悪魔の店   作:執筆使い

197 / 202
祝! UA10000突破(ちょっとみない内に+3000程増えてますが)
そして記念すべき100話目!!

大変長らくお待たせしました。お詫びといっては難ですが、どうかお楽しみ下さい(サプライズをあるかもしれません)


劇場版スペシャル
プチ劇場:助手の楽しい〇〇建築


悪魔の店の店員の助手。ザイは数百年間店員の商売の手伝いをしている。だが、殆どの人間はその姿を見た事がない。曰く、助手という存在は想像上の産物や、店が化けた姿や、唯のデマ等様々な噂が飛び交っている。

 

 

『今日は待ちに待ったアレの完成日。ポップコーンもくす玉も◯プライトも準備出来たし...兎に角楽しみです♪』

 

 

書き連ねながら進んでいく(因みにギガサイズポップコーンと巨大くす玉とギガサイズス◯ライトは胸ポケットの中に入っている)彼女の足取りはまるで蝶の様に軽やかであった。そして目的地へ着く助手。

 

 

『ひ、ひ...』

 

 

そこにあったのは完成とは程遠い姿の建築物と作業をしている一人の大工だけであった。

 

 

『酷く小ざっぱりしている!? 何で?! 完成どころか小ざっぱりし過ぎて犬小屋みたくなってる!?』

 

 

 

 

 

 

 

〜『悪魔の助手の楽しい劇場建築』〜

 

 

『ちょっと大工さん! 全然出来てませんよ!? というか全然出来ておらんがな!?』

 

 

「そりゃああんた費用ケチって俺一人しか雇ってないからな。ま、とりあえず完成まで100年は掛かるぞ」

 

 

『困りますよそれは?! てっきりもう完成してると思ってご主人様とクソパン...アンノウン様に招待状送りましたし!?』

 

 

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

ご主人様へ

例のアレが完成しました。えっへん! 褒めて下さい! 褒めて下さい!! 因みにお土産は持って来なくて大丈夫です。決して頑張ってくれたご褒美として熊のぬいぐるみが欲しいとかはありませんのでお土産は大丈夫です。

バハムート・D・ザイア

 

P.S

これを読んでいるであろうクソパン...アンノウン様へ

最近パンダを食材とした料理にハマりました。度重なる練習によって腕を上げてますので、絶品に仕上がる事間違いなしです。

 

 

首を洗って待って下さい。

 

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

 

『ご主人様にバレたら...駄目だ絶対にバレちゃ駄目だ!? 一体どうすれば...!』

 

 

しばし考える助手。やがてある事を思い付き、それを実行する為に行動する。

 

 

 

 

 

 

 

-中国-

 

「一度食べてみたかったフォーチュンクッキー♪ 私の恋愛運は何かな?」ワクワク

 

 

外に立てられているテーブルにて、フォーチュンクッキーを一つ割る少女。恋愛占いの醍醐味であり、生まれてからずっと憧れていた食べ物を初めて割ることに彼女は心から喜びを表している。それに合わせて周囲が暖かくなり、空が曇り一つない晴れと化す。

 

 

「どれどれ、運勢は...」ドキドキ

 

 

『大凶』

 

 

その二文字は彼女の心に深く突き刺さった。楽しみにしていた分、心に暗雲が立ち込めてしまい、それに合わせて彼女の周囲の天気が曇りのち雨と化してしまった。

 

 

「...うん。大丈夫、運というのはその時々ですし...何よりこんな事でヘタレちゃ駄目ですね! うん! 頑張れ(シアン)!! 」キラキラ

 

 

プルルルル、プルルルル

 

 

自分の名前を呼ぶ事で元気付ける彼女。そうしている最中、ある人物から連絡が入る。因みに念話だ。

 

 

「はい。こちら『ザイです。緊急事態なので直ちに例の場所へ来てください!! では』 ...ザイさん、凄く慌ててましたね。余程のこと何でしょうか?」むむむ

 

 

彼女は思考を巡らせつつその場を後にする。彼女がいた場所は、まるでその時の思考を表すかのように不可思議で謎めいた物体がそちらこちらに頓挫されていた。

 

 

 

 

 

 

-バチカン市国-

 

「うおっ!? びっくりした...人だったのか...」

 

