ハイスクールD×D 喧嘩番長の新たな喧嘩   作:白の牙

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第12話

 

 

 

 

 「おらぁ!」

 

 「ひぃ!?」

 

 マサルとフェイトが修業に途中参加してから二日目。マサルはイッセーに向け、硬式野球ボールを投げていた。本来ならボールは何かに当たると反動で戻って来るが、マサルの投げたボールはイッセーの後ろにある壁に穴をあけていた

 

 「ほれ、隙だらけだぞ」

 

 「へぶぅ!?」

 

 突き刺さったボールを唖然としていたところにボールが当たり、痛かったのか腹を抱えて蹲る

 

 「まったく、これで何度目だイッセー?ぼさっと立つなって」

 

 「ボールが突き刺さる所を見れば誰だってこうなるわ。つーか威力を軽減防具をつけてるのにこの痛み・・・・本当に加減してくれてるんだよな?」

 

 腹の痛みに耐えながらイッセーがマサルを見上げて聞く

 

 「当たり前だろう?本気で投げたら」

 

 マサルは持っているボールを振りかぶり気に向かって投げると、投げられたボールを木々を突き破って進んで行った

 

 「・・・・・・」

 

 その光景はイッセーは口をあんぐりと開け、これでもかというほど目を見開いた

 

 「ほれ、これで分かっただろう?続きを始めるぞ、今は一秒一秒が大切なんだ」

 

 「お、おう」

 

 その後、訓練を続けたイッセーだが、さっきの事が頭の中を埋めており練習に身が入らず何度も悲鳴を上げた

 

 

 

 

 「っく、この!」

 

 マサルとイッセーが訓練をしている同時刻、リアスはフェイトと模擬戦をしていた

 

 「遅いですよ」

 

 リアスの放った消滅の魔力弾を躱し持っているゴム棒で攻撃しようとするフェイト。リアスは障壁を張って防ごうとしたが、棒は途中で止まると、フェイトが目の前から消え後ろからたたかれる感覚を得た

 

 「一発も当らないなんて」

 

 「スピードは私の武器の一つですから。じゃあ、戦ってみての感想を言います。はっきりいって全然ですね。魔力操作、魔力の練り方、どれをとっても雑すぎです。今まではぐれ悪魔を倒せてきたのは消滅の魔法の御蔭と言う事ですね」

 

 フェイトにずばずばと言われリアスは俯いてしまう

 

 「俯いている暇なんてありませんよ。10日と聞けば長く感じますが、過ごす方にしてみれば10日何てあっという間に過ぎます。リアスさんには木登りをやってもらいます」

 

 「・・・・木登り?」

 

 フェイトからの修業内容を聞きリアスは目を丸くした

 

 「木登りでもただの木登りじゃありませんよ。使うのは足だけです」

 

 「足だけって。足だけでどうやって登れって言うのよ!?」

 

 めちゃくちゃな内容だと思い抗議の言うリアス

 

 「こうやるんです見ていてください」

 

 フェイトは手ごろな木に近づくと手を使わずに足だけで気を登り始めた

 

 「・・・嘘」

 

 「足の裏に魔力を集中させて登っているんです。これには精密な魔力操作と練り方が必要なんです。例えば」

 

 一度下まで降りてきたフェイトは片足を木に添えると、気がへこみ足跡が残った

 

 「練り方が甘いとこういう風に木がへこみ、魔力操作が甘いと途中で落ちてしまいます」

 

 「つまり、この修業は魔力操作と練り方を両方会得できると言うのね」

 

 「はい、目標はあの木のてっぺんまで登ることです」

 

 フェイトは辺りを見回し、森の中でも一番大きい木を指さして言った

 

 「解ったわ」

 

 「それと、この修業は朱乃さんにもやって貰うつもりですから、後で来るかもしれません」

 

 「アーシアの方はどうするの?」

 

 「アーシアは私が見ます。それじゃあ頑張ってくださいね」

 

 リアスにエールを送るとフェイトはアーシアと朱乃の所に戻り、朱乃にもリアスと同じことを言い、修業に行かせ、自分はアーシアに指導を始めた

 

 

 「喉が渇いたな」

 

