悪魔の店   作:執筆使い

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リクエストスペシャルがどうしても思いつかなかったので代わりに、今まで出て来たジェルマ66の幕間の小話的なものを書きました。本編には(多分)関係ないと思いますので、ちょっと興味があるな、という方は読んでみてください。
そして、そんなの書いてる暇があるんだったら、早くリクエストスペシャル投稿して終わらせろや作者! と思ってるだろう読者の皆様、散々待たせて未だに投稿できず、本当すみません。あともう少ししたらリクエストスペシャルが出来ると思いますので、待ってくださると幸いです。




【Product】

 

 

 

 

 

 

【the Dirty gunslinger】

 

 

男ってのはな、頭は冷静に、心は熱く...そんでもってこれだ! って思った女に惚れられなきゃならねぇ。

だがな、女ってのは良くも悪くも跳ねっ返りが強いからな...前二つは出来ても最後の一つは撃ち落せないもんなのさ。

 

 

だから俺はいつだって口説きの練習をしている。

 

 

おぉ、麗しきレディよ! 君の為ならば俺は神だって撃ち落としてみせよう。

 

おお、凛としたレディよ!! 君の為ならば俺は全てを投げ打ってでも君の望みを叶えよう。

 

オオ、 永遠に目覚めぬ相棒(レディ)よ!!! いつかの日か必ず、君を...惚れさせてみせよう。

 

 

 

 

 

 

ってな具合よ。

 

 

 

 

 

...そういう訳で今日も俺はもう二度と動く事のない、ボロボロの人形の前で、誓うのさ。正義の味方じゃねぇ、ただ女に惚れられるカッコいい男になる為の...口説き文句を。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【DID】

 

ああ、駄目だ。来るな。来ないでくれ。頼むから。これ以上。来ないでくれ。

 

僕は切りたいんだ。切って■■たいだけなんだ。これ以上来ないでくれ。

 

俺は斬りたいんだ。斬って□□たいだけなんだ。これ以上来ないでくれ。

 

 

 

みんな優しいんだ。絶対に裏切ったりしない。だから斬るのをやめてくれ□□。

 

全員恐ろしいんだ。最後には裏切ってしまう。だから切るのをやめてくれ■■。

 

 

ああ切りたい切りたい切りたい切りたい切りたい。

 

ああ斬りたい斬りたい斬りたい斬りたい斬りたい。

 

 

切りたい斬りたい切りたい斬りたい切りたい斬りたい切りたい斬りたい切りたい斬りたい切りたい斬りたい切りたい斬りたい切りたい斬りたい切りたい斬りたい切りたい斬りたい切りたい斬りたい切りたい斬りたい切りたい斬りたい切りたい斬りたい切りたい斬りたい切りたい

 

 

 

 

 

...キミヲキリタイダケナンダ。□■は。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【I Girasoli】

 

昔々、美しい女性が一人おりました。その美しさとは裏腹に、彼女に近付こうとする男は一人もいませんでした。

皆知ってたのです。彼女に近付けば確実に死が訪れるという事を。彼女は悲しみました。

悲しんで悲しんで悲しんで悲しんで悲しんで悲しんで悲しんで悲しんで悲しんで悲しんで悲しんで悲しんで悲しんで

 

 

 

 

 

残ったのは彼女一人だけでした。世界は、突然襲いかかった病によって滅んだのです。最初から最後まで一人ぼっちだった。

今でも誰一人近付けない場所(自分自身)にて、彼女は探してる。自分と触れ合える、素敵な男性を。

 

 

手を繋いで、一緒に微笑んで、愛を誓う、そんな日が訪れる事を信じているから...

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【Psychopath】

 

男は思う。

 

この世界は実に面白味のないものだ、と。

 

男は思う。

 

進みが遅く、誰として共感する者が居ない、と。

 

男は思う。

 

お前らだってわかってるだろう? 目を背けているだけだろう? この世界がつまらないものだって事を、と。

 

男は思う。

 

退屈だ、退屈だ、退屈だ。せめて世界が自分でも解けないパズルであれば良かったのに。

 

 

男は重い腰を上げながら変わり果てた世界を見下ろす。

 

 

こんな風に、複雑なパズルだったら良いのに。

 

 

天才は、今日も世界を狂わせたのだった。自分の頭がそうであるように...

