銀輪蓮廻魂≼⓪≽境東夢方界   作:カイバーマン。

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銀魂ポロリ編がいよいよスタートですね、楽しみです


#31 あんぱあんぱんんああんぱんんあんぱんぱん

守矢神社にていよいよ宴会が始まりそうになった頃、諏訪子の隣にはいつの間にかちゃっかり早苗が面白そうに一緒に集まって来たメンバーたちを眺めていた

 

「またこんなに人が……諏訪子様、また宴会を開くんですか?」

「そうだよ早苗、前にやった神奈子の時よりもずっと派手なのをね」

「わぁ、これでもっと信仰が集められますねきっと」

「そっち気にしてるのは神奈子の方だろ、私は別に気にしてないよ」

 

別に消える時は消えるんだというのが諏訪子の考えであって、信仰が薄れて消えるのがイヤだと思っているのは神奈子の方である。

 

故に諏訪子にとって二度開かれる宴会については、信仰よりもただ面白おかしくなりそうな派手な宴会を開く事、ただそれだけの為だ。

 

「か、神楽ちゃん!? だ、大丈夫なのここ!?」

「オイオイまだビビッてるアルかぱっつあん、せっかく私がわざわざここまで連れて来てあげたんだからいい加減ん慣れろヨ」

「いや慣れる訳ねぇだろ! 僕ただの人間だよ! 妖怪の巣窟に人間がノコノコやって来るなんて! シャチの大群にアザラシ放り投げる様なモンだから!」

 

諏訪子が気付くとまたもや参加者が増えていた。

 

夜兎の神楽が無理矢理後ろ襟を掴んでズルズルとここまで連れて来たのは人里の人間代表、志村新八である。

 

「しかも妖怪だけじゃなくて妖精もいるし! おまけに悪霊の桂さんまで! あ、エリザベスさんもいた……あの人大丈夫なのかな、冥界での仕事とかあるんじゃないの?」

「エリザベスはエリザベスネ、それ以上何も言うな新八、女の恋路は黙って見届けるモンアル」

「いやでもあれ以上桂さんと一緒にいたら職務放棄に……」

 

密かにエリザベスの青春を応援している神楽と違い、新八がやや心配そうに見つめていると

 

案の定、エリザベスの隣にスッと半人半霊の少女、魂魄妖夢が現れた。

 

「……いい加減にしてくださいよ本当に……」

『ど、どちら様ですか!?』

「いやもうそういうのいいですから、ほら、帰りますよ」

『い、いやぁぁぁぁぁぁぁ!! まだ何も食べてないのに! 助けて桂さん!』

 

エリザベスの肌を直接グイッと引っ張って無理やり連れて行こうとする霊夢だが、エリザベスは必死に抵抗して桂に助けを求めると、それにすぐに彼は気付いて振り返る。

 

「おおなんだ! エリザベスを攫われようとしているぞ! お主それでもあの冥界の姫であられる幽々子殿の側近か! 幽々子殿から預かりしエリザベスを襲うだなと無礼にも程があるぞ!」

「黙れ悪霊! これ以上この方を誑かされてたまるもんですか!」

『あーれー!』

 

妖夢とは反対の方からエリザベスを引っ張って彼女の手から引き離そうとする桂。

 

それに負けじと妖夢も引っ張り返してエリザベス奪還を強行しようとする。

 

二人に反対方向に引っ張られているエリザベスはミチミチと不吉な音を鳴らしながらどんどん両側に伸びていく。

 

そしてそんな光景をただボーっと眺めているの八雲紫だ。

 

「……」

「どうした? 今日は随分と口数減ってるみたいで藍が心配してたぞ?」

「……そりゃこんなモン見せられたら何も言えなくなるわよ……」

 

どうしていいかわからない様子で固まっている紫の傍に歩み寄って来たのは八雲銀時。

 

彼女の様子がおかしいと藍から聞いたのでやって来たのだ。

 

