悪魔の店   作:執筆使い

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おにぎり頬張り筋肉狩りのし過ぎで投稿遅れてすいませんリクエストスペシャル。
今回はジャンプで掲載されていた漫画のとあるおバカキャラが登場します。結構急ぎ目で書いたので割と酷い内容になっているかもしれませせん。そう言うのが許せる方だけどうぞごゆっくり。





リクエストスペシャル『馬鹿と愚か者は似て非なる』

 

 

カランと鳴るはドアの音

コロンと鳴るはベルの音

 

 

悪魔の店には何でもあります

お客様の願いや要望を必ず叶えて差し上げます

 

 

さてさて、今日のお客様は?

 

 

 

 

 

〜SP64 嘲笑う〜

 

 

「へいおまち。こちら特性ラーメンです」

 

 

「おう、ありがとな。大将」

 

 

「いえいえ、どんな要望だろうと応えてあげるのが店員という役職です。例えこの様な店でラーメンをを注文されようと、ね」

 

 

店員はにこにこしながら、制服を着た高校生にラーメンを振る舞う。見た目から種類は豚骨と思われる。香ばしさが店を漂う事から、胡椒を使っている事がわかる。高校生、燃堂力は一口それを啜る。

 

 

「いかがですか?」

 

 

感想を聞く店員。長年の営みで言い続けた質問は、すっかり途切れなく言えるようになっていた。未熟で料理下手だったあの時とは大違いである。

 

 

「...うめぇ!! なんかこう、すげぇうめぇ!!」

 

 

「それは良かった」

 

 

客が喜んでくれたので、彼も機嫌が良くなっている事がうかがえる。声色がいつもより少し軽い調子だ。ふと、燃堂は店員の舌に包帯が巻かれているのに気付く。少し変わった巻き位置とどこか痛々しい包帯なので普通であれば見なかった事にするか、聞くにしても躊躇する所だが燃堂はそういう葛藤が一切無く、まるで早押しクイズの如く遠慮なしに口を開く。

 

 

「大将、その舌どうしたんだ?」

 

 

「ああ、これですか? はっはっは...実は前々からドラゴンステーキなるものを捕獲&調理して食べようと、ある場所に訪れまして──」

 

 

店員は、気を悪くせず笑顔で質問に答える。殺気っぽいのが混ざっているのは恐らく気のせいだろう。

 

 

「まぁ雨天だったので中止にして、優雅なティータイムを過ごしたんです。それで──」

 

 

気のせいだろう。

 

 

「うどん味、この世の全ての悪味、羽生蛇村名物赤い水味etc...まぁ兎に角、こうやって包帯で味覚を抑えないとキツくてキツくて。人類悪(パンダ)死すべき慈悲は無い、って思いましたねぇ...勿論冗談ですけど。私こう見えて虫一匹殺せない平和主義者ですし」

 

 

気のせいだろう...多分、きっと。何か黒いものが見えるが恐らく幻覚だ。魔力が漏れ出てる気がするが恐らく勘違いだ。店内が物凄く重苦しい空気になっているが、彼が怒ってないと言ってるのだから怒ってないのだろう。

燃堂はそういったことには鈍いので、ラーメンを啜りながらリアクション無しに聞いていた。

 

 

「へー、パンダってあぶねぇんだな、気を付けよ。ズズッ」

 

 

話も丁度終わり、最後の一口を終えた燃堂はここである事実に気がつく。麺の熱さによるものではない。所謂冷や汗が彼の頬を伝った。

 

 

「(さ、サイフ持って来てねぇぇぇぇぇぇ!?)」

 

 

人の世は金で回っている。店の者が子供に優しく接してくれるのも、レジで常にスマイルを送っているのも、やたらサービスするのも、全てはそれである。スマイル0円? 笑わせる。リピートやそれに寄ってくる客を増やす為のサービスだから、成功すれば0円ですむはずが無い。利益無しに、人は他人に笑顔など振りまけないのだから。