 

「こんな所にマネキンなんてあったか...!? し、失礼しました。まさか人だとは思わず」

 

 

「ママー、この人形怖いよ...だって動くんだもん」

 

 

 

「...」

 

 

何処にでもあるような公園内の広場にて一人の男が佇んでいた。白いコートに黒い帽子、そして黒いシャツ。彼の佇まいとあまりの動かなさから多くの人が人形と間違えて、怖がられてしまう。

 

 

「...」ズーン

 

 

見た目とは裏腹に(ネモ)は結構落ち込んでいる。表情を全く表に出さないけどかなり凹んでいる。

 

 

プルルルル プルルルル

 

 

「...『ザイです。緊急事態なので直ちに例の場所へ来てください!! では』...ザイ、です。緊急、事態なので、直ちに、例の場所へ来て、ください。では...」

 

 

彼は言われたことをおうむ返ししながらゆっくりと歩を進めるのであった。

 

 

 

 

 

 

-フランス-

 

「おいおいあんちゃんそりゃあねぇんじゃねぇの?」

 

 

「だ、駄目です...この二つは僕の大切な...」

 

 

「たかがちょっとでかい包丁ぐらい譲ったって良いんじゃねぇか。なぁ?」

 

 

何処にでもある様で今やすっかり減ってしまった暗黒街の路地裏にて、一人の少年がガラの悪い大人数名に取り囲まれていた。彼らのお目当は背中に担いだ二本の巨大包丁である。

 

 

「これは大事なものなんです! 命よりも大切な掛け替えのないものなんです!!」

 

 

「そうか...だったら死にな!!」

 

 

「くたばれ!!」

 

 

大の大人数人がかりに殴られ、蹴られ、切り傷を負ってしまう。それでも少年は頑なに包丁を手放さない。やがて業を煮やした一人が懐から拳銃を一丁取り出す。

 

 

「テメェが悪いんだからな。俺たちに逆らうってんだからよぉ〜」

 

 

「...っ、駄目だ」

 

 

「何だぁ? 今更命乞いかぁ?」

 

 

突如、少年に異変が起こる。

 

 

「出てこないで...ぐっ?! 嫌だ、僕は...僕は!!」

 

 

髪の毛が逆立ちし始め色も黒から白へと変わっていく。獰猛な笑みを浮かべ始め、尋常じゃない雰囲気を放っていた。

 

 

「っ、だからどうした!!」

 

 

引き金を引く一人。

 

 

 

 

 

だが、その前に銃口が真っ二つに割れ拳銃の役割を果たすことが出来なかった。

 

 

「...誰だ? この俺を起こしたのは...」

 

 

「な、何が起こって...ひぃっ!?」

 

 

少年は背中の包丁に手を伸ばす。

 

 

「俺をイライラさせたのは何処のどいつだ? なぁ?」

 

 

数も体格も勝っている、それにたかが銃口が斬られただけだ。確かに強いが全員で掛かれば勝てる筈...だと言うのに彼らは一歩も動けないでいた。

 

 

「な、何を惚けてやがる!! 相手は餓鬼一人なんだ!!」

 

 

その言葉にハッとなった大人達。そしてすぐさま先程の如く襲いかかる。

 

 

「どうやら寝過ぎた様だ...俺に襲いかかる馬鹿がいるとは。ちったぁ歯応えがあるんだろうなぁ、おい...」

 

 

鋭く尖った牙を見せ付ける様な笑みを浮かべながら、白髪の少年は白い包丁を抜こうとする。

 

 

「くたばれ『ザイです。緊急事態なので直ちに例の場所に集まってください』...んだと。折角いいところだってのに...ちっ、まぁいい。だったら向こうで憂さ晴らしをしてやる」

 

 

そう言ってその場から消える少年。

 

 

彼の名は二つ存在する。一人で二人の兄弟...兄はエヌといい、弟はソルと呼ばれている。それぞれ憎しみと寂しさの象徴である彼は二つの包丁を背に助手の場所へと向かうのだった。

 

 

..............................

 

..................

 

...........