「んだヅラの野郎呼んでもねぇのに勝手に来やがったのか」

「そうみたいね、そういえばあなたってまだ二人程古くからの友人がいたわよね? ここには呼んでないのかしら?」

「友人じゃねぇよあんな奴等、どうせ”坂本”の方はカミさんと仕事してる頃だろうし。”高杉”に至ってはどこにいるかも知らねぇよ」

「そう、少し残念ね。久しぶりの源頼光四天王が揃う所期待してたのに。まあもう一人はともかく坂本さんの方が来られたらまた面倒な事になるから、それはそれでいいかもしれないわね……」

 

けだるそうにボリボリと髪を掻きむしる銀時の話を聞いて、紫はチラリと傍に立っていた藍の方へ目をやる。

 

「あなたがいたら100%彼と揉めるだろうしね」

「申し訳ありません……私と彼は元々遥か昔から争っている関係なので面を合わせるとやはりつい血が騒いでしまい……」

 

紫に指摘されてガックリと肩を落とす藍、どうやらその男とは度々何かあったらしい。

 

「別にあの男を嫌っているわけではないのですが……やはりどうしても負けたくないという気持ちが勝ってしまい……」

「仕方ないわよ、きっと向こうもあなたの事は嫌ってる訳じゃないわ、あなた達の本能がそうさせるんでしょうね」

 

頭だけでなく耳と尻尾もシュンとさせて落ち込む藍に紫は優しく諭すと、突如ジロリと銀時の方へ目を向ける。

 

「そういえば私にも本能的に嫌いな女がいるんだけど……まさかそいつは呼んでないわよねあなた?」

「呼ぶ訳ねぇだろ……呼ぶ以前にアイツとはもう随分と長い間会ってねぇから……」

「どうだか、昔みたいに夜な夜なあの女のハウスに行ってるんじゃないでしょうね?」

「行ってねぇって、大体今アイツが何処に住んでるかも知らねぇよ、竹林の近くだとは聞いてるけど」

「へぇ、おおよそ目星は付けてるんだ、てことはそろそろ本腰入れて探そうとか思ってるんじゃなくて?」

「鰻屋の鳥妖怪が無理矢理俺に教えて来たんだよ、お前アイツの事になるとホント目の色変えるよな……」

 

疑り深く淡々とした口調で何度も尋ねてくる紫にウンザリしながら銀時がしかめっ面を浮かべる。

 

こういう掛け合いはもうかれこれ結婚する前からやっているので千年以上経ってなお続いているのだ。

 

いい加減にして欲しいという気持ちと、どこか後ろめたい気持ちに駆られながら銀時がハァ~とため息を突いていると

 

「ちょっとそこの熟年夫婦! どういう事なのよ一体!」

「あ?」

 

後ろから急にキレた口調で怒鳴られて、何事かと銀時が後ろに振り返ると

 

そこには一番最初に銀時がここに呼んだ人物である博麗霊夢が怒り心頭の様子で腰に両手を当てて立っていた。

 

「アンタが豪勢な宴会が始まるって言うからわざわざ飛んできたってのに! 一向に食べ物も酒も来ないじゃないのよ!! こちとらお腹と背中がくっ付き過ぎて飢えて死にそうなんだから!」

「ああ、そういやまだ食いモン来ねぇな、ったく食いモン担当はえーと……確かあの地味な鬼天狗だったな」

「誰だっていいわよ! 早く食いモン寄越せ!」

 

ガチガチと歯を鳴らしながら、飢えた野良犬の如く食べ物を求める霊夢。

 

そんな”いつも通りの彼女”を見下ろしながら、銀時も未だ来ない食料と酒に不信感を募らせていると

 

霊夢は銀時の隣に立っている紫の方へ矛先を変える。

 

