悪魔の店   作:執筆使い

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大変長らくお待たせしました。リクエストスペシャル。


※注意! 今回はマジもんのシリアス+人によっては胸糞展開です。具体的に言うならば、今まで避けてきた他作品の原作キャラ死亡展開でございます。それとroot1前の話(具体的に言うのならば82話最後の彼が言う行動を終えた直後の話です)なので先にそちらまでを読む事を。後、作者はマテリアルパズルを全く知らない上で書いてますので、もしファンの方がいらっしゃるのでしたら、すいません。マジでヤバい展開ですので...あ、因みに最初から店員は正体を現した姿です。つまりは一切の演技なし、本来の性格と口調の彼ですので違和感を感じるかもしれませんが、ご了承下さい。






リクエストスペシャル『最強の魔法 :前編』

 

 

 

──刻は来た。

 

 

 

〜SP62 熱き魔法〜

 

 

 

 

殺戮の悪魔。神々の多くは既に彼の手で消え、希望など何処にもありはしない。

悪魔は、1人の小さな存在をその手で消した。誰でも良かったが、その世界に訪れて目に映り、尚且つ自分に襲いかかったので、消したのだった。

 

 

コクマという男を殺された怒りによって、悪魔の周囲を特大の熱が覆った。

 

 

「...成る程。それが()()の魔法か」

 

 

小規模の太陽に匹敵する熱量を前にして尚、まるで涼しげに答える悪魔。もはや何時の店員としての業務に忠実な彼ではなく、嘗ての──神殺しの悪魔と恐れられた頃の口調と態度で佇んでいる。

 

 

「...その程度、戦場には幾らでも居た」

 

 

 

 

 

 

 

 

悪魔の左拳が、熱を放っている男に突き刺さった。

 

 

 

熱を放った男──ドルチルは何が起こったのか一切理解出来なかったが、彼のやった事は至極単純。追い切れない程の速さで()()()射程距離で殴っただけだった。

焼け焦げる匂いが臭い。太陽の表面温度に匹敵する空間内にも関わらずそんな事を気にしているだけの悪魔は、尚も温度の上がる男に対して言葉を続けた。

 

 

「怒り、か。成る程、どんなに馬鹿だろうと、どんなに正義溢れようと、どんなに頭が良かろうと...どんなに悪に染まろうと、同じものか。そうまでして憎んだところで、貴様が俺に勝てる訳ではない。恨むなら、()()()()()と貴様自身の馬鹿さ加減を恨め。人間」

 

 

人間にかける慈悲なぞない。さっきの奴等と同様にしようと魔力を込めた────

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

めのまえでしんだ。それもゆるせない。だが、

 

 

「あいつを...わらうんじゃねぇ。バカにするんじゃねぇ...ッッッッッッッ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

────吹き飛ばされたのは、悪魔の方だった。

 

 

「ッッッッッッ!? む!!」

 

 

予想外の事に叫ぶ彼。だが正面を向いた瞬間すぐさま理解した彼は、戦闘態勢に入り瞬時に魔術を発動させる。

 

 

【Ire trans fretum (彼方へ吹き飛べ)】

 

 

魔術は詠唱通りに発動し、ドルチルへと向けて放たれる。全ての世界において、史上最も強いの悪魔の魔術を防ぐ手立てなどただの馬鹿である彼であれば本来ありえ無い。

 

 

「ッッッッッッ!!」

 

 

声にならない程の叫びと共に出された熱気は、その魔術をかき消した。それを見た悪魔は少しの驚きと共に成る程、と一息ふぅと吐く。

先程の赤に近い熱気から、それ以上の黒色への変換。軽めとはいえ只人の身で悪魔の扱う魔術をかき消した。何より、自分と同じくその場にいるだけで世界にヒビが入り始め軋みの音の様なものが聞こえる。それらから悪魔は現状を把握した。

 

 

「貴様、存在の枷を外したな。それも相当深く...そんなにもアレが気に食わなかったか。それとも」

 

 

通常、魔術であれ体術であれ何であれ、技には大きく分けて二つのリミッターが存在する。

一つは本能のリミッター。これは我々が一般的に考える限界の壁の様なものである。頭で潜在的に理解していて尚且つ段階的に存在するそれ...だがやはりというべきか、どんなものであれそれには一定の限界が存在する。本能のリミッターはあくまで認識上の決めつけた限界である為だ。故にこれを外したところで精々死などのリスクと引き換えに超常的な力を手に入れるだけで、それ以上は手に入らない。

 