 

 

「殺す!! くだらねぇ事で俺のストレス解消を奪いやがって...殺してやる!!」

 

 

「エヌさん落ち着いて!? 確かにザイさんが私達を呼んだ理由もあれですけど「黙ってろチビ女! 男女の前にテメェを斬るぞ!!」 きゃん?!」ぺたん

 

 

建築(予定)地に集まる先程の4(3)名、理由を聞いたエヌが白包丁を抜いて暴れようとし出すところを、辛うじてネモが羽交い締めで止める。だが、人形の力を持ってしても彼を完全に止める事が出来ず、すかさずシアンがその上から見えない力で動きを抑える。それでも気を抜けば拘束を解いてしまう程だった。

 

 

『シアン、ネモ、下がってください。ボクが何とかしますので』

 

 

助手は一歩前へと進む。先程の慌てぶりが嘘の様な彼の佇まい。

 

 

「わざわざ手間が、省けた...ぜっ!!!」

 

 

すぐさま白包丁が振り下ろされるが彼女は直ぐに太刀筋を見切り根元を掴んで止めた。半人前といえど店員の助手なのだ。数百年の内に教わった店員としての技術に加え血筋も相まって、本気を出せば勝てる生物(あくまで生物)は存在しない程である。

 

 

『コレで何回目ですか...エヌ』

 

 

「さぁな、今更数え切れるかよ」

 

 

『...今回はボクにも非があるので何もしません。だから眠ってくれませんか?』

 

 

「...次は無ぇと思いな」

 

 

白包丁を渋々背中に帯刀するエヌ。白く逆立った髪は黒く大人しい髪型へと戻り、牙を生やした様な獰猛な口角が下がることにより殺気が収まり始める。それは、兄から弟へと戻ったと言うことでもあった。

 

 

「...はっ!? 大丈夫ですか皆さん?! 兄さんが何かしませんでしたか!?」

 

 

すぐさま元の姿に戻った彼を見届けた後、三人はもう一度説明をして各々作業に取り掛かるのだった。

 

 

 

 

 

−一方その頃−

 

「うーん...どうやらボクは君の助手に相当嫌われている様だけどジャッ君心当たりあr「自分の胸に聞いてみてください。白々しい」...どうだったかね〜」

 

 

「...しかしながら、まさか劇場版の先行上映会とは...彼も随分と突発的で粋な事をしますねぇ」

 

 

ー実は元いた世界で店員さんを元に書いてた小説が売れに売れまして、外伝スピンオフが出たり、映画化されたりしました! お礼として映画のフィルムとスピンオフである【悪魔の店の前の話】をプレゼントします!!

 

 

「彼ってのは例の小説家の事?」

 

 

「ええ...時折性格が変わる小説家ですねぇ」

 

 

「因みに映画はどんな内容なんだい?」

 

 

「私とあなた様の体験を元にした物語だとか...っと。そろそろですねぇ」

 

 

....................................

 

.........................

 

..............

 

 

『な...何とか間に合った』

 

 

助手がへたり込む

 

 

「きゅうぅ...」がっくり

 

 

少女の周りをどんよりとした雲が覆う

 

 

「つ...つかr「疲れて、一歩も動けないです」ネモさん僕のセリフを取らないで?!」

 

 

黒髪の少年のセリフを奪い取るかの様におうむ返しをする大男

 

 

まず最初にシアンが動く。彼女の能力は想いを表に出すもの。劇場(だったもの)に近づき能力を発動し、大まかなものとして作り変えた。

 

とはいえ、この能力は調整が効かないのでそこから更に余分なものをソルの黒包丁(白とは別)で切り落とす。弟の持つ黒い包丁には斬りたくないものはどんなものだろうと斬らないという性質がある。兄の、斬りたいものは全て斬る白包丁とは似ているようで真逆の性質。まるで兄弟の様に二つの包丁は存在するのだった。

 

その後、プロの大工職人となったネモが細部まで細かくチェックをした。彼は一度見た人物(店員を除く)の姿、性格、声、そして記憶までを再現することが出来るのだ。一時的に匠となった彼は、何という事でしょうと言ってしまう程の仕事ぶりをみせた。

 

 

「やっと着きました...おやおや、ザイだけではなくあなた方も来るとは...ところでどうしてそんなにぐったりしてるのですか?」

 

 

『それは...聞かないでくれると助かります』

 

 