「紫ならなんとか出来るでしょ! アンタの力で境界からボロボロと食べ物出しなさいよ!」

「あら? なんで私がそんな事の為に力を使わなきゃいけないのかしら?」

「はぁ!? 博麗の巫女が死に掛けてるのよ!? 保護者兼観察役のアンタがここで何もしないなんて育児放棄兼職務放棄もいい所よ! 終いには訴えるぞゴラァ!!」

「どこに訴えるのよ」

 

ギャーギャー喚きたてる”いつも通りの彼女”に呆れたように紫がフゥと息を漏らしていると

 

騒ぎを聞きつけて新八と神楽も彼女達の下へやって来る。

 

「どうしたんですか? って霊夢さんなんか怖いんですけど……」

「あ……そういえばアンタ」

「え?」

 

息を荒げる霊夢を前に新八が軽くビビっていると、彼の存在に気づいた彼女は急に真顔になって指を彼に向ける。

 

「確かアンタってメガネの方が本体だったわよね? だったら”それ以外の部分”は全部食べてもメガネさえ無事なら微々たる問題は何も無いって事よね……?」

「銀さぁぁぁぁぁぁぁぁん!! ヘェェェェルプ!!!」

 

真顔のままダラダラだと涎を垂らしながら次第に焦点の定まらない目になっていく霊夢の変化に気付きすぐ様銀時に助けを求める新八。

 

新八は思い出した、今ここに妖怪よりも恐ろしい存在がいることを

 

「身を隠せ新八! 今の霊夢はビーストモードにトランスフォームしている! 早く眼鏡をキャストオフして逃げるんだ! そうすれば眼鏡だけは逃げられる!」

「眼鏡だけ逃げられるってなんだよ! それ単に眼鏡捨てるだけだろうが! 僕完全に食われる流れじゃん!」

 

口を大きく開けて「腕一本でも……」と不吉な事を呟く霊夢から距離を取りながら新八がツッコミを入れていると、すっかり腹ペコになっている様子の霊夢を見て神楽がうんうんと頷いていた。

 

「私もさすがに我慢の限界アル、食べ物一杯出るから来いって銀ちゃんに聞いたのに、右を向いても左を向いてもバカしか見当たらないネ。乙女が空腹を抱えているのに何も出さないというこの体たらくについては色々と文句があるのも無理ないアル」

「いや多分ちょっと遅れてるだけだって……神様の宴会なんでしょ? だったらきっともうすぐ凄い料理がわんさかやってくる筈だよ」

「本当アルか? もしあの日が落ちる前に食べ物来なかったら、お前の両腕はあの巫女と私の胃の中に片っぽずつ納まる事を忘れるんじゃねーゾ」

「誰か早く彼女達に食料をぉぉぉぉぉぉ! 僕の両腕が血に飢えた猛獣共の餌にされちゃうぅぅぅぅぅ!!!」

 

すっかり完全に日が落ちかけている夕日を指差しながら妖怪らしくサラリと恐ろしい事を言い出す神楽。

 

自分の両腕が無くなるという危機に陥った新八は必死な思いで天に向かって叫んでいると

 

「やぁ、随分と待たせたみたいだね」

「ってああ! 銀さん天狗が! 天狗が荷台を引きずってやって来てくれましたよ!」

 

その願いが天に届いてくれたのか、新八達の所に高々と荷物が詰まれたリアカーを汗だくで何者がやって来てくれた。

 

彼こそこの宴会の責任者である、山崎退だ。

 

「八雲の旦那、文姐さんを呼んで来て下さい……やっとこさ俺、宴会に出す献上品を用意して来ました……」

「凄いですよ銀さん! 布で隠れてますがあの大きさだと相当の食材が乗せられてますよ! 僕等全員で食べ尽くせる自信が無いですよ!」

「ああその辺は心配するな、腹ペコ巫女と夜兎一人、そして”アレ”がいるんだから残る事はあるめーよ。さてと」

 

きっと人里からここまで引っ張って来たのだろう、長い道のりの上に山を登るのだ。相当疲れたであろう山崎は額から滴り落ちる汗を拭いながらようやく一息突いていると、銀時は空に向かってボソリと一言

