リクエストスペシャル。日常という漫画に出て来るロボットが今回のキャラクターですが...ほのぼのではありません。寧ろ多少のアレです。
日常という漫画を知っている人から見ればナニコレ? という感じでですのでご注意。別の作品の要素が最後らへん微妙にありますが、別に本編とは関係ないので深く考えない方が良いです。
そういう話でも大丈夫という方は、どうぞごゆっくり。
作られた命、生まれた命。
そこにどんな差があるのだろう?
最初は真っ白な無垢鳥だ。機械であっても。人間であっても。
それとも、人間以外が感情を持ってはいけないのだろうか?
〜SP57 我思う故に我あり〜
「普通になりたいんですよぉ...うぅ」
「そうなんですか...それはさぞかし大変でしたねぇ」
店員は、機械であるお客様の愚痴を聞きつつ相槌を打っている。最近訪れる彼女は、生みの親が大好物のケーキを買うためにここまで何回か訪れる。リピーターなのは、それほどまで彼の作るケーキが彼女のお気に入りと化しているからだろう。だからこうして愚痴を聞く間柄にまで発展している。あくまで客と店員の隔たりは存在しているが。
「私は嫌だっていうのに、博士は変な改造を加えるし...」
「良いじゃあ無いですか。カッチョいい機能やカッチョいいデザインのロボットというのはロマンが溢れていますし...おっと、ロマンを理解するのは女性には酷でしたかね?」
「ふざけないで下さい!!」
少し茶化しつつ、いつも通りのケーキを箱に詰めて崩れない様に慎重に彼女に渡す。ちょっと背伸びしつつ箱を受け取る彼女の目はいつになく真剣に、ちょっと涙目で店員を見つめていた。
「...どうして、そこまで普通を求めているのですか?」
「....怖いんです。私は、機械だから。人間じゃないから。友達にも、周りにも、いつか...だって私は、人間じゃないから、悲しめないから...」
紙でできた箱に少し染みが出来る。
「つい...叫んじゃった...博士に、『私の事なんかわかるわけ無い。貴女は人間だから!! 私の事なんて理解出来る訳もない!!』って、私の言う事を少しでも聞いてくれなくてうんざりしてっ...つい...」
「...」
彼女の途切れ途切れの言葉を黙って聞く店員。すると何処からともなく、布切れを一枚取り出し彼女に渡す。
「店員さん...? これは...」
「いや何...ケーキを食べる場合、小さい子は良く口をお汚しになりますからねぇ...最も、博士のお口を拭く前にお客様の顔をお拭きになりそうですが」
そう言って、店員は目元を布で拭くジェスチャーを取る。使っても良いという事なんだろう。少し落ち着いた彼女は、拭いた。
「...涙を流して、普通の人間になりたいという立派な願いがあって、悩みがあって、何より...親に口答え出来るようになって、それでも人間じゃないと言うんですか?」
「だって...私は生まれたんじゃなくて、造られた...」
「良いですか。どの本にも載ってなくて、ですが誰もが知ってる事ですが、生まれたばかりの赤ん坊にはそれほどの感情がありません」
店員は答える。
「あるのは感覚だけ。ただ自分の危険を
男は笑う。
「最初から人間である赤ん坊はいません。多くのAIに関する科学者は勘違いしがちですがね...生まれたばかりで自我を持つなんて、人間ですら無理ですよ...と、まあ無駄な話は置いといて」
男は笑う。
「私...でも私は...」
「大丈夫ですよ。貴女には優しくしてくれる親が今も居る。親愛なる友人も居る。例え何れ別れる事になるかもしれませんが、今はまだ、貴女は普通ですよ。私から見れば充分に」
悪魔は笑い出す。
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遠い昔、魔術の始まりとなった人間が居た。生まれながらの王は、人でありながら、まるで機械の様に務めていた。誰かに強制されたわけでもなく、ただそう生まれたからそうするしか自由がなかった。知らなかった。
従者であった1人の伯爵が質問をした。王よ、貴方に願いはあるのですか? と。
長い沈黙の後、王は答えた。嫌、別に、何も。そう静かに呟いた。
それ以上、従者は何も聞かなかった。友達になるように依頼されたわけでなく、教育係として依頼されたのだから。王は望まなかったから機械のまま死んでいった。そして消えていった...
「...ああ、だから私は中途半端なのですね。反抗期も無かった。父の言った正義しか無くて...ただ
今日も彼は店を営む
ありとあらゆる商品が並ぶ悪魔の店を営む...
ぶっちゃけ、最初から自我を持ったり感情を持っている人間なんざ居ないから、逆にAIだって人間風で言えば世間知らずの赤子だし、感情や自我を持たないとは言い切れなくね? 人間とは違うとは言い切れなくね?寧ろ色んな触れ合いでそういうのを持つ可能性あるんじゃね? というのをボーッと考えながら書いた話ですが...
こんな感じになってすいません!!