煙がおさまると、そこにいたのは蹲る小さな魔物……テンツクだった。
臆病そうにキョロキョロとこちらを見上げ、震えている。さっきまでの横柄な態度はどこへ行ったんだ。
あぁ、いや。
空からゆっくりと降りてきた女神の果実を見て俺は納得する。
多分、あの野心のいくらかは女神の果実に増幅されたものだったんだろう。
手を伸ばすと女神の果実は静かに俺の手のひらの中に降ってきた。
これで何個目だ?
ええと、ダーマ大神官、ぬしさま、石の村の像、マウリヤ、アノン。そしてシャルマナ。
六つ目か。俺結構頑張ってるよな? ……ほかの天使も派遣してくれねぇかなオムイ様……。ヒントをくれよオムイ様……知ってりゃ教えてくれたか。
いや、流石にほかの天使も捜索してるはずだ。こんな若くて頼りない天使に天使の悲願を任せっきりにはしてないはず! 多分な!
多分師匠も裏で動いているはず! 多分な!
あと一番頑張ってるのは俺の仲間たち! 天使の事情に巻き込んですまなすぎるのでこの後休暇と給金で英気を養って貰うか!
まだ働いてもらうつもりの天使が頼りなくて本当に……頼りなくて……俺も師匠のように頼りがいしかない天使になりてぇ。髪の毛は残しておいてくれ。
「こ、殺さないでくれ! わらわが悪かった! もう絶対にこんなことはしない! 許してくれぇ!」
「何をいけしゃあしゃあと。そんなこと言って油断させるつもりなんだろう!」
ナムジンが小さくなったシャルマナを詰問している。
さっきまで里のド真ん中で大暴れされたのだから無理もない。無理もない、が……。
シャルマナの敵意はもう消えていて本当にただ怯えているだけだ。女神の果実がない今、本来の姿を取り戻した彼女に何か出来るとは思えねえ。
止めるか?
いや。まだナムジンは剣を抜いていない。
幼くも賢いこの子はちゃんと見極められるようだ。カルバドの未来は明るいな。
俺は剣を収め、仲間たちにも武装解除を伝えるべく素手の手のひらを振ると二人に向き直った。
「本当じゃ! わらわはいつも草原でひとりぼっちじゃった! 同じ魔物にも、人間にも怯え暮らしているだけのちっぽけな魔物なんじゃ! 力なんてないのじゃ! あの光る果実を食べて、わらわは力を得たのじゃ、もうろくな呪文も使えない! ひとりぼっちだったわしはただ友達が欲しかっただけなのじゃ!」
「やっていたことは草原の支配を目論むのに等しいだろうが……まったく……」
ため息をついたナムジンだが、やっと肩の力を抜けたようだ。
そしてポギーを呼び寄せた。
「お前のやった事は決して許されないことだ。だけど今の力のないお前を殺したって仕方のないこと。いいかシャルマナ、もう二度と悪事を企むんじゃないぞ。どこへなりとも行くがいい。
だが一つ条件がある。僕の友達のポギーと友達になってもらおう。これからはひとりぼっちじゃない。それでいいかい、ポギー?」
ポギーはすぐに頷いた。なんて良い奴。
そしてなんて素晴らしい判断なんだ!
処断はしないだろうと思っていたが、シャルマナを再度ひとりぼっちにしない配慮まで出来るって言うのか、ナムジン!
これが長の器か……俺はリッカたん以外の人間は軽率にぺろらないようにしているが、いやリッカたんだって実際にぺろぺろするわけじゃないんだが、もし俺がカルバドの守護天使だったら四六時中ナムジンをぺろぺろしていたかもしれない尊すぎて。断じて浮気じゃない、あくまで仮定の話だが!
幼くも尊い命から発せられる眩い光! 懸命に生きる人間! そして短い生から発せられる賢明な発言! たまんねぇこれだから人間は! 全人類守護らせてほしいぜ!
ペロリズムの高い人間すぎてニヤニヤが止まらねぇよ。俺、今やばい顔してないか? 気持ち悪い表情になってないか? プラチナヘルムを被っていなければ致命傷だった。助かる。
もうこの兜外したくないんだが、マティカが脱がせようとしてくる。
お前この感動的な場面見ながら思うところないのかよ? だから暑くねぇから! 感動でちょっと涙ちょちょ切れそうになってるだけだから! やばい顔してるから! やめてくれ!
