悪魔の店   作:執筆使い

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リクエストスペシャル。本日は仮面ライダービルドからおやっさんこと立花藤兵衛──え? 似たポジションだけど違う? じゃあ、ゆるふわ破壊神こと石堀光彦──え? 似たポジションだけど違う?...マジか。


取り敢えず、仮面ライダービルドのキャラクターとのコラボでございます。おふざけや独自設定、ネタバレがどうしても無理な特撮ファンの方がおりましたら、余りオススメ出来ない内容となっておりますので読まない事を推奨します。また、タイトルや先程のボケからもわかる通り作者は仮面ライダービルドを余り知らないで書いておりますので、矛盾してる所も多々あると思います。予めご了承ください。






リクエストスペシャル『∃ᐱO⅂』

 

昔々、どんな願いも叶える商人がいました。

様々な世界を渡り歩いた彼は様々な幸福と呪いをもたらしました。

 

 

古の魔法使い

賢者の石

 

魔石ゲブロン

霊石アマダム

 

ヘルヘイム

赤い武神

 

破壊者のベルト

盗人のベルト

 

 

様々な願いを叶えた商人は、こう言いました。

 

 

 

 

「誰かの(願い)は所詮誰かのエゴでしかない。そんなもので大切なものを救える筈がない。誰かを守る正義の味方? 馬鹿らしい。そんなもの、名乗る事も、憧れる事も、出来てはいけないものだ...そんな事、早く気付けば良かったんですよ。早く気付けば...」

 

 

 

 

静かに、そう呟きました。

 

 

 

 

 

 

 

〜SP74 ⅂Oᐱ∃〜

 

 

手持ちにあった小銭でコーヒーを一杯、真っ黒なそれを啜る黒いスーツに身を包んだ男。()()()()()()()()()()()()()()()()()を唸らせるほどのそれを飲み干しながら男は静かに喫茶店のマスターを見据える。

 

 

「調子はどうですか?」

 

 

「ぼちぼち...と言いたい所だが、生憎この調子さ。まさか客が来るとも思わなかった」

 

 

客──という言葉にピクリと反応を示した後、笑みを浮かべる。

 

 

「そういうことじゃあありませんよ。ミスター・石動...嫌、」

 

 

 

それは微笑みと表現するには余りに悍まし過ぎて、安心など一片たりとも存在しない歪んだ笑み。

悪そのものを無理やり人の皮に留めたナニカであった。

 

 

「ミスター・エボル──」

 

 

瞬間、首筋が圧迫される。喫茶店のマスターの皮を被った者の右手が、あり得ないほどの握力で人の皮すら被っていないナニカを強く締めたからだ。

それなのにも関わらず笑みを崩さない。崩れそうにもない。まるでブラックホール、いやそれ以上のものを自分は掴んでいるような錯覚にすら陥っている。

 

 

「危ない危ない。ちょっとビビりましたよ。危うく先程飲んだコーヒーを吐き出してしまう所でした」

 

 

「チッ...これでも結構バレないと思ったんだけどねぇ。まさかコーヒーを飲んで一瞬会話しただけで見抜かれるとは」

 

 

「ただの人間が、そんな悪魔好みの実に美味しそうな魂をぶら下げている訳ないでしょう。ましてや、私の舌を唸らせるレベルのコーヒーなど、よほど馬鹿な人間でもない限り作ろうとも思いませんよ」

 

 

「自信作だったんだがなぁ...それで? 何の用だい? 言っておくが、俺はお前に契約をした覚えもなければ気に触る事もしていないんだが」

 

 

「そんな作りでも何でもない、正真正銘の狂人の笑みを浮かべる者の台詞を私が信用するとでも?」

 

 

誤魔化している。相対している者が圧倒的に格上の存在にもかかわらず、男が言うように──まるでおもちゃを壊して楽しんでいる子供の様な笑みを浮かべている。人間には決して出せない異常性を見て、男は感心していた。

 

 

「...本当の事さ。俺はこの身体を含めて、人間を愛している。愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛して...積み木の様に積み上がったそれを、バン!! と崩すのが楽しみなのさ」

