悪魔の店   作:執筆使い

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リクエストスペシャル。root1(誤字にあらず)後の話です。ジョジョで皆さんご存知の彼の方が登場します。その代わり店員は一切出ません(店員との絡みを見たかった読者の皆様、誠にすいません)。それと、作者はそのキャラの口調をど忘れしながら書いてますので、大幅な矛盾があるかもしれません(早い話、微妙にジョルノに近い口調)。というかあまり彼のセリフが殆どないので、原作ファンの方本当にすいません!!


()()()()()()()として、オリジナルスタンドが出てきます。ぶっちゃけ作者の黒歴史ノート(という名のボツ小説案)に書いたやつでジョジョらしくないチートじみた能力を持っていますので、そんなんやだ。という方はお引き取り願います。


それでも引かない精神をお持ちでしたら、どうぞ、お楽しみください。







リクエストスペシャル『漫画家は決して動かない』

 

 

 

 

 

 

それは、悪魔の置き土産だった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〜SP54 祝福の時来たれり〜

 

 

岸辺露伴は動かないでいた。それから逃げる事が不可能だから。

 

 

岸辺露伴は動かないでいた。例え世界の終わりが来ようとも、漫画を描き続ける様な人物だから。

 

 

()()()()()()()()()()()()

 

 

 

 

 

「さっきから何なんだ? そういう顔をしているなぁ〜。前の奴は俺から逃げようと()()無駄な事をして諦めたが、貴様は理解が早いようで安心したぜぇ」

 

 

派手な装飾。岸辺露伴に話しかける青年を一言で表すにはこれ以外なかった。というより、これ以上適切な言葉がなかった。漫画家を書く傍らで、余りにも神経を逆なでする言葉を口にするので()()()()()()しても全て躱されてしまう。その上何処へ行こうとも彼は居るのだった。走っても、車(タクシー)で少し離れた場に着いても。欠伸を見せつけながら青年は居る。

 

 

「理解が早い褒美に、目的と手段を言ってやろう。貴様の()()()()()()()()()()を変えるのが手段、ただの暇潰しというのが目的って奴だ」

 

 

変えたいであろう過去、その言葉を聞いて、岸辺露伴は漸くリアクションをとる。眉をほんの少しだけ動かし、派手な装飾の青年へ視線を向けた。

 

 

「...生憎、僕はそういうのには興味がないし、君の言う手段が出来るとは到底思えないけどね」

 

 

その言葉を聞いた彼は、宙に浮かびながら腹を抱えて笑った。それはもう大袈裟に、サーカスのピエロの如く彼は笑った。

 

 

「...興味がないというのは嘘だろう? 貴様は絶対に有るはずだ!!」

 

 

青年は確信していた。自分が見える奴はそういう人間だからというのもあるが、長年スタンドとしてあらゆる世界で遊んできて身に付いた勘である。理由や証拠など一切ないが、青年にとっては些細な事だった。

 

 

「そもそもだ」

 

 

青年は続けてこう言った。

 

 

「貴様が断る権利など、()の遊び中は存在しないんだよ」

 

 

..................................

 

....................

 

............

 

 

「ここは...まさか!」

 

 

目を開けた露伴は、青年の言葉と目の前に広がる風景を見て、何時の何処なのかを理解した。そしてこの事態を起こしたであろう青年の姿を探す。だが、見つからない。代わりに聞こえたのは少年の声。くすくすと笑い声が聞こえ、夜であったその風景を一層不気味に引き立てる。

 

 

「何処だ! 何処にいる!!」

 

 

「探しても無駄だよ、()()()()。此処は思い出の中、正確には1983年 8月13日かな? 君の変えたいだろう過去がそこには有るはずだ」

 

 

そうこうしているうちに、一人の男性が、屋敷の前に現れる。仕立ての良いスーツに金髪の、それでいて何処にでもいる様な特徴の無い。というよりは特徴を見せつけ無い様無理矢理振舞っている様な男性が屋敷の扉を開けようとしていた。

 

 

「さぁ、どうする? これから起こる事は、君がよく知っているはずだ」

 

 

少年はそう言って、状況を簡潔に説明し始める。

 

 

「此処は思い出であると同時に、君自身の体験した過去でもある。此処で帰れば当然その先...君が元いた現代も変わる。より幸せな今を過ごす事が可能だ」

 

 

「...断れば? どうなる...」

 

 

「つまらないオモチャとして捨てる(コロス)だけさ。君がどんなにすごい能力を持っても、現在の僕には掠りもしない。容易いものさ」

 

 

はっきり言って、状況はある意味で最善で、ある意味で最悪であろう。確かに、先程の青年は自分のスタンドを持ってしても触れる事すら出来なかった。攻撃は全て寸止め、思わず冷や汗を流すほどであった。もしも気まぐれが殺意に変わったら...