「ありがとうポギー。さぁシャルマナ、行ってしまえ!」
「あ、あ、ああ、ありがとうございます、ありがとうございます!」
何度も頭を下げたシャルマナは感謝しながらポギーと共に去っていった……いい話すぎる。
語り継ぐべきいい話すぎる。これからカルバドの素晴らしい長として数々の話を残すであろうナムジンの伝説に一ページ目が刻まれたのを目撃したって訳だな!
早いところ人間になりたい俺だが失敗したら失敗したでナムジンの良いところも語り継いでやるから……全くいい話すぎる。いい子すぎる。こんなに幼いのにこんなに人間できているというか、日々を生きているだけで満点なのにこんな、こんな!
良すぎてぺろりたくて感動に打ち震えている隙にマティカに兜を奪われた。
やめてくれよ。
「よくやりました! 飴をあげます」
メルティー、聞こえてるぞ。
ともあれ、ナムジンが主導となって草原の危機を乗り切った。それにいたく感動した長ラボルチュはうつけと思っていたナムジンが既に周囲を騙してまで集落の危機を救ってくれたことから長を譲ると宣言。
若き長が誕生し、堂々たる演説をする姿を拝ませてもらった。
感動的すぎるぜ。
幼き人間尊いポイントで感動したくなったらリッカたんが初めて星のオーラを出してくれた時と今回の話で決まりだな。
さてと、女神の果実も手に入ったし……いっちょセントシュタインに戻って英気を養うか! 次の目的地を決めたいところだが、草原を駆けずり回ってカズチャ村を探索してシャルマナと戦って……疲労も結構なもんだろうしな。
ルーラを唱えようとした瞬間、ピンク色の光に頭を小突かれた。
「あ、ちょっとマジ? アーミアスってば! ナムジンに一言も挨拶せずに出ていく気?」
「これから忙しそうでしたので。でもそれもそうですね。挨拶しに行きます」
「メッチャ探してたケド。ウケるくらい」
「ウケるくらい……?」
「アーミアスさん、ナムジンさんでしたら族長のパオの方角だと精霊は言っています」
「ありがとうございます、ガトゥーザ。ではみなさん、挨拶しに行きましょうか」
なんだか分からないが、サンディが言うならそうなんだろう。ギャル語はよく分からないが、俺のペロリズム語も人間たちには意味不明だろうしまぁそんなもんだろ、人外の言葉なんて。
挨拶するのに兜は被らねぇからそろそろ返してくれねぇかな。
兜、盾、剣、そして鎧。いかにも戦いに行く人間って感じがして格好だけはキマッているんだからよ。顔さえ隠せば完璧じゃね?
ひょろっとした体型が許しちゃくれないか。師匠! 筋トレ手伝ってくれ!!
アーミアスさんは星の降る夜の化身のようだ。人ではないもので例えたくなるような、そんな不思議な旅人。
族長のパオの中ですれ違いざまにちらりとその顔を見たくらいで、あとは銀の兜を被っている姿しか見ていなかった。
こうして真正面から見ると、……なんて美貌だろうと圧倒される。もしかしたら戦いに備えるためではなくて、この美貌を少しでも隠すために集落の中でも兜を被っていたのかもしれない。
きっと旅する各地で彼は少年少女の初恋を狩り尽くしてきただろうし、信奉者まで生まれたかもしれない。そう思わせるほどの星の容貌。
もちろん物腰柔らかなその言動も容姿と同じだけ魅力的なのだけど。
薄暗いパオの中でもアーミアスさんは輝いて見えた。
やわらかそうな灰色の髪、満天の星々を宿した黒い瞳、そして抜けるように白い肌。こうして見たって同年代にしか見えない。まだ年若く未完成な若さがある。だけど、シャルマナの色香とも違う不思議な魅力がアーミアスさんにはあった。
話し方や立ち振る舞いで少年だと分かっていなかったら父ラボルチュよろしく今度は僕がアーミアスさんをそばに起きたいと思い、いっそ求婚していたかもしれない。
身勝手な話だ。彼はただ、目的のためにカルバドにきて、そして目的を達して去っていく旅人なのに。
相手を深く知らずに一方的な感情を向けられて愉快な人なんていないだろう。分かっていても煌めく美貌から目を逸らせない。
なんと言い表すのが適切なのか、言葉が詰まる。だけどなにか知っているような気がして。
そう、幼き日の夢想の中に彼がいたような、ずっと昔から彼のような存在を知っているような……。
「アーミアスさん、探していましたよ。旅立つ前に会えてよかった」
