第2話です。
どうやって黒ウサギをイジるか模索中。
耀は自分で頼んでおきながら一瞬で乾いた服と
三毛猫に驚きを隠せなかった。
「…今のどうやったの?」
凍夜は目を見開いている耀と三毛猫を見て、
盛大に溜め息をつくと呆れたように耀に言った。
「じゃあ、逆に聞くけどアンタは
どうやってその猫ちゃんと会話してんだ?
つまりそういうことだ。この世界はそれが当たり前ってことだよ。」
そう言って凍夜は耀から興味を無くしたように視線を反らした。
すると、先ほどまで仲良さげ()に話していた少年少女が凍夜に笑いかけた。
「濡れてない服って随分と快適そうだな。」
「えぇ、本当に。貴方が寛大な人ならついでに私たちの服も乾かしてくれると嬉しいのだけど。」
全く目が笑っていない二人に促され、
凍夜はもう一度盛大に溜め息をつくのだった。
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凍夜のギフトにより服が乾き、漸く自己紹介でもするかという雰囲気になった問題児達は口を開いた。
「まず、確認しておくが。
もしかしてお前達にも変な手紙が?」
金髪の少年がまず口火を切った。
しかし、そんな少年の口調が癪に障ったのか不機嫌そうな顔をして言う。
「手紙は確かに来たわ。
でも、まず"オマエ"って呼び方を訂正してくださる?
___私は久遠飛鳥よ。以後は気を付けて。
それで、そこの猫を抱きかかえている貴女は?」
「……春日部耀。以下同文」
「そう。よろしく春日部さん。
次に、野蛮で凶暴そうなそこの貴方は?」
「えらく高圧的な自己紹介をありがとよ。
見たまんま、野蛮で凶暴な逆廻十六夜です。
粗野で凶悪で快楽主義と三拍子揃った駄目人間なので、
用法と用量を守った上で適切な態度で接してくれると嬉しいぜ、お嬢様。」
そう言って、ニヤついた十六夜に飛鳥は皮肉を言う。
「そう。取扱説明書をくれたら、考えておくわ十六夜君。」
「ハハ、マジかよ。今度作っとくから覚悟しとけ、お嬢様。」
完全に皮肉を皮肉で返された飛鳥は怒りと羞恥で顔を赤らめつつ、凍夜に問う。
「……それじゃあ最後に、濡れた服を乾かせる貴方は?」
「柊凍夜だ。別に宜しくしなくていいからな、お嬢様」
これまた、いい笑顔で言った凍夜に二次攻撃を仕掛けられた飛鳥は黙った。
心からケラケラと笑う逆廻十六夜
怒りで顔を背ける久遠飛鳥
我関せず無関心を装う春日部耀
そんな三人に興味なさそうに欠伸をする柊凍夜
そんな彼らを物影から見ていた少女、黒ウサギは思う。
(うわぁ………なんか問題児しかいないじゃないですか………。)
自身のコミュニティを救うために召喚しておいてアレだがなんか絶望的チームワークだな、オイ。と陰鬱そうに黒ウサギは溜め息をついた。
………そんな彼女を。
(ウサギ、喰えんのかな?)
完全に食料として見ていた凍夜には気づかなかった。
(?!……何故でしょうか。今まで感じたことのない悪寒がします!)
ウサギとしての本能は警鐘を鳴らしていたが。
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自己紹介から暫くしても、特にイベントは起きず苛立ったように十六夜は言った。
「で、呼び出した割にはなんで誰もいないんだよ。
この状況だと、招待状に書かれてた箱庭とかいうもののを説明する人間が現れるもんじゃねえの?」
「そうね。なんの説明もないままでは動きようがないもの。」
「……。この状況なの対して落ち着きすぎているのもどうかと思うけど。」
「………そうだな。」
凍夜は落ち着いているとはいえ既に異世界に召喚される非常識が起きているにも関わらず、この場で常識を待つという三人の選択に少し呆れていた。
確かに、隠れる気が1ミクロンくらいしかないウサギ(今夜の晩飯候補①)が物影にいる。
しかし、そのウサギが自身を召喚した組織だといつ告げた?もしその擬態(笑)が演技で自分達を見定め、駒にしようと目論む者なら?
ウサギに聞いてみるか、と意見が固まっている三人を見た凍夜は結論付けた。
「風上に立たれたら嫌でもわかる。」
「………へえ?面白いなお前。」
「そもそも、耳が見えてる。」
("戦闘"なんてしたことないんだろうな。)
これが、暫くの仲間かと意気消沈した凍夜はせめてもの抗いということで黒ウサギに向かい、殺気を放っておくのであった。
話が進んでない(泣)。
白夜叉はあと五話位までに出す予定です。