悪魔の店   作:執筆使い

132 / 202
気付けば20超えているスペシャル。今回は最近少年ジャンプで話題の王道もの漫画とのリクエストスペシャルでございます。


....多分キャラクターの口調に違和感あると思いますので、何か間違ってしましたら感想欄でご指摘お願いします。

後、初っ端から突っ込みどころありまくりですが安心して下さい。私も何で書いたかわからない状態に陥ってますので(○ルナレフ状態)







リクエストスペシャル『What is HERO?』

「ふぅ〜、風呂は良いですねぇ、心を潤してくれる。まさしく人間の生み出した文化の極み。そう感じませんか? 緑谷さん」

 

 

「え、あ、そうですね...店員さん」

 

 

 

 

 

 

 

カポンと鳴るは桶の音

コポンと鳴るは湯船の音

 

 

 

銭湯は人の心を癒します

お客様の悩みや不安を洗い流してくれます

 

 

 

はてさて、今日のお客様は?

 

 

 

 

 

 

 

〜SP24 力無き正義 正義無き力〜

 

 

「いや〜、先程はありがとうございます。何分銭湯に来るのは久し振りでしたので」

 

 

「(幾ら久し振りでも銭湯の入り方ぐらいはわかる気が...)」

 

 

掻い摘んで説明するが、店員は久し振りに(店員基準のそれなのでかれこれ二百数十年ぶり)に銭湯に来たは良いが、時代の流れは多少あったものでコインロッカーという、利用していた当時から考えてみれば文明の利器の出現や、男湯女湯によって分かれるという文化が出来ていた事によって手間取っていた所たまたま通りかかった少年に案内されて今に至るという訳である。

 

 

「それでお礼と言っては難ですが...貴方様のお悩みでも聞かせて貰ってもよろしいでしょうかねぇ? 例えば...ヒーローについて、とか」

 

 

「!? 何で...解ったんですか?」

 

 

店員は薄っすらとではあるが、左目を開ける

 

 

「職業柄、その人がどういった悩みを抱いているかは大体わかるタチなんですよ」

 

 

「そうなんですか...」

 

 

不思議にも、少年は湯船に入っている隻眼の男に対して不信感は抱かなかった。まるで、残業疲れの愚痴を聞いてくれるバーテンの様な雰囲気に近いものを感じていたのだ。

 

 

「...人は生れながらに平等じゃない。そう思い知らされたのは4歳の頃だった。それでも僕は...前を見続け、憧れ、夢見ていたんです! ヒーローになる事を」

 

 

「では何故悩む? とは聞かない方が良いですかね」

 

 

「...“個性”がない。そんな僕がヒーローになれるのか? それが、僕の悩みなんです...生れてから、今までずっとのしかかって来た」

 

 

その言葉を聞いて店員は天井をあげる。上に立ち込める湯気はまるで雲の如く漂っていた。まるで...少年が目指しているもの見たく、手の届きそうにない場所に漂っていた。

 

 

「...では、逆に聞きますが...“個性”があれば誰でもヒーローになると貴方は思っているのですか?」

 

 

ふと、そんな質問を店員は投げかけた。

 

 

「そりゃあ...個性が無いよりは「私はそうは思わない」

 

 

店員は語りを続ける。たとえ少年に否定されようとも。

 

 

「力無き正義...それは無謀となるかもしれない。正義無き力よりも残酷なものなのかもしれない...ですが、それはあくまで一般論だ」

 

 

そして、店員は否定した。他者から見れば間違っていると言われようとも。

 

 

「貴方が憧れるヒーローが...貴方が夢見ているヒーローが...一般論の通りに動く...それは違うでしょう」

 

 

店員は壁に描かれている富士山の更に上を見据えて言った。

 

 

「限界、挫折、悩み、それらを超えてこその...常識をぶち破ってこそのヒーローでしょう!」

 

 

そして、店員は左目を開いて少年に問う。

 

 

「だからこそ、聞きたい。緑谷さん...貴方は何故、ヒーローを目指そうと前に進めることが出来たのですか?」

 

 

「僕は...!」

 

 

そこまで言われて彼は気が付いた。自分がどうして憧れ、どうしてなろうと思ったのか。

圧倒的な“個性”に惹かれた? 違う!

名声を手にする為? 違う!

唯の金儲け? 違う!

 

 

 

 

「僕は...誰かの笑顔を守りたい...泣いている人を救いたい...安心させられる様なヒーローになりたい! あの人を見たその日から僕は!!」

 

 

そこまで聞いて店員は左手で制す。

 

 

「それで良い...さて、私はそろそろ上がらせて貰います」

 

 

「あっ、あの...」

 

 

店員は振り向かず、そのまま湯船から出る。よく見ると彼の背中には多くの傷跡がまるで勲章の様に刻まれていた。

 

 

「それと、一つ忠告です」

 

 

敢えて振り向かずに店員は後ろに話しかける。

 

 

「貴方のそれは闇となりうる可能性があるでしょう...時に、正義そのものに、この世界そのものに絶望するのかもしれない。ですが」

 

 

店員は右手を天井に翳す。

 

 

「決して、忘れないでほしい。その光を。嘗ての...私の様に...」

 

 

天井に漂っていた湯気は全て彼の右手に集まり、握りつぶされた。

 

 

「貴方の物語は、まだ...始まったばかりです」

 

 

..................................

 

....................

 

...........

 

 

ーお父さん! 僕大きくなったらお父さんみたいな、強くて、カッコ良くて、優しい英雄になる!! それで皆んなを笑顔にしたいんだ!!

 

 

ーははっ、そうか...俺と同じか...お母さんもきっと喜んだだろうな...お前がヒーローになるって言ったら

 

 

ーヒーロー? ヒーローって何?

 

 

ーありゃま、英雄は知っているのにヒーローは知らないのか...そうだな。強いて言うならば、自分が一番守りたいものを守るかっこいい奴! それがヒーローだ!!

 

 

 

 

「守りたいもの...ですか。私にはもうありませんねぇ」

 

 

悪魔は笑い出す

 

 

「守れなかった...ただ一つの大切なものを守る事が出来なかった...本当は少年に言える立場ではない、筈なのに。どうして言ってしまったのでしょうか...........私は」

 

 

 

それは紛れも無い、自分自身への問いだった。

 

 

 

 

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