悪魔の店   作:執筆使い

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ネタバレ&小説形式が違いますので今作品をかなり読み進めてから呼んで下さい(具体的に言うと50話程読み進めてから)
仮に忠告を無視してこの話だけ読んで批判感想や低評価を入れた場合、私はその読者に対して何かしらの対応を致します。


0話

 

 

 

昔々

あるところに

天使と悪魔がおりました

 

 

天使は誰よりも勇敢で

悪魔は誰よりも優しく

そんな2人は恋に落ちました

 

 

 

 

...禁断の恋に

 

 

 

〜ep0 神殺しの悪魔〜

 

 

しばらくして、2人の間に子供が生まれました

父の様に白く

母の様に黒い翼が生まれつき生えていた子供でした

そして、母である悪魔は子供を生んですぐに亡くなりました

子供に愛の証を遺して...

 

 

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『...父さん。母さんは僕を憎んでるのかな...』

 

 

『どうしたんだ?藪から棒に』

 

 

『だって、僕なんかを生んだから母さんは死んで...』

 

 

『それは違うぞマ◾️◾️◾️。お前のお母さんはお前を愛していた。お前の名はあいつの愛の証だ。』

 

 

2人は下界で暮らし赤ん坊は少年へと成長しました

もし魔界や天界にて暮らすとなれば自分の子供は虐められるだろう

そう思った父なりの配慮でした

 

 

『でも...』

 

 

『自分に自信を持て。お前は自分が醜いと思ってるが、そうは思わない。誰よりも優しい心を持ってるんだ。』

 

 

『うん...』

 

 

2人はひっそりと平和に暮らしていました

しかし...

 

 

 

そんな2人にある日神がやって来たのです

父が犯した罪を罰しに来たのです

神は言いました

悪魔などと言う卑しい存在に恋をしたにも飽き足らず子供まで生んでしまった

そんな半分出来損ないが混ざっている子供とその親がいるだけで天界の汚点だ

だから

 

 

『貴様とその子供を処刑する』

 

 

父は息子だけは助けて欲しいと懇願しました

必死に懇願しました

 

 

『...良いだろう。貴様には昔のよしみがあるからな。こいつは我の名目上の部下として天界に連れて行く。』

 

 

『良かった...ありがとうございます!』

 

 

『そんな...嫌だよ父さん...1人にしないで...』

 

 

息子は泣きました

自分が何よりも愛している者が消えてしまう

幼いながらも察してしまい大きく泣きました

 

 

『ごめんな...』

 

 

父も涙を流していました

自分のせいで息子に迷惑をかけてしまったこと

息子を悲しませてしまったことに対して大粒の涙を流しました

 

 

『マ◾️◾️◾️。忘れるな。俺とお前の母さんはいつでもお前を見守っている。だから悲しまなくて良い。』

 

 

けれども表情は精一杯の笑顔

息子を悲しませない様に笑顔を見せたのです

 

 

『...うん!』

 

 

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天界での生活はまさに地獄

そもそも天使と神は自分が上だと思い他の種族を排他的に扱う連中なのです

半分悪魔の血が流れている少年に対する目は当然白く扱いも酷かったのでした

 

 

幼いながらに彼は自分が何故こんな扱いなのかを理解していました

だからそこにいる誰よりも努力をしたのです

遊びなどもせず図書館(但し閉館後にこっそり)ただひたすらに知識を取り入れ

誰も見ていない所で体術、魔術の練習をしていました

 

 

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やがて少年は大人へと成長しました

彼を虐げる者は表向きでは居なくなり

彼は神直属の天使となっていました

神直属と聞こえは良いですが実際は下界や魔界に降りて雑用をこなす毎日です

 

 

『人間...か...』

 

 

ですが退屈という訳でも無く、彼は人間という生き物に興味を持っていました

この頃は人間は神の手で生み出されて数百年経った頃

まだまだ彼らは未熟で無力ですが何でも試そうと努力しているその姿に惹かれていたのです

 

 

そして同時に神々に不信感を持っていました

自分達を上に見ている上に何の努力もしない

自分に都合のいい人間にしか手助けしない

そんな神々に愛想を尽かした彼は自ら天使を辞め悪魔として下界に堕りて行ったのでした

 

 

この時はあくまで愛想を尽かしただけ

神に対して憎しみなどは一切抱いてません

『あの事件』が起きるまでは...

 

 

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あの事件がどういう内容なのか

今となっては彼本人しか知りえません

ただこの事件以降彼は神、ひいては人間に対して途轍もない憎しみを抱く様になったのです

 

 

『正気か貴様!?仮に私を殺した所ですぐさま全世界の神々が貴様を殺しにやって来るんだぞ?!』

 

 

『...望む所だ。全員返り討ちにしてやる。』

 

 

グチャ

 

 

彼は自分の上司であった神を殺し、全世界の神々に対して宣戦布告をしました

一人の悪魔として...

 

 

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たった一人で迎え撃つ神々を言葉の通り返り討ちにして行く悪魔

やがて彼はこう呼ばれるのでした

 

 

『神殺しの悪魔』

 

 

 


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