リクエストスペシャル
今回は某不思議なポッケを持つ青ダヌキ並に有名なキャラクターでございます。大変長らくスペシャルの方が更新できずに申し訳ありませんでした!!
「あーくしょーんかーめーん、せいぎのかーめーんー...お?」
少年はドアの前に立っていた
「おじゃましマンモス〜」
カランと鳴るはドアの音
コロンと鳴るはベルの音
悪魔の店には何でもあります
お客様の願いや要望を必ず叶えて差し上げます
はてさて、今日のお客様は?
〜SP23 世界一のおバカ〜
「...おやおや、こんな時間に子供のお客様とは珍しい」
「おじさんだれ?」
「おっと、これは失礼しました...私、こういうものでございます」
【あくま てんいん】
「んい...んて...まくあ?」
「お客様、右からではなく左からです」
「?」
「...あー、この国の言い方ですと...ごはんを食べる時にお茶碗を持つ方です」
その言葉を聞いて、自分がごはんを食べる時を想像する少年。だが...
ーいろはおえ〜
ーケツだけ星人、ブリブリ〜
「?????」
まともな持ち方を知らない5歳児にそれは酷だった。
「もう良いです。仕方がないので口頭で言いましょう...私の名前は悪魔店員と申します」
「ほうほう...ところでおじさんはオラになんのよう?」
「さぁ...? 何せ此処に来るのは強い願いを持った者。つまり店員である私には、お客様の願いを叶える事しか出来ません」
店員は客に問いかける。
「ねがい...それじゃあ岡本夏○ちゃんとチューしたい!!」
「すみませんが、それは少々無理な相談ですございます。当店ではルール上、夢の国もしくは実在する人物を取り扱ってはいませんので...というか随分とませた子供ですねぇ...多分今時の読者にはわからないですよコレ」
5歳児の純粋? な願いに店員は少しばかり苦笑いをする。
「え〜、おじさんのドケチ〜...それじゃあげきれあぷれみ
その言葉を聞いた店員は、まるで手品の様に少年が言ったお菓子を出現させる。
「おぉ〜、おじさんふともも〜」
「それを言うなら太っ腹ですよ。お客様」
だがしかし、そのお菓子を受け取ろうとしない少年。それを見て店員は訝しげに見つめる。
「...どうなされましたか? お客様」
「あやしいひとからおかしをもらっちゃいけないと、みさえがいってた」
「(ふむ...意外にもしっかりとしていますねぇ。感心感心)「でもやっぱりいいや、チョコビほしかったし」ズコー!」
少年の自由奔放な姿に思わずその場をずっこけてしまう店員であった。
..................................
....................
............
「ふむ...親と喧嘩して、家出してしまったと。寂しくはないんですか?」
「さびしくなんかないもーん。かーちゃんはケチケチおにばばだし、とーちゃんはわからず屋だし」
そうは言っているが、少年が嘘を言っている事は店員にはお見通しだった。今にも泣きそうな顔をしている。
「...お客様。あなた様のお父さんとお母さんはきっと、あなたの為にその様な態度をとっているんですよ。今頃きっと心配している筈です...」
店員は少しだけ昔を思い出す。
「あなたが両親から貰っているものは、私の店ではお出しする事が出来ません...それにほら」
しんちゃんー!! 出ておいでー!!
しんのすけー!! 無事だったら返事しろー!!
「...ずっと、一人ぼっちのままここで暮らすのと。みんなで幸せに暮らすの...どちらを選びますか?」
「とーちゃん...かーちゃん...みんな...」
少年は泣き出した。年相応に泣き出した...やがて泣き疲れて眠りに入った彼に手を翳し、店の外へと魔法で移動させる店員。
「親...ですか。私にはそれがどういうものかわからない...けれど、それがかけがえのないものだとはわかる。ですから...」
しんちゃん...よかった! よかった!!
しんのすけ...心配したんだぞ!!
「...私も欲しかったのかもしれません。あなたが持っているそれを」
店員は外の景色を見つめる
..................................
....................
............
「もう2度と会う事はないでしょう...私には持っていないものをあの少年は沢山持っている。私が得る事の出来なかった幸せを...」
今日も彼は店を営む
ありとあらゆる商品が並ぶ悪魔の店を営む...