悪魔の店   作:執筆使い

25 / 202
23話

ザシュ

 

 

「はぁ...はぁ...」

 

 

何で...

 

 

キキーッ ドォン!!

 

 

「何で...」

 

 

ヒュゥゥゥゥゥ...グチャ

 

 

「何で俺...」

 

 

()()()()()()

 

 

 

 

 

 

カランと鳴るはドアの音

コロンと鳴るはベルの音

 

 

 

 

悪魔の店には何でもあります

お客様の願いや要望を必ず叶えて差し上げます

 

 

 

さてさて、今日のお客様は?

 

 

 

 

 

 

 

 

~ep23 死~

 

 

「本日はどういったご用件でしょうか?お客様。」

 

 

「死にたいんだ。」

 

 

「成る程。そういうことでしたら、いいものがありますよ。少々お待ちを。」

 

 

 

.............................

 

...............

 

........

 

 

「こちらでございます。」

 

 

「トランペット?」

 

 

「これから私がレクイエムをこれで演奏します。貴方はこの椅子に掛けていたただいて、演奏を聴いてくれれば貴方は眠るように死の世界へと旅立てるでしょう。」

 

 

「わかりました。ところで死に逝く私が言うのも難ですが、幾ら出せば...」

 

 

「お客様、お代は結構ですよ。」

 

 

「そうですか...ところで一体何を演奏するのでしょうか?」

 

 

「黄金の体験という曲でございます。」

 

 

 

 

 

 

Side C

 

 

「一体どうなってるんだ...」

 

 

あの店員の曲を聴いた途端に睡魔に襲われて...俺は何度も死に続けている

 

 

ある時は

 

 

キキーッ ドン

 

 

交通事故

 

 

またある時は

 

 

ヒュゥゥゥゥ...グチャ

 

 

崖からの転落死

 

 

ある時は

 

 

ザシュ

 

 

通り魔に刺される

 

 

「何だよ...一体何なんだよ!?」

 

 

俺は...死を望んだ筈。それなのに

 

 

「嫌だ...もう...」

 

 

死にたくない

 

 

「嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ」

 

 

死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない...

 

 

「死にたくないよぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ...」

 

 

 

 

ヨウコソ、死の世界へ

 

 

.........................

 

.............

 

.......

 

 

「今回の魂は死ですか...何がそんなにも不満だったのでしょうかねぇ、お客様は。」

 

 

悪魔は約束を決して破らない

 

 

「私はお客様の『死にたい』という要望に応えて、永遠に死に続けるという体験をさせただけですのに。お蔭で態々私が手を加える前に魂が手に入ってしまったのですから...」

 

 

悪魔は笑い出す

 

 

「本当に自殺願望者は苦手ですねぇ...死にたいと言っておきながら死を前にして生きたいと言う...自分勝手な存在ですから。」

 

 

今日も彼は店を営む

ありとあらゆる商品が並ぶ悪魔の店を営む...

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




今回のお客様...とある漫画のキャラクターと同じような体験をしてますねぇ。特に私めが演奏した曲名を英語にしたらほら...

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