「あり? ジャッ君の助手って4...いや、5人も居たっけ? 僕が聞いた話だとデザ『ご主人様以外がその名前を言わないでください。というか口を開かないでくださいアンノウン様』そこまで言われると流石の僕も傷つくな〜」

 

 

「「「...?」」」

 

 

喋るパンダの着ぐるみを身に纏っているナニカに対して、同時に三人は首を傾げていた。

 

 

「彼らはジェルマ66 と言いまして...まぁ要するに私の部下です」

 

 

「あのジャッ君に部下ねぇ...あのジャッ君に...」

 

 

「何故そこで2度も言うのですか...えーと、こちらは「ジャッ君の大親友にして、世界一の喋る正体不明のパンダことアンノウンだよ」...ただの腐れ縁ですのでお気になさらず」

 

 

店員は苦虫を噛み潰した表情を取り、頭を抑えながら三人にそう言った。

 

 

『...あ! ご主人様、そろそろ上映時間です』

 

 

「おっと、これはうっかりしていました。折角の上映日だというのに長話だけで終わらせる訳にはいきませんからねぇ」

 

 

そう言って店員は入り口に向けてパチン、と指を鳴らしてドアを開かせる。そして弟子が入り口の前に立ち、咳払いをして一言(念話で)言うのであった。

 

 

『...こほん。ボクのミスのせいで大変長らくお待たせしました。これより劇場版悪魔の店(の前の話)を開始しようと思います。それでは...開演!!!』

 

 

そう言うわけで次回から大長編の始まりです。本編、リクエスト、コラボと同時進行でやりますので更新速度はかなり遅くなりますが、どうかご容赦の程を。

 

 

 

 

 

 

 

 

 






読者の皆様のアンケートを基にして書いた(作者の下手糞な絵)オリキャラ紹介

【ジェルマ66(悪魔の店)】
店員が作った一部の道具が長年(だいたい50〜100年ぐらい)商品として扱われたことにより魂(の様なもの)を持ち人間の姿となった者達。要するに九十九神の様な存在である。
名前の由来は 日本に来る前に店員が名乗っていた偽名+悪魔の数字である。決してひとつなぎの秘宝に出て来るヴィンでスモークな一家は関係ない。因みに今回出てきた3(4)人以外にも存在する模様。



シアン


【挿絵表示】


18話の恋の話で出てきた薬に魂が宿って誕生した少女。自分の考えている事や抱いている感情を表に出す能力の持ち主で、例えば彼女が悲しんだ場合は雨が降り、喜んでいる場合は青い空が広がり空気が暖かくなる。この能力の応用で所謂サイコキネシスみたいに見えない力で相手に干渉する事が可能。最近の悩みは自分の完全にコントロールできないこの力で周囲に迷惑を掛けてしまうこと。
デザインモチーフは東方で、名前の由来は漢字の想の中国語読み(間違っていたらすいません)



ネモ


【挿絵表示】


39話の身代わりの話で出てきたマネキン人形に魂が宿って誕生した男。常に寡黙で(言われた事をおうむ返しすることしか出来ない)微動だにしないその佇まいから、初対面の人には大抵人形と間違えられる(実際合ってるのでこの表現は正しくないが)。一度見た人物の姿、声、性格、記憶を真似る事ができる能力を持ち、更に記憶に関しては元に戻っても多少受け継いでいる為、見た目に反して割と技巧派である。
デザインモチーフは白スーツを着させたターミネーターで、名前の由来はラテン語のnemo(何者でもない)



ソル/エヌ


【挿絵表示】


19話(21話)に出て来るナイフに魂が宿って誕生した少年。多重人格者であり兄(エヌ)と弟(ソル)がそれぞれいる。背中には黒と白の包丁を背負っていて、兄が使う白包丁は自分が斬りたいものを斬り、弟が使う黒い包丁は斬りたくないものを斬らない性質を持っている。普段は弟が表に出ており、様々な地にて医者として人々を救う為に奔走しているが時折表れる兄の人格がそれらを台無しにする事もしばしばあるらしい。
デザインモチーフはSOUL EATERという漫画のキャラクター(だったと思う)、名前の由来はそれぞれフランス語でhaine(憎しみ)とseul(孤独)


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