大変長らくお待たせしましたリクエストスペシャル。今回は天体戦士サンレッドという作品のキャラクターとのコラボです。はっきり言います、キャラ崩壊注意です。原作も余り知らないので多分設定とか描写とかミスっている箇所があると思います。もし見つけましたら感想欄にてご指摘を。
後...店員は最後のオマケ以外登場してないです、はい。本当にすいません。
「へ〜、X間君はその年で働いているんだ。偉いね」
「はい。今日は久しぶりの休みだったのでちょっと遠出の散歩をと...」
「でも大変だったでしょ。この辺まで結構遠いし、それに...」
「ああ、その点でしたら大丈夫ですよ。杖をつき続けて十数年...多少の遠出もなんのそのですから」
昼下がりの公園にて、爽やかな笑顔の青年とまるで仮面の様な人相をしたおっさん?(というよりは怪人か)が世間話をしていた。
神奈川県川崎市...そこは悪の組織と正義のヒーローが日々戦っている場所。青年...
〜SP38 心優〜
「怪人...ですか。って事は毎日ヒーローと戦っているんですね!」
「いやいや、君が想像してる様な事まではいかないよ。何時もボロ負けで、正座されて...」
そう言いながら仮面の男...ヴァンプ将軍は少し青ざめた顔をしている。
「...辛いって思ったりはしないんですか?」
「うーん...確かに多少思う事もあるけど、なんだかんだレッドさんも相手にしてくれていて、それになんだか...そう! 生き甲斐に感じるんだ!!...って、こんなジジくさい話してごめんね」
「いやいや、大丈夫です...やっぱり凄いんですね...はぁ」
「...何か、悩み事かい?」
青年のため息を見てそんなことを聞く将軍。その顔には心配の色が見て取れる。
「...少し、羨ましい。そんな事を考えてました」
青年は昔を思い出しながら口を開き始めた。
「ある日から、僕はずっと1人です。でもそれは僕が悪いから...歩いて、歩いて、ただただ一つのことの為に歩き続けて...気が付けば僕には何もかもを見失ってしまった」
「X間君...」
「寄り添おうとした人も、生き甲斐も、全部僕は突き放した。どうしようもない悪人...なんですよ。僕h「そんな事ない!」ヴァンプさん...」
「それを言うなら、私の方がよっぽど悪人だよ。世界征服の為に日々ヒーローを倒す為の悪どい計画を立てて実行する。それの方がよっぽどね。それに...」
ヴァンプ将軍は一旦呼吸を整える。青年は目を瞑りつつも顔は将軍の方へと向いていた。
「自分が悪人だって自分から認めちゃうのは...自分から逃げてるのと一緒だと思うんだ...私は」
「...」
「だからね、何があったかは知らないけど、自分を卑下しちゃ駄目だ」
「...優しいんですね、ヴァンプさんは...僕にそんなことを言ってくれて」
青年は少しだけ、悲しい笑みを浮かべていた。
「私も若い時は君みたいに、自分は駄目なんだって思って何もしようと思わない時もあった。だからほっとけないんだ」
将軍は、励ますかのような笑みを浮かべていた。
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「気が、楽になりました。悩みを真剣に聞いてくれて、ありがとうございます!」
「良いの良いの、若者の悩みを聞くのはおじさんの特権さ」
「...あ、そうだった。これもしよかったらお礼に」
そう言って、青年は懐から黒いカードを取り出す。
「僕が働いている店の特別サービス券です」
「いやいやいや、なんだか悪いよ」
「そうしないと僕の気が済まないので」
「でも...うーん...」
「お願いします」
「...人の厚意を無下にする訳にもいかないしね」
青年の厚意に折れたのか、将軍は【悪魔の店 デザイア】と書かれたカードを受け取った。
「それじゃあいつか、店に来た時は最高のおもてなしをします!」
「じゃあその時は、他のみんなも連れて行くよ」
いつの間にか、公園に夕日が差していた。短い別れの言葉を済まして盲目の青年...亜久音X間は杖を付いて帰る。ポツンと残ったヴァンプ将軍はというと...
「...そういえば何か忘れている様な...あ、」
世間話に夢中で彼はすっかり忘れていた。今日は宿命のヒーロー、サンレッドとの決闘の約束をしていた事に。
「...あの野郎、来ねぇじゃねぇか」
「も、もう暫くしたら来ると思います!?」
とある空き地にて、苛ついている赤いヒーローを怪人と戦闘員が必死に宥めている光景があったのだった。
–オマケ–
「悪人じゃない...ですか。そう言われたのはいつ以来でしょうか...」
青年は正体を現す
「ひ、ひぃ!? なんで逃げて来た筈なのにもう?!」
男は答える
「...知りませんでしたか? 悪魔からは逃げられません」
「嫌だ...助けてくれ...」
「態々、少しばかり遠出する羽目になりましたが...忠告を破ったお客様の魂が頂けるから良しとしましょう...所で、どうせ食べられる身だ。一つ聞かせて欲しい」
悪魔は笑い出す
「こんな私を...悪人だと思いますか? お客様」
今日も彼は店を営む
ありとあらゆる商品が並ぶ悪魔の店を営む...