 

「あーあ、なんか面白そうな特ダネが書いてそうな新聞ねぇかな~」

「はいはいはい! ありますあります! 文文。新聞はいつでも購買者が求める情報をいち早くチェックできるリーズナブルな新聞です!」

「うお! 今度はまた別の天狗が出てきた!」

 

さほど大きな声で呟いた訳ではないのに、韋駄天のパパラッチ(自称)こと射命丸文は勢いよく空から彼の下へはせ参じて来た。

 

新聞を買う気など更々無い銀時は、飛んできた彼女に仏頂面で山崎の方へアゴでしゃくる。

 

「おめぇの所の後輩がようやく宴会の出しモン持ってきたみたいだぞ、早くデカいテーブルでも用意してさっさと並べろ」

「あり? 新聞の購入は?」

「早くしないとオメェを焼き鳥にして宴会の出しモンにするぞ」

「あ~それは遠慮しておきます、わかりましたよはいはい……用意すればいいんでしょ、すれば」

 

新聞の件は無かった事にされてガックリ肩を落としながら、銀時に言われるがままに渋々山崎が持ってきたリアカーの方へと向かう文。

 

「おのれ三大不死ニートの一角……なんで私がこんな雑用を、山崎、随分と遅かったけど神に捧げる宴会にピッタリな献上品は見つかったかしら」

「ええ、どうぞ見て下さい」

「随分と自信ありげね……まあパパッと見せてもらおうかしら」

「あ、でも布を剥がす時は慎重に、あ」

 

疲労して疲れ果てている山崎が背を預けて座り込んでいるリアカーの前に出ると、文は覆っている大きな布を掴んで一気にひっぺ返す。

 

すると彼女の目の前に現れたのは

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあん

ぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱん

 

 

「ギャァァァァァァァァァァァ!!! あんぱんが雪崩となって私に降り注がれ……ぐえぇぇ!!」

「文姐さぁぁぁぁぁん!!!」

 

そこにあったのは何故か山の如く積み重なれた数千個のあんぱん。

 

文が乱暴に覆っていた布をひっぺ返した事によってあんぱん達は一斉に激しい音を鳴らしながら彼女の上に降り注がれていく。

 

驚くの束の間、あっという間に下敷きにされてしまった文は置いといて、銀時は慌てて目の前に現れたあんぱんの山へと駆け寄る。

 

「なんじゃこりゃぁぁぁぁぁぁぁ!!!! なんだこのあんぱんの量は! 一体いくつあんだ!? つーかなんであんぱん!?」

「これまた凄いわね、こうまで膨大にあると不気味だわ」

 

紫も近づき、この光景に口を少し開けて驚いていると、下敷きは逃れた山崎が急いで二人の下へやって来た。

 

「男・山崎退! ただいま宴会用のあんぱんを持参して参りました!」

「だからなんでだよ! どうして神の開く宴会であんぱん用意すんだよ! つーかよくこんな集められたなお前!」

「八雲の旦那、実は俺も旦那や局長みたいにとある”能力”を持っていましてね」

「能力?」

 

誇らしい表情でこちらに敬礼する山崎に銀時が叫ぶと、彼はまず自分の持っている能力を説明することにした。

 

「俺の能力はそう、名付けて『無からあんぱんを無限に創造出来てしまう程度の能力』です」

「いやそれどんな能力ぅ!? どういう経緯でそんな力に目覚めたのお前!?」

 

キリっとした表情で「凄くなさそうに見えて地味に凄いのでは?」と思わせるぐらいの能力を持っている事を話す山崎。

 

という事はこの大量のあんぱんは全て彼が生み出したという事であろう、しかし一体なぜ……

 