 

 

とはいえ、それは人間の話。そういう富など、欠伸をしながらでも錬金術也で無限に出せる店員にとって全く意味のないものだった。

 

 

「ああ、お代は結構ですよ。その代わり、一つ質問に答えてくれれば良いので」

 

 

故にあっさりと、いつも通りのセリフを言い放つ。

 

 

「質問?」

 

 

「ええ。所謂アンケートの様なものです。ほら、カットモデルなどで良くある奴ですよ」

 

 

カットモデル、というのがどういうものか燃堂は知らなかったが、要するに質問に答えてくれれば無料としてくれるのだと、彼なりに理解して頷く。

 

 

「あなたの目の前に、死にそうな者が2人いる。1人は誰からにも好かれる人気者、もう1人は普通とは違う...いじめられっ子。どちらに手を差し伸べますか?」

 

 

脈絡のない質問である。てっきりラーメンについてかと思ったが、予想外だ(最も、思考回路がアレなので全く考えてなかったが)。少し考え、燃堂は間をあまりおかずに答える。

 

 

「両方。とりあえず2人を担いで病院へ連れてくぜ」

 

 

バカバカしく、裏表なく、それでいて決して軽くないその答えを聞いた悪魔はより一層深い笑みを浮かべる。人間の様に歪んていて、かといってそれ以上に得体の知れないナニカ...バケモノ(いじめられっ子)そのものの顔を表に出しながら彼は、

 

 

 

 

 

 

「ふむ...成る程。馬鹿らしい。実に馬鹿らしい。ああ、不愉快。物凄く不愉快──だからこそ、実に良い答えだ。お客様らしい純粋な答えをありがとうございます」

 

 

たったそれだけ、親切な笑みを浮かべながら最後まで気の良い店員として、純粋なお客様に振る舞いを行ったのであった。

 

 

..............................

 

....................

 

...........

 

 

「悪魔は馬鹿者を嘲笑い、愚か者の魂を貪る。これは私が生まれる前から存在する、種族のスローガンの様なものでしてねぇ」

 

 

彼は舌を引きちぎり、新しく生やしながら続きを喋りだす。

 

 

「しかしながら、悪魔のルールだから、人間や神々が守る必要はない。だから我々以上に歪んでいるんですよねぇ...最も好き勝手に動く者達ですから」

 

 

 

 

 

 

新しき2枚目の舌で悪魔は純粋な馬鹿を嘲笑う

 

 

 

 

 

新しき2枚目の舌を転がしながら、悪魔は歪んだ愚か者の魂を貪る...

 

 

 

 

 

 

 






深夜テンションでこんな風になってしまい申し訳ありません!!


本編にあまり関係ない裏設定
依頼のレートについて

結構誤解されがちだが店員が行う【依頼】は有料かつ物々交換で成り立つものだが、別に彼は金が欲しい訳ではないので動かない場合がある(というか殆どの場合がそれである)
基準は客自身の覚悟の度合いであり、例えば世界有数の大富豪のはした金である一億と、明日も生きれるかどうかの貧乏人の自らにとって全財産である1000円であれば、店員が動くのは後者。
誰かを殺す際金ではなく別の誰かの命を対価として払わせるのはその為。
まぁ要するに、自分の命を差し出せば店員はどんな依頼だろうとやってくれる(但し、大量虐殺と大量救済に関してはそれに見合う数の命が必要な為この限りではない)

別に払う事が絶対に出来なくても道具の売買に関しては()()なので願いを叶える方法としてそっちを選ぶ事も出来る。しかも丁寧な忠告付き。なので店員の商売は他の作品でよく見る、願いを叶える〜〜の展開やアイテム等の中ではデメリットが相当少ない(というかほぼ無い)部類に入る。だって使う本人が忠告をちゃんと聞いて、気を付けて使えば良い話だし。

だからといって、店員が全く悪くないと言いきれるわけではないが...



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