悪魔の店   作:執筆使い

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◯タヤ店員
「おきのどくですが 勇者ヨシヒコのDVDはすべて 在庫切れとなりました」


作者
「◯タヤェ...orz」



毎度お馴染みリクエストスペシャル。ですが今回は殆ど何の資料もないまま手探りで書いてますので期待してた方は本当すいません。ですのでキャラの口調と性格がかなり違います(多分)。内容もスッカスカなので今の内にブラウザバックの準備をば。







リクエストスペシャル『勇者ヨシヒコの冒険?』

 

 

 

 

 

始めから

 

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─────────────

 

 

────────

 

 

────

 

 

 

「ん...あれ...ここは一体?」

 

 

 

 

 

〜stage47 強き心よ、悪を超えて〜

 

 

−カランコロン−

 

 

「いらっしゃいませ...おやおや、今日のお客様は随分と珍しい格好ですねぇ」

 

 

「そう言う貴方の方が見るからに珍しい...というか人間離れした出で立ちをしてますね」

 

 

入るなり店員に向かって言い放つ紫のターバンを頭に巻いた客。今まで誰もが思っていたがあまりに恐ろしいので誰も言えなかったセリフであるあたり、良い意味でも悪い意味でも裏表のない性格というのがわかる。

 

 

「...っはっはっは。お客様、随分と正直なセリフですねぇ。そんなことを言われたのは久しぶりだ」

 

 

だが、旅人だった頃とは違い店員は寛大である。笑って許した。

 

 

「...所で、ここは一体何の店なんですか?」

 

 

「どんな願いも叶える店です」

 

 

「ではカッコいい必殺技を一つ教えてください!」

 

 

「即答ですか...ふむ...では...覚悟はありますか?」

 

 

..................................

 

....................

 

..........

 

 

「さて...これにしましょうか」

 

 

そう言って外に出た店員は巨大な岩の前に立つ。勇者が肩唾を呑む中、両手を広げて張り手に近い形で腰をほんの少し落とし構えを取る。

 

 

【闇技 暴発底(ぼうはてい)

 

 

目に止まらぬ速度で岩に掌底打ちを当て続ける。その間は10秒と彼にしては長くその上かなりゆっくりめではあるが、それでも勇者辛うじて見切れたのは激しい動きをしている事ぐらいである。そして一連の動作を終えた店員は少しばかり息を整える。

 

 

「ふむ...こんなところでしょうかねぇ」

 

 

「いや、岩壊せてないんですが...」

 

 

勇者の指摘通り、彼が散々掌底を放った対象は無傷そのもの。それをわかっているのか、指摘に答える代わりに店員はその辺の小石を軽く当てるつもりで岩に投げつける。

 

 

-コツン ボンッッッッ!!-

 

 

「!?」

 

 

まるで風船の如く破裂する岩。破片が飛び散る程の衝撃で思わず吹き飛びそうになるところを踏ん張り、店員の方をまじまじと見つめる。

 

 

「打撃の衝撃を相手の内側に極限まで留めさせ、ほんの少しの外の衝撃で五体を破裂させる。この技の利点は、決まれば外の衝撃で破裂するが故に相手の動きを制限できる事と、どんなに相手が防御を固めようと防ぐことが出来ない事です」

 

 

男は笑みを浮かべる

 

 

「私にとっての必殺技は、()()()()()()()を指しますが本当によろしいのですね?」

 

 

必ず殺す技。どんな相手だろうと防げず、どんな相手だろうと血を流し、ただ冷酷に心を擦り減らす技。これが...永き過去の殆どをたった独りで過ごした彼にとっての必殺技である。

 

 

「...すいません、やっぱりやめます。私にはこの技を覚える覚悟はないから」

 

 

だからこそ、きっぱり言い放った。自分の思い描くそれとは違うことを理解していたのは、ひとえに彼は勇者(一応)であるからだろう。もし断れば目の前の男がどんな行動をとり、自分は無事で済むのだろうか? そんな疑問や恐怖よりも先に言えたのがその証拠である。

