悪魔の店   作:執筆使い

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リクエストスペシャル。今回はアンでパンな彼が出ますが、前半は別作品のキャラが出て来ます。そして諸事情で店員の口調が「いや誰やお前」という状態となっております。どうかご注意を。






リクエストスペシャル『唯一のヒーロー』

 

 

-遥か昔-

 

最強の神の一角...全王が住まうとされる場所

 

 

「どきなぁ!」

 

 

二人の人物がぶつかり合っていた

 

 

「くっ...」

 

 

侵入者の方が若干押している

 

 

「例えテメェでも容赦はしねぇ...そこを退け。俺はこの先に用があるんでな」

 

 

「何故だ...お前は...天使の心を忘れたというのか?」

 

 

その言葉を聞き、少し黙る侵入者

 

 

「...そんなもの、とうの昔に捨てた。お前が神を守る神官になったように、俺は神を殺す悪魔となった」

 

 

瞬時に男は懐へともぐりこむ

 

 

「オラァ!!」

 

 

「ぐっ!?」

 

 

轟音、それと共に吹き飛ばされ柱に激突し倒れこむ神官。顔見知り程度と言えど、嘗ての仲間を相手に悪魔を止めることなどできはしなかったのだ。

 

 

「...さて、後はテメェ、ぐぉ!?」

 

 

吹き飛ばされる悪魔

 

 

「キミ、むかつくね」

 

 

「そうかい...丁度俺もムカついてたところだ。こんな何の責任も考えも持たねぇガキが最強の一角だってことになぁ」

 

 

悪魔は今まで使わなかった右手を振りかざす

 

 

「「だから」」

 

 

最強の一角...全王もそれに合わせて動き出す

 

 

「「消えな!!/消えて」」

 

 

 

 

 

 

 

 

後に史上最悪の事件と知られるこの戦いは、6つの宇宙を犠牲に全王が勝利した。そして神殺しの悪魔は永久に消滅したと表向きでは伝えられてきたのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

堕ちたさきは未知の世界

傷だらけの悪魔は...

 

 

 

何見て何思う?

 

 

 

~SP22 優しい世界~

 

 

―――かい

 

 

「...っ、あ?」

 

 

悪魔が次に目を覚ましたのは森の中だった...

 

 

「...ここ、はぁ。何処だってんだ?」

 

 

「大丈夫かい?」

 

 

目の前には頭がやたらデカい...赤い服と茶色いマントを身にまとった、いかにもヒーローらしい奴がいた。普通のものだったらその光景に驚くだろうが生憎彼は旅の経験からか、そんなものなど皆無であった。寧ろ

 

 

「(ああそうか...多分このまま俺は...)」

 

 

多くの世界で、彼は恐れられてきた。この黒い翼の悪魔の姿は、誰もが知る恐怖であったから。彼に近づくのはよほどの物好きか、自分の首を狙う連中だけだ。無論それに関して彼は微塵も後悔はしていなかった。

 

 

「もう大丈夫。さぁ、僕の顔をお食べ」

 

 

だからこそ、目の前の事に少しばかりフリーズしてしまった。何をやっている? 毒か? いや見た所それはない。じゃあ何故?

 

 

「...何で助ける? こんな見るからに恐ろしくて怪しい奴を何で助けようとする」

 

 

「泣いている人、困っている人、お腹がすいた人、みんな僕の顔を食べると、ニコッと笑顔になるんだ。その笑顔を見るとね、嬉しくて僕も自然に笑顔になる。そしてね、ここがあったかくなるんだ」

 

 

そういって自分の胸に手を当てるヒーロー

 

 

「泣いてる? 俺はとうの昔に涙を捨てた。困っている? 俺はそんなことなどない...一人で十分だからな。おなかが空いた? 俺はな...」

 

 

悪魔は自らの翼を広げ立ち上がる

 

 

「悪魔なんだ!!もとから何もない、飢えなんざ最初から...ぐっ!?」

 

 

「駄目だよ! まだ君は...」

 

 

「うるせぇ...お人好しが...」

 

 

だが、力尽きたのかすぐさまその場で倒れこむのだった。

 

 

..............................

 

....................

 

...........

 

 

ー私ジル! 貴方の名前は?

 

 

ー...俺はジャッカル・D・グレイだ! 悪魔の中の悪魔だぞ!!

 

 

ーんー、長いからジャックでいいや。

 

 

ージャ...ジャック...しょうがない。一応契約主だからな。

 

 

 

「っち...嫌な夢を見ちまった」

 

 

彼は起き上がる。包帯だらけの体をみて、どうやら治療されていたことに気づく。

 

 

「...随分なお人好しだな、ちゃんと羽まで考慮した巻き方とは...って、言ってる場合じゃねぇな」

 

 

ふと、ガチャンという音と共にドアが開けられる。それに驚き、音がした方向を見る悪魔。

 

 

「気が付いたかい?」

 

 

「...あんたがこれをやってくれたというのか?」

 

 

「アンパンマンが連れて来た時にはボロボロだったからね」

 

 

「どことも知れない奴をか?」

 

 

「困っている人を助けるのは当たり前だからね」

 

 

そういう世界か。ここへ来て彼はそれに気づいた。同時に少し後悔の気持ちが襲っていた。

 

 

「あいつもこの世界に居たら、幸せだったのかもな...」

 

 

「? どうかしたかい」

 

 

「ああいや。何でもない...」

 

 

「...そろそろ行くのかい?」

 

 

「...すまねぇな。俺は長居できない身だ。あんたとアイツには感謝しているが、どうしても行かなければならない」

 

 

「...」

 

 

「本当にすまない。だから、伝言を頼めないか...その...アンパンマンに」

 

 

悪魔は窓を開け翼を広げる

 

 

「あんたはとんでもないお人好しで...俺なんかじゃ到底敵わないヒーローだってな...」

 

 

「わかった。それと一つだけ、君に言いたいことがある」

 

 

白髪の老人...ジャムは悪魔にこういった

 

 

「もし挫けそうになって、どうしようもなくなって、心が傷ついてしまったらいつでもここにいるみんなが歓迎してくれるよ。だから」

 

 

「ああ...わかった。機会があれば」

 

 

悪魔は飛び立った

 

 

..................................

 

....................

 

............

 

 

「今でも時折あの時の光景を思い出し、同時にこう思います」

 

 

悪魔は語り出す

 

 

「こんなことをする必要はない。ここらがやめ時ではないのか...と。けれど私はその度に夢を見るのですよ」

 

 

雨が涙と血を洗い流し、抱きかかえるは一人の少女。守れなかった、救い出すことが出来なかった、自分の信じていたものが崩れ去った。

 

 

「私が最も見たくない夢を」

 

 

今日も彼は店を営む

ありとあらゆる商品が並ぶ悪魔の店を営む...

 

 

 

 






ジャムおじさんの口調がマジでわかりません...というか折角のリクエストがこういった凄い無理矢理な内容になってしまい本当申し訳ありません。

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