悪魔の店   作:執筆使い

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14話

カランと鳴るはドアの音

コロンと鳴るはベルの音

 

 

 

悪魔の店には何でもあります

お客様の願いや要望を必ず叶えて差し上げます

 

 

 

さてさて、今日のお客様は?

 

 

 

 

 

〜ep14 未来〜

 

 

「今日はどういったご用件ですか?お客様。」

 

 

「僕は未来が見える様になりたいんだ。」

 

 

「わかりました。少々お待ちを。」

 

 

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「こちらでございます。」

 

 

「お薬...ですか。」

 

 

「こちらを一粒飲めばあら不思議!その日一日起こる事がわかります。」

 

 

「買います!それで、これで足りますか?」

 

 

「お代は結構です。忠告を聞いてさえくれれば。」

 

 

「忠告ですか?」

 

 

「1日1錠。それ以上は服用しないで下さい。」

 

 

 

 

 

 

 

Side C

 

 

「おい〇〇!お前テストの結果はどうだったんだよ!!」

 

 

「かわいそうな事言うなって、どうせいつもどおり0...嘘だろ。」

 

 

「へっへーん。どうだ!100点だぞ!!凄いだろ〜。」

 

 

あの薬を飲んだお陰で、僕は少し先の未来がわかる。それが嬉しかった。もうドジを踏まなくなったし、授業中に指されても問題無く答えられる。さっきのテストだって満点だ。

 

 

「お前ら、席につけー。帰りの会を始めるぞー。」

 

 

「「「はーい。」」」

 

 

「今日はお前らに宿題を出す。将来の夢を作文に書いてくる様に。」

 

 

「えー。」

 

 

「えー、じゃないぞ〇〇。最近授業態度は良くなったが、いつもの如く宿題を忘れないようにしろよ。」

 

 

「「「ギャハハハ!!」」」

 

 

「なっ、忘れませんよ?!先生...」

 

 

笑わないでよ?!酷いな...

 

 

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...........

 

 

「将来の夢かぁ...そうだ!」

 

 

あの薬をいっぱい飲んだら、自分の未来がわかるんじゃないか!!

 

 

「1日1錠って言ってたけど...ちょっと位いいよね。」

 

 

とりあえずまずは10粒飲んで見るぞ!

 

 

「それじゃ早速...!?」

 

 

嘘だ...

 

 

「嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だあああああああああああぁぁぁぁぁ...」

 

 

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.......................

 

...........

 

 

「イラッシャイマセ...おやおや、どうしましたか?お客様。」

 

 

「僕...大人になる前に交通事故で死んじゃって...それで...」

 

 

「成る程...忠告を無視しましたね?」

 

 

男は正体を現す...

 

 

「ごめんなさいごめんなさいごめんなさい...」

 

 

男は答える...

 

 

「残念ですが忠告を無視した場合、追加料金が発生します。」

 

 

「嫌だ...嫌だよおおおお...」

 

 

悪魔は笑い出す

 

 

「お代は、貴方の魂とさせていただきます。」

 

 

「死にたくない...死にたく...」

 

 

.................................

 

........................

 

...............

 

 

 

「今回の魂は未来ですか...愚かですねぇ。先のわかる人生など、何の面白みも無いというのに。」

 

 

今日も彼は店を営む

あらゆる商品が並ぶ悪魔の店を営む...

 

 

 


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