 

 

お前もそうなんじゃないか? 暗に聞かれたその問いに対して、男は懐から小さい空箱を取り出す。まるで積み木遊びと対比させるかの様に、彼は答える。

 

 

「何も、ですよ。パンドラの箱は散々絶望を振り撒いた挙句、何も残りはしなかった。私は人間に対して興味を持つことすらなくなった。どんなハッピーエンドを迎えようと、どんなバッドエンドを見届けようと...私は、貴方と違ってとっくの昔に人間には飽きたんですよ」

 

 

人を一時的に蘇らせる石を与えた──忠告を破り、世界は絶望に溢れかえった

終わりなき絶望を照らす光を与えた──終わりなき戦いを獣は強いられた

 

 

殺戮と破壊の魔石を与えた──狂気と退屈がカレらを支配した

同じ霊石を与えた──結局、闇には勝てなかった

 

 

武神の力を与えた──磨耗した武神には、大切なものの区別が付かなく成り果てた

 

 

破壊者のベルトを与えた──所有者(裏切者)は全てを敵に回した

青きベルトを与えた──所有者(盗っ人)は決して満たせぬ孤独を手にした

 

 

「知ってるか? パンドラの箱は最後に希望(アイ)を残す」

 

 

「最後に残っていたものこそ真の絶望ですよ。そんな不確かなものの為に、抗い続けなければならない。諦めることすら許されない。そんなものに踊らされる者共のなんと愚かな事か」

 

 

「嫌、抗い続けている時点でお前は何も諦めちゃいないだろう? 何も愛さなくなったら、お前さんの事だ。指パッチンで全て片付ける。結局、すんでのところで俺と同じ様に楽しんでいるだよ! 人間を愛しているんだよ!!」

 

 

「...随分と自分勝手ですねぇ。まるで絵に描いたようなエゴの塊ですよ」

 

 

「それはお互い様じゃないか? だからこそ、よーくわかるものさ」

 

 

化け物は笑い出す。

 

 

「貴方とは違いますよ。だからわかるはずもない」

 

 

悪魔は笑い出す。

 

 

...............................

 

.......................

 

.............

 

 

「私が何の為に商売をしているかですか? ...パンドラの箱の中身が空っぽかどうかを確かめる為」

 

 

男は笑い出す

 

 

「とでも言うと思いましたか? ただの質の悪い退屈しのぎですよ」

 

 

今日も私は店を営む

ありとあらゆる商品が並ぶ悪魔の店を営む...

 

 

 





【本編に関係ない裏設定(全部オリジナル設定です。そういうのが許せない方は見ない方がいいです)】

武神鎧武…その正体は別の未来を歩んだ始まりの男(正確には始まりの男になれなかった者)。全てを失った彼は、悪魔の甘言と契約によりやり直しの力を得る為、永劫に渡る戦い(映画本編はその最終段階である)を行なっていた。余りに永く戦い続けた結果、始まりの女が自身にとって何なのかすら忘れてしまった。


クウガとグロンギ…アークル(ベルト)を作ったのはグロンギ族、リントの民であるが、それに埋め込むものを与えたのは悪魔である。因みに凄まじき戦士についての説明文は、大昔に忠告した商人の言葉を彼等なりに残した結果。


賢者の石及び古の魔法使い…実はサバト自体は商人にとっても計算外の事で(忠告を破るといっても精々数人を殺して魔力を得る程度だと思ってた)、結果的に大量のファントムを生み出すきっかけを作ってしまう。この件に関しては彼自身猛反省しているらしく、万が一もう一度起こってしまったらサバトの儀式を阻止する+ファントムをこの世から根絶やしにする為の戦士のベルトと力を、ある正義感の強い青年に無償で与えた。尚、その事を記された古文書は長い時を経て、色々あって笛木奏の手に渡る。


世界の破壊者…大ショッカーに依頼された。だからすんごい強いベルトを作った。以上。




この様な雑な作りになってしまい申し訳ありません! 来年はこうならない様、より一層尽力します!!

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