逆に、提案に乗れば、これほど良い事は無い。彼女は死なず、誰も死なず、自分の住んでいた街に平和が訪れる。寧ろ、より良い幸せがそこにはあるだろう。

 

 

「か...過去を変えれば...殺人鬼(吉良吉影)をこの場で消せば...ほ...ほんとに...ぼくの命...は...彼女の命も...助けてくれるのか?」

 

 

その言葉を聞いて、少年は無邪気な笑みを浮かべただろう。彼が自分の提案に乗ったのだと確信したのだから。だから口調もより朗らかになる。

 

 

「うん! 約束しよう!! 何も奪う事はしない、ギブアンドテイクよりも良い取引だ。君がシアワセになるのに、僕は何も求めはしない」

 

 

勝った! 無邪気な少年はそう思った! 岸辺露伴が言葉を吐こうと口を開けようとするのを見て、少年はこの上ない程の、快感にも劣らない幸福に包まれる!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「だが(ことわ)る」

 

 

その言葉を聞くまでは。

 

 

「...何っ!? どうして? こんなにも、こんなにも良い取引なのに? そうか!! 僕の遊び相手になりたくないと!!」

 

 

思い出にヒビが入り始める。岸辺露伴が少年を否定していると同時に、少年が目の前の男に怒りを抱いているためだ。

 

 

「この岸辺露伴が最も好きな事のひとつは 自分で強いと思ってるやつに『NO』と断ってやる事だ...だから断ったまでだ」

 

 

「くそ、クソクソクソクソ!! もう良い!! 戻れば現在の僕が君を殺す。だから貴様は終わりだ!!」

 

 

「それはどうかな? よく見てみると良い、お前の右腕を」

 

 

「右腕...ハッ!」

 

 

少年は右腕を見て、気づいた。自分の腕がページになっていることを。何時だ? 一体何時こうなったと考えて、気が付いた。彼の思い出に入り込む時だ。

 

 

「お前が思い出に入るスピードよりも、僕の漫画を描きあげるスピードが上だった。だから書かせてもらったよ。僕のスタンドが君の右腕に」

 

 

【永遠に岸辺露伴に近づけない】

 

 

「折角の...折角の遊び相手がァァァァァァァァァ!!」

 

 

 

 

そのセリフを言って、風景ごと少年は消えた。

 

 

..................................

 

....................

 

............

 

 

気が付けば、彼は自分の家に居た。

 

 

「...ハッ! 彼は...よし、居ない」

 

 

そう言って、彼は漫画を描き始める。アイディアは先程の体験から得た。どんな場所にも現れる青年。他者の思い出から過去へと遡り、今を変える少年。そして、最後にふと視界の隅に見えた、黒づくめの男。恐らくこれも同じ存在だろう。本当はもっと利用して、体験したかったが、彼はこれ以上あんな奴の言いなりになりたくないという思惑が強かった。

 

 

「良い材料だ。筆が進む」

 

 

彼は漫画家。ならば面白い漫画を描く。

 

例え時が進もうとも、彼は漫画を描く。

 

 

 

 

 

 

それが岸辺露伴という男なのだから...

 

 

 

 

 

 

 








無理矢理な展開になって申し訳ありません!!





スタンド紹介

【クリスマス・キャロル】


パラメーター(現在の顔)

破壊力 B

スピード 無限(瞬間移動できる為)

射程 無限(瞬間移動ができる&本体がいない為)

持続力 無限(本体ry)

精密動作性 C

成長性 E(完成)



遠い昔、一人の人間が悪魔が持つ商品(隕石や、悪魔の掌の原典で、本家本元)によって発現したスタンド。本体である客は忠告を破った為に、直後にスタンド自身に殺されている。最大の特徴として、過去、現在、未来の顔と計3つの形態を有しており、


過去の顔は対象の思い出に入る事で擬似的な過去へのタイムスリップができ、思い出(対象の過去)を変える事で現在を変える能力を有している(但し、過去に干渉する事しか出来ない為パラメーターは存在しない)。少年の姿をしている。


現在の顔はあらゆる場所に現れる瞬間移動能力を持ち、現在に対する干渉能力(要はパラメーターと戦闘能力)を有している。単純な戦闘力はある程度強いが、流石にトップクラスのスタンド(スタプラとかクレD)とかには及ばない。とはいえ、瞬間移動能力を利用したヒット&アウェイ戦法を専ら取る為、近接パワー型すら指先一つ触れられない程に翻弄する。豪華な装飾の青年の姿をしている。


未来の顔は、過去の干渉によって現在が変わった時にのみ現れ、対象に確定的かつ絶望的な未来を見せつける。例えどんなに過去を変えようとも、どう足掻こうともその未来を変えられないと悟り、対象が一定の反応しか示さなくなったら彼等は対象を捨て去る(殺す)。黒装束にフードで頭をすっぽり覆っている為、素顔が確認できない。彼が素顔を表すのは、絶望に染まった時だとか。







彼が見せる確定的な未来は、いずれ来るであろう死と永遠の孤独(即ち真っ暗で何も見えない闇)である。




このスタンドの元ネタは、仮面ライダー電王に出てくるイマジン...と思ったかヴァカめ!!

元ネタは、作者が子供の頃に読んでいた本のタイトルである(一応曲名としても存在しているので、スタンドの条件は満たしてはいる...多分)



うん、かなりチートな部類のスタンドだコレ。流石厨二の頃の私。

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