 そして夜中、喉が渇き目が覚めたマサルは寝ている二人を起こさないよう部屋を出て一階に降りると、リビングに明かりが灯っていることに気が付いた

 

 「あら、マサルじゃない。どうしたのこんな時間に?」

 

 「喉が渇いてな水を飲みに来たんだよ。そう言うアンタは何やってるんだ?」

 

 リビングに入ると眼鏡をかけたリアスが本を読んでおり、マサルが入ってきたことに気づき本を閉じて声をかけた

 

 「見た通りよ。違うと言えば普通の本じゃなくてレーティングゲームに関する本だけど」

 

 「ふ~~~ん。しっかし、眼鏡を使うのは知らなかったな」

 

 「これは伊達メガネよ。何かに集中したいときこれをかけると集中できるのよ。・・・マサル」

 

 「ん?」

 

 「少し話に付き合ってくれないかしら?」

 

 「・・・別にいいぜ。ちょっと待ってな」

 

 そう言うとマサルはキッチンに行き、グラスと冷えたお茶を持ってきてリアスの向かい側のソファーに座った

 

 「ほれ」

 

 「ありがとう」

 

 「んで?話ってのは何だ?もしかしてあの焼き鳥に関することか?」

 

 お茶を入れたグラスをリアスに渡すとマサルは話を切り出した

 

 「えぇ。貴方から見て私達の勝率はどう思う?」

 

 「・・そうだな~~よくて2割って所じゃないか?」

 

 「・・・やっぱりそうよね」

 

 マサルの答えを聞いたリアスは弱弱しい声で頷いた

 

 「何だ勝つ自信が無いのか?」

 

 「・・・えぇ、何せ相手は不死だもの。知ってるかしら?不死を倒すには二つの方法があるの、一つは神や魔王を倒すほどの一撃で倒すこと。もう一つは相手の精神を破壊すること。一つ目は私達には到底無理、神滅具を持つイッセーなら出来るかもしれないけど、この10日間で到底ライザーを倒すまでには強くなれない。もう一つの方は皆の力を合わせれば時間をかければ可能だわ。相手がライザーだけだったらだけど」

 

 「あの焼き鳥はそんなに強いのか?」

 

 マサルがリアスに尋ねると

 

 「公式試合での成績は10勝2敗。今言った2敗は懇意している家の相手だったから、実質無敗よ」

 

 「ふ~~~ん」

 

 「ふ~~んって、聞いてきた割には興味なさそうに返事をするわね」

 

 「実際興味無いな。何ていうかあいつと会った時こうわくわくする感覚が無かったんだよ。まぁ、俺の事は置いといて何でそんなにあの焼き鳥との婚約が嫌なんだ?」

 

 マサルが部室で会った時ずっと疑問に思っていたことを聞く

 

 「私はグレモリーなのよ」

 

 「っは?」

 

 リアスの言ったことが理解できずマサルは首を傾げる

 

 「言い方が悪かったわね。私はね、何処に行ってもグレモリーと見られるの。名家の令嬢、家の次期当主、そのこと自体に不満は無いわ、私は自分の家と性に誇りを持っているもの。でもね、それらを抜きにして私は、私を私として見てくれる人を好きになりたいの。それが小さい時から抱いている私の小さな夢なの」

 

 「・・・・」

 

 「ごめんなさいあなたにとってはどうでもいいことだったわね」

 

 「どうでもよくねぇよ、いい夢じゃねぇか。少なくとも、お前の仲間はお前を家の名じゃなく、リアスとして見ていると思うぜ?」

 

 「そうだといいんだけど」

 

 「・・・・喧嘩に勝つ以外で勝つ目的が一つ出来ちまったな」

 

 「え?」

 

 「何でもねぇよ。まぁ、もし負けたとしても心配すんな。俺がお前、いや“リアス”を閉じ込めている鳥かごから出してやるよ」

 

 マサルが笑いながらリアスの事をお前からリアスと名前で呼んだ

 

 「っ!!」

 

 「どうした?」

 

 「な、何でもないわ」

 

 笑顔で名前を呼ばれたリアスは顔を紅くして俯いた。その時、胸の鼓動が高まっていることに気が付いたがそれがなんなのか今のリアスには解らなかった

 

 

 

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