リクエストスペシャル
まぁ...その...非常に言いにくいことなんですが...実はトムとジェリーは全く知らないんですよね。ですので、口調やら(そもそも喋るのかなぁ...)、キャラやら滅茶苦茶矛盾していると思いますのでそう言ったのが許せる方だけお願いします。
side T
体が重い。そう感じたのはつい最近の事だった。
何年もあいつを追いかけ続け、何年もあいつから逃げ続けていたからこそ、自分の体の衰えが解ってしまったのだ。
勿論、最初は疲れがたまっているだけだと自己完結し続けていた...だが、何日も、何週間も感じていれば嫌でも実感させられる。
「もうあいつと会えないのか...」
そう考えると喜ばしいことだ。何年も憎たらしく、嫉妬ばかり抱いていたあいつの面の見なくて済むからな...喜ばしい...嬉しい...筈なんだ...
「会えないのか...」
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「さて...と。次はどんな感じで来るかな?」
俺から仕掛ける時もあったけど、今回はあいつに譲ってやる。というかもう俺は...
「なぁ
これが最期なんだろう...だから今まで以上に頑張らなきゃな
トトトトトトトッ
「来たか」
バシンッッッッッ!!!
「----ッッッ!?! アアアアアアアアアーーーーーッ???!!?!」
まさかのハリセンとは...しかも滅茶苦茶痛ぇ!!
「痛てててて...おい待て!!」
ったく、相変わらずだなお前の逃げ足はよ!!
~SP20 永遠の
「...で? ここは一体どういった場所なんだ? 天使のわっかが俺についてないところを見ると、地獄かとも思ったが...」
一人の男...否、一匹の猫が二本足で立ちながら目の前の店員に話しかける
「えーと、ちょっと待ってください...ふむ、わかりました。こちらは悪魔の店でございます、お客様」
店員は猫語図鑑を片手に喋り出す
「悪魔の店...?」
「まぁ、簡単に言えば、叶えたい願いや後悔したことなどはありますか? どんなことでも実現が可能でございますよ...最も」
「ああ、俺は死人...嫌、生憎死猫だからな。それに...心残りはあるが後悔はみじんも感じちゃいねぇ...」
ー待て! 待ちやがれこの野郎!!
ー嫌だよ! 悔しかったらここまでおいで!!
「...最初は本当にあいつを捕まえて食ってしまうつもりで追いかけていた。何度も、失敗しては、計画を練り、失敗しては、計画を練り、失敗しては...」
猫は笑い出す
「いつの間にか俺は笑っていた。生きがいだと感じ始めたんだ...生き返る必要なんざない。それは俺の人生と...あいつに対する最大の侮辱だからな」
「そうですか...そう言うと思ってましたよ」
カランコロン
「ここは...って、」
「あっ...」
カランとドアの、コロンとベルの音がした方向を見て二匹は固まる
「そういうことですねぇ...さて」
パチン、という音と共に穴が出現する
「そちらを通っていただければ、あの世へと向かうことが出来ます。良かったですね...恐らくですがお二方は」
「そういうことか...全く、あんたも人が悪いな」
「生憎人じゃあありませんので」
「状況は良く読めないけど...」
「「これでまた追いかけっこが出来るな!!」」
二匹と一人は笑い出す
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バシン!!
「アアアアアアアアアーーーーーッ???!!?!」
「やーい!! ひっかかった!!!」
「この野郎...待ちやがれ!!」
「次こそ僕を捕まえられるかな?」
「望むところさ、今度こそ捕まえてやる!!」
今日も彼らは追いかけ逃げ回る
笑顔を浮かべながら追いかけ逃げ回る...
解説
トムとジェリー
米国で放送されている子供向けのアニメ番組(らしい)
意地悪な猫がとある鼠を追いかけるというシンプルな内容だが、その際に出て来る奇想天外なアイディアやギャグが大人気(だとか)
読者の皆様の中にも、子供の頃見たことがある方もいるのではないでしょうか?
(あ、いや。無知な私が言うのも難ですけど)