毎度お馴染みリクエストスペシャル。
今回は弾幕アマノジャクとのコラボ! 店員は弾幕戦どころか今回の話は最後しか出てこないけどな!! (店員の弾幕ごっこ=変Tの弾幕ごっこぐらいの難易度だからね。仕方ないね)
弾幕ごっこを期待していた方々、本当すいません。例え遊びでも公式チートモードで尚且つ命がけで弾幕ごっこしないと勝てそうにない女神とほぼ同レベルの存在に、ただの天邪鬼が数秒持ち堪えられるビジョンが思いつかなかったんです。作者の文章力が低くて申し訳ありません。
お悩み相談を期待してた方々、本当すいません。ただ彼女の性質上悪魔の店に来ることは無さそうですし、仮に出逢ったところで店員の無償の親切(忠告付き)を望みそうにないと思ったんです。ストーリー構想が全然出来なくてすいません。
作者は東方未プレイなので、設定や口調に間違いの可能性あり注意。
「はぁ〜あ、逃げても逃げても駄目だこりゃ」
木陰にて、天邪鬼である鬼人正邪はそんなの事を愚痴る。
彼女は幻想郷を純粋な悪意で持って混乱に陥れた妖怪だ。しかも最悪な事に天邪鬼故、反省など微塵もしていない。今も、うるさい連中から逃げつつどうやって下克上をしようかを考えている。
「小槌はもう使えないしな...ん?」
目線の先には、倒れている青年が一人。周りに誰も居ないことを確認した天邪鬼は、ニヤリと笑みを浮かべて近づき...
〜SP68 IF〜
「正邪さん! 頼まれたものを持ってきました!!」
そう言って懐からおにぎりや野菜などといった食べ物を差し出す青年。名前を
「遅いぞ! 何を道草食ってた!!」
まぁ、目の前の天邪鬼は別に親切心などは無く、単に利用しようと近付いただけなのだが。それでも彼にとっては聖母のように見えたのだろう。物凄く慕っている上に、命令を聞いてくれる。鈍臭い上に、ビビりで戦えないという致命的すぎる欠点があるが、それでも青年は命の恩人の為に一生懸命パシられていた。
「はい! 最近食生活がバランスが悪いと思ったので、ちゃんとした栄養のあるものを選んでたら遅れました!!」
天邪鬼と違って、青年は正直だった。100人見れば99人はこう言う。こんなに良い子が悪人の片棒を担がされているなんて...と。あまりに正直で鈍臭いので正邪に呆れられたり、怒られたりするのはしょっちゅうだ。
「それで遅れたら元も子もないだろうが! 怪しまれたらどうする!!」
「そ、それは気付かなかったです! すいません!!」
だが、それでも青年は何の躊躇いもなく謝る。さしもの天邪鬼も、何のひねりもなく謝れたらそれ以上怒るに怒れず、結局それ以上の罵声を言えない。最近よく見る光景の一つであった。
「(ったく...面白い魔力と、凄い能力持ち合わせてるから期待してたけど、まさかこんなにもビビリで正直な奴とは...あーもうやりづらいったらありゃしない)」
そう、彼女が邪険に扱いつつも彼を手放そうとしないのはその能力を間近でみたからだ。
彼を自分の手下に加えて暫くした時、自分を追っている連中の一人に見つかり戦闘となった。何時も幻想郷で行われているお遊びの弾幕ごっこではなく、お互い生きるか死ぬか本気の弾幕戦である。そこで一瞬の隙を突かれた正邪を青年は庇った。当然殺す気で放たれた弾幕を喰らえば五体無事で済むはずなど無く、バラバラで砕け散った。しかしそこからだ。青年は何事もなかったかのように再生し、自分が受けた弾幕と同じものを相手に向けて大量に放った。
「(ま...だからこそ利用のしがいがあるんだけどな)」
敵が退散するまで放った弾幕を見て、天邪鬼は恐怖などこれぽっちも抱いていなかった。青年が泣きそうな顔をしていたが、それすら気にせず接したのだった(因みに庇った事に関して正邪は感謝していない。その代わりその日の取り分の分配は青年がほんの少し多目だった)
「何か考え事ですか?」
「...何でもない。それよりもさっさと腹ごしらえを済ませるぞ。折角大量に調達した事だしな」
不貞腐れつつも天邪鬼は青年に命令をする。野菜とお肉が少々。大方誰もいないのを見計らって畑から盗んだり、そこら辺にいる野生動物を狩って能力で捌いたのだろう。戦いが嫌いなビビリの癖に、そういうのに関しての度胸はあるらしい。
「はい! ...ところで、次も僕が戦ったりするんですか?」
「当たり前だろう。なーに、別に殺せって言ってるわけじゃない。私らの力を見せつけるだけさ、下克上の為にもね」
これは本心からの言葉である。自分が見たいのは今の幻想郷を根底からひっくり返し返した光景。当然リアクションをしてくれる人や妖怪がいなければ意味も無いので殺したりはしない。過激にやるにしても天邪鬼故の小悪党さから、今までの異変と比べれば比較的易しい(あくまで当社比である)。彼女は愉快犯であり、大量殺人者ではないのだ。