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【Bring it on】

 

俺は強ぇ奴との喧嘩が大好きだ。力比べには丁度いい。だが、弱ぇもんを虐めるのは嫌いだ。つまらないってのもあるが、むしろ嫌な気分になる。だから弱い者イジメをする奴がいるとついぶん殴っちまう。イライラしちまう。そんなんだから俺を慕う奴も現れる。やれ正義の味方だの、悪を懲らしめる良いやつだと。

 

 

...所詮俺は喧嘩が好きなだけのロクデナシだ。だからどんな綺麗事をやってのけた所で正義の味方じゃねぇ。寧ろお前らの様な優しい奴等がそうなるべきなんだよ。そういうのはな。

 

 

俺はそう言いながら一人力を求めて喧嘩をするのさ。血に塗れたこの拳二つで...

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【Monster】

 

今宵は満月。俺は化け物として今日も人を喰らう。俺を見た人間はみんな怯えた顔を浮かべながら食べられる。散々俺を気にかけた人間すらも...

 

 

目を逸らすな、俺の顔はそんなにも醜いか?

 

 

震えるな、俺の姿はそんなにも怖いのか?

 

 

夜になるな、今日も布に隠された化け物が現れる。

 

 

最早、憎い。目に付くもの全てが信じられない。其奴らを喰らう事でしか満たされない。死ぬ事の出来ない化け物。

 

 

 

 

 

嗚呼、この衝動も、迫害する全ての人間も、

 

 

 

 

 

流れ出るこの涙も全て止まればいいのに...

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【No name】

 

自分が無い。ただ真似ることしかできない。言葉すら、おうむ返し。

人形にはそれだけしか出来なかった。それだけしか完璧にできなかった。

だからこそ、彼は主の為に誰よりも動く。例えどんな手を使っても、どんなに血で染まろうとも、心を失い続ける事になろうとも、利用されていたとしても。彼は主の為に全てを行う。

 

 

 

名前を付けてくれた。微笑んでくれた。価値をくれた。

 

 

理由はそれだけ。何も無い彼には、それだけで良い。それ以上は人形には過ぎたものだから。それだけで彼はどんな戦いにも赴ける。どんな戦いだろうと行う。どんな敵だろうと■せる。どんな相手にも成れる。

 

 

 

故に、彼は、誰よりも、どうしようもなく、これ以外に表しようがなく、これ以上の価値がなく、何も思いつかず、顔のないマネキンの如く、

 

 

 

何者でもない存在だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【Grow apart】

 

どんなものだろうと、中身は、奥底は、総じて醜い。出会いなんて、危険が増えるだけ。だから私はいつだって妹を否定する。妹を愛しているが故に。

 

出会いは、いつだって素敵なもの。誰だって、心にはきっと綺麗で誇れるものがあるはず。それなのに姉は私を否定している。誰よりも知っている筈なのに。

 

 

 

喧嘩した。きっと、憎んでいるのだろう。けれど、あの人は悍ましい心を持っていた。だから私は...

 

喧嘩した。きっと、大嫌いだったのだろう。私から奪ってまで否定する。だから私は...

 

 

 

 

それでも、私は否定し続ける。全ては妹を守る為。

 

だからこそ、私は諦めない。いつかきっと、わかってくれると信じてるから。

 

 

例え嫌われても良い。

 

例え嫌われたままでも良い。

 

 

 

私は愛しているの(だから)。この世でたった一人の...

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【Forbidden】

 

彼は、神以上に神だった。故に彼が抱く感情は全てに対する哀れみ。薄汚い神々と違い、動かない神々と違い、彼は哀れみを以って全てを楽園へと導こうとする。天を割り、地を砕き、人を消して、全てを楽園へと導こうとする。誰よりも神らしいものだった。

 

 

全能に近い存在だったが、彼は同時に幼いそれであった。彼の目の前に映ったのは不完全な世界。故に抱いた、神ですらたどり着けなかった禁断の精神。彼は今日も果実を喰らい、全てのものを楽園へと導こうとする。

 

 

例えそれが、意味のない絵空事だとしても。彼は疑わず進み続ける。

 

 

 

 

 

 

 



















本編にあんまり関係ない裏設定

悪魔の道具の造形
基本的に、現代の技術では再現できない効果を齎す悪魔の商品ではあるが、造形に関しては(悪い意味で)かなり個性的。そもそも絵が壊滅的に下手な店員が(デザインの)設計+手作業による作成を行なっているからそうなるのも仕方がない。実は悪魔の商品を渡された際のお客様の台詞が、疑問符を浮かべたり、やたら歯切れの悪いリアクションが多かったりするのはそんな個性的なデザインだから。とある死神曰く

彼の芸術センスが壊滅的なのは、元からだったわけではなく師匠に散々アバンギャルドなTシャツを迫られ続けた反動から、らしい。一種のゲシュタルト崩壊に近いんだとか。








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