今回はエイリアンマンさんからのリクエストでございます。
ウルトラシリーズネタが滅茶苦茶織り込まれて居ますが、生憎私はびっくりする程特撮の知識がありませんので期待しない方が良いかもしれません。
そして、『ウルトラ怪獣擬人化計画』とウルトラシリーズのファンの方々...要注意です。
いやほんとまじで
小さい頃、僕は今とは違って活発な子供だった。親と一緒に良く色んな場所に連れてってもらって、遊んでいた。
ピクニックに行った時だった。僕は山奥で迷子になってしまいふらふらと当てもなくさまよっていた。何故か空は赤黒くてで薄気味悪かったことが記憶に残っている。
「っぅ、うう...ここどこぉ?」
どうして良いかわからずに俯いていた時、更に恐ろしい事が起こった。巨大な赤い巨人...の形をしたロボットと、四足歩行の龍みたいな怪獣。それと透明な翼を生やした黒い怪獣が現れた。
「ひっ...いや...」
僕は余りの怖さに目をつぶってしまった。そんな時だ、彼が現れたのは。
「しまった。子供まで紛れ込んでしまいましたか...仕方ない。さっさと実験を済ませましょう。とりあえずこちらの黒い布を被ってください、お嬢さん」
カランと鳴るはドアの音
コロンと鳴るはベルの音
悪魔の店には何でもあります
お客様の願いや要望を必ず叶えて差し上げます
はてさて、今日のお客様は?
〜SP19 怪獣娘の夢〜
「残虐性A
食らうたびに進化をする
三体の怪獣を相手に引けを取らない強さ
そして問題の再生速度は...たとえ肉片になっても周囲と同化して再生と
まぁ及第点ですかね。M80さそり座球状星団に送り届ける商品はこれにいたしましょう。ああ、もう取っても大丈夫ですよ」
「ぐすっ...おじさんだれ?」
「私ですか?私はあくま
「わかった!ようせいさんでしょ!!大きなつばさがあるもん」
...まー、そういうことにしておきましょうかねぇ」
本当は違うのだが、少女の無垢な表情を見て男は妖精という体で話を進める
「ふむ...つまりは迷子という訳ですか」
「うん...」
「さて、どうしたものか。こちらの不手際で、変わった魂を持った子供までこちらに呼び寄せてしまったみたいですから...仕方ありません。本来ならばこういったことはしませんが、今回は特別という事にしましょう。お嬢さん、少し離れていてください」
「...?わかった」
「呪文は確か...
キエテ・コシ・キレキレテ
ああ違う。これは宇宙語だった。
立て、撃て、斬れ...
これはウルトラサインですねぇ。
知り合いが使ってた呪文は何でしたっけねぇ、えーと...あ!思い出しました。
あかさたなんなんまみむめもん」
男が呪文を唱えると緑色の怪獣が出現...ではなく風景が変わる。それはまるで夢の様な風景だった。まるで少女が望んでいたものが全て現れた様な光景が広がっていく。
「わぁ...!」
「少しばかり私はこの場を離れますので、暫くの間楽しんでいてください。用がありましたらこちらの電話で...なんですか?早速」
少女は男の袖を掴みながら俯いている
「ようせいさんといっしょにあそびたいな」
「残念ですがそれは...あー、わかりました。まだまだ半人前な上に嫉妬深いですがフィールド解除は助手に任せますか」
男は頭を掻きながら肩をすぼめて少女と一緒に遊ぶ
「わーい!」
「はぁ...これだから子供は苦手なんですよねぇ」
先程迷子でいた時とは打って変わって、彼女は幸せ一杯の笑顔を浮かべる。その純粋な様を見せつけられて男は内心少し苦虫を噛み潰したが流石にそれを表に出すことはしなかった。
幸せな一時。妖精ではなく悪魔ではあるが、図らずとも少女に笑顔をもたらしている事から、職務を全うしたという事で満更でもない感じへと変わる。
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「その人が、アギちゃんの初恋の人か〜」
「ふぇ?!ち、違うよ...ただ単にその夢が一番思い出に残ってただけで...」
「いいよいいよ、照れなくても。わかっているから」
「うぅ〜//」
あれから十年位経った今、成長した少女は二人の友達と一緒に帰り道を歩いていた。その時に今まで生きていた中で一番印象になった思い出をそれぞれ話しながら道を歩いていたのだ。
「それにしてもロマンチックというか可愛らしいというか...その後はどうなったのですか?」
「それが...」
少女曰く、気が付いたらテントの中で目を覚ましていた。後で聞いたことなのだが、心配した両親は山奥まで行ってすやすや眠っている自分を発見したらしい。不思議な事に少女の周りには黒い羽根が一面に散らばっていたのだ。カラスにしては大きすぎる羽根が...