 

 

「成る程...つまり、断るというわけですね?」

 

 

「はい」

 

 

勇者は答える。

 

 

「そうですか...」

 

 

男は笑みを浮かべている。

 

 

 

 

「...」

 

 

「...っはっはっは、面を向かってはっきりと断られるのは久しぶりですねぇ。良いでしょう。その勇気に免じてお客様にぴったりの技を教えましょう」

 

 

 

「ありがとうございます!」

 

 

「では、早速」

 

 

パチン、という指音とともにいくつか的が出現する。

 

 

「明日天気になーれーの容量で靴を蹴り飛ばして、これ全てに完璧に当ててください」

 

 

「...それで必殺技が習得出来るんですか?」

 

 

「ええ。必殺ではありませんが、この技は...」

 

 

 

──...さようなら、僕の古い友人

 

 

──さようなら...私の古い理解者

 

 

「...きっと、お客様であれば習得出来ますよ。習得して、誰かを守る為に悪を倒す...そんな力になるでしょう。私が保証します」

 

 

店員の言葉に、特に疑いを持たず練習を始める勇者。その面影に誰を見たのか...店員は少しばかり昔を思い出していた。

 

 

...............................

 

.......................

 

.........

 

 

「ぜぇ...ぜぇ...やっと、ここまで...」

 

 

残る的はあと一つ。少しばかり上空の方にあり、やや小さめのが浮いている。それに狙いをつけて蹴り出す構えを取ろうとする。

 

 

「あ、足が...」

 

 

だが、限界まで何度もやり直しながらの練習は勇者の足に尋常ではない痛みと疲労が蓄積されていた。最早上がることは叶わない。

 

 

「...そりゃあそうでしょうねぇ。ずっと、足で蹴っていればそうなるのは火を見るよりも明らかだ」

 

 

店員は勇者を見下ろす。

 

 

「足で蹴るな。返事すらできない屍になりたくなかったら。それがお客様の望む技のコツですよ」

 

 

「ぜぇ...ぜぇ...足で、蹴るなと言われても...」

 

 

とはいえ、今ここでやらなければ身に付かないのも事実である。狙いをちゃんとその目で見据え、彼は構える。

 

 

「(もう足は上がらない...多分筋肉痛まっしぐらだ...クソ、それでも私は!!)」

 

 

何度も反復したからか、体は勝手に動いていた。否、何も余計なことを考えず本能だけで動いてた為か、

 

 

「(あれ...体が軽い...)」

 

 

最も負担のかからない...最も楽で最低限の動きでもって...

 

 

 

-ビュオッ−

 

 

靴はまっすぐと飛んでいき、遥か彼方の的へ当たる音が数秒後に響いた。

 

 

「やっ...た...」

 

 

「ふむ...よく出来ました。っと」

 

 

そのまま倒れこみそうになった勇者を支える店員。

 

 

「気絶してしまいましたか...丁度いい」

 

 

店員は右手を勇者の頭に翳す。

 

 

【Jucunda memoria est praeteritorum malorum(悪しきは良きに。全てを忘れ、多くを学ばん)】

 

 

悪魔は呪文を唱える。

 

 

「私が、他人の技をお客様に教えたとバレれば恥ですからねぇ」

 

 

傷の治療と共に、技術はそのまま修行したという事実を忘れさせた店員はすぐさま次の呪文を唱える。

 

 

【abeo patria(去れ 元の場所へ)】

 

 

まるで幻のように消えた勇者(ヨシヒコ)

 

 

 

残ったのはしがない店員ただ1人だった。

 

 

..................................

 

....................

 

............

 

 

「...どうして、私が勇者の手助けをしたのかですか? それは私が良くも悪くも平等であることを仕事のモットーとしているからですよ。そうでなければ」

 

 

悪魔は笑い出す

 

 

「私が他人の手助けなぞするわけがない」

 

 

今日も彼は店を営む

ありとあらゆる商品が並ぶ悪魔の店を営む...

 

 

 

 

 

 

 

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