アーマード・インフィニット・ストラトス 黒鉄の山猫 作:銭湯妖精 島風
黒鉄の山猫は仮屋を巣立ち、母の元へ帰る
黒鉄の山猫は母の元を離れ、母の願いを叶える為にチカラを振るう
蒼く透き通る空を駆ける黒鉄が1つ、蒼に白い雲を引きながら飛んで行く
「『おはようございます、作戦エリアまで残り5分となりました。良い夢は見られましたか?』」
「『あぁ、良い夢を見た・・・多分』」
ノイズの含まれない機械的な音声に黒鉄の中から少女は答える
少女の身に纏う黒鉄、それはISと呼ばれるマルチフォームスーツ
その背に、少女の身に纏うISの2倍は有る長い輸送装置を身に付けて空を行く
「『VOB使用限界及び作戦エリアまで残り2分、目標を視認できますか?』」
「『問題無く視界に入った、いつでも行ける』」
ISは自らが動かしたい様に動かす事が出来る
イメージが、その挙動へダイレクトに反映される
故に、動かすのは誰にでも出来る
だが、戦闘行動を行うなら才能が必要とされる
「『間も無くVOB使用限界です、御武運を』」
「『あぁ、直ぐに終わる・・・終わらせる』」
黒鉄が背負っていた輸送装置が黒鉄から切り離され空中で数百〜数千の部品へと変わって行き
黒鉄を纏う少女は、その両の腕にバトルライフルを携え獲物を狩らんと音を超える
「『行くぞ木偶人形・・・恐れるな死ぬ時間が来ただけだ』」
彼女の両手に収まるバトルライフルから放たれた銃弾《キバ》が人が纏うには歪なIS《エモノ》へと突き刺さり、その身を削る
「『コレを壊す《コロス》のは何回めだったか・・・3桁を超えてから数えるのを止めてしまったからな・・・』」
歪なIS、ゴーレムIと名付けられたISは、見ただけで歪さが分かる程に趣味が悪い
ゴリラを無理矢理に機械化した様なバランスの悪さ
見た目に寄らず俊敏な挙動
高火力のビーム兵器と、幼稚なAI
ISは人が纏わねば使えないと言う常識を覆した無人機、それがゴーレム
「『少しは成長したかと思ったが、期待外れだったな』」
少女は散々穴だらけにしたゴーレムIへ最後の一撃でゴーレムに搭載されていたコアを破壊し、撃破する
ISはISコアが無ければ動かす事が出来ない
それは無人機でも変わらない
「『さて、もう1匹がアリーナに入ってしまったしな・・・怒られるのは御免だな』」
少女はポツリ呟き眼下のアリーナで少年少女と戦うゴーレムIへと急降下してゆく
「『アサルトアーマーが手っ取り早いが使ったら2人も吹っ飛ばしかねないな・・・やれやれ』」
少女は黒鉄の内で微かに笑む
「『やはり戦いの中にしか、私の存在する場所はない・・・自由に生き、理不尽に死ぬ。それが私に相応しい、だろう?ゴーレム』」
少女はゴーレムに問う
お前は正しいかと
私は正しいかと
お前は間違っていると
私は間違っているかと
少女は、造られた少女は、自分を産んだ母の為に、母の願いの為に、IS《テキ》を壊す《コロス》
はい、心がベッキベキに折れたので別の奴を書いちゃいました
心が持てば次が書かれるかも?
彼女が使っている機体は、アレです
分かる人が居たら嬉しいです