「失礼致しました。仲間にたしなめられるまで挨拶しようという頭になれず」
「いえ、感謝を伝えたいのはこちら側でしたので。
……旅して長いのですか?」
「そう長い訳ではありません。期間としてはまだ一年も経っていないかと。しかし色んなところを見てきました。出会いと別れに慣れすぎたようです」
謙遜の割には旅にも戦うことに慣れている様子だった。彼の仲間たちも手練だからこの言葉が本当かは分からない。だけどそんなことはどうでも良かった。
「なら、この機会は幸運ですね。アーミアスさんたちが来て下さらなかったら今頃集落はどうなっていたことか」
「俺たちは少し手伝いをしたにすぎませんよ。ナムジンさんが危機感を持ち、密かに動いていたからこそ成し遂げられたこと。演技だって周囲に印象付けるためには短期間では済まなかったでしょう。ある意味ポギーさん以外の味方が居ないようなものです。心が休まならない中、諦めずに策を巡らせた。ご立派でしたよ」
父がアーミアスさんのことを不思議な人だと言っていたのが分かる。まるで年上の人と話しているかのような気持ちになった。
でもそれは、アーミアスさんが尊大な態度をとっているとかそういうわけではなくて。
この、見守るような優しい目。亡き母が僕に見せてくれたような微笑み。慈愛に満ちた態度がそれがそう思わせるのだと思う。
天使のようだ……ふと、僕の頭の中に浮かんだ言葉。
そうだ、天使様。アーミアスさんはまるで天使様のようなんだ。
腑に落ちたけど、おかしな話だ。当たり前のことで、アーミアスさんに翼はない。光の輪ももちろんなく、「彼」は地に足をつけて歩いている。
勝手な妄想の対象にされていることも知らず、彼は優しく微笑む。
「そうやって褒められると照れてしまいます。ずっとうつけをやっていたものですから」
「褒められるのは久しぶりということですね? カルバドの英雄にして期待の若き長としてこれから沢山褒められるといいです」
「はは、照れてしまってまたうつけに戻ってしまうかも」
「ご冗談を」
手を差し出すと、彼は慌てて小手を外して手を握ってくれた。
握手する手からは体温が伝わってくる。
ほら、やっぱり触れられるから天使様なわけがない。
手のひらにはゴツゴツとした剣だこが感じ取れて見た目のように儚く消えてしまう人物ではないことを分からせてくれる。
だけど、戦う人とは思えないほど華奢な白い手のひらで握られるとなにか変な気持ちになりそうになるのも確かで、手汗が滲んでくる前に自然に手を離した。
どこまでも清らかで、潔白で、神聖さすら感じる。
決して魔性ではない清浄な空気を纏っているのに、なんだろう、シャルマナとは違った方向性でこの人も罪な人だな……。
「カルバドはあなたがたを歓迎します。今度はご馳走しますよ。またいつでも来てくださいね」
彼らを見送ることが出来てよかった、という気持ちと小さな胸の痛み。
危なかった、あぁ危なかった、父の二の舞になるところだったかもしれない、相手にその気がないのに。
星を宿した瞳と優しい言葉を言ってくれる薄桃色の唇を脳裏から振り払いたくても出来なくて、仕方なく心の奥にしまっておく。
気のせいでなければあの目は結構好意的に感じた……というのも、きっとこちら側の欲望のせいでそう見えているだけに過ぎない。彼は誰にでも優しいのだろう。
心頭滅却しなくては……色香、ではない、と思うけれど惑わされないようにしなくては……ボクはあの父の子なんだから……うぅ。
もちろん、何年経ってもあの美しい星の少年を忘れることなんて出来なかったのだけれど。
今日で連載9周年でついでに40万字を超えたようです
まだ書きたいこといっぱいあるので(師匠に裏切られる、師匠に斬られる、投獄される、師匠の死、念願叶って人間になる、ラスボスをぶん殴る、etc)気長にお付き合い下さい
以下思い出しがてら設定をまとめました↓
スクロールできます。長いです。
神に遣わされし神のしもべ。その生誕は世界樹の根元に現れるという形。双子ならふたり同時に出現する(イザヤールとラヴィエル)。
人間を助け、感謝の気持ちの結晶たる「星のオーラ」を集めて世界樹に捧げることが使命。
上位の天使には逆らえない。習わしではなく、理であり実際に身体が動かなくなる。概ね年上の方が上位の天使だが実際には年齢は関係ない様子。
