悪魔の店   作:執筆使い

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リクエストスペシャル。今回は、ある方のリクエストで『アホガール』という作品とのコラボでございます。
因みに4コマ短編方式+今回コラボするキャラが余り出番無し、という感じになります。本当すいません。それでもよろしければ、どうぞ。





リクエストスペシャル『頑張り屋のクリスマス』

 

今日はクリスマス! (リアルタイムは違う? 細かい事は気にするな)

 

聖なる夜で、一部のリア充にとっては熱い夜。

 

メインイベントには真っ白な髭と赤い服を身に纏った...そう、サンタクロースからのプレゼントだ。

 

 

誰もがこの日を最高の日という。それがクリスマス! 楽しまなきゃ損だぜ!!

 

 

 

...くたばれリア充

 

 

by どっかの小説家

 

 

 

 

 

〜SP48 黒いサンタさん〜

 

 

「くだらない...くだらないですねぇ。ハロウィンとは違って実に反吐が出る日だ...さっさと店へ戻りますか...」

 

 

【小さいお子さんへのプレゼントにオススメ! 喋るクマさんあみぐるみ!!】

 

 

..............................

 

..................

 

........

 

 

「お買い上げありがとうございます!」

 

 

「...」

 

 

 

店員は懐からクリスマスツリーの絵が描かれた紙とペンを取り出す。

 

 

【親愛なるザイちゃんへ

 

いつもお店のお手伝い頑張っているね。そんな君にご褒美としてこの可愛いぬいぐるみをプレゼントします。

 

黒いサンタより】

 

 

「...実に、くだらない日ですねぇ」

 

 

 

 

 

 

 

 

-クリスマスだけど...-

 

 

とある一軒家。そこにはクリスマスだというのに兄妹が2人で所謂勉強会を行っていた。

 

 

「いいのか、瑠璃? 折角の日に勉強なんて...」

 

 

「良いの。お父さんとお母さんの帰りは遅いし、サンタさんは余り来ないし...」

 

 

すると、隣の声から奇声にも近い叫び声が響いていた。はっきり言って近所迷惑なそれは、アホ特有のクリスマステンションって奴である。

 

 

「よしこに負けたくない!」

 

 

「多分負ける事はないと思うぞ、アレ相手だったら」

 

 

「それでも不安なの! お兄ちゃんは黙ってて!!」

 

 

「はい...」

 

 

クリスマス...だけど何処か寂しい光景がそこに広がっていたのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

-努力-

 

 

「少し寄り道で覗いて見ましたが...成る程...」

 

 

店員は、2人の兄妹を見て昔の事を思い出す。

 

 

 

──無理すんなよ。そんな事しなくても悪魔の俺がいるんだから少し休め。

 

 

──大丈夫よ。友達にばっかり頼ってちゃ駄目だもの。だから勉強を教えて、ジャック。

 

 

「...そういえば、あの時も、小屋で防ぎきれないほどの...丁度こんな感じの寒い日でしたねぇ」

 

 

店員は右手から小さい炎を出す。それは形を変え、分裂し、幾つかのまん丸な暖かい光となった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

-あかりの灯る大きなお家-

 

 

「うぅ...駄目だ。全然できない...」

 

 

「少し、気分転換でもするか? 外はもしかしたら雪が積もっているかもしれないし」

 

 

「...うん」

 

 

既に船を漕ぎ始めている少女。無理もない。どうしても行き詰まってしまうというストレスによる余計な疲労。いくら努力する根性があるとはいえ彼女はまだ小学生である。故に、まだ勉強は終わってなかったが、景色を眺めさせたら無理をしてでも妹を寝させようと兄は思っていた。

 

 

「...これは!」

 

 

兄がカーテンを開けると、目の前には綺麗な明かりの花が、ふわふわと、いくつも漂っていた。

 

 

「綺麗...それに暖かい!!」

 

 

ゆらゆらと、ゆらゆらと、

 

 

まるで、小さな灯り達が少女に頑張れ! あともう少しだよ!!と応援しているかのように漂っていた。

 

 

「お兄ちゃん...もう少し、嫌、最後まで勉強やるよ」

 

 

そんな灯り達に元気を貰った少女の言葉を、兄は否定しなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

-perverse-

 

 

「手袋を忘れたから魔力で温めるつもりが、手が滑ってしまいましたねぇ」

 

 

男は肩を窄める。

 

 

「それに、冷静に考えてみれば急がなければいけないのでした。折角の稼ぎのチャンスなのに、報酬をあの2人から請求しようにも時間がない」

 

 

態とらしく、男は急いだ風に自分の店へ戻る。

 

 

「ま、30分ぐらいはあのままですが、別に良いでしょう。元に戻すのは面倒ですしね...」

 

 

 

 

 

クリスマスの夜を男は歩く

聖なる夜を黒いサンタが歩いてく...

 

 

 

 

 

 




オマケ

昔の西洋は貧富の差が激しく、差別主義の富豪達が上に立つ場所でした。貧乏な孤児は悪い子という扱いで、貴族の子やその親に虐められます。


「どうかしましたか? 何かお悩みでしたら、このサンジェルマン伯爵に言って見てください」


他の仲間みんなが、裕福で、食べ物にも困らない人並みの幸せな生活を送れるようにしてください。


手始めに伯爵は黒くて大きな石炭を取り出しました。そして、トトンと叩くと何と同じ大きさのダイヤに!

「錬金術は等価交換ですからねぇ」

そして、一頭の豚を出現させました。なんと! この豚は例え内臓が全て無くなってもすぐに再生する変わった豚です。

「ああ、召し上がる時はこの特性松明でじっくり焼いてください。じゃないと腹痛になりますよ」

最後に大きな袋を取り出して、何やら呪文のようなものを唱えると! 1つのテントになりました!! しかも中は不思議で、数十人が余裕で入れる程の広さです。

「空間をちょいと弄っただけですよ。ほんのちょっと」


こうして、孤児達はいつまでも仲良く暮らしましたとさ。


「「「ありがとう! 黒いサンタさん!!」」」


「サンタじゃない。サンジェルマンです」


めでたしめでたし。

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