「いや実は宴会用のご馳走をこしらえる為に人里へ下りたのはいいんですけどね、生憎持ち合わせがあんまりなくてそんな豪勢なモノは買えないなって気付いたんですよ」

「まさかそれでテメーの能力使ってあんぱんオンリーで補ってみようと考えたんじゃねぇよな……? 幻想郷を支える柱の一角である妖怪の山をあんぱんで救おうと思ったんじゃねぇよな?」

「ハハハ、さすがにあんぱんオンリーで神への宴会が出来る訳ないって俺だってちゃんとわかってますよ八雲の旦那、だから……」

 

頬を引きつらせている銀時を笑い飛ばすと、山崎はリアカーにまだ少しだけ残っているあんぱんを軽くどかしてその下にあるモノを見せる。

 

ビッシリとスペースに並べられたこれまた大量の牛乳瓶だ。

 

「あんぱんだけだと喉が渇くと思い、相性の合う牛乳を人里でしこたま買い込んで来ました。これで宴会はもうバッチリです、ぐふぅ!!」

「どこがバッチリだぁ!! 宴会じゃなくてただの朝食会だろうがこれじゃ!!」

 

親指立てて勝利を確信する山崎の頬を思いっきり拳で殴り飛ばす銀時。

 

あんぱんには牛乳、確かに相性は抜群だが今この状況で神への供物にするにはあまりにも場違いである。

 

「どうすんのコレ!? せっかくメンバー集めたのにバカのせいで全部パーだよ! どうするハニー! 妖怪の山崩壊のキッカケを生んだ罰としてこのバカを処する!?」

「そう慌てないでダーリン、まだ妖怪の山が消えると決まった訳じゃないわよ」

 

両手を抱えて慌てふためく銀時とは対照的に、紫は至って冷静に彼を諭していると

 

騒ぎを聞きつけて他の者達もあんぱんの山へと駆け寄っていく。

 

「うおぉぉぉぉぉぉぉ!! 久しぶりに普通に食べられるモノを生で見たわ!! 草でも虫でもない食べ物がこんなにいっぱい! よっしゃぁ食ったるどぉ!!!」

「いや霊夢、さすがにこんだけのあんぱん食べ続けたら飽きるぜきっと」

 

突如目の前に現れた食べ物に興奮して、床に散らばるあんぱんを手当たり次第に口の中へとほおり込んでいく霊夢。

 

意地汚いなとは思いつつ、魔理沙は頬を掻きながら幸せそうに食べている彼女に忠告すると、霊夢はバッとすぐに振り返り

 

「え!? 食べ続けて飽きるって何!? それってつまり目の前に食べ物があるのに食べられなくなる状況に陥るって事!? そんな上流階級の世界にしか存在しない体験が私も出来るって事!?」

「いや庶民の暮らしでもよくある事……あぁ、そういえばお前は庶民の暮らしさえ知らなかったな……」

 

未だかつて体験した事の無い「食べ物に飽きる」という現象があるという事を初めて聞いた霊夢は、そんな贅沢な体験を一度でもしてみたいと霊夢はペースを上げてあんぱんをどんどん食べ進んでいく。

 

そんな彼女を遠い目で眺めながら、魔理沙もまた手元にあったあんぱんを一口食べるのであった。

 

「命拾いしたアルな新八、こんなに美味いモンを食べれるなんてラッキーアル」

「いやそれ人里でも普通に売ってるモンだから……てかなんでこんなあんぱんが? 宴会開くんじゃないの?」

「ほれ新八、お前には牛乳だけ恵んであげるヨロシ」

「なんで僕だけ牛乳だけなんだよ! ふざけんな小娘! 僕にもあんぱん寄越せ!」

 

口の中に大量にあんぱんを入れて頬がパンパンに肥大化しているにも関わらず次々と平らげていく神楽と、彼女に牛乳瓶だけ渡された新八も怒ってあんぱんを食べ始める。

 

霊夢と神楽も凄い食いっぷりだ、しかし所詮は小娘。

 

今の彼女では遠く足元にも及ばない程の食いっぷりを見せる猛者がいた。

 

