「悪魔の店みたいなドロドログチャグチャしてて気分が悪くなる作品より、もっとこう...ほっこりワハハで穏やかな気分になる作品が見たいです」
と言う方にオススメのドタバタ日常コメディでございます(私的なイメージとしては、鬼灯の冷徹みたいな感じです...あくまで私的ですが)
因みに私のこの作品とも関連がありますので、必見ですよ。
ただ、今回の話は悪魔の店特有のドロドログチャグチャなシリアスムードが終始ありますので、苦手な方は無理をなさらずにブラウザバックを。
「ル...ルルル...」
旅人は歌を歌いながら歩いている
「ルルル...ル...む?」
ボロボロの、今にも死にそうな程の風体をした少年を見て、旅人はしゃがみこんだ。
「...」
そして空を見やると、遥か彼方に天界の住人が血眼になって探しているのが眼に映る。
「同類...か...」
昔々...神殺しの悪魔ありけり
その悪魔 最悪の右手あり
その右手一振らば 刹那に世界消えゆく
これに困りて神ども 上位の輩を集めけり
最強の1人が神の者 力を持って
これに傷を負わせるが
6つの
その神の名は全王と申す...
そして、その悪魔の者...今の名を...
〜SP42 傷だらけの復讐者〜
「ぅ...此処...は?」
「目が覚めた様ですね...少年」
「!」
瞬間、距離をとって構える少年。だがしかし、旅人は敢えて何もせず敵意が無いことを示す為に両手を軽く上げる。
「自分で言うのも何ですが...命の恩人相手にする事じゃないと思い「礼は言う...だから其処を退け」...」
「俺は...俺は...!!」
「...信じるものがなくなって、1人でいて、心が張り裂けそうな程歪んでいる。そういった所ですか?」
瞬間、旅人は胸倉を掴まれた。
「お前に何がわかる! 知った風な口を聞いて、お前に一体俺の何がわかるんだ!!」
「ええわかりますとも。貴方の様な人はよーーーーーーく知っている。今何を思っているのか、これから何をするのかも」
「っ!!」
知ったことを! それを示すかの様に少年は溢れんばかりの気を放っていた。憎しみと喪失に囚われた彼が行おうとしたのは、先程1人の神に行った事...
相手は他人、躊躇いなどといったものは存在しない。
「...おっとっと」
「ぐっ!?」
だが、旅人はそれを力尽くで抑えた。
「それが、闇だ。私が良く知る其奴も持っていた...唯一違うのは、その質」
寒い、暗い、痛い。旅人の目を見た少年はそんな錯覚に陥っていた。
「遠い昔...憎悪と敵意に満ちていた其奴に、手を差し伸べた者達がいました。さて、どうなったと思います?」
「っ! ぐっ!!」
「或る日突然、其奴が全部消してしまった...思い出も、微かな情も全部、闇に包まれた其奴は全部消してしまいましたとさ」
旅人は笑っていた。
「弱者とは、闇を知らぬ者。強者とは、闇を味わった者...貴方もどうやら強者の部類に入りますが...まぁ良い。とりあえず、聞きたいのは」
何の温かみも無い笑みを浮かべていた。
「全てを失う覚悟は出来ているのか? という事です」
「全てを失う覚悟だと...そんなもの」
「無いですね。目を見ればわかる。貴方はまだ全部失った訳じゃあない」
すぐさま否定する旅人。彼の言う通り、少年には大切な者が残っていた。悪魔との違いはそこにあった。
「...それが貴方に残された弱さだ。強者となる為にそれを自らの手で殺しても、弱者のままでいたいが為に何もせず見守ろうとも構いません」
「...」
「さて、私はこの辺でお暇させて貰います。旅人ですので、同じ場所にずっと留まる訳にもいかない」
「お前は...一体誰だ?」
「今度は質問ですか...ふむ。それぐらいでしたら答えて差し上げましょう」
抑えていた手を放し、旅人は自己紹介をする。
「私の名前はカーム・ジェイク...おっと、失礼。今は違うんでした。名前は...そうですね...サン=ジェルマン(聖なる君子)とでもしましょう。その方が神々にもバレにくい」
「...」
「所で、貴方の名前は?」
「...キュウキ。あの日からそう呼ばれている。嘗ての名前を言う理由も無くなったから」
「成る程...そう言う事ですか...」
旅人は指を一本伸ばして少年の顔の前に近付ける。
「ーーーーーーー」
そう言って、旅人は立ち上がり洞窟を出て行く。
「ああそうでした、食料は一応其処に置いてありますので」
「...」
「また会う日まで、′キュウキ,さん」
Side K
それが、彼との初めての出会いだ。あの後俺が何をやっていたかは...前に話した通りだよ。俺は正直者を片っ端から殺していった...そうしないとずっと信じていた自分が馬鹿に思えて、どうにかなりそうだったから。
...だけど、俺はそれ以上は出来なかった。妹も、仲間も、大切な者を自分の手で殺す事なんて出来なかった。
「...優しいん...ですね....キュウキ...さんは...」
どうすれば良かったんだ。想...これで本当に良かったのか...
「良いんですよ...私も...わかってました...道具だから...逆らえないから...せめて貴方の手で死にたかった...そう思ってたんです...」
もう...喋るな...
「変...ですよね...こんなの...道具である私が...」
これ以上...
「キュウキさん...あ...りが...」
...
ーー大切ナ者ヲ守レナクナッタ時ガ、楽シミデスネェ
...わかっていた。出会った日から、誰に作られた存在なのかわかっていた。だけど、殺せなかった。純粋だった。俺とは正反対だった。
...どうして...どうして...させた...
「どうして殺させた!! お前は! お前にとって
いつの間にか、俺は天に向かって叫んでいた。
「答えろ...答えろよ!! サン=ジェルマン!!」
決して返ってこない質問を、俺は叫んでいたのだった。
To be continued on the last...
とりあえず一言だけ...意味不明な展開+シリアス+コラボキャラクターに対する酷い扱い諸々本当すいませんでした!!