蒼海の世紀 海と空を制する者 凍結中   作:アトコー

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第4話

 

 

この日、海軍生徒を乗せた海軍支援総隊練習艦みかさは、近海航海訓練の旅に出た。

 

何というか、こいつら士官候補生らしいが、

 

 

使える奴が居ないように見えた。

 

 

1300 全員で甲板清掃。

 

この艦、女子が多いためか多くが自由人。

 

 

だが、海援隊と海軍の違いに気付いているのは恐らく1人。

それ以外は、女を見下している典型的な男尊女卑思想の莫迦。

 

次の日は、士官同士で小競り合いを起こす始末。

それでも、李家という若者はこの部隊の気質に気付いている。

いや、海軍生徒に対し敵視している中で、彼にだけは気を許しているように見えるセーラー(水兵)達を見る限り、彼を中心に仕事に着いている。

 

現場指揮官にあるあるなのは、下の兵士達に慕われる奴ほど成功するということ。

 

因みにこの小競り合いで李家を殴った奴は、最上甲板から海に蹴落とした。

 

また、「みかさ」には本田少将が乗艦しているが、その他、海援隊の河内、摂津、安芸にも乗り込んでいる海軍生徒がいるが、同時に柊参謀や、天城中将の参謀達が乗り込んでいるそうだ。

 

みかさとは違う場所で近海航海訓練を行っているのだが、人数が減っているらしい。

どの艦にも6人ずつ乗艦しているらしいのだが、どの艦も1~2人減っているのだとか。

 

特に、摂津に乗艦している海軍生徒が3人ほど居ないことについて

天城中将の参謀はこう答えている。

 

「海援隊ではなく帝国海軍に属しているのだろう?

上官の命令を反故し、海援隊の水兵に迷惑を掛ける奴は海軍には要らないはずだが?

そいつら(3人)については佐世保沖で置いてきぼりにしたから知らん。」

 

と述べている。

 

 

それを聞いた本田少将は、

 

「・・・相変わらずの鬼教官ぶりだなぁ。あの人は」

 

と、明後日の方向を見て黄昏ていたそうな。

 

 

「手空き総員上甲板、こちら艦長!手空き総員上甲板!」

 

 

ジリリリリリリリっと合図の鐘が鳴り、突如として入った放送に海軍生徒・水兵以下が慌ただしく上甲板に殺到する。

 

 

 

「少将、電文です。」

 

電信隊の1人が、紙切れを渡してきた。その内容は、今述べられている通りだった。

 

「海援隊大佐の才谷だ。皆、近海航海訓練ご苦労。

艦長として非常に満足している。また海軍生徒には、挨拶が遅れてすまなかった。

さて、残念ながら訓練はここまでだ。現時点を以って近海航海訓練は中止。

海軍生徒は近海の海軍艦艇に移乗、帰還せよ。」

 

艦長からもたらされた情報は、少なからずざわつかせた。

 

「電信員、出雲に打電。至急合流せよ。」

 

「了解です。」

 

戦争が、第1次世界大戦の開始の狼煙が上がったという。

場所はヨーロッパ、オーストリアで皇太子が暗殺された。

オーストリア・ハンガリー帝国はセルビアに戦線布告。

セルビアを助けるためにロシア帝国が参戦。

オーストリアを助けるためにドイツ帝国、イタリアが参戦。

また、ロシアと協商などを結んでいたフランス・イギリスが参戦する流れになり、イギリスと日英同盟を組んでいた日本帝国も参戦に至った。

 

この時、天城仁志中将は近衛艦隊第5艦隊の派兵を決定。

同時に、帝国陸軍第3師団、近衛第8師団をヨーロッパに派兵することを決めた。

 

大軍の派兵故に、坂本商会の海援隊の助けが必要だった。

しかし、天城仁志中将の艦隊だけで果たして足りるか?という問題は天城から海援隊にも同等の規模の第2艦隊の存在を知らされある程度安堵していた。

海援隊第2艦隊

改大和型戦艦出雲、日向型航空戦艦2隻、蔵王型重巡洋艦4隻、飛龍型航空母艦2隻、大鳳型航空母艦2隻、最上型重巡洋艦4隻、暁型駆逐艦6隻、秋月型防空駆逐艦6隻、巡潜丙型潜水艦8隻の35隻

近衛艦隊第5艦隊

常陸型戦艦常陸、伊勢型航空戦艦2隻、紀伊型戦艦2隻、翔鶴型航空母艦4隻、古鷹型重巡洋艦8隻、利根型重巡洋艦8隻、潜特型潜水艦6隻の31隻

 

計66隻の大艦隊であった。

 

しかし、実際には坂本商会の海援隊が第一陣を輸送するため戦力は半分になるのだが、

 

戦艦隊

 

機動艦隊

 

水雷戦隊

 

潜水艦隊

 

これらの艦隊と幾戦も戦い生き延びてきた彼らにしては、単体で動く敵など取るに足らぬ小事として処理される。

 

 

話しは変わって、今。舷梯で海軍艦艇に乗り込むはずだった李家鳴海元海軍学生がみかさに戻ってきた。

才谷は・・・後で堂島由香里軍医の元に献上しますか。

 

「才谷大佐、また俺が居ないときに遠泳したな」

 

「ええ、そうよ。問題かしら?」

 

「堂島軍医との約束、忘れたな?」

 

「・・・・あ、」

 

「もう、手遅れだ。」

 

「ど、ど、ど、どうして!?」

 

「後ろ見ろ。」

 

出雲に居たはずの堂島由香里は艦隊司令の体調をかなり気遣っているため、専属医師としてこのみかさに乗っていた。そして、約束を破られたことにより、より一層笑みになる堂島軍医

 

「美紀ちゃん?」

 

「・・・。」

 

「この前、言ったわよね。」

 

堂島軍医の顔を見ようとしない才谷大佐。

その才谷大佐の顔を見ようとする堂島軍医。

2人の攻防が始まっていたのだが・・・

 

「ああ、堂島軍医。」

 

「なにかしら?出来れば、・・・医務室でやってくれないか?皆ドン引きしてるから。」

 

堂島軍医は辺りを見回してドン引きする水兵達を見てから何かを決断したかのような顔をした。

 

「そうね。ドナドナしましょうか。」

 

 

堂島軍医は才谷大佐の首根っこを掴んで医務室に連行されたのだった。

 

そして、1時間後。

何かこの世の終わりのような顔をした才谷とどこかすっきりした堂島が出てきた。

堂島は愛でただけよ。

 

って去っていくが、俺も何があったのか大体察した。

 

「(また、堂島由香里の獲物が増えたな~)」

 

 

 




堂島由香里軍医はどちらかというと百合系の女性です。
しかし、本田艦隊に彼女と趣味の合う娘は殆ど居ないので、三笠の水兵が餌食になっています。
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