悪魔の店   作:執筆使い

201 / 202
大変長らくお待たせしました。そして展開が無理矢理で大分端折っております。本当すみません。






劇場版;後編2

 

 

 

 

−神会−

 

 

「カーム・ジェイク・ノイマッド、及びミロクを捕まえろ!!」

 

 

「神の力を行使しても良い!!」

 

 

「特にノイマッドは...神殺しの悪魔は最悪殺しても構わん!!」

 

 

 

..................................

 

....................

 

.........

 

 

「馬鹿...な...神である筈のこの私が...」

 

 

「もう終わりか? 神さんよ...」

 

 

立っているのは黒いスーツを着た男。倒れ伏しているのは神...と自分で言うもの。

 

 

「...さて、一つ忠告してやろう。二度とアイツと、俺らに手を出そうとするんじゃねぇ」

 

 

そう言いながら男...ノイマッドは背を向けて歩き出す。

 

 

 

 

 

 

 

 

Side God

 

何故...人は同じ過ちを繰り返す? 何故...人は傲慢で醜い? 我々神と違って奴らは不完全だ? なのに何故奴らは肩入れする?

 

 

「これに懲りたら二度とこんな事すんじゃねぇ」

 

 

なのに何故私は...私は神だ。何故同じ種族でもない不完全なものに敗れてしまっている?

 

 

「...れ」

 

 

許さない。私の邪魔をする者が。

 

 

「黙れ...」

 

 

許さない。私を地に伏せる愚か者が。

 

 

「黙れ黙れ黙れ...黙れぇぇぇぇぇぇぇ!!」

 

 

許さない!!!

 

 

 

 

 

 

直後、吹き飛ばされたのはノイマッドの方であった。神の力を用いた攻撃により壁に激突する魔術師。

 

だが、神と呼ばれたそれは尚も攻撃の手を緩めずに追撃をする。その様は最早神とは言いがたいそれであった。

 

 

「これが...これが圧倒的な力だ!! これが神だ!!」

 

 

笑みを浮かべながら更に口走る男。その醜悪な笑みは見るもの全てを不快にさせる。

 

 

「私はこの力で世界の全てを支配してやる...力のない者は全て...私に支配されるのだ!! 神であるこの私にな!!」

 

 

 

 

 

 

 

Side ノイマッド

 

 

『見損なったぞ。我々の情けで手に入れた地位を捨てて、あまつさえここへたった1人で攻め込んで来るとは』

 

 

黙れ...

 

 

『薄汚い悪魔が...やはり、貴様は天界の汚点だったようだ』

 

 

黙れ...

 

 

『貴様如きが、神に勝てるわけなかろう』

 

 

黙れ...薄汚ぇ、ドブ以下の、力や地位しか目を向けないクソ野郎が!

 

 

「力で全ての世界を支配してやる!!」

 

 

黙れ...何もわかってねぇ馬鹿が語るんじゃねぇよ!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ほう...あれだけのを食らってまだ立ち上がれるか」

 

 

静かに起き上がり、目の前を睨みつける魔術師。一歩、二歩と進みながら口を開き始める。

 

 

「神が...圧倒的な力が...世界を全て支配出来るだと? だったら」

 

 

魔術師は手袋を外し、眼帯に手を掛けた。

 

 

「支配してみろよ!! この俺を!!」

 

 

男は魔力を解放する。

 

 

「な、何だ?! これは一体?!」

 

 

「我...この姿偽りなり...

我...この名偽りなり...」

 

 

男は呪文を唱える。

 

 

「何故だ...身体が思う様に...まさか?! 恐怖を抱いているというのか!? 私が!?」

 

 

「我が右手...我が左目...そして、我が翼...今こそ現世に現れよ」

 

 

男は空中に文字を...自分の名前を書き始めた。

 

 

【Calm Jake Noimad】

 

 

「今こそ名乗ろう...我が名を...

今こそ見せよう...我が姿を...」

 

 

その文字を並べ換える男。そして神は漸く気付いた様だ。目の前の男の正体を。

 

 

「ま、まさか...まさかまさかまさかまさかまさかまさか?! 貴様は!?」

 

 

【I am Demon Jackal】

 

 

 

 

「神殺しの悪魔!?」

 

 

 

男は正体を現す

 

 

 

「何故貴様が...貴様の様な悪魔がこんな所に...」

 

 

 

男は答える

 

 

 

「人が...俺を頼ったからだ! 人が...強く、一生懸命に願ったからだ!!」

 

 

「やめろ!? 私は...この世界をいずれ支配する神だぞ!!」

 

 

 

悪魔は右手を振りかざす

 

 

 

 

「何が神だ...何が支配だ...それがテメェの願いだっていうんなら!!」

 

 

 

悪魔は瞬時に懐へ潜り込む。

 

 

 

 

 

 

「俺が全部否定して...ぶち壊してやる!!」

 

 

 

 

 

 

 

悪魔は

 

 

 

 

怒っていた。

 

 

..................................

 

....................

 

...........

 

 

「何故止めた...」

 

 

「これ以上やれば、この世界そのものが消える可能性があったからね~。君はいつだってそうだ。真面目でいながら一度火が付くと止まらない。悪魔なのに感情的だ」

 

 

ボロボロになりながらも、正体を現した着ぐるみ男...ミロクが彼の右手を抑える。

 

 

「...テメェはいつだってそうだ。ふざけた態度でいながら、肝心な時には俺を止める。誰よりも孤独なはずなのに誰よりも人生を楽しんでいる...それが気に食わねぇ」

 

 

悪魔は目の前の獣に吐き捨てた。自分とは同じ様で決して同じではないものに対するドス黒いそれを吐き出した。

 

 

「多分、今のでこの世界に居る神達は気付いちゃっただろうね...ジャッ君はどうする? 恐らく長居は出来ない様だし。早目に決めよう」

 

 

「...」

 

 

暫しの沈黙。少しばかり思慮にふけ、そしてノイマッドは魔法で作り出した手袋と眼帯を付けて仮初の姿に戻る。

 

 

「俺は...」

 

 

そして、魔術師は口を開いた。

 

 

 

To be continued...

 

 

 

 

 


▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。