もう一つは存在のリミッター。いわば持ち主が存在する為に絶対不可欠なものであり、理性のとは段違いに重要で厳重で決して破ってはならない領域である。発動すれば最期、

 

 

「まぁ良い。生憎と俺も同じく時間がない」

 

 

無限そのものの力を手に入れた後、死よりも酷な地獄──即ち存在そのものの消滅が待っている。熱が赤色から黒く変わり、世界がとっくに崩れ落ちてしまっている状況を生み出しているのがこの状況で1番わかりやすい具体例だろう。悪魔はすぐさま次の行動に出る。

 

 

「The world...何、時間を止めるなんてちゃちなものではない。俺を消したくて、憎くてたまらなかったであろうこの世界そのものを、手中に無理矢理おさめるだけだ。こんな風に」

 

 

例えるなら、宇宙という概念的なものを無理矢理圧縮して対象を押し潰す。何せ宇宙全てが一つのものにのしかかる訳で、想像するだけでも難しい絶対にありえない光景。何せそんなものに耐えられる存在など我々の範疇では居ないのだから。だが現実にて、悪魔が擬似的なそれを、壊れかけている空間を利用して行なっている。ブラックホールの圧力以上のそれがものすごいスピードでドルチルの熱ごと圧縮し始める、

 

 

「どこまで耐える? 限界を超えた人間」

 

 

 

ドルチルに、その声は聞こえなかった。頭の中にあるのは無限に上がるテンションと怒り。故に起こした行動も単純。

 

押しそうとした空間ごと周囲を吹き飛ばした。そしてすぐさま、上がり続ける熱を利用した加速。それに気付いた悪魔が防御をするのと握り拳を相手に突き刺すのは同時に起こった出来事だった。

 

 

「オォォォォォォォォォ!!」

 

 

「ッ、何!?」

 

 

競り勝ったのはドルチルだった。その一撃は文字通りのビックバンと同等...否、拳に凝縮されてる分こちらがはるかに上。悪魔の左半身は一瞬で消し飛び残った半身も彼方へ吹き飛んだ。

 

1、5、9...後ろに数え切れないほどの0が付く距離を飛ばされた悪魔は焦げた痛みを耐え殺しながら消えた左半身を再生。少し息を乱しながら脅威と認識した相手に対し次の行動に出る。

 

 

「(今のは、少しやばかった。連続で喰らえば俺とてタダではすまないな...)」

 

 

 

 

一方のドルチルは、拳を突き刺した瞬間に痛み以上のナニカを感じていた。無理もない。本能のリミッターとは訳が違う、その場に存在する為に必要なリミッターを外したのだ。全身を太陽で燃やすなんて段階はとっくに過ぎている程に地獄のそれが襲いかかっている。本来連続で放つ筈だった拳もあまりのそれに悶えて出せなかった。

 

だが、ドルチルは想像以上のバカだ。すぐさまそれに慣れた彼は、先程吹き飛ばされた悪魔以上の速度で向かう。

 

 

 

「オォォォォォォォォォ!!」

 

 

「全部無くなった空間を熱で蹴り進み、その上で生み出した速度で距離及び世界の境界をこじ開け擬似的な連続ワープか...常識外れだな」

 

 

 

笑みを浮かべる悪魔。吠える人間。

残された僅かな時間のうち、最初のさわりが終わり、戦いの火蓋が切って落とされた。

 

 

 

 

どちらに天秤が傾くか、神が居ない今...否、神が居たとしても誰一人わからない。そんな最強対最強の戦いが始まったのだった...

 

 

 

to be continued...

 

 

 

 

 

 

 

 







マテリアルパズル本編のドルチルは流石にここまで強くありません。大分省略しましたが、絶対にありえない様な奇跡に、奇跡が更に重なり、その上に更に...(ry という感じだから正体を現した店員とここまで戦えているのです。あと描写ではわかり辛いですがこの状態の店員は最強です。ただ単に今戦っている相手がそれを超えるバカだっただけです。現に最上位の神々やそれ以上の存在に勝ってますから。


こんなヤベェ戦いして宇宙とか世界とか大丈夫なの? つーかスケールや規模がデカすぎて全くピンとこない? そもそも科学的にも設定的にもありえないし、tueeeeeee過ぎて吐き気がする?


...えーと、あれです。虚無戦記や、ゲッターロボサーガ終盤や、真マジンガーZEROや、グレンラガン最終回を想像していただければ...え? みんな知らない?


まじですか、グレンラガンあたりはピンと来ると思ったのに...チョイスが古かったかなぁ。











まぁあれです。所謂、深く考えたらダメなご都合設定だと考えて下さいほんとマジでそれしか言えません。

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