「おおぅ、恋愛話から一転してホラー話に...」
「だから違うって...」
「...ひょっとしてm78都市伝説?」
「「m78都市伝説?」」
「m78というサイトがあるんですが、そこには様々な都市伝説が日夜載せられているんです」
曰く、
永遠の幸せへと誘う植物怪人
2050年の世界からやってきた未来人
『凶悪な』怪獣娘を問答無用で惨殺する赤い通り魔
アイドルのファングループリーダーである宇宙人
等、様々な眉唾物があるらしい。
「それでですね、その中の一つに気になるものがありまして...アキさんが言ってたのと似ているんですよ」
遠い昔...森の奥には悪魔と竜が住んでいて、そこに迷い込んだ人々の願いを叶えてくれた。
善良な心の持ち主だった場合、悪魔は願いと約束をその人にもたらす。
けれどもし、悪しき心の持ち主が願いと共にもたらす忠告を破った場合...
「魂は悪魔が、肉体は竜が食べてしまうとか...もしかしてアキさんが出会ったのは...」
「まさか〜、仮に本当だったとしてどうして遠い昔の悪魔が小さい頃のアギちゃんに会ったのさ?」
「それはそうですが...」
「ダム子は考え過ぎ何だって〜」
「ダム子はやめてください?!」
自分の名を訂正しようと追いかける眼鏡っ娘。それから逃げる快活な少女。残った彼女は少しだけその時のことを思い出そうとする。
「約束...そういえば...」
ー次に出会う時は____
「...何か忘れてる様な...」
「アギちゃん!置いてくよー!!」
「あっ、待って!」
だが、少女はすぐさまその事を頭の隅に追いやり二人の友人の後を追う。
これは、彼女が出会った一人の悪魔の話。彼女は怪獣の魂を宿す人間として
今日も悪魔の約束を守る為に頑張っている...
-オマケ-
「そろそろお時間ですので...」
「いやだ...おじさんともう少しあそびたい」
「親御さんも心配して居ますよ。ほら」
アキー!何処に行ったの!!
アキー!!
「...じゃあおじさんもいっしょに「それは出来ません。私と貴方は違う住人ですからねぇ」でも...」
「...はぁ。それじゃあ約束しましょう」
「やくそく?」
「ええ。多分私はもう一度ここを訪れるかもしれません。ですので次に会う時は...」
悪魔は笑い出す
「どうかその純粋な思いやりの心を忘れないで欲しい」
「おもいやりのこころ?」
「では、私はこれで」
「あっ、おじさんまって!!まってよ!!」
「...もし貴方が約束を守れた時には____」
また一緒に遊びましょう。アキさん
今日も彼は店を営む
ありとあらゆる商品が並ぶ悪魔の店を営む...
一応ネタ解説
(そういうのが嫌な方は見なくて大丈夫です)
冒頭の三体の怪獣
アギラと戦った事がある怪獣
(内2体はロボットですが)
悪魔の商品の実験台にされました
実験場
闇の巨人が展開していたデュエルフィールドっぽいナニカ
(本人曰く調節が難しく、位相だけでなく時空まで干渉してしまうとか)
悪魔の商品
ウルトラシリーズを知ってる人なら言わずもがな、みんなのトラウマシリーズ上位に食い込むあいつら
(下手なグロホラー映画より怖いってどういう事よ)
悪魔が唱えた呪文
宇宙語で翻訳するとボク、キミ、トモダチ
(トモダチはゴチソウとか言ってはいけない)
兄弟からの激励の言葉
(別名ウルトラ処刑宣告)
壺の魔人が用いてた呪文
(悪魔とは顔見知りとか何とか)
m78都市伝説
上から
ソリチュラ、ケムール人、レッドマン、メトロン星人の事
(一人シャレにならない奴がいる?気の所為さ)
...すんごいカオスな話になって申し訳ありません!