「うぅ...そうですか...」
「しっかりしな。ったく、大体なんでそんなに臆病なんだよ」
「怖いんです...」
「うん、それは随分前に聞いた」
あまりにも戦いに対してネガティブな思考の青年に我慢出来なくなったか、正邪思わず自分から質問をした。怖いんです...の後、暫く震えたのち、彼はゆっくりと語り始める。
曰く、自分は在るものが作った道具の念が形となって具現化した存在。
曰く、自分を作った主人に言って許可を貰い、色んな世界を自由に旅する生活をしていた事。
曰く、色んな人に頼まれるがまま、自分はその能力を戦いで使ったという事。
青年は震えていた。
いつしか、彼は多くの人に恐れられていた。ただ、頼まれるがままに守っただけなのに...いつしか、一人になっていた。
「もったいね」
「え?」
「だってそうだろ? 要するにお前は下克上も、反抗も、嘘も、暴言も何もしなかったんだろう?」
「それは...」
「気に入らなきゃ嘘を言えばいい。騙せばいい。反抗してもいい。それが出来る力が充分に在るのにしなかったんだ。これが勿体ないと言わず何という?」
尚も、天邪鬼は言う。
「お前にとって気に入らない奴は何だ? 散々都合良く求めてきた人間どもか? 戦いを仕掛けてきた奴らか? 怯え惑う人々か? だったらそいつらの常識をひっくり返すことでもすりゃあ良かったんだ。って、何で私がわざわざ説教たれてんだか...」
反抗、下克上、それらを自分がする。そんな発想なんて考えなかった。自分のしたい様に、自分のあるがままにする。道具として、人形として、バケモノとして、されるがままするがままでいた。
そういえば、彼女は倒れていた自分を何のためらいもなく助けてくれた(ただ体の良いパシリに使おうと思っただけ)
そういえば、彼女は能力を使ったバケモノの自分を見ても恐怖を一切抱いてなかった(こ、こいつは凄く利用できると思ってただけ)
そういえば、初めて能力で彼女を助けた時、取り分が多かった(下手に栄養失調で死んだら困ると思った為)
本当の自分を見た後だと言うのに尚、怖じけずに話しかけてくれる(天邪鬼としてのサガ)
嗚呼そうか、彼女は自分の在り方に忠実なんだ。自分を持っているんだ。だからこんなにも...こんなにも...
「...ありがとうございます! 正邪さん!!」
これは、数ある幻想郷の内の一つに迷いこんだ人形の話。
「感謝するんじゃねぇ。虫唾が走る」
天邪鬼と出会い、ちょこっとした下克上(悪事)をしながら自分の在り方を見つめる物語...
「あ、それはそれとして。戦う事は決まってるからな。撤回はしないぞ」
「えぇ!? そんなぁ...」
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「それで二人はどうなったかですか? さぁて、ねぇ。裏切りでもなく敵対でもなく、独り立ちを選んだのですから。依頼がない限り、私達が介入したりはしませんのでね。まぁ大丈夫でしょう」
悪魔は笑い出す。
「都合のいい事しかしない人間より、反対の事を正直に何のためらいもなく出来る天邪鬼の方がよっぽどましですから」
今日も彼は店を営む
ありとあらゆる商品が並ぶ悪魔の店を営む...
キャラ紹介
【村火 半】
誠実で純粋、汚れを知らない好青年。その人当たりの良い雰囲気から天邪鬼からパシリ係に任命された。極度のビビりで戦う事を非常に恐れているようだが...
【正体】
本当の名はハンムラビ。古代バビロニアの王と同じ名を冠する彼は、ジェルマ66の一人である。能力は、受けた攻撃全てを自分のものにして、相手にやり返すというもの。剣で斬られれば身体から無数の剣が生えて敵に襲いかかり、弾幕を喰らえば無限の弾幕を放ち続けるバケモノと化す。目には目を、歯には歯をという性質は、ある意味では世界で最も平等で平和な能力である。故に彼は多くの人に求められるがまま数多の世界の戦場へ赴いた...
しかし、守る為戦い続け、永い事攻撃を受け続け、全ての人に恐れられるようになった彼はいつしか戦いそのものを恐れた。自分の力は平和をもたらすものではないと、誰も本当の自分に対して喜びを抱いていないと、虚しい恐れを抱いていた。
だが、もしも彼に対して一切怖じけず対等に、それでいて何の遠慮も無く手を差し伸べる者が居たら、彼は笑顔で感謝をするだろう。
例え、それが捻くれ者の天邪鬼だったとしても。
物凄いチート能力を持った大量虐殺兵器? 大丈夫大丈夫。他の世界だったら兎も角、弾幕ごっこが流行ってる幻想郷だったら暴走する危険は少ないし、今のご主人が小悪党気質な天邪鬼だからヤベェ事にはならない。多分....
...はい、悪魔の店じゃなくて別作品っぽいものができてしまい本当すいません。