悪魔の店   作:執筆使い

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リクエストスペシャル。本日はギャグマンガ日和という作品から、皆もある程度は知っているあのキャラクターとのコラボでございます。
今回はギャグ漫画とのコラボなので何時ものシリアスは全くありません。またギャグマンガ日和とは別の、今話題を呼んで流行っているある短編シリーズの流れに沿って書いた話となっております。ぶっちゃけ悪魔の店どころかギャグマンガ日和の面影すらありません。

そういうのが大丈夫な、なんでも許せる方のみどうぞごゆっくりとお楽しみ下さい。





リクエストスペシャル『悪魔店...誰だお前!?』

 

 

 

 

 

おむすびコロコロすっとんとん。今は飛鳥時代なので米は割と貴重である。なのでピクニック途中でおにぎりを落としてしまった聖徳太子は、ものすごいスピードで追いかけていた。

 

 

「私のお昼ご飯のおにぎりが!!」

 

 

しかし渾身の叫びも虚しく、おにぎりは丁度いい感じの大きさの穴に入ってしまう。思ったより底が深く、真っ暗で何も見えない穴。童話であればそのまま入り込んで鼠の国(夢の国じゃないよ)にてご馳走を貰えるだろうが、飛鳥時代にそんなものはない。覗き込んでみるも、諦めたのか太子は立ち上がってその場を後にしようとする。

 

 

 

 

 

 

その時だった。

 

 

 

 

 

 

 

「ハァイ、太子ィ」

 

 

 

 

 

 

 

そんな声と共に、1人の男が顔をひょっこりと太子を覗き込んできたのは。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〜SP70 サンジェルマン伯爵? が太子にオススメをするようです〜

 

 

 

 

「すいませんが、ちょっと手を伸ばして此処から出してくれませんか?」

 

 

ひょっこり出て来た男...自称サンジェルマン伯爵は太子に向かってそう言う。成る程、確かに結構深い穴だから誰かが手を伸ばして引き上げないと脱出は不可能だろう。

だが見るからに怪しいので、太子は首を横に二、三回振って否定の意を示した。

 

 

「Oh...折角此処まで上がって、後もうちょいで脱出できるんですが...もし引き上げてくれたら太子の仕事を手伝いますよ?」

 

 

そう言って取り出したのはいくつかの書物。暗くてよく見えないが身分制度云々と、政治を行う上でのルールが簡潔に書かれている。

 

 

「そんなこと言って一々確認が面倒くさかったり、私ばっかり苦労してお前とか偉そうな奴(豪族)とかが甘い汁吸ってる様な制度なんだろ? 騙されんぞ〜。マジで絶対騙されんぞ〜!!」

 

 

太子は訝しんで伸ばそうとした手を引っ込める。その目は疑心に満ち溢れていた。

 

 

「いや、そんなことありません! 冠位十二階は其々の階級の色を覚えていれば確認の必要はほぼありませんし、十七条憲法はその偉そうな奴らを戒める為の法が書かれています! 何より頑張って職務に励めば階級や待遇が生まれ関係なしに上がりますよ!!」

 

 

しかし此方も出られるか出られないかの瀬戸際。自分が見せた原案について凄いアピールしている。尚、当時はまだ太子は憲法も階級制度も制定してないので、この原案が本家本元という事になる。

 

 

「へぇ、そうなの」

 

 

太子は笑みを浮かべる。自己PRが上手くいった。そう思った伯爵(自称)も釣られて笑顔になる。

 

 

 

 

 

 

 

 

「帰ってギターでも弾いてるわ」

 

 

「No!? (待てや!?)」

 

 

 

その後に続く言葉で物凄い焦りの表情を出すが。まぁ、折角オススメしたのにこの仕打ちではそんな彼らしからぬリアクションを取るのも無理はない。ギャグ時空ということも後押ししている。

このままでは不味いと思った伯爵は最後の手段にでる。

 

 

「そ、それじゃあこれはいらないのですね?」

 

 

そう言って取り出したのは包みに入っていた三角形の物体。

 

 

「私の昼ご飯(おにぎり)!!」

 

 

「ええ。私を引き上げてくれたらこれを返しますよ。ですからお願いします」

 

 

そもそも穴に落ちたおにぎりって大分汚れているのではないか? 太子は訝しんだ。

 

 

「オォウ、凄い嫌そうな表情」

 

 

そもそも穴にはまっている怪しい出で立ちをした男をどう信用しろというのか。

 

 

「うわっ、疑っていますね。そんなに信用ないですか...ですけど太子の手伝い云々は下心無しの親切心ですよ」

 

 

ニコニコと冷や汗をかきながら笑顔で喋る伯爵。腕がプルプルいってるあたりそろそろ体勢を維持するのも限界なのかもしれない。

 

 

「じゃあ私の部下になるんだな?」

 

 

「えっ、うん」

 

 

状況が状況なので大使からの割と無茶な要求に戸惑い一瞬、返答二秒で返す。そこまで聞いて太子は恐る恐る手を差し出した。最近自分に反抗的(原因は彼自身にあるので自業自得なのだが)な部下がいるので自分に従順なのが欲しいかったのだ。怪しさ満点ではあるが、まぁいざとなったらどうにでもなるだろう。そう思いながら手を差し伸ばした。

 

 

「よぉし良いですよ、もう少し...よし、掴みましたね」

 

 

伯爵の問いに、太子は頷く。

 

 

「では、1、2、3で引き上げてください。

 

 

伯爵は笑みを浮かべる。

 

 

「せーの........

 

 

 

 

 

 

 

 

 

.......1(You ) 2(float)3(too)!!!

 

 

 

 

 

 

「KYAAAAAAAAA!!!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

自称サンジェルマン伯爵は死んだ。彼はサンジェルマンウイルスに感染しただけの一般人(罪人)だったので、本物の伯爵(後の悪魔店員)直々に殺されたのだ。尚、太子にお詫びとして本物が舞空術と幽体離脱の方法を教えたらしい。ヤベェなあのチート悪魔(本物)。

というかギャグ漫画日和かと思ったらペニーワイズだったと思ったらオチの設定がとある魔術の禁書目録ってどういう事だってばよ...もうやだ。

 

 

 

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....................

 

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「ぐふぁっ!? え、ちょま...またこの類の夢? 書けってか。私にコレを書けってかァァァァァァァァァ!?」

 

 

ある一軒家にて、寝落ちした小説書きがそう叫んだとか。

 

 

 

 

 

 

ちゃんちゃん。

 

 

 

 

 

 

 

 

 











多分わからないであろう読者の皆様への解説

【サンジェルマンウイルス】
本作品オリジナル設定とか、まーた厨二くさい用語出してきたよ執筆使いとか、そういうのではなく、とある(ryに出てくるウイルス(というか丸薬)の名称。これに感染すると感染者周囲にすら(色んな意味で)影響を及ぼす程の自己暗示──自分がサンジェルマン伯爵であると誤認し、あたかも自分が伯爵本人であるかのように振る舞う。


なんだかカオスな内容になって本当すいません!!








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