見た目は人間に翼が生え、光輪を持っているだけだが、光輪があると人間には視認されず、声も届かない。
老化速度は極めて遅く、寿命は存在しない。外傷で死ぬことはある。死ぬと星となって天から見守ることになる。
上級天使
詳細不明。師匠クラス。見習いではなくなってもすぐになる訳ではない様子。
見習い天使
若い天使。卒業は本天使次第。
下級天使
若い天使。詳細不明。アーミアスの位はこれ。
懲罰執行天使
エレッタ、その他。ようは警察。ほとんど仕事はないので普段は普通の上級天使。上級天使でなければ実行できないので、構成員は上級天使のみ。百年以上前に久しぶりに執行した際は落雷で対象者を攻撃したとか、禁錮に処したとか。
基本的に天使は使命に忠実の上、上級天使に逆らえないので出番はない。天使同士の諍いの解決がメイン。
守護天使
人間の集落に割り当てられている天使。魔物退治や困りごとの解決、成仏の助けなどを行う。アーミアスは掃除までしていたが普通はそこまでしない。
師に付いて、認められて交代すると守護天使像に刻まれている名前が変わり、住民たちの認識まで変化する。
星のオーラのメイン回収班。
仲間たち。
マティカ
セントシュタインの孤児。教会育ち。父親不明、母親に虐待されていた。
教会でもあまりいい扱いを受けておらず、信仰心はない。
まともな扱いを受けていなかったので文字は読めるが学はない。
武闘家となり、駆け出しの冒険者としてルイーダの酒場に登録していた。
気が弱くおどおどしていて、自信も無い。……のは、過去の姿。
今や立派な狂信者、やれと言われれば殺る善悪の判断がつかない狂犬。
パーティで一番年下。ドラクエ世界でもひと目でわかる未成年。
金髪、赤い目をしていて色素が少ない容姿をしている。
身体は頑丈、戦いの才能があるというよりは命知らず。
表向きは無邪気で大人しめ。
ぐるぐる考え込むが、気づいたら手が出ているタイプ。
ガトゥーザ
サンマロウの落ちぶれた名家の息子。過去は名のある神聖な家系。
魔法使いに憧れていたが、家の都合で僧侶に無理やりされた。
僧侶の適性は皆無。呪文は問題なく唱えられるがそれだけ。なぜなら彼は精霊の愛し子だからである。
精霊や妖精を見ることが出来、声も聞けるし声も届く。
愛されすぎて視界のほぼ全てを埋め尽くされており気まぐれな精霊の声に従って動いている。
メルティーとは血の繋がりはないが、境遇が似ており兄妹のように育つ。同い年だが兄担当。恋愛感情はないがメルティー以外とは添い遂げられない(精霊が許さない)。
信仰心はないが、アーミアスと出会いあまりに天使すぎて本物の天使だと確信し、たまたま本当に天使だったため以後限定的な狂信者となる。
天職であるレンジャーになったことで精霊とのコミュニケーションやコントロールが少し上達したため以前ほど今は前が見えていないわけではない。
茶髪、痩せ型。成人。あまり印象に残らない顔立ちをしているが目の焦点はたまにあっていない。前がろくに見えていないので無理もない。
思い込みが激しく突っ走るがやるなと言われたらちゃんとやらない。
メルティー
サンマロウの占い師の大家の娘。今やただの詐欺師の家。
信仰深く僧侶になりたかったが無理やり魔法使いに決められた。
才能はあったようで戦うのは怖いと思っているが呪文の腕は達者。
特異体質のガトゥーザの妹分としてそばにいる。恋愛感情はないが、最後まで面倒は見てやる気。
兄と比較して冷静だが、誤差。
最初は僧侶になりたかったが、今の貢献度を考えて賢者に転職するのを夢みている。
戦うのは今でも怖いと思っていて、それ以上に狂信者なので天使様のためならなんでもやるという強い意志で全てを燃やし尽くす勢い。
紫の髪のショートカット。結構美人だが女の人がしてはいけない顔で拝んだりする。
人前でふらふら歩くガトゥーザの杖を引っ張ったり、手を繋いで引っ張ったりしているがパーティメンバーにそれを気にする人がいなすぎる。恋人の動きというよりは介護。
兄と立場が逆だったら、と何度も思っていた。
幼少期のメルティーにはガトゥーザの存在が救いだった。
今は狂信者として人生楽しすぎ。全部燃やします。
やるなと言われたらやらないが裏でこっそり燃やすし踏みとどまった兄を唆す。
アーミアス
年若い下級天使にして守護天使。135歳。人間の見た目だと13-15歳くらいに見える。未成年の容姿。