もちろんエリザベスだ

 

「おお凄いぞエリザベス! みるみるウチに大量のあんパンが口の中に吸い込まれていくぞ!! 恐ろしい吸引力だ!! かの有名なピンクボールにも決して劣らぬ見事な吸い込みっぷりだ!」

『まだ腹一分目にも満たせません』

「あのーすみません、こんなたくさんあんぱん食べたら晩ごはん食べれなく……いやこの程度の数なら大した事無いですねあなたには……」

 

周りに突風を発生させる程の凄まじい勢いで、散らばっているあんぱんを瞬く間に吸い込んでいくエリザベス。

その吸引力は近くにいた妖精4匹が彼女に吸い込まれない様必死に木に両手で掴まっているレベル。

 

その光景に桂さんは賞賛し、一緒にいた妖夢はジト目でエリザベスの行為をただ見つめながら牛乳をゴクッと飲んでいた。

 

「おいおいおいなんだコイツ等!? 用意したのあんぱんと牛乳だけだぞ!? なのになんであんなはしゃいでいられるんだ!?」

 

周りを見渡すとあんぱんと牛乳を次々と食べ飲みしていく連中達に、銀時が混乱していると、いつの間にか彼の隣にアリスがそっと近づき、ヒョイッと手に持っていたあんぱんを一つ彼に差し出す。

 

「いいからあなたも食べたら? 結構いけるわよ」

「……お前まで何やってんだよ、なにごく自然にあんぱん食ってんだよ……」

「食べなさい、さもないと宴会が失敗だと思われるわよ?」

「は?」

 

仏頂面であんぱんを押しつけて来たアリスに銀時は戸惑いを見せつつ受け取っていると、彼女がボソリと小声で呟く。

 

「結局は楽しんでる光景をあの神様に見せればいいんでしょ? ここはとりあえず楽しんでるフリだけでもしておくべきだわ。そうすればあの神様も自分の主催した宴会でこんなにも楽しんでくれていると満足してくれると思うのよ」

「ああなるほどね……お前はお前でちゃんと考えてくれてたんだな、安心したぜ」

「まあどう転ぶかはわからないけどね、とりあえず神様がこれを見て良い反応をしてくれるか祈っておきましょう」

 

好き勝手に食べている連中と違い、どうやらアリスは色々と考えてくれていたらしい。

 

テンパると暴走気味になるが、落ち着いてる時は中々頭の冴える彼女に、銀時は感謝しながら貰ったあんぱんを食べつつ、彼女と共に賽銭箱の上に座ってこちらを眺めている諏訪子の反応を伺うのであった。

 

 

 

 

 

「見渡す限りあんぱんばかりですね諏訪子様」

「おい諏訪子、コレがお前の主催した宴会か? 随分と変わった催しだな」

「ん~……」

 

諏訪子の後には早苗だけでなく、いつの間にか同じく守矢神社に奉られている神である神奈子も立っていた。

 

諏訪子が自分のよりも派手な宴会をやると聞きつけて出てきたが、正直こうまでカオスな光景が目に飛び込むとは神奈子も予想外だったらしい。

 

「やれやれ神への供物が酒ではなく牛の乳、豪華な食材も無くて代わりにあるのは餡の詰まったパンのみとは」

「ん~……」

「だが連中は随分とはしゃいでるみたいだな、博麗神社の巫女を見ろ、他所の神社が開いた宴会であるのに随分と堂々としている」

「霊夢さん目の色変わってますね完全に、もはや巫女というより獣に近いですねアレ」

「そしてあの白いアヒルみたいなクチバシをした生物はなんだ? さっきから凄い勢いで吸い込んで行くぞ」

「ああエリザベスさんですよ、桂さんと仲の良いご友人らしいです、正体はわかりません」

 

霊夢達が自分達の神社でワイワイとはしゃいでるのを、神奈子は早苗と共に静かに眺めているのであるが。

 

