も貸さずに銀時との久しぶりの再会に喜んでいる様だった。

 

「銀時、まさかお前とこうして共に戦える日が来るとは思いもしなかったぞ俺は。まさかお前もこの幻想郷に流れ着いていたとは、かつては鬼もが恐れる白き夜叉とも呼ばれていた坂田銀時の力があれば100人力だ」

「まあ色々あって俺もここに住んでてさ……ところでヅラ、一つ訂正させてもらうわ」

「ヅラじゃない桂だ、訂正とはなんだ?」

「いや俺、もう姓変わってるんだよね、結婚してから」

「け、結婚!? まさかお前がか!?」

 

久方ぶりの友との再会だけでも喜ばしい事なのに、更に結婚していると聞かされ桂は驚きつつもすぐにフッと笑う。

 

「そうかお前が結婚か……まさか頼光殿に仕えていた頃は四天王と呼ばれていた俺達の中から二人目の既婚者が出ていたとはな……フ、俺もウカウカしてられんなコレは」

「俺以外に誰か結婚してた奴いたか? ああ、そういや坂本がいたな、アイツ嫁さんと姓別々にしてるから結婚してたなんて気づかなかったんだよな」

「お前もアイツと会っていたのか、いやはや俺も随分前だがアイツの職場に行った事があってな、その時直接嫁さんとも会って来たぞ」

「俺もたまにアイツの所行く事あるけど、夫婦で同じ仕事就いてるとかあり得ねぇよな」

「なんでも坂本自身は転職したいらしいのだが、嫁さんが許してくれないらしい」

「ああそりゃアレだよアレ、束縛系奥さんって奴。いやー俺そういうの絶対無理だわ、ウチは自由に遊び回って構わねぇ的なスタイルだからマジで無理だわ」

「なんだ貴様、よもや嫁さんの目が届かない所で別の女とふしだらな関係に発展しているのではないであろうな? 大体お前は昔から……」

「桂さんもういいから! 久しぶりに会えた友達と他の友達の話で盛り上がっちゃうのはわかるけど! お願いだから気付いて!」

 

何やら勝手に盛り上がって世間話を始める桂と銀時に部下達が止めようとするも桂は全く聞いてくれない。

この男、自分の話に夢中になると全く人の話を聞かなくなるのだ。

 

「というか銀時、お前いつの間に結婚していたのだ? もし言ってくれれば祝言でもあげてたというのに」

「あーもう千年前ぐらいだなー」

「千年!? 千年前って事はまだ俺達と共にいた頃ではないか! てことは待てよ……」

「なあ、今桂さん千年前とかどうとか言ってたけど……桂さんって千歳超えてんの? 人間ってそんな長く生きられたっけ?」

「桂さんを疑ってんじゃねぇ! 確かにさっきからずっと気にはなってたけど歴史に残る偉人ってのはきっと俺達の想像では到底考えれられないぐらいの長命になれるんだ!」

 

 

ヒソヒソとさっきから桂の言動に違和感を覚えてる者達が話し合ってる中、桂は突然「おお!」と言いつつポンと手を叩く

 

「もしかしたらお前が結婚した相手は俺の知ってる者ではないのか?」

「ああ? まあ何度か会ってるとは思うけど」

「やはりそうか、フフフ、察しがついたぞ銀時、確かにお前と彼女は昔から仲が良かった。いずれは夫婦となるのは目に見えておったな」

 

どうやら彼が誰と結婚したのかおおよそ検討が付いたらしい、随分と昔の事ではあるが桂はその時の頃の事を今でも鮮明に思い出せるのだ。

そして微笑を浮かべながら桂は銀時に人差し指を立てながら

 

「あの”白髪でちょっと無愛想なおなご”だな!」

「……」

「どうだ当たりであろう、てことはそうかお前は坂田銀時ではなく藤原銀時……」

 

我ながら鋭い考察力だなと思いながら桂は無言でこちらを見つめる銀時に自慢げに胸を張る。

しかし次の瞬間、銀時の背後の空間が裂け始め、次々と現れたスキマが大きく開いたと思えば

 

「どわぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

「か、桂さぁぁぁぁぁぁぁん!!」

 

そのスキマから無数の刀や槍という殺傷能力が極めて高い武器が次々と出現し、一斉に桂目掛けて放たれたではないか。

突然の奇襲に避ける暇もなく桂はその無数の得物をモロに直撃してしまう、

哀れ刀で串刺しとなってしまった彼に、部下達が絶望の声を上げていると

 

「あ~死ぬかと思った」

「えぇぇ生きてるぅぅぅぅぅぅぅ!?」

 