灰色の髪、黒の瞳、特筆すべきは天使らしい天使の容姿をしている。人間のことを考えていると目がキラキラと光って「星の瞳」になる。実際はオタクの早口モードでしかないが口調が敬語で穏やかなので気づかれない。
中性的で儚くも美人すぎてだれにでも一発で天使かな? 天使だな! と正体がバレる。オート天使バレ。天使の特性ではない。
本人の美的センスでは筋骨隆々で顔が濃く眉毛が太く四角い感じのゴツゴツした男こそイケメンだと思っており、師イザヤールは髪の毛さえあればかなり高得点なイケメンと認識しており、ゆえに自分がまさか美人だと思われているとは全く気づいていない。
むしろ顔が薄味で華奢なのも頼りないと認識し、不細工な方だと思っている。濃ければ濃いほど良い。アギロと出逢えばその「イケメンさ」に嫉妬で狂うかもしれない。街の荒くれを羨望の眼差しで見ている。
人間の美醜はまったく気にしていない。女性に対する美醜は男性に対する美醜と比較すると一般的な感覚を持っている。
生まれた時は白髪で、今のように脳内で狂った言動はしていなかった。幼少期に天使のショタコンに酷い目に遭わされて以降、穢れで髪が灰色に染まり表層意識がある意味気違ってしまったが、方向性と言動に変化がないため誰にも気づかれていない。
心底人間が大好きで、特にウォルロ村のある一家をずっと見守っている。
ペロリスト。心の中でぺろぺろぺろぺろしている変態。とはいえ、天使であり生殖機能がなく肉体的に第二次性徴が来ておらず、ある変態天使の影響でぺろぺろしているだけで物理的に舐め回したいわけでも邪な目で見ているわけでもない。ただ、好きすぎて気が狂っている様子。守護らねば。
人間という種族を愛しすぎ、何をされても許す。というか基本的に自分へのアクションで大喜び。幼くも頑張っている様子に感動し、応援する。人間と一緒に老いることが出来ないのが辛すぎて人間になりたくて過去に自分の翼の片方を切り取ろうとして失敗し、大惨事を起こしている。無意識に周囲にトラウマを製造する。
トラウマのせいでややこしいことになっている。
表層意識→荒い口調のペロリスト。人間大好き。一人称俺。天使辞めたい。見た目の年齢くらいの精神性。
深層意識→天使的な精神年齢がトラウマのせいで止まっており、かなり幼い。敬語ではない。人間大好き。一人称ぼく。天使辞めたい。
素でも敬語ではなく、外面を良くして印象を良くして早く人間界に行きたい! という作戦によるもの。百年単位でやっているので板に付いていて相当動揺しないと敬語は外れない。表層意識の口調は意図しないと出ない。
最愛はリッカ。好きすぎて常にぺろぺろしている。一挙手一投足を褒めちぎり、にやけ顔になってしまうが顔が天使すぎるので美しい慈愛の微笑みとして出力される。
神への信仰心は天使としては並か並以下。
同胞(天使)への扱いはかなり雑で必要なら人間のためになら簡単に生贄に差し出すくらいの勢い。外面のために敬語で物腰が柔らかいが、それだけ。上級天使への敬いの心はある。
師イザヤールのことは大好きだが、どちらかというと親への感情に近い。
天使界から落下する際に負った全身火傷の跡とショタコンに翼のあった場所を切りつけられた傷跡が背中にある。二度目の凶行はトラウマではない。
天使の能力なんてものはない、人間とほぼ変わらない、寿命だけが長いとアーミアスは考えているが実は天使はものすごく死ににくい肉体をしていて、それは健在である。超上空から落ちて生命の異常なしというのは明らかに異能。
行動不能になるダメージ(許容値)は人間と同じくらいなので気づかない。気を失ってからも滅多打ちにされても中々死なないという意味。ものすごく失血しても死なずに繭モードになって耐え続ける。
よく勘違いされているようなふうでいて、アーミアスは心底人間が好きで自己犠牲を厭わないという点で間違いなく、天使としての責務を全うしたがっているのでそうではないのかもしれない。
内心まで天使のような口調ではない、という点が勘違い。
魔物も出来れば殺生したくない。でも人間大好きなので今となってはそこを戸惑うほどでもない。ひとりでごめん……しているし狂信者共は大喜びである。
神のランダム生成で大当たり(本人的には大ハズレ)を引いただけで美貌に生まれついたのには理由はない。