主催者である諏訪子はさっきからずっとしかめっ面を浮かべて首を傾げていた。

 

「ん~……」

「さっきからお前はなに小難しい顔してるんだ諏訪子」

「いや連中が私の神社でハジケてくれちゃってるのは満足なんだけどさ」

 

尋ねて来た神奈子に諏訪子はしかめっ面のまま振り返る。

 

「果たして用意したのがあんぱんと牛乳だけという質素な宴会が、神の主催し宴会に相応しいかどうか決めかねている」

「……それは私もさすがにどうだろうかと思っているが、まあいいんじゃないか? 斬新で」

「斬新という言葉で片付けていいものなのかなぁ……」

 

まだ素直に認められない様子の諏訪子、そんな彼女の下へこの宴会をカオスな方向に導いた立役者が軽くなったリアカーを引っ張って現れた。

 

「諏訪子様! 山崎退があんぱんと牛乳持って来ました!」

「君は何故にそんな自信に満ち溢れた表情を浮かべているのかは疑問だが、ってアレ?」

 

何故この男はそんなにもあんぱんを自分に捧げる事に対してなんの抵抗も無いのであろうと、諏訪子が疑問を浮かべると、ふとリアカーに載せられているのがあんぱんと牛乳だけではないと気付く。

 

瓶底眼鏡をした上半身はジャージ、下半身は褌一丁というみずぼらしい白髪のおっさんが、牛乳とあんぱんを両手に持ったままリアカーの上で胡坐を掻いて座っていた。

 

「……誰それ?」

「あーこの人はその……人里でリアカー拝借した時に、そのリアカーの中で既に住んでいた方です」

「リアカーじゃねぇマイホームじゃ!」

「あ、すんません」

「オイ、あんぱんと牛乳だけじゃ飽き足らず、とんでもないモノまで供物として持ってきたぞコイツ、いらんぞこんな生け贄……」

 

あんぱんを黙々と食べていたかと思いきや急に叫び声を上げる謎の人物、山崎が彼に素直に謝っているのを眺めながら諏訪子もさすがに頬を引きつらせて動揺する。

 

「ここまで来ると怒る気も失せるなさすがに……まあいいや、こんなもの普通の宴会じゃ体験出来ないしな。よし、この宴会についてはとりあえず合格判定出しておこう、ギリギリだけどな」

「フ、言われなくてもわかってましたよ俺は」

「だからなんでお前そんなに自信満々なんだよ、根拠もクソも無いこの状況でよくもまあそんな清々しいドヤ顔を私に向けられるな」

 

リアカーの取っ手を両手で持ったままわかりきった顔を向けて来る山崎に、諏訪子は軽くイラっと来て「やっぱ山を吹っ飛ばそうかな?」とか思っていると、彼はおもむろに顔を上げて尋ねて来た。

 

「そういえば、宴会が成功という事は俺、諏訪子様に願い事一つ叶えてもらえるんですよね?」

「ああ、口約束でそんな事した覚えがあるな、まあ一応聞いてあげるよ、どんな願い事?」

「ええ、実はとても俺にとって大切なお願いがあるんですが」

 

こんな事になっておいて更に願い事まで叶えてもらおうとするのか……と諏訪子が内心呆れていると、彼はいきなり神妙な面持ちで人差し指を立てて彼女に一言

 

 

 

 

 

 

「人里で有り金はたいて買った牛乳の代金……そちらで立て替えてくれませんか?」

 

能力も宴会の内容もとことん地味尽くしな彼ではあるが、願い事もとことん地味だなと思わずフッと笑った諏訪子は

 

 

 

 

 

そのまま彼を遠く彼方に吹っ飛ばすのであった。

 

 

 

 




今回の話は登場キャラが多いから文字数多いですねぇ……

おかげで書く時間が延びて予定の投稿日に間に合うかギリギリでした……

次回はまた”彼女達”の話です。さて今度は誰が出て来るんでしょうね


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