悪魔の店   作:執筆使い

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お馴染み、リクエストスペシャル


今回はある方からのリクエストで、東方最強のキャラクターが出てきます...変T? 寧ろアバンギャルドな感じで良いじゃないっすか(そもそも東方の登場キャラの衣装考えると彼女らのセリフって盛大なブーメランなんだよなぁ)


...はい。どうでもいい話すいません。それでは始めます。







リクエストスペシャル『悪魔の師匠』

 

 

 

 

「さて...お久しぶりですねぇ...嘗ての師よ」

 

 

「あら、暫く見ないうちに随分と変わったわね。グレイ」

 

 

「...貴方はあの時のまま、一切変わっていませんねぇ。そのお召し物のセンスも」

 

 

此処は地獄。黄色い髪をした女性と、人間界での姿より禍々しい...悪魔としての本来の姿をした男が向かい合っていた。

 

 

「さて...本日はどういったご用件ですか? ()()()

 

 

職務において、公私を混同しない男はいつも通りの表情で彼女に問いかける。

 

 

「...その、お召し物についてちょっと相談があるのよん」

 

 

地獄の女神...へカーティア・ラピスラズリは苦笑いで答えた。

 

 

 

 

カランと鳴るはドアの音

コロンと鳴るはベルの音

 

 

悪魔の店には何でもあります

お客様の願いや要望を必ず叶えて差し上げます

 

 

 

はてさて、今日のお客様は?

 

 

 

 

〜SP29 変わるもの 変わらないもの〜

 

 

 

 

 

場面は変わり、両者は幻想郷と呼ばれる世界の人里に存在する甘味処で一服していた。それに合わせて男はいつも通りの店員の姿に、地獄の女神は赤い髪へと変わる。

 

 

「最近幻想郷によく来てるじゃない〜。知ってるわよ...仙人見習いや、星の一族、果ては博麗の神主がいる所に訪れていることは」

 

 

「ただ単に此処で食べる和食が好きなだけですよ...ところで、今回はそのお召し物を誰もが認める流行フアッションにして欲しいでしたか?」

 

 

「そうそう、全く失礼するわ。このTシャツの何処が変なんだか」

 

 

「(相変わらず、師匠はアバンギャルドなファッションセンスをお持ちですねぇ。此処ではそういうのは余り好まれないと知らないと見ました)」

 

 

「何か言ったかしら?」

 

 

「いえいえ、滅相もない。では少々お待ちを」

 

 

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....................

 

............

 

 

「こちらでございます」

 

 

「えーと何々...『⑨でもわかる、流行フアッションの作り方』?」

 

 

「そちらを呼んでくださればあら不思議! 商売や流行のイロハが載ってますので...」

 

 

「随分と分厚いわね...あら、第1部【亡霊の血】...まさか」

 

 

「ハハッ、まだ第1部で音を上げて貰っては困りますよ。これは第6部までありますから」

 

 

そう言って、男は残りの辞書並に分厚い参考書を何処からともなく持ってくる。

 

「こちらは実践編の【戦闘潮流】、こちらは外国のファッションを含めた【星屑の十字架】、こちらですと日常的な流行中心の【砕けない金剛石】、ダーティでニヒルなのをご所望ならば【黄金の風】、パンクでロックなものをキメたいのならば【灰石の海】がオススメですねぇ」

 

 

「...やっぱりやめるわ。頭が痛くなりそう」

 

 

「おや、そうですか。それは残念です」

 

 

男は残念そうに参考書を仕舞った。

 

 

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....................

 

............

 

 

「...ところで、どうかなされましたか? お客様。先程から私に何か言いたそうな顔をしていますので」

 

 

「...随分と変わってしまったわね。グレイ」

 

 

「...」

 

 

男はただただ笑みを浮かべて女性を見つめる。

 

 

「笑顔で、敬語で、安心させる様な佇まい...不器用だったあの頃とは大きく違う」

 

 

「...喜ばしい事じゃないですか。私は貴方様から教わった通りに、悪魔としての力とその使い方をマスターしている」

 

 

「その目は、昔と違って全てを憎んでいるわ。全てを壊してしまいたいという程に」

 

 

女性は悲しそうな目で男を見つめた。

 

 

「だから...止めると?」

 

 

男は正体を現す

 

 

「いいえ...ただ聞いてみただけよ。師匠としてね」

 

 

「...ならば私は敵として、貴方を...」

 

 

男は右手を振りかざす

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「殺さないのね。私はあの日何も出来なかったのに...」

 

 

「...勘違いしないで貰いたい。今は勤務中だ。客を殺す店員が何処にいますか...」

 

 

悪魔は悲しそうな目で女性を見つめていた

 

 

「もう、あの日には戻れないのね...」

 

 

「...」

 

 

「そして、貴方はあの頃の純粋な目に戻る事もない」

 

 

「...そんなもの、左目と共にとうに捨てましたから」

 

 

そう言って、悪魔はその場を消えてあとにした。残ったのは地獄の女神ただ1人。

 

 

「グレイ...私はそれでも貴方が言った誓いを信じるわ。例えそれを否定するのが今の貴方だとしても」

 

 

彼女が食べた団子は、砂糖が充分に入ってたにも関わらず甘くなかった。ほろ苦く、しょっぱい味...それが彼女の口の中で広がる。

 

 

..................................

 

....................

 

............

 

 

ーー俺は信じたいんだ...人間の努力を。何事にも諦めたりしないその心を。

 

 

「師匠...私はそれでも貴方様の敵として、全ての世界を壊してみせます。例えそれを否定するのが...過去の私自身だとしても」

 

 

今日も彼は店を営む

ありとあらゆる商品が並ぶ悪魔の店を営む...

 

 

 

 







一応知らない人が多いと思うのでキャラ紹介

へカーティア・ラピスラズリ
原作者も普通に認めちゃってる東方project最強のキャラクター。全ての地獄に同時に存在しているなどといったアメコミで聞いた事のある最強設定が盛り込まれている。わかりやすく説明するとドラゴンボールでいうところの全王様、もしくはマーベルコミックでいうところのコズミックビーイングみたいな存在。その出で立ちからファンの間では変Tと呼ばれてるとかなんとか。
店員曰く「様々な意味で余り戦いたくない相手の1人」


参考書のタイトル? ハッハッハッハ! ただ単に適当に付けただけですよ!! 決して、某漫画からパク...参考にしたとかそんな事は一切ございませんって!!......はい、おふざけ要素が多い内容になって本当申し訳ありません。



※参考までに地獄にいた時の悪魔


【挿絵表示】


...毎回ヘタクソな絵で本当すみません。普段の店員(正体)との違いわかりますかね...



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