体に刺さってる筈の刀や槍など気にせずに何も変わっていない桂がそこにいた。

よく見ると飛んできた得物は彼に刺さっているというより、彼を”すり抜けるかのように”床に刺さっている。

刺さってる箇所からは穴も開いてないし血すら出てない、というより体そのものに刺さっている様には見えない。

驚愕する一同を尻目に、銀時の背後にあるスキマが大きく広がり、今度は得物ではなく一人の女性がゆっくりと現れる。

 

銀時の妻であり幻想郷の管理を務める八雲紫であった。

 

「やはり効かないか……お久しぶりね桂さん……」

「オイィィィィィ! 嘘でしょなにこの急展開!?」

「来ちゃったよ! 一面からいきなりラスボス出て来ちゃったんだけど!?」

「どうするんスか桂さん!?」

 

口元は笑っているがその目は驚くほど冷え切っている。明らかに機嫌が悪い表情を浮かべる紫の登場に一同慌てふためく。

しかしそんな状況でも桂は決して動揺しない、唐突に現れた彼女に対して「おお!」と呟いて目を見開いた後しばらくして……

 

「……すみませんどちら様ですか?」

「桂さぁぁぁぁぁぁぁん!?」

「……」

 

一瞬思い出したかのような顔を浮かべたがすぐに首を捻ると、紫に誰なのかと尋ね出す桂。

あろう事か攘夷志士として最終的に倒さねばいけない幻想郷の統括者と呼んでも過言ではない大妖怪の顔すら知らなかったのだ、しかも昔銀時といる時に何度か会っていたというのに……。

 

”白髪の無愛想な女”は覚えているのに自分の事は覚えられていないと知ると紫はその目に一瞬殺意のようなモノを潜めるが、すぐに真顔になって返事をする。

 

「あなたとは随分昔に会ったきりだから覚えてないでしょうけど、この人と結婚した者よ」

「ヅラ、という事でこっちが俺の嫁さんな。二度と”アイツ”と間違えるなよ、今でもウチの嫁さんアイツの事嫌ってるから」

「おおそうだったのか! うーむ確かによくよく見るとこの様なおなごが銀時の家にいたような気がしないでもない」

 

まじまじと見つめて来る桂に紫が冷めた表情をしていると、おもむろに桂がポンと彼女の肩を叩く。

 

「ともあれ俺の同志である銀時の妻であるならばそなたも俺の同志という訳だな! よし! 俺と共に幻想郷を支配する悪しき大妖怪・八雲紫に天誅を下そうではないか!」

「あらぁお仲間にされて嬉しいわ~、一緒に八雲紫を倒しましょうねぇ~」

「フハハハハハハハ! さすがは銀時のおなご! 大妖怪を倒すと知っても微塵と恐怖を感じておらんとはな!」

「おい桂さんアレマジで素で言ってるの!? 素で気付いてないの!?」

「桂さん! 頼みますから気付いて下さい! アンタが仲間にしようとしてるその夫婦こそが俺等が一番倒さなきゃいけない敵なの!」

 

これは完全に気付いていない、部下達が落胆する中も桂は盛大に高笑いをしている。

それを見ていた銀時はやれやれとけだるそうに頭を掻き毟った後、桂の方へ顔を上げた。

 

「ヅラ、そういや俺の新しい姓教えてなかったな」

「姓?」

「”八雲”な、八雲銀時、今はそう名乗ってるんだよ俺」

「八雲……?」

 

八雲と聞いて桂が眉を顰めているのを見て、ようやく気付いたかとため息を突きながら銀時は改めて自分の嫁さんを紹介する。

 

「だから俺のカミさんの姓も八雲なの、そんで名前は紫、バカなお前でもこれでわかっただろう?」

「八雲……紫……まさか銀時お前は! お前の嫁さんは!」

 

ようやく気付いてくれたのかハッとした表情を浮かべる桂、コレでずっと勘違いしていた彼もようやく理解したであろうと部下達も安心していると、彼はビシッと正体を察した銀時と紫に指を突き付ける。

 

「いわゆるDQNネームというものを付けられたというのか!?」

「そうそう……え?」

「そうか、あの恐ろしい大妖怪と同じ姓だとをいい事に、きっと彼女の両親は悪乗りで娘の名前を紫にして役所に登録してしまったという事か……まさかあのおぞましく悪名高い妖怪の名を娘に付けて同姓同名とするなどなんて酷い親だ!」

「おいヅラ、お前本当に頭大丈夫か? そろそろ本気で心配になってきたんだけど」

「だが俺はそんな事気にはせん! DQNネームであろうが俺にとってはもう大事な同志だ! だから!」

 

よくもまあそんな妄想をスラスラと頭から出て来るなと、銀時が本気で桂の事を心配してるかのように目を細めていると、彼はグッと親指を立てながら紫にフッと微笑み

 

「共に八雲紫の首を討ち取ろうではないか八雲紫殿! ブホォ!」

「いい加減にしろバカ」

「「「「「桂さぁぁぁぁぁぁぁん!」」」」」

 

遂に我慢の限界が来たのか、ドヤ顔を浮かべる桂の顔面に思いきり拳をめり込ませぶっ飛ばす銀時。

そのまま桂は壁に背中から激突すると、白目を剥きながらズルズルと崩れ落ちて気絶してしまった。

 

「ったく、お得意のすり抜けはどうしたんだよ」

「どうやらすり抜け出来る物とすり抜けられない物があるみたいね」

 

拳が赤くなっているのを確認しながら銀時が桂を見下ろしていると、紫も冷静に彼を観察する。

 

「私達と会ってた時はまだまともだったけど、やっぱり強い恨みを残して死んでるから、時を重ねた結果随分と強力な霊になったみたいね」

「コイツが起こした祟りは現世でも有名だからな、コイツの本当の首は今でもデカい神社に祀られてるって話だし」

 

桂の正体については長い時間を過ごしてきた銀時は噂程度ではあるがよく知っていた。

そしてうろたえている桂の部下達の方へ振り返ると、銀時は親指でノビている桂を指差しながら

 

「お前等に言っておくけど、コイツ、人間じゃなくて悪霊だから」

「えぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!?」

「コイツはこの世に恨みを残して死んだ事でタチの悪い悪霊と化した正真正銘のバケモン、ぶっちゃけテメェ等が倒そうとしている妖怪よりもタチの悪い存在です」

 

悪霊、経緯は人それぞれだがこの世に強い未練を残すと現世に魂だけを留めて蘇るという事があるらしい。

そしてそれが時に悪霊という存在となり、生前から恨んでいたモノ、もしくは欲していたモノ、はたまたなんの関係も無いモノにまで危害を及ばすという極めて危険な霊と成り果てるのだ。

そしてこの桂小太郎という者も、現世に強い恨みを残して死に、悪霊となったのだ。

 

「確か大昔は別の名前使っててよ、そん時も今みたいに国を滅ぼして新たな国を造り上げるーとか言って反乱を起こしたはいいけど、すげぇ早くボロ負けしちゃってあっさりおっ死んだんだよな」

「その後、悪霊として復活してからはあなたと同じく源頼光さんに仕えたのよね」

「その頃からバカではあったけどまだまともだったんだよなー、やっぱ成仏できずに長い間現世に留まっていたのがマズかったか……」

 

実を言うと桂小太郎という名は悪霊として生まれ変わった時に源頼光に与えられた名であり、生前は別の名前を用いていた。

その名は現世でもひどく有名な名前なのであるが、銀時はそこまで彼に興味はないのでその名前までは知らないでいる。

 

「あ、そうそう、コイツの事なんかよりもまず一番大事な事をお前等に言わなきゃいけない事あったわ」

「「「「「……え?」」」」」

 

自分が仕えていた相手が人間ではなく悪霊だった事よりも伝えなきゃいけない事なんてあるものなのか?

怪訝な表情を浮かべる桂の部下達に対し、銀時はゆっくりと人差し指を突き付ける

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「お前等も”人間”じゃないからね、だから俺や紫を倒しても人間の理想郷なんて作れやしねぇから」

 

彼の言葉を聞いて皆しばし固まった後、ふと自分の足元に目をやる。

 

そこには本来あるべき筈の両足が無かった。

 

 

「とっくの昔に妖怪に食われて”死んだ””亡霊”だからねお前達」

 

霊は霊を集めやすい。彼等もまた桂小太郎という悪霊に惹かれてここに迷い込んで来た亡霊なのであろう。

 

桂に対し何度も気付け気付けと叫んでいた”半透明な姿”である彼等自身もまたようやくそれに気付くと。

 

 

 

 

 

「「「「「えぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!?」」」」」」

 

 

 

この夜だけで何度も上げていた驚きの声を今までの中で一番力いっぱい彼等は叫ぶのであった。

 

 

 

 

 

 




坂本の奥さんが好きな食べ物は「こんにゃく」です

桂小太郎の悪霊設定の元ネタは今でも怖い話好きの中では有名なあの歴史人物

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